2023/02/18 - 2023/02/18
92位(同エリア114件中)
ちゃんさん
東日本大震災後の6月に郡山へ支援に入った縁もあり、被災地のその後が気になっていました。結婚前には毎年冬に東北を訪れていたけど、子どもが生まれてからは距離以上に遠くなるばかり。
しかし子どもの治療も少し落ち着き、3ヶ月に1度くらいなら、48時間の一人旅に出られるようになりました。そこでまずは第1弾として、常磐線と仙石線沿線をめぐることに。富岡、相馬、新地、山下の4駅に降り立ちました。
https://www.youtube.com/watch?v=SGdhlJt0AuI
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- JRローカル
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上り普通電車で富岡駅へ。駅の海側はバス会社の社有地となっていますが、今は特に活用はされていないようです。
富岡駅自体は海の近さゆえ、津波の直接的な被害を受けてます。ホームを残し、駅は完全につくりかえられました。富岡駅 駅
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真新しい駅舎で特急停車駅にも関わらず、浪江、双葉と同様、終日無人駅。みどりの券売機やsuica用簡易改札に加え…
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充実したインフォメーション装置で、最低限のサービスは確保されています。
しかしこの地域の相互間の利用だと、改札ではノーチェック。取りこぼしがないか心配です。乗客が戻り、やはり駅員を置かねばという方向になるのが理想ではあります。 -
駅としては無人ではあるものの、観光案内所が入っており、人の気配がないというわけではありません。
500円の電動レンタルサイクルを借りて、町内を一回りしてみました。500円でレンタルサイクルを借りられます by ちゃんさん富岡町観光案内所 名所・史跡
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震災前は人口1万5千人を有し、しかも増加傾向にあった富岡町。駅前も多くの建物が密集した街だったそうですが、今は更地が目立ちます。
ただ新しいホテルや集合住宅も多く、密度は低いながらも、人の気配が感じられる街になっていました。 -
国道6号の近くまでペダルを漕ぐと、復興公営住宅の団地・曲田住宅の区画に出てきました。
車道だけでなく、家々の間には歩道のネットワークもある、計画された住宅街です。 -
隣接する「さくらモールとみおか」も、民間の商業施設にしか見えませんが、帰還に向け町が整備した公共施設です。車でやって来た買い物客で、にぎわっていました。
さくらモールとみおか ショッピングモール
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子育て支援施設も隣接しており、狭い範囲でまとまった暮らしやすい街。あとは職場が近隣にあれば、完璧です。
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メルヘンチックなお城風の建物は、東電の廃炉資料館。元は原発の広報センターだったようで、広報の目的は大きく変わりました。
世界的にも珍しい資料館で、ぜひ見学したかったのですが、コロナ禍のため人数を絞った定時のガイドツアーとしているようです。時間が合わず、断念。東京電力廃炉資料館 美術館・博物館
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電動自転車のパワーを借りて、小高い山の上にある富岡町の公共施設エリアへ。役場も、階段の上にありました。
郡山市のコンベンション施設「ビッグパレット」へ仮移転していた役場には12年前にお邪魔しましたが、本来の役場に、ようやくたどり着きました。 -
隣接する とみおかアーカイブミュージアムへ。町の震災伝承施設です。
「震災伝承館」だけではない、富岡の歴史を伝えるミュージアムです by ちゃんさんとみおかアーカイブミュージアム 美術館・博物館
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町の成り立ちや歴史に関する展示も多いのですが、メインテーマは震災と原子力災害からの復興。
津波で破壊されたパトカーは、殉職した警察官の遺族の同意のもと、展示されているそうです。 -
様々な時刻で停止した時計。それは地震発生時刻だったり、津波の到達時刻だったりします。
被災した富岡駅の様子も再現。どうしても原子力災害として語られる富岡町が、地震と津波の被災地でもあったことが胸に刻まれました。 -
災害対策本部の再現。
町民の生命と財産を守るべく奮闘しながらも、この地を離れねばならなかった無念さも伝わります。 -
「富岡は負けん!」
手入れと補修を繰り返しながら、ある住民の方が歩道橋にずっと掲げられていたんだそうです。 -
屋外には、津波で被災した線路が展示されていました。巨大津波のパワーでアメのように曲がっていたそうですが、保存のため切断するや、ゆっくりと元に戻ったとか。
津波の威力と、鉄の しなやかさ双方を実感します。 -
隣では、今後数十年を要するという廃炉の取り組みが、国際協力も得ながら進んでいました。
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麓に駆け下り、町の観光ガイドマップに載っていた、大原本店旧店舗を訪ねました。昭和10年築の、モダンな商店建築です。
地震の被害からも立ち直り、シルバー人材センターなどに活用さているとか。 -
そしてこのあたりが、富岡町の中心部だったエリアになります。カラー舗装の歩道はその名残り。
元の街並みを想像するのは難しいし、この先の未来にどんな街並みができていくのか想像するのは、もっと難しいです。 -
福島銀行は さくらモールに移転したとのことですが、旧店舗もそのまま。いつか中心部が再興した際には、復活するのでしょうか…。
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1時間の富岡町サイクリングを終え、あたらめて特急「ひたち」で北上します。あらかじめ、チケットレス特急券を入手しておきました。
Suicaは首都圏エリアと仙台エリアをまたがるため、利用不可。普通乗車券は紙のきっぷが必要になるので、完全にチケットレスというわけにはいきません。特急 ひたち 乗り物
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乗車率は朝の「ひたち」よりぐっと減って、2割弱。首都圏と同じ10両編成で走っている割には、まずまず乗っているとも言えそうです。
駅周辺の帰還可能な街と、その間の帰還困難区域に残された家々を脳裏に焼き付けながら、相馬まで乗車しました。 -
原発避難区域となった原ノ町以南、津波被害が甚大だった相馬以北。その間の被害は比較的軽微だったことから、2011年12月に先行復旧して、独立した路線としてピストン運行されていました。
本数の少ない2両の電車は空いていて、赤字は必至。それでも、いち早く運行再開させたJR東日本のことは、すごく評価しています。相馬駅 駅
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久しぶりに、駅員の姿を見た気が…。
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相馬駅は立派な蔵造り風の駅舎。
ちなみに相馬市の公共建築は「和風デザインコード」を制定し、統一感ある和風デザインになっています。見て回るのも面白いですよ。 -
静かな駅前にそびえる、立派なオフィスビル。
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市の外郭団体のビルらしく、図書館が入っていました。本数の少ない地方で駅前の図書館は、学生にとってありがたい存在です。
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街中には、除雪された雪がまだ残っていました。
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相馬からは下り普通電車で北上します。2016年に内陸へ移設して復旧した、事実上の新線区間です。
新地駅のすぐ手前で旧線が分かれたはずですが、その跡はまったく分かりませんでした。駒ケ嶺駅 駅
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新地駅で下車。無人駅で、すべてが作り直された新しい駅です。
新地駅 駅
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駅周辺は、新たな市街地「観海タウン」として整備されていました。
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立派な駅前広場と公共ホール。
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そして観海プラザと名付けられた商店街で、賑わい創出を目指しています。
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土曜日の夕方とあって、行き交う人は少なかったです。今風なカフェがあって、昼間はお客さんで賑わっているのかな。そうであってほしい。
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立派なホテルに、温浴施設まで進出。
ホテルグラード新地 宿・ホテル
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そして駅南側には、住宅街ができあがっていました。
残念ながら、今のところ空き地も目立っています。 -
新地町は、もっと山側の役場近くまで津波が遡上しました。
旧新地駅も、停車中の列車が津波の直撃を受け大破したと聞いており、ほど近い場所に住宅を作って大丈夫なの? と思ったら、かなりの かさ上げを行っていました。 -
夕方は新地駅折り返しの列車があり、2番ホームにやって来た折り返し電車に乗り込みました。
仙台都市圏のラッシュ輸送対応で、堂々たる6両編成。701系とE721系の異形式併結です。JR常磐線 乗り物
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90年代、東北地方の客車普通列車を駆逐した701系電車は、当時議論を呼んだロングシート。ぼちぼち、くたびれてきた感じかな?
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東北の新たな顔・E721系は、頭の部分が硬いクロスシート。もう少し柔らかい座り心地ならと思うけど、進行方向に座れるだけ ありがたいです。
常磐線はぐっと内陸に曲がり、真新しい高架区間となります。復旧と考えると5年という歳月は長いですが、用地買収・設計から始まった新線建設と考えたら、驚異的な早さです。 -
多くの方の苦労と、地主さんの理解あっての復旧だったんだろうなと、暗い車窓を見ながら しのびました。
1面2線の高架駅、山下駅で下車しました。山下駅 駅
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特急は通過するものの、山元町の中心駅ということで、駅員さんが常駐する有人駅です。みどりの窓口も設置されています。
ちなみに町名と駅名が異なるのは、山下村と坂元村の合併で山元町となったことに由来します。 -
山下駅周辺も、区画整理で新たな市街地ができあがっていました。その名も「つばめの杜」と称します。
福岡人としては親しみを感じる名前。つばめは山元町の町鳥で、避難した人にも つばめのように帰って来てほしいとの願いを込めているんだとか。 -
駅西には、広い駐車場を備えた大型スーパーが進出していました。駅前の土地利用としては非効率という見方もあろうけど、広い商圏を持つ持続可能な小売店とするには、駐車場は必須です。
周辺からの買い物客を集め、賑わっていました。 -
車道とは完全に区切られた自転車レーンが整備されていて、自転車の対面通行も可能。無電柱化も行われた、夜目にも すっきりした街並みが広がります。
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復興公営住宅の区画は、そう言われなければ、大手住宅ディベロッパーが開発した住宅団地にしか見えません。
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駅東には、つばめの杜ひだまりホールという地域交流センターが整備され、夜にも関わらず人でいっぱいでした。
統一地方選を前にした候補者の集会に、支持者が集まっていたようです。 -
2階には図書コーナーがあって、常磐線の電車を見ながら学習できます。
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防災拠点でもあり、震災と復興のあゆみを学ぶことができます。
復旧、復興の先を見据えた、仙台にも通勤圏内のニュータウン。よくぞ震災後の短期間で、ここまでの街づくりを達成したものだと胸が熱くなりました。 -
その中心たる駅も、さぞかし利用を集めているのでしょう。
そう思いながら調べたところ、今の乗降客数は被災前の半分。コロナ禍の影響もあるとはいえ、ここまでの街を作っても半分なのかぁ…と頭を抱えてしまいました、
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