イグアスだけじゃない アルゼンチンの名滝 アグリオの滝 Salto del Agrio

2023/01/24 - 2023/01/28

アグリオの滝への旅の拠点はカビアウエ(Caviahue)。アルゼンチンの中ほどのネウケン州にあるチリとの国境沿いの小さな町です。ブエノスアイレスから飛行機で２時間、バスで６時間かけて行ってきました。

目の前に立ったときの大迫力ではイグアスの悪魔の喉笛が圧倒的ですが、絵になる美しさではこのアグリオの滝はアルゼンチンでも１，２位を争うでしょう。アルゼンチンのトラベル関係のSNSでも何度もその姿を目にしてぜひ訪れてみたいと思っていたのを実現しました。

エリア その他の観光地(アルゼンチン)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 5.0
• グルメ: 5.0
• 交通: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 高速・路線バス 観光バス タクシー 徒歩 飛行機

１月２４日

早朝の便だったのでハイヤーで空港へ。離陸のルートがいつもと違ってブエノスアイレスの北側の街を眺めることができました。中央下にリーベルのスタジアムが見えます。

ブエノスアイレスから２時間足らずでネウケン空港に到着。

プレジデンテ ペロン国際空港 (NQN) 空港

タクシーでバスターミナルへ。カビアウエ行きのバスは10時と13時。飛行機の到着は９時で、遅れを考えて13時のバスを予約していたのですが、定刻通りでここまでスムーズに来られたので10時発のバスに変更します。

ネウケンからカビアウエまでは６時間。

行程の大部分は草原でした。国道21号線では川沿いを走ります。アンデスからの雪解け水がさわやかなせせらぎをつくっています。アンデスでしっかり水のある川はこの辺からバリローチェあたりならでは。

私の中では「どこがパタゴニアの北限なんだ問題」が旅行のたびにわき起こるのですが、ここネウケンもなんとパタゴニア。このあたりが北限のようです。

到着です。カビアウエにはバスターミナルがなく、湖の前で下車。

歩いてすぐのホテルにチェックインします。石と木でできた落ち着いた室内。快適でした。wifiがとても弱かったのですがこのホテルだけでなくカビアウエの町全体がネットの回線があまり発達していないようです。

Ruca Pehuen Eco-Lodge De Montaña ホテル

４連泊なのでクローゼットやバスルームに荷物を整理して、さっそく町歩き。湖には遊覧ボートが出ているようです。

町に入る手前に流れている川に来ました。

川をさかのぼると小さな滝がいくつかあるようです。

ひと通り見ましたが、日が傾いて滝が陰になってしまったので後日再訪します。

このペウエンという独特の形の松がこのエリアの植生の特徴です。日本語だとチリマツ。ネウケン州のアンデス側は、カビアウエやその他の町を結ぶ道路がペウエン街道と呼ばれています。

クローズアップしてみるとこんなかんじ。古代っぽい形状です。痛そう。

町へ戻ってきました。日の入りは21時すぎ。空気がひんやりしてきました。

小さなカビアウエの町をまわりましたがお店が少なそう。近くのホテルに併設のレストランに入ります。

クイン レストラン その他の料理

ガボチャとにんじんのクリームスープ。

サーロインステーキ Bife de chorizo。サラダも注文したんですが撮り忘れた。

食事のあと、真っ暗な湖岸へ。星がすごかった。iPhoneの手持ち撮影でもけっこう撮れました。湖岸沿いの街灯が明るかったので180°の星空でしたが、湖の真ん中に行けば天球まるごとの星空が見えることでしょう。天の川を見たのは人生2回目。

１月２５日

ホテルの朝食は質素でした。どれも甘さ控えめ。左奥のリコッタのケーキがおいしかった。カビアウエの料理はどれも味が濃すぎなくて素材本来の味やスパイスの味が感じられて食べやすかった。

Ruca Pehuen Eco-Lodge De Montaña ホテル

フロントでアグリオの滝までの送迎を予約します。今回の旅のメインイベント。

少し待って車が来ました。20分くらいの道中はガイドのグスターボさんとあれこれ話し込んで写真は無し。

そしていきなりクライマックス。日本よこれがアグリオの滝だ。一番いいスポットの目の前に駐車場があって、車をおりてすぐこの景色。もうちょっともったいぶられてもよかったけど、噂に違わぬ美しさ。SNSでたくさんの写真を見ましたが、太陽の位置と天候によっては残念な光景になるのも覚悟はしていましたが、天候も水量も水の色も完璧。

アグリオの滝 滝・河川・湖

滝上にも行けるようです。

グスターボに「下におりてみたいか」と聞かれたのでガイドしてもらいました。けっこうな断崖を下りること15分くらい。この滝は上からのほうが見応えがありますね。

滝壺まで必死に下りてきたので、帰り道で写真を撮ります。清らかな流れ。岩の色がオレンジがかってるのは酸化した硫黄。

周りの景色も雄大です。商売っ気全くなしの観光スポット。とても静かです。

岩の上に立って滝全体を一望できます。

さて帰ります。道中には肉牛がたくさん放牧されています。グスターボが「見ろ、ステーキがいっぱいだぞ、わはは」と。もっと言い方があるでしょうに。

コパフエ火山を遠くに望みます。

滝の供給元であるアグリオ川が道路と交わるところも観光スポットです。

小さな橋を下りてみます。

この水の透明さ。

小さな滝がありました。

下流はさわやかな流れです。

奥にヘリポートがあります。近くにとてもいい釣りスポットがあるので、バリローチェあたりからヘリでやって来て釣りを楽しむブルジョワな人たちもいるそうです。

さらに町の方へ車を走らせるとカビアウエ湖の展望台がありました。世界で９つしかない強酸性の湖だそうです。もちろん魚はいません

野鳥がとんでいました。

いったんホテルに戻ってふたたび昼食のために外出。湖に面したレストランへ。

パスタを注文しました。ボウルに入ってる？給食みたい？でもフォークとナイフで食べねば、と思っていましたが、スプーンで皿に盛り付けて食べるんですよと店の人が教えてくれました。はずかしー。

食後に町を散策。

町の入り口のゲートに来ました。

昨日も行った川沿いの滝へ。今日はまだ日が高いです。

最初の滝。

柱状に並んでいた岩が豪快に崩れています。

こちらはきれいな幾何学模様。

第２の滝は地味なのでスキップ。第３の滝がいちばん大きいです。

町を見返します。だいぶ登ってきました。

滝と滝の間の沢もきれいです。

それまで砂利というか石ころだらけの獣道だったのに急に遊歩道らしくなりました。馬禁止。昨日は馬に乗って登ってきた人がいました。

トカゲがあちこちに。

遊歩道の終わりです。最後の滝は巨人の滝 Cascada del gigante と名付けられています。

完全に名前負けですね。

少しぬかるんだ水辺を渡って、

滝まで最接近。迫力あるように撮ろうとしましたがこれが限界です。

ひと通り見ました。引き返します。

散歩中のイヌが。

町へ帰ってきました。ホテルの前にあった小さな教会。

昨日と同じレストランで夕食。チキンカツがハート型。

クイン レストラン その他の料理

昨日は撮りそこねたサラダ。

１月２７日

前日はコパウエの火山へ。今日何しようか考えましたが、おとといは動画撮りが甘かったのでふたたびアグリオの滝へ。違うガイドに連れられて今度は滝の上へ。

今日は風が強くなくて手ぶれもせず風切り音も最小限でした。満足。

https://www.youtube.com/watch?v=4kllB0rKlB8

アグリオの滝 滝・河川・湖

ふたたびアグリオの橋を訪れたあと、町の手前の展望台で下ろしてもらい町まで歩きます。

町の入口の川。

コパフエ山をバックに。

カビアウエの町のプレートとともに。

火山の町カビアウエ。

湖に面した中央広場。放課後には子どもたちがたくさん遊んでいました。

昼食は前日の夜に訪れたベジタリアンのレストランへふたたび。

ニュウケ ベジタリアン

キノアのハンバーガー。具材全部おいしかった。かぼちゃのペーストもおいししかった。

穀物や自然食品も売っていました。

午後からはコパウエ温泉に行きました。

１月２８日

ブエノスアイレスへ帰る日です。３晩お世話になったレストランのあるホテル。

午前中の湖は穏やかで湖面が鏡状態。遊覧ボートが発着するときだけ波が広がりました。

バスターミナルのないカビアウエ。この広場にバスが到着します。

木陰を求めて広場でバスを待ちます。

さて乗車。いちばん前の席を予約していました。ふたたび６時間の行程。

バスはネウケンのターミナルに着く前に空港に寄ってくれます。フライトまで少し早いですが空港で時間を過ごします。

プレジデンテ ペロン国際空港 (NQN) 空港

バスでは水しかとらなかったので、空港のカフェで遅い昼食。

ネウケンから1時間半ほどのフライト。空港に着いてからが超スムーズで着陸してから50分で家に着きました。

カビアウエ・コパウエのみなさんもそうですが、地方のかたはブエノスアイレスの夏は蒸し暑いと口々に言います。アンデスやパタゴニアの湿度20％とか30％に比べたら十分高いんですが、日本の夏に比べたらブエノスアイレスも天国です。むしろ前回のコモドーロも今回も夏なのに気温10℃以下の日が何回もあったので、ブエノスアイレスの蒸し暑さに「夏はこれでなくちゃ」と。暑い日はエアコンのきいた室内でくつろいで、ブエノスアイレス各所で行われる夏のイベントに参加するのがアルゼンチンでの正しい夏の過ごし方なんじゃないかとも思えてきます。とにかく寒いのはいや。