2022/12/02 - 2022/12/04
676位(同エリア928件中)
RiEさん
旅行1日目、後編。
ランチの後は車で移動して謎多き“亀形石造物”と、“酒船石”を見学する。
亀形石造物は斉明天皇時代に造られたとされ、長さ2.4m・幅2mの亀の姿をしており甲羅が水槽のように窪んでいた。
すぐ裏の南に建つ小高い丘を上っていくと現れるのが長さ約5.5m・最広幅約2.3m・厚さ約1mある巨大な “酒船石”で、斉明女帝が豊穣の祈願などさまざまな祭祀を行ったとされているものの、未だ解明に至っていない。
その後は蘇我馬子の発願で建てられた日本最古の本格的仏教寺院“飛鳥寺”で、飛鳥大仏として親しまれている本尊の釈迦如来を参拝した。
宿泊先である奈良に向かう前に立ち寄った“飛鳥資料館”では、仏教文化の最初の興隆期である飛鳥文化をより深く知ることができ、大和を中心に華開いた仏教文化を身近に感じられた。
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 自家用車
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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3施設共通入場券を“亀形造形物”入口で提示して進んでいくと、柵の下に石が敷き詰められた大きな堀のような物が見えてきた。
北側と西側から眺められるけど結構遠いため、肉眼だと距離があって地面の石と同化して見える。亀形石造物 名所・史跡
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小高い丘の方に視線を向けると2000年に行われた発掘によって発見された全長2.4m・幅2mある先端に亀形の石造物が配置されていた。
低い位置にあるのでわかりづらいけど顔は南を向いており、水は鼻から甲羅部分に流れ込んで円形の凹型甲羅部分で水を溜め、V字状に彫られた尻尾の部分から流れ出すようになっている。 -
亀形造形物入口まで戻って、隣接する小高い丘に伸びている階段をのぼっていく。
こちらは自由に見学できるようでチケット売り場もなかった。 -
鬱蒼と生い茂る竹林に囲まれた階段をのぼっていく。
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“酒船石”と書かれた矢印の方向へ、道なき坂道を進んでいくと…
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少し開けた場所に突然巨大な石が姿を現した。
幅2.3m・長さは5.5m・厚さ1mの細長い花崗岩で天井部は真っ平になっており、周囲にこんなに大きな石や岩が無いため違和感があった。酒船石 名所・史跡
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近づいてみると丸い幾つかの溝を結ぶ真っすぐ伸びる筋がある。
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眺めていたら突然、手塚治虫の『三つ目がとおる』で見た場面を思い出して「絆創膏を外した写楽が、この石を使ってヤバい薬調合してたよね?」と夫に聞いてみたけど、三つ目がとおるを未履修の夫には通じずもどかしかった。
kindleで愛蔵版を所有してるのでその日の夜に探してみたところ、修学旅行で明日香村に来た「酒船石奇談」という話に収蔵されており、さっき訪ねた聖徳太子生誕寺と伝わる橘寺に置かれた二面石を写楽が半分に割ると梵字で書かれた秘薬調合レシピが出現し、この酒船石を調合台にして作った秘薬液を人間に飲ませるとロボットのように働かせることが出来たと写楽が主張していて、これが1974年に書かれたと思うと様々な説があり、酒の醸造に使用されたという話で収まらないのも頷ける。 -
反対側に周ると筋は裏側に造られた深さのある窪みと繋がっていて、謎の液体が集められて溜まる仕組みになっていた。
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駐車場の情報が分からなかったので、亀形石造物近くの駐車場に車を停めたまま徒歩で飛鳥寺へ。
夕方を感じさせる風に変わって、日差しの温かさは感じられなかった。 -
596年に女帝:推古天皇の時代に、豪族である蘇我馬子が発願して誕生した日本で最初の本格的な仏教寺院がここ“安居院(飛鳥寺)”で、朝鮮半島から多くの先進技術者が呼ばれ創建当時は現在の約20倍もの規模を誇り、塔を中心に東・西・北に三金堂を配して外側には回廊が廻らされていたそう。
こちらが飛鳥寺の正門。安居院(飛鳥寺) 寺・神社・教会
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現在の境内はこじんまりとしている。
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入口側にある万葉池手前には長寿のシンボルとされる蓑亀の像や、石仏三体と呼ばれる大聖不動明王・観世音菩薩・弘法大師が並んでいて水をかけて手を合わせる人の姿があった。
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思惟殿内には聖観世音菩薩が安置されている。
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飛鳥寺の本堂は江戸時代の1826年に建てられたもので、創建時はここに金堂が建てられていたそう。
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創建時は極彩色の伽藍だったけど2度の火災で失われ、現在は塔や金堂の礎石が残るのみ。
本堂向かって右側に入口があるので、拝観料大人1人:350円を払って中へ。 -
右手前から阿弥陀如来像・銅造釈迦如来像・聖徳太子孝養像が並んでいて、中央に鎮座する本尊の銅造釈迦如来坐像は飛鳥大仏という呼び名で親しまれている。
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物静かな表情だけど強い存在感を放つ阿弥陀如来像。
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明日香大仏は当代一流の仏師であった仏師:鞍作鳥によって609年に造られた日本最古の仏像で、完成当時は高さ約3m・銅15トン・黄金30kgを用いて造られたものの、12世紀末の大火災によって全身罹災してしまっている。
後補の痕により満身創痍の痛々しい姿をしているけど、飛鳥彫刻の特色である面長の顔立ちにアーモンド形の大きな目や、ほのかな微笑みを浮かべる口元は健在。
約1400年に渡り同じ場所で時代の移り変わりを見守ってきた姿に包容力を感じた。 -
聖徳太子孝養像は、父である用明天皇の病気回復願う16歳の姿を現しており、どこか儚げだった。
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飛鳥寺伽藍復元図も飾られているので、完成当時の規模や様子が想像しやすい。
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聖徳太子孝養像の奥に続く通路を通って行くと中庭に出るので、そのまま廊下を歩いて行くと…
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飛鳥寺の様々な資料が飾られた資料展示コーナーを見て、出口に向かう。
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鐘楼近くに案内が出ていたので、西門から外へ。
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飛鳥寺西門跡を示すプレートが設置してあった。
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ただ周囲を見渡すと農耕地が広がっていてすごく長閑。
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西門跡の先にポツンと建っている小さな蘇我入鹿首塚。
首塚の周りにはそのことを示す案内が無いため、もし西門側から入っていたら気付かなかったかも。蘇我入鹿首塚 名所・史跡
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このまま宿泊先の奈良中心部に向かうか、もう1か所訪ねるか迷い、あまり時間が無いけど“奈良文化研究所 飛鳥資料館”に到着したのが15:30。
飛鳥資料館 美術館・博物館
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飛鳥の石造物が展示されている庭園を通過して建物へ。
この石神遺跡出土した噴水の機能を持つ須弥山石はレプリカで、使われていた当時の様子を再現していた。 -
飛鳥資料館に立ち寄ったのは、地下1階で秋期特別展「飛鳥美人 高松塚古墳の魅力」が開催されていたから。
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1972年3月に発見された高松塚古墳壁画によって飛鳥ブームが巻き起こり、壁画は国宝・出土品は重要文化財として指定され、特に女子群像は飛鳥美人として飛鳥を代表する文化財となった。
この展覧会では高松塚古墳壁画や出土品に改めて迫るとともに、近年の調査研究成果のパネル紹介などが行われていて、明日香村で見てきた飛鳥文化の全体図を知ることが出来た。 -
常設の特別展示コーナーでは高松塚古墳発掘調査によって明らかになった石室の姿や、壁画保存環境の劣化原因などとともに石室の解体作業の様子が再現されている。
文化庁によって現地で保存されていた壁画はカビによる汚損被害がおさまらず、石室ごと壁画を取り出して修理することになったため、2006年10月から11ヶ月に及ぶ石室解体事業が行われた。
そのお陰で古墳の築造方法や、墳丘の劣化状況の詳細が判明したそう。 -
靴を脱げば、中に入って石室内を体感しながら壁画の配置も知れる。
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石室解体作業時に使用した治具という機材。
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1階に戻ると常設展示第二展示室へ。
こちらは大化の改新で有名な蘇我倉山田石川麻呂が、641年に建設をはじめた初期仏教寺院:山田寺について詳しく知ることが出来る。
山田寺東回廊は1982年の発掘調査によって倒れた状態で地中に埋もれているのが見つかり、現存する世界最古の木造建造物である法隆寺よりも古いらしく、最も残り具合のよかった東側の柱間3間分の部材を本来の位置に使って組み立て直して再現している。 -
壁面には発掘調査に関するパネル展示や、山田寺の屋根の軒先を復元した模型・部材・出土品が展示されていた。
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隣接する常設展示第一展示室では5つのテーマに分けて考古資料・美術資料・写真パネル・模型などで、日本に仏教が伝来した6世紀から奈良に都が移った8世紀初め頃までの飛鳥の歴史と文化について解説している。
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最初は仏教伝来と蘇我氏について。
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こちらは飛鳥寺の塔に納められていた埋納物。
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庭園にあった須弥山石の実物は、レプリカよりも歪な形をしていてズングリムックリな姿だった。。
石神遺跡から1902年に掘り出されたそうで、全体の構造が噴水施設になっており庭園用の石造物として造られたと推定されている。 -
1番右は最古の「天皇」木簡。
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飛鳥の寺院エリアでは、飛鳥に栄えた華やかな仏教文化について解説されており、磚仏が目を惹く。
主に7世紀後半から8世紀頃の飛鳥時代後半から奈良時代頃の寺院跡から出土する例が多い磚仏は、粘土板を型抜きして乾燥させたてから焼いたもので、制作当初は金箔が貼られていたらしい。 -
庭園の一角に置かれている亀石の復元品の眠たそうな顔が、16時を過ぎたばかりだというのに日が傾き始めた明日香村へ、夜を呼び寄せているようだった。
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少し渋滞などもあり、奈良市内に付いたのはすっかり日が落ちた17:00過ぎで、HOTEL周辺は車両通行禁止エリアのため、少し離れたコインパーキングに車を預けて徒歩で近鉄:奈良駅近くのHOTELを目指した。
今日から2泊するのは小西さくら通り沿いに建つ“いろはグランホテル 近鉄奈良駅前”。いろはグランホテル 近鉄奈良駅前 宿・ホテル
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詳しい口コミは下記をご覧くださいませ。
https://4travel.jp/dm_hotel_tips/14874037 -
荷物を片付けてから近くにあるクラフトビール醸造所“ゴールデンラビットビール”へ。
1階はビール販売(現金のみ)で2階がタップルームだけど、金曜だったので混んでいたからテイクアウトして部屋で飲むことに。ゴールデンラビットビール グルメ・レストラン
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気になるのを選んでいたら4本になってしまったので、今日・明日分のビールが揃ってしまったし、HOTEL周辺は飲食店が多くテイクアウト対応店もあったから、駅前繁華街で週末予約無しにウロウロするよりは部屋でゆっくり過ごすことに。
明日は、車をコインパーキングに預けたまま公共交通機関を使って、久しぶりに訪れる唐招提寺と薬師寺、そしてならまちエリアにある元興寺を訪ねる予定。
続きは03へ。
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