自然豊かな駒場東大前駅周辺を散策

2022/12/03 - 2022/12/03

京王井の頭線の駒場東大前駅で降りました。東京大学教養学部構内にある歴史的建物を巡り、自然を感じながら散策しました。イチョウ並木がきれいでした。駒場公園内にある旧前田侯爵邸和館と豪華な洋館をゆっくり見学しました。日本近代文学館で明治以降の文学者たちの書簡や原稿を読みました。駒場公園の広さと巨大な石燈籠に驚き、駒場野公園のケルネル田圃や池を見ながら駒場東大前駅に戻りました。

エリア 渋谷(東京)

• 旅行の満足度: 5.0

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 交通手段: 私鉄 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

渋谷から駒場東大前駅まで久しぶりに井の頭線を利用しました。改築された渋谷駅が明るくきれいになったことにびっくりしました。車内の電子掲示板に停車駅の階段の位置情報が表示されたり、急行列車との待ち合わせ駅が映し出されたりと、井の頭線に慣れていない乗客にとって手助けとなるシステムが導入されていました。

京王井の頭線 乗り物

駒場東大前駅東大口を出てすぐのところに広がる東京大学教養学部のキャンパスです。

東京大学 駒場キャンパス 名所・史跡

時計台がある１号館です。教養学部の前身の旧第一高等学校本館で1933年に建てられました。国登録有形文化財です。東京大学本郷校舎に雰囲気が似ています。キャンパス内には歴史を感じるツタが絡まった古い校舎や、白壁の近代的な校舎が緑の中に入り混じって建っています。

東京大学 駒場キャンパス 名所・史跡

１号館の近くに駒場博物館があります。旧制第一高等学校の図書館として1935年に建てられました。正面入り口わきに一対の獅子の石像があり、柱の装飾が印象的です。美術博物館と自然科学博物館で構成されています。常設展や企画展がありますが、閉館している期間があるので事前に調べてから訪れることをおすすめします。

東京大学教養学部駒場博物館(美術博物館と自然科学博物館) 美術館・博物館

構内を東に進むと新しい建物に囲まれた広場に壁の一部が建っています。旧第一高等学校寄宿舎寮跡でした。モニュメントとして保存されています。石碑に説明が記されていました。

東京大学 駒場キャンパス 名所・史跡

さらに東へ進むと木々に囲まれた駒場池があります。本郷キャンパスにある三四郎池に対して、一二郎池とも呼ばれています。野鳥の鳴き声が聞こえました。大学構内や近くの公園に雑木林や大木が多く、野鳥が過ごしやすい環境です。

駒場池 名所・史跡

カモやサギが気持ちよさそうに泳いでいました。学生たちが池の保全や調査などを行っていて、立ち入り可能な歩道を整備していることを後で知りました。

駒場池 名所・史跡

西口に向かってイチョウ並木を歩きました。黄色く色づいた落ち葉が冬の到来を告げていました。学生だけでなく一般の人も自由に入れることもあり、地元の人たちが愛犬を連れて散歩している姿が多く見られました。

東京大学 駒場キャンパス 名所・史跡

駒場キャンパスの西口を出て、東門から駒場公園にやってきました。旧前田侯爵邸和館に入りました。侯爵が外国人客接待用に建てたこともあり、典型的な日本らしさが感じられる家屋です。隣に建つ洋館に、和館の詳しい説明が書かれた資料室があるので、和館の見学前に洋館を訪れると、和館について詳しく知ることができると思います。

旧前田侯爵邸和館 名所・史跡

40畳ほどある和室に欄間の透かし彫りや床の間、付書院などがある大広間と、石が配置され、松やもみじなどの樹木と曲水が流れる庭園が造られた書院造りの建物です。

旧前田侯爵邸和館 名所・史跡

玄関と大広間の間にある大廊下です。杉戸の奥に茶室があります。この日は貸し切り中でした。

旧前田侯爵邸和館 名所・史跡

和館を出て洋館へ行く前に、日本近代文学館に寄りました。明治以降の文学者を対象に広く文学資料を収集し保存する施設として１９６７年に開館しました。２階で冬季企画展と萩原朔太郎展が開催されていました。文学者の書簡、原稿、写真などを近くで見ることができます。手入れ稿や私信を読むことができました。作家の気持ちや時代背景を生々しく感じました。

日本近代文学館 美術館・博物館

日本近代文学館から洋館へ行く途中にあるトイレです。前田侯爵邸の車庫外観を再現しています。入口に当時の写真がパネルになっています。きれいなトイレでした。

駒場公園 公園・植物園

1929年に加賀藩の16代当主だった前田利為侯爵の邸宅として建てられた洋館です。1階は晩餐会などが催された大食堂や大客室などが、2階は書斎や寝室や子供それぞれの居室や会議室などがあります。各部屋の壁や敷物や窓などは当時の物や資料に基づき復元された物で華族の館を残す貴重な建物です。各部屋に説明や当時の写真が展示してあり、興味深かったです。2階の資料室や展示室で前田利為家を知ることができます。

旧前田候爵邸洋館 名所・史跡

玄関のそばにあるサロンです。来客を通す待合室です。黒色大理石のマントルピースや大鏡が印象的です。地下のボイラー室から各部屋に暖房が送られるセントラルヒーティングの建物です。

旧前田候爵邸洋館 名所・史跡

大食堂の中央にある白大理石のマントルピースです。マントルピース周囲の金唐紙が年月を経て皮のように見えました。

旧前田候爵邸洋館 名所・史跡

大階段とその下のスペースです。館内に当時の調度品が展示されていますが、さっぱりとしていて広い空間を体感しました。ところどころに生活していた当時の写真が展示してあり豪華な生活を知ることができます。この場所に当時は大きい菊の鉢や葉が茂った観葉植物の鉢が置いてあったことを写真で知りました。

旧前田候爵邸洋館 名所・史跡

２階の窓から隣の和館へ行く渡り廊下の屋根が見えました。奥の瓦屋根の建物は和館です。

旧前田候爵邸洋館 名所・史跡

２階にある侯爵夫妻の寝室です。銀地に金銀色の模様の壁紙、絹織物のカーテン、毛織物のジュータンなど豪華な部屋です。

旧前田候爵邸洋館 名所・史跡

２階の女中室の広さを見てから１階に降りてきました。手前右側に配膳に使用された小食堂があります。赤いカーペットは前田家の歩く場所で、奥の白いカーペットは使用人の歩く場所です。家族の住み分けに注目しました。

旧前田候爵邸洋館 名所・史跡

駒場公園は前田利為侯爵の駒場邸跡に造られた公園で、園内には洋館、和館、日本近代文学館などが建っています。訪れた時は木々の葉も紅葉していて、のんびり散策が楽しめました。

駒場公園 公園・植物園

洋館を駒場公園の草広場から見ました。

駒場公園 公園・植物園

駒場公園正門そばに前田育徳会尊經文庫が建っています。趣ある洋館ですが、残念ながら非公開でした。前田家伝来の美術工芸品や古文書などの文化財を後世に伝えるために建てられました。外壁はスクラッチタイルの洋館で、門や塀の間から建物をわずかに眺めることができました。

前田育徳会尊經閣文庫 名所・史跡

駒場東大前駅西口へ向かう途中に駒場野公園があります。駒場農学校があった場所です。池があり生物が保護されています。幼児用すべり台がある広場、テニスコート、体育館などの施設があります。訪れた週末、若者や家族連れがいました。雑木林が残る自然豊かな公園です。

駒場野公園 ケルネル田んぼ 公園・植物園

これはケルネル田んぼです。駒場農学校のドイツ人教師ケルネルが日本で初めて化学肥料の使用を試みた実験水田が残っています。紅葉を楽しみながら駒場東大前駅周辺を散策した半日でした。

駒場野公園 ケルネル田んぼ 公園・植物園