2022/11/21 - 2022/11/21
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kojikojiさん
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阿寒湖温泉に到着して、お店が閉まってしまう前にアイヌコタンに行きました。温泉街の端から端まで歩いた気分でホテルに戻りました。ちょうど午後6時の夕食のレストランの開店前で長蛇の列が出来ていました。次の予定もあるので少しだけ時間をずらして入店しました。かなり混雑していましたが、テーブルを確保して料理を取りに急ぎます。ツアーでの売りはズワイガニ食べ放題ということですが、食べるのに時間がかかるので遠慮気味に取って、後はジンギスカンくらいにしました。午後7時にはホテルを出て再びアイヌコタンに向かいますが、途中で「あかん湖 鶴雅ウイングス」という高級ホテルの前を通過しました。妻が「藤戸竹喜!」というので、目をやるとホテルのロビーに彫刻がずらりと並んでいるのが見えました。それも一目で昨年の秋の東京駅ステーションギャラリーで観た作品だと分かります。何で前回は気が付かなかったのだろうと思いましたが、美術館に貸し出されているのでその時は無かったわけです。日が暮れてロビーが明るくなって気が付いたのですが、時間が無くて急いでいても素通りできません。ここで感動した作品と再会することが出来ました。妻に「時間が無いから帰りにしなさい。」と言われてアイヌコタンの一番奥のシアターイコロに急ぎます。開演の10分ほど前に着きましたが中に入ってびっくりしました。座席にお客さんが10人もいなかったからです。午後8時から最前列の中央に座って、阿寒ユーカラ「古式舞踊」を30分間観ることが出来ました。昨年ウポポイで観たものと内容はほぼ同じですが、その時の感動が蘇りました。午後9時からのロストカムイのチケットも持っていたのですが、一度出なければなりませんでした。ところが表に出るとすでに別のトラピックスのツアーが40名ほど並んでいます。その後ろに並びましたが、どんどんツアーがやってきます。我々のツアーは遅い時間にホテルのロビーに集合だったので姿は見えません。開場した内部は勝手を知っているので遠回りしながらも最前列中央の座席を確保できました。あっという間に劇場は満席になりましたが、他のプログラムとの違いに驚きました。後で知りましたが、ツアーの場合ロストカムイを見学すると行政からツアーに対して補助金が出るそうです。始まったロストカムイは思っていたよりも素晴らしいもので、プロジェクションマッピングと一体化したステージ上のダンスは技術も高く見ごたえもありました。最前列の席はステージと一体化するような錯覚を覚えるので、この劇を見るには最前列に座るのが良いと思います。あっという間の30分が終わり、三々五々に観客はカムイコタンを去っていきます。我々もブラブラ歩きながら再び「あかん湖 鶴雅ウイングス」のロビーに向かいます。先ほどは気が付きませんでしたが、滝口政満という有名な作家の彫刻が何十と並んだギャラリーがあります。この方の作品も好きなのでしばらく見学させてもらいました。今回のツアーの観光は非常に緩く内容も薄いものでしたが、この日の夜の劇場と3日目と4日目の早朝の散歩は充実していたので旅としては楽しいものになりました。ホテルに戻ると午後11時前になっていて、ようやく阿寒湖温泉の湯に浸かることが出来ました。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 4.0
- ショッピング
- 4.5
- 交通
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 一人あたり費用
- 3万円 - 5万円
- 交通手段
- 観光バス JALグループ ANAグループ 徒歩
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
- 利用旅行会社
- 阪急交通社
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アイヌコタンから午後6時前に戻って来ると1階のレストランは長蛇の列が出来ていました。大きな店なので開店するとその列はすぐに解消されました。部屋に戻って休憩したいところですが、午後8時前には再びアイヌコタンの奥にあるシアターイコロに行かなければならないので、あまり余裕はありません。
ニュー阿寒ホテル 宿・ホテル
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ツアーのパンフレットにはズワイガニ食べ放題とありましたが、カニは食べるのに時間がかかるのでプレッシャーになります。カニの身を剥いている間にジンギスカンを焼くことにします。
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ジンギスカンはお肉にタレを漬け込んだ「滝川式」と呼ばれるスタイルです。脂身を上に置いて、下に野菜を敷いてお肉も載せておきます。焼け具合も見ながらカニを剥くのは結構大変でした。
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阿寒湖はワカサギが美味しいところで、天婦羅も揚げていました。揚げたては美味しかったです。昨年は湖畔道路沿いにある「奈辺久」という店で食べたワカサギ天丼が絶品だったことを思い出します。
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1階のロビーで会った添乗員さんから先にロストカムイのチケットは受け取っていました。これで団体で行動しなくてもよくなります。その1時間前に開演される阿寒ユーカラ「古式舞踊」のチケットも観光案内所で購入してあります。
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午後7時過ぎの真っ暗な阿寒湖温泉を2人でとぼとぼ歩きます。こんな旅をアジアの国々やヨーロッパでも続けている気がします。しばらく進むと急に「藤戸竹喜の作品が並んでる!」と大声を出します。「あかん湖 鶴雅ウイングス」という高級ホテルのロビーには見覚えのある彫刻が並んでいます。
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昨年アイヌコタンの「熊の家」で教えてもらった藤戸竹喜の展覧会は東京に戻ってすぐに「東京駅ステーションギャラリー」へ観に行きました。そこでは撮影禁止でしたが、その多くが目の前のホテルのロビーに並んでいます。妻が気が付かなければ見落としていたと思うと恐ろしくなります。
阿寒湖温泉 あかん鶴雅別荘鄙の座 宿・ホテル
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「カムイミンタラに住む神々」
カムイミンタラとは、神々が集い遊ぶ庭という意味で人間の近づきがたい山々にあるとされます。このトーテムポールはそこに住まう神々を表しています。アイヌの伝統にはトーテムポールはありませんが、藤戸竹喜の思う神々が表現されています。 -
最上段の翼を広げ不思議な角の生えたコタンコロカムイ(村の守り神であるフクロウ)とその腹の中に入っている若者は顔の下の渡りガラスと一体になって大空を飛び回り、人間界を見渡してアイヌモシリ(アイヌの台地)を守っています。中段の2重の耳を持ったカムイエベレ(熊の神)の大きい方の耳は良い話を聞くため、内側の小さい耳は注意すべき話、気を付けるべき話を聞くためのものです。半分食べられてしまったカムイチェップ(鮭の神)とカムイエベレ(熊の神)は会話しています。
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下段のイルシカエカシのイルシカは怒るという意味で、エカシは長老の意味です。これは自然破壊に対する怒りを表しています。
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背面にも全て彫刻が施されています。
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コタンコロカムイの背中には伝統的なアイヌ模様が彫られています。
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イルシカエカシの裏側には牙の生えた恐ろしい顔が表されています。
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その上にはゴシック大聖堂のガーゴイルのような姿をした動物も彫られています。
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北海道美幌町で生まれ、旭川市で育った藤戸竹喜(ふじとたけき)は木彫り熊の職人だった父親の下で12歳の頃から熊彫りを始めました。まさかりで切った木の塊を渡され、それを自分なりに削ったそうです。父はそれを見て気に入らなければ、火にくべてしまうというそんな繰り返しの中で熊彫りの技を習得し、やがて阿寒湖畔に移り住み、この地で才能を開花させて数多くの木彫作品を生み出します。
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藤戸竹喜は制作にあたって一切デッサンすることがなかったそうです。丸太に簡単な目印を入れるだけで、あとは一気に形を彫り出し、それは木の中に潜んでいる形が予め見えていて、それを取り出してやっているだけだったようです。芥川龍之介の「夢十話」の第六夜を思い出したのはそんなエピソードからでした。
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「イランカラッテ像」
これはアイヌの方たちの挨拶の言葉です。 -
体に入れ墨をした雄々しい男性と刺繍が施された伝統衣装「チヂリ」を着た女性が1本の木から彫り出されています。左右対称のアイヌ文様は布を半分に折り、糸で目印をつけることで作られるとウポポイで聞いたことがあります。
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女性の胸に飾られていた宝物の1つシトキという飾り板を付けた首飾り「タマサイ」は彫刻ではなく本物が使われています。
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男性の腰に下げられたマキリと呼ばれる短刀も別に作られた本物が下げられています。
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このホテルではロビーギャラリー「イランカラプテ」藤戸竹喜コレクションと銘打って展示されています。
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この作品もステーションギャラリーで観たものです。展覧会のチラシの写真にも使われていました。1本の木の中に潜んでいた熊が見事に彫り出されています。
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一気呵成に彫り進められた熊の姿はまるで生きているかのように躍動し生命力を感じさせる一方で、仕上げに行われる毛彫りは細密で、硬い木であることを忘れさせるような柔らかな質感を生み出しています。
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「アイヌ立像」
キケチノイエイナウ(削りかけを撚ったイナウ)とイナウを祭壇に立てるときに脚となる「イナウケマ」を持つ姿はイオマンテの前のようです。イオマンテ用に設けられたヌササン(幣場)は大阪の国立民族博物館で見たことがあります。アイヌコタンの奥まった所にもイナウが立てられた場所がありました。 -
アイヌの人々は高度な製鉄技術を持たなかったため、刀身は和人が作製したものを交易で入手していました。柄に装飾が施された刀をエムシ・アッで提げています。ここでも刀やエムシ・アッと呼ばれるベルトと首飾りは本物が使われています。
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「ヤイタンキ エカシ像」
この作品も展示会で観てインパクトの強かった作品です。モデルは藤戸竹喜の父方の祖父であるヤイタンキエカシという人です。明治の初期に余市町の隣の仁木町のコタンで生まれています。マタギの名人で祝いや祭りのときなどに唄うウポポも上手だったそうです。樺太で日露戦争も経験したそうです。 -
シマフクロウとアイヌが一体となった作品はシマフクロウ送りの歴史的な背景を表したものではなく、藤戸のイメージが膨らんで生まれた「ふくろう祭り」だそうです。
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熊送りのイオマンテほど知られていませんが、重い神(パセカムイ)としての神の国への送りは実際に行われていたそうです。最後に行われたのが昭和58年の1983年に屈斜路湖畔で日川善次郎エカシが主催した大規模なシマフクロウ送りだそうです。
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コタンコロカムイであるシマフクロウはウパシクマ(先祖からの言い伝え)の中にカムイチカ(神の鳥)として登場します。
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「国造りの神が大地を創った後、草や樹木やヒエやアワなどのあらゆる植物の種が隅々に蒔かれました。それで食べるものに困ることがなく暮らせることを感謝してフクロウを重い神として祭ります。
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カナダやアラスカの先住民も動物を敬いハクトウワシの羽を見に着けて踊る祭りがあります。トーテムポールなどにもそんな先住民に対しての思いを感じることが出来ます。
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これらの熊たちも東京の展覧会で観た記憶があります。流れる川の水の表現と遡る鮭、そしてそれを狩る熊たちが生き生きと彫られています。
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彫刻の周りにある雄大な北海道の自然が目に浮かんできそうです。
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川辺の岩の上で子熊に鮭を分け与えている母熊の姿もほほえましいです。
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この作品も同じような鮭が遡る秋の風景が表現されています。
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まだ若い熊が川下から鮭を追いかけている瞬間が見事に彫られています。
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「求愛」というタイトルからも雄と雌の熊の求愛の瞬間だと分かります。
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藤戸の作品は少し角度を変えるだけでその表情が変化するのも魅力です。
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ギャラリーの奥にはシンボリックな作品が飾られています。
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翼の中央にはイナウが飾られています。イナウは日本語ではしばしば木幣(もくへい)と訳されるように、神道で用いられる御幣と同様な役割をすると思われています。アイヌの人々にとっては宗教儀礼には欠くことのできない祭具ですが、祈りの対象とする神がみによってそのかたちが異なります。アイヌの人びとは儀礼執行の前に1本ずつ心をこめて作ります
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パリのルーブル美術館のサモトラケのニケを連想させる翼が吊られています。翼の持ち主は落下してしまったのでしょうか。そう考えるとイカロスの翼かもしれません。この作品についてはキャプションなどがあったのか確認しませんでした。
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イタオマチプ(板綴船)はアイヌの船の一種で、河川や湖沼や海でも使われます。木をくり貫いた丸木舟を船の敷とし、船首と船尾と舷(側面)に板を縄で綴じ合わせてあります。
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妻に「時間が無いから!」と叱られながらも素晴らしい彫刻を素通りできませんでした。帰りにもう一度観に戻りましたが、さらに奥には滝口政満の作品のギャラリーがあって驚かされます。
阿寒湖アイヌコタン 名所・史跡
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アイヌコタンの坂道を駆け足で登って、午後8時前になんとか「阿寒湖アイヌシアター・イコロ」に到着しました。周囲は閑散とした感じで、これからショーが始まる雰囲気はありません。
阿寒湖アイヌシアター イコロ 名所・史跡
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昨年の夏はコロナ禍のために閉鎖されていました。トイレだけ借りて、スタンプを押しただけで帰った残念な記憶が残っています。
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コタンコロカムイであるシマフクロウが出迎えてくれます。
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昨年も同じ場所で同じポーズで写真を撮りました。
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中に入ってみるとびっくりです。開演5分前でお客さんは10人もいなかったと思います。
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午後8時から30分の演目は「アイヌ古式舞踊」です。古式舞踊は北海道各地によってさまざまな歌や踊りがあります。同じ歌や踊りでも節や踊りが違うことがあるそうです。
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「イコロ」ではかつてアイヌがカムイ(神々)から作り方を教わった祭具「イナウ」をモチーフに古式舞踊を披露されます。目を凝らすとトゥキ タカラサイ イクスパイといったカムイへの祈りに使う祭器が並んでいるのが見えます。開演中は写真撮影は出来ません。
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劇場の壁に貼ってあった写真パネルとオフィシャルの映像で紹介します。
https://www.youtube.com/watch?v=7NXU4PbA3sQ -
「エムシリムセ」
アイヌの人々は豊かな自然界に神々が姿を変えて住んでいると信じています。その中には良い神だけではなく悪い神も住んでいます。そこで悪い神がコタンに災いをもたらさないように威嚇を目的に剣を激しくぶつけ合って勇壮に踊ります。アイヌ古式舞踊には武器であるアイヌ刀を使用する剣の舞が2種類あります。アイヌの古式舞踊の踊り手はほとんどが女性ですが、剣の舞は主に男性が舞うもので、儀式や祭事において、神=カムイに感謝を捧げるために踊り、霊力を宿すという刀を小道具として使用していました。こうした舞踊で使用されるアイヌ刀は、強さを表現するためではなく、美しく舞踊を盛り上げる演出のための道具として持ちました。アイヌ刀の鍔(つば)の部分を緩め、振ると音がするように細工してあったのも特徴です。この刀の鍔を均す所作はかっこよかったです。 -
「トンコリ(五弦琴)」
民族楽器の代表的な弦楽器で、素朴で癒される音が響きます。トンコリはギターと違ってフレットが無く、ハープと同様に基本的には弦の数しか音が出ません。その五音を駆使して多彩なメロディーを奏でます。 -
「へクリサラリ(盆取りの踊り)」
イタと呼ばれる日常生活で使用する盆をやり取りする踊りは、若い女性の物を大切にする心を養うために始められたそうです。へクリサラリは娯楽的な踊りの1つでみんなで楽しむ競い踊りです。 -
「イオマンテ」
イオマンテの火祭りでは炎が照らす神と人との祈りの物語です。松明を掲げる姿は神聖でもあります。 -
「サロルンリムセ」
親鶴が幼い子鶴を労わり、子鶴が大空高く飛べるように成長するまでの過程を描いた踊りと歌です。アイヌ古式舞踊の代表的な踊りです。鶴の鳴き声が可愛らしいです。劇場からの帰り道は防寒具の裾を被って、マネしながらアイヌコタンの坂を下りました。個人的に一番好きな踊りです。 -
イナウソ(模様つきのゴザ)が劇場の壁面に飾られています。美しい作品ですが目を止める人はありません。実際にアイヌの伝統家屋でもこのゴザが壁面に掛けられています。
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美しい模様ですが、このイナウソを編むにはイテセニという長い板にV字の溝を等間隔に入れたものだけで作ります。刻み目の1つ1つにピッという錘り石2つに半分ずつ分けて巻いたイテセカ(編み糸)をかけ、その上にシキナ(がま草)を渡すという非常に簡易な織り機です。
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ウポポイで実演している写真を撮ったものがありました。編むよりも糸を作る方が大変だと伺いました。
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「アイヌ古式舞踊」が終わるのが午後8時30分で、その後清掃と消毒をするので一度表に出なければなりません。出口に向かうと次の「ロストカムイ」に並んでいる人が40人くらいいました。我々とは別のトラピックス社のお客さんでした。慌ててその後ろに並びます。その後もぞろぞろいくつもの団体がやってきます。今頃我々のツアーは集合時間だったと考えると、早く来ていて良かったと思います。
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もう一度祈りを捧げます。良い席に座れますように。
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フクロウの神コタンコロカムイに祈りを捧げたおかげか、1度劇場内に入って勝手を知っていたせいか、遠回りしながらも最前列の中央に座ることが出来ました。
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上演中は撮影禁止ですが、プロジェクションマッピングの映像が最前列の足元まで来るので舞台と一体になった気分でした。多分これは最前列でなければ味わえない感覚だと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=LcezcjbaOPs -
後で知りましたが、「ロストカムイ」がなぜ満席だったかというと、ツアー客がこの演目を観ると行政の方から支援金が出るそうです。なので支援金の対象ではない「古式舞踊」はガラガラだったわけです。どちらかと言えばロストカムイの方が万人受けすると思いますが、両方とも観たかった我々としてはちょっと複雑な気持ちでした。
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コタンコロカムイともお別れです。ホテルまでは結構歩くのでトイレにも寄っておきます。表に出ると先ほどまでたくさんいたツアーのお客は誰もいません。自分たちのツアーの人にも出会えませんでした。自由参加なので半分ほどの方しか参加しなかったそうです。
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アイヌコタンを通ると1軒だけお店が開いていたので立ち寄ってみることにします。「実践工房アシリ」という店で3人の木彫の作家さんの作品とセレクトされた道内各地の作家さんの作品が並んでいます。
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木目を生かしたお椀など良いものもありましたが、家の食器とテイストが合わないので買いませんでした。砂澤ビッキの木箱が素晴らしかったです。
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アイヌコタンのお店はホームページだと午後10時まで開いていることになっていますが、午後6時にはほとんど全部が閉まってしまうようです。それだけお客さんの数が少ないのだと思います。
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昨年思い残したことはこれで成し遂げた気がします。
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真っ暗な道をホテルに向かって戻ります。
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「あかん遊久の里 鶴雅」のファサードのキャノピーは夜になると翼を広げた鶴の姿なのだと気が付きました。今度はこちらから中に入ってみます。
あかん湖鶴雅ウイングス 宿・ホテル
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藤戸竹喜の作品をもう1度見るつもりでしたが、それとは別に滝口政満のギャラリーを見つけて大興奮です。しかしこの鶴雅のホテルチェーンは凄いなと思います。
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「森の王様」
翼を広げたシマフクロウの姿です。そのリアルな姿に驚かされます。ナラ材の材の美しさも素晴らしいです。 -
瀧口 政満(たきぐち まさみつ)は1963年一人旅で北海道を訪れた際に、阿寒湖畔の土産物店の店先でアイヌの青年が木彫りをしている光景を目にし、その活気と技術と迫力に感激し、東京での仕事を辞めて北海道に渡ることを決意します。1967年に阿寒湖畔へ移住し、木彫り彫刻家として活動を始めます。
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幼少時に肺炎による高熱で難聴となったため、木の声に耳を傾けると評されます。流木や埋もれ木を好んで彫刻材料として使用し、木本来の生命力や暖かみを活かした作風が特徴です。北海道の大自然やアイヌの文化を取り入れた作品が多いとされます。
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「想」
マニエリスム的な胴体の長い人物像です。エル・グレコの絵画も体のバランスが異様に長く描かれていますが、これは祭壇に掛けられたものを見上げるからですが、滝口の作品はそのような置き方をするのではなさそうです。 -
足元に置かれたキャプションもご自身の作なのだと感じました。
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「獲」
まさにシマフクロウが獲物を捕らえた瞬間を感じます。1本の丸太から彫り出したのがその姿からも分かります。 -
水中にいた鮭の頭を掴み飛び上がろうとした瞬間です。頭を掴むのは暴れても飛ぶのに影響が少ないからのように思えました。
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このキャプションもご本人の作なのでしょう。
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寒くて布に覆った体から顔だけ見せる少女の姿はお茶目な感じがします。
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何と見えない微笑みです。
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「聞こえる風」
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「シマフクロウ」
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木の肌に刻まれたノミなどの跡が圧倒的な迫力で迫ってきます。地中に埋まっていた楡の埋もれ木が使われています。
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「北国の女」
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栓材はケヤキに似た年輪模様が美しく、建築材や家具材としても重宝される北海道に多い樹木です。その年輪の美しさが生かされていると思います。
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「シマフクロウ」
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楡の埋もれ木で作られていますが、アイヌの伝統模様の様な姿が面白いです。埋もれていたため材の脂分が抜けた感じが知識をつかさどるフクロウに合っている気がします。
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「翔く」
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顔を縁取る羽毛(顔盤)も見事に表現されています。獲物を狙って飛び立つ瞬間が切り取られています。
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「立つ」
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布に覆われた温かさと共に周囲の寒さを同時に感じます。空を見上げる女性の視線の先には丹頂か白鳥が見えているのでしょうか。
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「未来への夢」
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空を飛ぶような女性の気持ちが表れているようです。その背中には幼子がバンザイをしています。子供の誕生なのか成長を願う女性の心理を表したように思えます。
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「春あらし」
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急に吹いてきた風に女性が体ごと持っていかれそうになる微妙なバランスの崩れが惹かれる作品です。
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「母と子」
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母のマントの襞の中に抱きくるめられた子供の表情は安心しきっているようです。
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「帽子」
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オーストリアの民族衣装のローデンコートの様なマントに帽子をかぶった洒落た女性像です。何となく70年代後半から80年代にかけての作品の様な気がしました。
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「母と子」
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滝口政満の作品を見た後はもう一度藤戸竹喜の作品も見直しました。どちらも昨年知った彫刻家ですが、その後の旅行先の大阪の民族博物館にも藤戸の作品が展示してありましたし、たまたま電車に乗ろうとした札幌駅にも作品が置かれてあって驚いたことがあります。
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ホテルに戻れたのは午後11時前でした。ようやく冷えた体を温泉で暖められました。
ニュー阿寒ホテル 宿・ホテル
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十勝川温泉と層雲峡温泉の間の阿寒湖温泉の湯はちょっと普通でしたが、このホテルには屋上にインフィニティの温泉プールがあったり、違った意味で楽しめました。長い1日がようやく終わりました。
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