団塊夫婦のトルコ＆ギリシャ絶景の旅・2022ー（６）セマーを見たさにコンヤへ

2022/09/10 - 2022/09/10

９月には帰国時のPCR検査もなくなることを期待して、エミレーツ航空の安いチケットを早くに購入。運よく９月７日からPCR検査も必要なくなり、当初の予定通り４日の夜無事成田を出発。トルコへの旅行は私は3回目。主人は２回目。今回はカッパドキアのトレッキング、トルコのエーゲ海沿岸のリキアンウェイのほんの一部のトレッキング、さらに、メイス島やロードス島へフェリーでの訪問が主たる目的。いつもはレンタカーでの旅が多い私達だが、車で走らない日が多いということで、ほとんどをバスでの移動とした。第６部は、旋舞で有名なセマーを見たいがためにコンヤに立ち寄った時の旅行記です。初めてしっかりと見ましたが、踊る人の恍惚とした表情には驚きと共に不思議な感動を覚えました。

今回の旅の大まかな旅程は以下の通り。

９月４日　夜エミレーツ航空で成田発。ドバイ経由でイスタンブール着（５日）。
９月５日　トルコ航空でアンカラへ。アンカラ泊
９月６日　アンカラからギョレメへ（バス）
　　　　　９月６日から９月10日までギョレメ滞在
９月10日 ギョレメからコンヤヘ（バス）。コンヤ泊
９月11日　コンヤからシデヘ（バス）。シデ泊
９月12日　シデからフェティエヘ。フェティエからオルデニズへ（バス）
　　　　　９月１２日から１４日までオルデニズ滞在。
９月14日　オルデニズからフェティエ。フェティエからカシヘ（バス）。
　　　　　9月14日から16日までカシ滞在　　　　　　
９月15日　リキアンウェイトレッキング。
９月16日　メイス島（ギリシャ）往復．（フェリー）
９月17日　カシからカルカンヘ（バス）。カルカン泊
９月18日　カプタスビーチ往復。カシからフェティエへ（バス）。フェティエ泊。
９月19日　フェティエからロードス島へ（フェリー）
　　　　　９月19日から９月21日までロードス島滞在
９月21日　ロードス島からフェティエへ。フェティエ泊
９月22日　フェティエからデニズリを経てパムッカレへ（バス）。
　　　　　9月22日から9月24日までパムッカレ滞在
９月24日　パムッカレからアンタルヤへ（バス）。アンタルヤ泊
9月25日 アンタルヤからイスタンブールへ（トルコ航空）。イスタンブールから成田へ（エミレーツ航空）(9月26日成田着）

エリア コンヤ(トルコ)

• 旅行の満足度: 4.5

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 交通手段: 鉄道 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

メヴレヴィー教団の宗教儀式「セマー」。メヴレヴィー教団発祥の地・コンヤへは私は２０年近く前の春にツアーで訪れているが、ガイドさんからあぶないからホテルから出ないように言われ、ただホテルに泊まっただけにすぎなかった。その時からセマー（旋回舞踊）は知っていたので、今回セマーが無料（実際は５０リラ）で見れる土曜日の夜、コンヤに宿泊するように旅程を組んだ。
（本来のセマーはルーミーの命日のある12月の数日間のみに行われる。20世紀 近代トルコになり教団は解体されたが、少数の人々により伝承され今は無形文化財になっているそう）

９月１０日（土）、今日はバルーン見学もせずに、ゆっくり朝食を食べ、ギョレメを１１時に出るバス（行先はイズミール）に乗るために少し早めにバスターミナルに行ったが、１１時をすぎてもなかなか来ない。イライラして待っていたら１２分遅れで到着。出発したのは１１時１５分すぎ。定刻で出発はほとんどないと考えたらいいかもしれない。バスは来た時と同じく、ネヴシェヒルの新しいマンション群の横を通る。

ネヴシェヒルの町の中では、不思議な光景が目に入ってきた。洞窟と住宅が混在した光景。最初ファベーラか？と思った。新しいマンション群と古い町並みのなんと対照的なことか。

ネヴシェヒルを出ると、バスはアクサライの方向へと走行。その途中で、何もない荒野にポツンと建つキャラバンサライ（通商宿）らしき建物を発見。その後ずっと変わり映えしない風景が続いた。

アクサライに立ち寄った後、バスはコンヤに向けてひた走り、３時間４５分後の１５時過ぎにコンヤのバスターミナルに着いた。荷物チェックしてバスターミナルの中に入り、トイレ休憩。最初係員に聞いたら、First floorと言ったので、探したらなく２階に行ってもなかったので、一階にもどってよく見たら、地階にあった。男子用は反対側の地下にあった（無料、ただしトイレットペーパーはなし）。

コンヤ中心部へはバスもあるようだが、勧められたのがTramvey（トラム）。バスターミナルの乗り場１番を左に、写真のような屋根のある長い歩道を歩き、線路のある広い道路に出ると目の前に駅があった。

チケットは、Otogar駅のそばにあるブースで売っていて、２人分のチケットというと、チャージ式カードを１枚７リラで購入できた（翌日は５リラですんだので、カード代が２リラということがわかった）。

Otogar駅からH1かH2でAlaaddin 駅まで乗車して、AlaaddinでH4路線に乗り換え、３つ目のMevlana駅で下車。お目当てのメブラーナ博物館の尖塔部分が修復中であることを車内から目にし、がっかり。

予約したホテル（Aziziye Otel）は超安い（１９ユーロ）が、評価が高く、博物館にも文化センターにも近く、旧市街のど真ん中でロケーション抜群のところにあったので、選んだ。店舗の２階と３階部分がホテルで、継ぎ足し、継ぎ足して建てられたようで、横に長い変わった造りの建物だった。

ホテルの部屋。けっこう広かった。上掛けをバスタオルと間違って使ってしまった。タオルは持参する宿のようだった。道理で馬鹿に大きいタオルだなと思った。上掛けは超リボンのように折られておいてあったので、勘違いしてしまったようだ。どちらにしても暑かったので、上掛けは必要なかった。

シャワーを浴びて少し休んでから、歩いて５分ほどのところにあるメブラーナ博物館のある広場へ。写真はSultan Selim Câmii。

博物館内部へは靴カバーをつけて入場。料金は無料。女性はマフラーも必要でなかった。私はマフラーをホテルに忘れたので、どうしようかと迷ったが、杞憂に終わった。内部の撮影もできた。

3世紀にイスラム神秘主義を開基したジェラール・ウッディーン・ルーミーの立派な棺が置かれていた霊廟。

内部。雑然として、あまり私には興味をひくものがなかったので、早々に出てきた。後でムハンマドの顎鬚の箱があることを知った。後の祭りだ。

セマーの開始が７時なので、２時間しか時間がない。コンヤ名物のPidesiがおいしいと評判の店（Bolu Lokantasi)を、広場の近くで探したが、もうやっていないという。仕方ないので、その近くの別のお店に入ったら、当たりだった。まずは前菜。パクチーやトマトと玉ねぎをいためて辛い香辛料を加えたもの、赤キャベツの漬物などおいしかった。

長い板の上に載せられてきたPidesi。これで一人分。間違って２人分来たのかと思ったが、支払いは一人分だった（６７リラ）。ものすごく軽くておいしいので、ぜひ一度は食べてみる価値だ。

食べたお店の店内。

食べ終えたのが６時頃だったので、セマーが行われるメブラーナ文化センターまでゆっくり歩いた。途中の土産物屋の前には旋回舞踊のコバルトブルーの瀬戸物が売られていた。

歩いて行った道の途中にあった独立戦争殉教者記念碑。右側は広大な墓地。

記念碑横の美しい建物。

文化センター前の庭には赤と白のバラがきれいに咲いていた。

文化センターの２階の会場入り口で一人５０リラ支払う。以前は無料だった。トルコはインフレでなんでも値上がりだ。以前よりも３倍から４倍に値上がっている。

少し早めに座席に着席。楽団の正面の中ほどに座って待った。それほど満席ではない。

いよいよセマーの開始。黒い服で身を包んだ一団が入場し、サークルの端に座り、最初は一人の人物が朗々と講話らしきものを語り始めた。

サークルの背後には楽団。尺八のような縦笛と琵琶のような弦楽器も。朗唱が合わさって会場いっぱいに音楽が流れる。

やがて８人のうち正面の２人が互いに挨拶を交わし、反時計回りに移動。これが結構長く続いた。

上記の儀式のようなのが終わると、突然全員が白の衣装に変化した。

ひとりずつ中央の人物に一礼してから左回りで旋回舞踊を始めた。
この時のビデオ映像は、以下のYouTube参照。
https://www.youtube.com/watch?v=fy6woZ-4VaM

全員でしばらくスカートらしきものをひろげて周り続ける。

ふらつく人は全く見当たらなかった。

同上。

中央で踊っている人達がリーダー格と思われる。

皆恍惚とした表情で踊り続けている。

同上。

二人組をつくり、腕を胸の前でくみしばし休憩。

胸の前で組んでいた手が次第に解け、再び旋回が始まる。首を傾け左から右へ心臓を軸に回る。

恍惚とした表情。

同上。

今度は３人組をつくり、しばらく腕を胸の前で組み、ポーズ。

照明は紫色に。さらにひとりずつ一礼後、旋回舞踊を始める。

照明が緑色に変わり、再び中央の人物に一礼して、ひとりずつ回り始める。

緑色の時が旋回が最も激しかった。

くるくる。見ている方が目が回る。
この時のビデオ映像は、以下のYouTube参照。
https://www.youtube.com/watch?v=TYNLfCIqGs8

よく見ていたら、少年のような子も旋回舞踊に加わっていた。

やがて照明は紫に変わった。

楽団の前。

少年の踊り子の旋回舞踊（３連続で）。

全員が挨拶を終えると、さらに踊り続ける。

踊りが終わると、最後は全員が再び黒い衣を纏い、中心人物を先頭に退場。７時に始まったセマーは、約１時間後の８時に終了した。セマーは娯楽ではなく、あくまで宗教儀式の一環。派手さはなく、同じような踊りが延々と続き、言葉もわからない外国人にとっては少々退屈かも。それでも、私達は念願のセマー鑑賞がかない、十分満足して会場を後にした。

文化センターからもどる道ぞいには白のイルミネーションが飾られていた。トラムヴェイもまだ走っているので、さびしくなかった。今日もほぼ満月だ。

メブラーナ博物館のライトアップは見れなかったが、隣のSultan Selim Câmiiのライトアップは美しかった。今日もカッパドキアからの長い移動の後、夜遅くまでのセマー鑑賞と盛りだくさんの一日だった。明日はさらにバスでアンタルヤの手前の遺跡の町シデに向かう。（その７へ続く）