2019/06/29 - 2019/06/29
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blumentalさん
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毎年夏に夫婦でドイツ旅行をしていたのですが、いろいろ事情があって今年は無理になりました。それでも1週間だけの条件で、私だけ一人旅をして来るお許しをもらい、オランダ、ベルギーに行ってきました(ドイツは夫婦用にとっておくということで)。
今回の旅の主目的はオランダのライン川とベルギーのベギンホフ訪問です。ドイツのたくさんの街でライン川を見てはいますが、その後オランダのどこを流れているのか見たくなりました。そして、以前から興味のあったフランドル地方のベギンホフも。
今回は宿を変えることなく、6泊7日の完全定住型で計画しました(すごく楽!)。用意したのはユーレイル・ベネルクスパス(2等6日)。
出発日は移動だけのつもりでしたが、宿泊地のロッテルダムも見ておかねばと、結局19時からの街歩きになってしまいました。
旅行の日程は以下の通り:★印がこの旅行記です。
★6月29日(土) 10:25関空~15:05スキポール空港、ロッテルダム(ロッテルダム泊)
6月30日(日) ミデルブルグ、フリシンゲン(ロッテルダム泊)
7月1日(月) ライデン、ウールデン、スキーダム(ロッテルダム泊)
7月2日(火) アーネム、ナイメーヘン、スヘルトーヘンボス(ロッテルダム泊)
7月3日(水) ルーヴェン、メッヘレン(ロッテルダム泊)
7月4日(木) リール、トゥルンハウト、ヘーレンタールス(ロッテルダム泊)
7月5日(金) ブレダ、14:45スキポール空港~(機内泊)
7月6日(土) 8:45関空着
- 旅行の満足度
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 鉄道 飛行機
- 航空会社
- KLMオランダ航空
-
今年は夫婦そろっての海外旅行はできなくなりましたが、私だけの短期一人旅として実現。一応女房に遠慮して、女房のすごく行きたそうな場所は避けて計画。とは言いつつ一人旅なんで、100%自分好みの訪問地を選択(当然!)。
10:25関空発のKLMで出発、15:05スキポール空港着。3年ぶりのスキポールです。 -
入国のゲートがすごく込み合って、すごく時間をとられた上、荷物のピックアップにも手間どり、到着ホールに出るまでにかなりの時間ロス。
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鉄道駅は空港と連結していているのが大変ありがたいスキポールですが、ベネルクスパスのバリデーションをするため並んだ駅の窓口もかなりの行列だったためここでも時間ロス。
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スキポール空港発ロッテルダム行きの列車は本数は多いのですが、すごく混雑していたので、比較的空いた列車を待って乗ったら(16:57発)、直行便ではなくライデン経由のIntercityだったようで、倍の時間をかけて17:48ロッテルダム到着となりました。(写真はロッテルダム中央駅)
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ロッテルダム中央駅の自動改札。
こんなに無駄時間を過ごしても、今日は特に予定を組んでいなかったためか、全く焦る気もなく、久々のオランダにいることだけで気分はウキウキ(平和ですね)。 -
駅舎を出て、まずは目の前の風景。
わっ、近代的!が最初の印象です。 -
振り返ったロッテルダム中央駅。ガラス張りの入口には街の風景が映っています。
まずはここから500m離れたホテルに移動。 -
イチオシ
ホテルにチェックイン後、ロッテルダム中央駅に戻ってきました。全景を眺めて、改めて超モダンな駅舎だと感じます(2014年のリニューアル)。
現在19:00ちょうど。日は傾いているもののまだこの明るさ。明日からの観光予定はぎっしりで、滞在するロッテルダムの散策時間が入っていません。今日は移動日だけの予定でしたが、欲を出してこれからロッテルダムの街歩きを開始します。 -
駅前からウェーナ通りWeenaを東に2区画行って右折するとラインバーン商店街Lijnbaanです。世界初の歩行者天国。
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ラインバーン商店街を南に進むと左手にスタッドハイス広場Stadhuisplein。
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広場というより幅広い通りという感じ。広場の東側突き当りにあるのはロッテルダム市庁舎Stadhuisです。
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広場に建つのは戦没者慰霊碑Monument voor alle gevallenen 1940-45(1957年作)。
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ロッテルダム市庁舎(1914-20年建設)。大戦時の爆撃(1940年5月)を生き延びたロッテルダム中心部の数少ない建物の1つです。
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市庁舎前のコールシンゲル通りCoolsingelを南に向かうと世界貿易センターWorld Trade Center(1987年完成)。かなり高いビルですが、それでも93m。これより高いビルがロッテルダムには30以上あります。
※旅行時、1番高いビルは165mでしたが、2022年に215mのビルが完成しました。 -
世界貿易センターの入口にあったギスベルト・カレル・ファン・ホーゲンドルプ(1762-1834)の像。
彼は1813年、フランスの支配崩壊後に成立したオランダ連合公国の初代外務大臣、1815年からのネーデルランド連合王国の国務大臣を務めました。
余談ですが、女優オードリー・ペブバーンの母方はこの人の直径の子孫にあたります。 -
世界貿易センターを超えて東に曲がってホーフ通りHoogstraatを進むと、スタイゲルス運河Steigersgrachtに出ました。
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運河の対岸(南側)にはスタイゲル教会Steigerkerk。カトリック(ドミニコ会)の修道院教会ですが、1940年の爆撃によって完全に破壊され、1959-60年に再建されました。しかしご覧の通り、破壊以前とは全く異なる近代建築で完成。
ロッテルダム中心部の建物のほとんどは過去の記憶を呼び起こさないように戦後再建されています。戦前の街を再現させるドイツとは全く異なりますね。 -
ホーフ通りの北側にはフローテケルク広場Grotekerkpleinがあり、広場の東側には聖ローレンス教会Grote of St. Laurenskerkが建っています。
1412-1525年に建設されたゴシック様式の教会(尖塔は1645-46年)で、建設当時は当然カトリックですが、1572年以降はプロテスタント教会です。 -
イチオシ
ここも世界大戦で破壊されましたが、1952-68年に元通り修復されました。塔の高さは64m。
やっぱり教会は原型再現でなくっちゃね。近代建築で生まれ変わったロッテルダム市で唯一の中世の名残といえばここくらいかも。 -
教会の後陣側。
こんな時間ですから閉まっているのは当然ですが、この教会内部は見たかった。オランダあちこちの教会でパイプオルガンを見ていますが、ここのもぜひと思っていました、残念。 -
広場にはロッテルダム出身の神学者デジデリウス・エラスムス(1466-1536)の像(1622年作)がありました。
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再びホーフ通りに戻って、通りの北側には聖ローレンス教会。
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ホーフ通りの南側には広場があってその南側にはマルクトハル。左の観覧車は仮設でしょうか。
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ホーフ通りとビネンロッテ通りBinnenrotteの交差点から見た観覧車とマルクトハル。
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交差点の南東側。左の建物はロッテルダム中央図書館Centrale Bibliotheek Rotterdam。
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図書館の南側の建物も斬新なデザイン。はっきり言って、けったいな建物が多いですねロッテルダムには。歴史的建造物にこだわらなければ、十分楽しめる街です。
左の奥はキューブハウス。右の白いフレームの屋根は地下鉄Blaak駅。 -
さらにBlaak駅の南に目を向けると、ここにも奇妙なビルが建っています。
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でも、ひとときわ目を引くのはこのキューブハウスKijk-Kubusです。うん、確かに斬新!
建築家ピエト・ブロム(1934-99)の設計で、都市の中に集落を作るという概念で建てられた集合住宅です(1984年完成)。 -
45度に傾いた38個のサイコロが並び、その両側には大きいサイズのスーパーキューブ2棟があります。
下の階にはオフィスやいくつかの店舗が入っています。 -
キューブハウスは道路をまたいで建っているので、上の階は歩道橋の役目も果たしています。
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道路をまたいでいる上の階。アパートの中庭といったところか。
サイコロの家は3階建てで、入り口と階段のある六角形の柱の上にあります。 -
キューブハウスの端(南東側)はアウデハーヴェン(旧港)Oudehavenに面しています。
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左の赤い主塔はウィレム橋Willemsbrugです。
右の白い建物はヴィッテ・ハイス(ホワイト・ハウス)Witte Huis。1940年の爆撃を逃れた市内中心部の数少ない建物の1つです。1897-98年に建てられた高さ43mの11階建てのオフィスビルで、ヨーロッパ最初の高層ビルだそうです。 -
キューブハウスの下をトラムが通過します。すぐ右手にトラムのBlaak駅があります。
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キューブハウスからBlaak駅の横を通ってマルクトハルに向かいます。
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Blaak駅の駐輪場。この風景を見るとロッテルダムもオランダって気がします。
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Blaak駅の西側にあったマルテン・トゥーンダーの記念碑Toonder Monument(2002年作)。マルテン・トゥーンダー(1912-2005)はオランダの漫画家です。
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後ろのビルの方がすごく気になります。ずれた積み木に絵を描いたみたい。
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マルクトハルの東側から。
どう見てもかまぼこ。かまぼこの内部は大型のマーケットになっています(2014年オープン)。かまぼこ両端のガラスには対面の風景が映っています。 -
イチオシ
かまぼこの西側から。かまぼこの外側の面はアパートになっていて、200戸以上の居住スペースがあります。ずらりと並んだベランダは圧巻。
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かまぼこの内側は非常に高いアーチ天井。
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天井はカラフル。食べ物だらけ。
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様々な食料品店、カフェ、レストラン、フードコートなど100店舗以上が入っています。
ここで食べていきたかったのですが、まだまだ歩く予定があるため断念。 -
マルクトハレを出て、南へ。
Blaak駅前から北を振り返った風景。うーん、やっぱり奇妙な建造物の街ですな、ここは。 -
Blaak駅の南側にはこの特徴的なビル。このビルの面したブラーク通りBlaakを右(西)に進みます。
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ブラーク通りに面したブラークハウスBlaak House。煉瓦造りのファサードで他とちょっと違う雰囲気なので注目。何か歴史ありそうと帰国後調べてみたら、元オランダ貿易協会のロッテルダム支店でした。でも今は無関係のオフィスセンターです(1950年建設)。
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オランダ貿易協会Nederlandsche Handel-Maatschappijは、1824年に貿易、海運、農業の発展のためにウィレム1世によってデン・ハーグに設立されたオランダの貿易および金融会社です。建物入口にあったプレートでわかりました。
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さらにブラーク通りを西に進むと1940年広場Plein 1940があり、ルーフェ港Leuvehavenに面しています。
広場の中央に建つのは戦争記念碑「破壊された都市」De Verwoeste Stad。 -
ドイツ空軍による爆撃で街の中心部がほぼ完全に破壊されたロッテルダムの街を象徴するのに、胸に穴の空いた人間の姿で表しています(1953年設置)。ブロンズ像の別名は「心臓を失った男」(こう呼ぶのは日本だけ?)。
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ドイツとオランダの開戦から4日後の1940年5月14日、ドイツ軍はロッテルダム爆撃を通告して降伏勧告。オランダが降伏の調印をしたことが、既に発進していたドイツ軍爆撃機に連絡の不備で伝わらず、町は爆撃によって火の海に(ひどい話!)。
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「心臓を失った男」の西側には海洋博物館Maritime Museum。1874年に設立されたオランダ海事史を扱った博物館です。
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ここは博物館港として、船、クレーン、造船や積み替えに使う装置など、港湾関係の設備が野外展示してあります。
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運搬車の樽には、ワカサギ、エビ、イワシ、カレイが描かれています。
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赤い鋳鉄製の灯台は1899年の建造で、ホークHoek(オランダ南西部の町)に設置されていたものを解体し、1990年にここで組立てられました。
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ルーフェ港沿いの通りを南に移動します。
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エラスムス橋Erasmusbrugの袂に出ました。ここは交通量も多く、ここからじゃ橋も川もよく見えません。
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橋の袂の東側にあるウィレムス広場Willemspleinから。ここなら橋が見えます。
左手前の水路は海洋博物館に通じるルーフェ港への入口です。右のカラフルな彫刻はマラソンビールドMarathonbeeldと呼ばれるロッテルダムマラソンの記念碑(2001年公開)。 -
イチオシ
なかなかいい眺め。橋の向こうの3棟接続のビルはデ・ロッテルダムDe Rotterdam、高さ149mのオフィスビル(2013年完成)。
エラスムス橋の下を流れているのは新マース川Niewe Maasです。ドイツから流れてきたライン川はオランダでいくつかに分岐し、その一つが新マース川。ロッテルダムの河口までがライン川の最長の経路になります。 -
エラスムス橋は1966年の完成で全長802m。白い主塔の斜張橋です。
ボーデン湖のコンスタンツを起点として、この橋までのライン水系の距離は 1,001km。起点となるコンスタンツのライン橋を昨年訪れました。
(コンスタンツ2018)https://4travel.jp/travelogue/11529518 -
さらにルーフェ港にかかる短い橋を東にわたるとゼ・ヒールデン・ケルス公園Ze Hielden Koers Parkがあります。公園というよりも緑地のある河原って感じ。
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この公園にも戦争記念碑が建っています。国立商船記念碑Nationaal Koopvaardijmonumentで、別名デ・ブーフde Boeg。高さ46mのアルミニウム製です(1957年設置)。
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波を切る船首を表しているのでしょうか。
第二次世界大戦中、ドイツの潜水艦や爆撃機による攻撃の中、オランダ商船はイギリスとロシアのために兵士と武器、食料を輸送しました。その間に421隻のオランダ商船が沈没し、乗船していた3,500人が命を落としたそうです。 -
ケーブルで繋がれた操舵手、3人の船員、そして溺死した男の5名のブロンズ像が後から追加されました(1965年)。
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もう20時も過ぎたんで、中央駅に戻ります。
ルーフェ港入口にも奇妙なビルが建っています。あのビルの向こう側のスキーダムセデイク通りSchiedamsedijkを真っ直ぐ北に向かいます。 -
スキーダムセデイク通りとブラーク通りの交差点(海洋博物館の隣り)はチャーチル広場Churchillpleinです。トラムが南北に走っています。
写真では静かそうに見えますが、大都会だけあって騒々しい街です。歩いていても落ち着きません。 -
チャーチル広場にあった奇妙な彫刻。名前はカスケードCascade、高さは8m(2010年作)。18個のドラム缶が積み上げられ、缶から油が滴り落る中をよじ登ろうとする人物が20人。
この像はポリエステル製であることを後で知りました。残念、触って確かめたかった。 -
この広場から北はコールシンゲル通り、特徴的な世界貿易センターのビルの横を通過。
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市庁舎前のスタッドハイス広場。まだまだ賑やかですね。
戦没者慰霊碑の後姿かと思ったら、一人は前向きでした。 -
20:30、中央駅に戻って来ました。ちょうど1時間半、ずっと歩きっぱなしの散策でした。歩いた道筋はトータル6km。
こんな遅い時間の街歩き、ひとり旅だからできるんで、女房がいたら絶対に付き合ってくれません。 -
お腹もすいたし、何よりビールを飲みたい。特にレストラン探しもせず、目についた駅近くのハンバーガーの店で夕食。
明日が観光初日で今日は移動日のはずが、既に足はがくがく。さらにホテルまで500mをとぼとぼ歩いて戻ります。まだスーツケースを開けてもいません。
明日、最初に訪れるのはオランダ西部のミデルブルグです。朝、ちゃんと起きれるかなあ。
(ミデルブルグ)https://4travel.jp/travelogue/11788860
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