NPO法人よこすかシティガイド協会 貝山地下壕ガイドツアー

2022/04/09 - 2022/04/09

毎月2回、第2、第4土曜日に開催される貝山地下壕ガイドツアーに参加して来ました(要予約；各回先着30名)。
http://yokosuka.kankoh-guide.com/kaiyama-chikagou-irai-guide-chirashi.html

その時の模様を巡った順にご紹介します。
今更ですが、「ああ、そうなんですか」って返されるより、「そうそう、そうなんですよね！」って返って来る方がずっと楽しいって事が判りました。
興味の範囲と言うか、好奇心の持ちように共通点が有ると、知らない同志でも話は弾みます。
貝山緑地の杏の並木に通りかかった時にガイドさんから「杏って召し上がりますか？」と尋ねられたPHOが「峠の釜飯」って言ったら、「あ～っ！」って声があがって、皆さんご存知なんだな、と。で、崎陽軒のシウマイ弁当にも杏が入ってるって新たに知りました。
東京湾を挟んだ反対側の館山に在る赤山地下壕も、やはり皆さん訪れてて、あっちの方が涼しかったのは何故だろう？なんて話になりました(PHOが思うに房総半島行くのって、やっぱ夏じゃないすか。だからその温度差ゆえかな、と)。
確かにツアーって与えられるモノを見るだけになりがちなんだけど、自分1人では知り得ない情報が手に入ったりすると、充実感を味わえます☆

エリア 横須賀(神奈川)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.0
• 交通: 3.5

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 1万円未満
• 交通手段: 高速・路線バス JRローカル 私鉄 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

KEIKYU BLUE SKY TRAIN
「羽田空港の空」と「三浦半島の海」をイメージした青い車体です。確か2編成しか無かったように思います。
品川駅から追浜駅まで乗りました

京急久里浜線 乗り物

追浜駅
集合場所近くまでバスで行こうと(ガイドツアーで歩くので)待っていましたが、間違って平日ダイヤを見てたのに気付かず、バス来ないよ～っと焦りまくりました。結果的に間に合いましたが、それなら30分遅い電車でも良かったジャン。
歩いた方が全然早かった★

追浜駅 駅

第三海堡構造物展示場
集合場所は此処でした。9時30分～10時に受付を済ませると、集まった順に適宜出発して行きます。PHOらは6人グループとなり、ガイドさんとアシスタントの方が付いてツアー開始(参加費は保険料込みで700円)

第三海堡構造物展示場 名所・史跡

ってかさ、そもそも海堡って何？
Wikipediaによれば、海堡は海上に人工的に造成した島に砲台を配置した、洋上の要塞の一つ。日本では東京湾に明治と大正に建設された複数の海堡が存在しているんだけど、第一海堡と第二海堡は千葉県富津市、第三海堡は神奈川県横須賀市に属してるの。
で、その第三海堡の遺構が今、此処に在る訳よ。
何で東京湾に造成されたのに此処に在るかって言うと、それが申し訳無いけど馬鹿馬鹿しい。
第三海堡は横須賀市観音崎沖に建設され、3つの海堡の中で最も深い、水深39ｍの位置に造成されたモンで、難工事になっちゃって、明治25(1892)年8月起工、大正10(1921)年完成。30年近くもかかってるんだよね。
世界的にも類を見ない難工事を視察したドイツのレンネ少佐は「無謀」だと評したし、途中で日露戦争に勝利して、ひとまずロシアの脅威は緩和されたはず。それでも延々と建設を続行したのって狂気の沙汰としか言いようが無い★途中で引き返せない、止められないって、その後の戦争でも全く同じ事を繰り返してるでしょ。
なのに完成からわずか2年後の関東大震災により最大4.8 mの沈下が発生し、全体の三分の一が水没、地下部分も破壊されるなど3つの海堡で最も大きな被害を受けちゃって、結局復旧は困難と判断されて廃止・除籍されたの。虚しい・・

何を観測してたんだろ？指揮官と観測って結びつかない、監督ならまだしも

観測施設部分

砲台砲測庫

要は弾薬庫

探照灯施設

サーチライトが設置されてた台座

探照灯施設内からの眺め
左奥の巨大な建物はリサイクルプラザ「Aicle」って言う資源ごみ再生工場です。

此処に第三海堡遺構が展示された経緯について、詳しくはこちらをどうぞ
http://www.action-oppama.org/project/dai3kaiho/

右側に台座見える

探照灯って夜間に敵艦を探知するための施設だけど、サーチライトとか点けてたら、こっちの位置も相手に判るよね

貝山って貝の化石がいっぱい出て来たから名付けられたらしい

戦争末期の昭和19(1944)年7月、米軍がマリアナ諸島を占領した事により、B-29爆撃機による日本本土全域への空爆が可能になったため、これに備えて軍用機を格納する掩体壕の建設や軍事施設の地下化が進められたって訳。
其処までしても戦争を止めなかった事が恐ろしい

此処で安全の為、ヘルメットを装着。
此処が何に利用されていたか説明を受けたと思うんだけど、正面の地層に目を奪われて、聞いてなかった気がする

岩盤は硬質な黒色凝灰岩と、やや軟質な砂岩の互層

貝山地下壕を掘ったのは誰か？確かな記録がいまだ見つかっていないので、ハッキリした事は判っていません。ただ、海軍航空隊基地内の野島掩体壕(隧道)、夏島掩体壕(隧道)を開削しているのが第3〇〇設営隊だったのは資料から確かめられてます。
横須賀市内の大規模な地下壕は、ほとんどが追浜とその周辺に在りました。これらは横穴式で、追浜の地形を生かしたモノでした

入口付近はコンクリートが打たれた広場

貝山地下壕は総延長2Kmを超すと言われていますが、公開されているのはそのうちのB地区の一部です

枠だけ残る扉

排水溝も在る

見事な手掘り(工具は使ってるにせよ)の跡

隧道の形状は爆風圧の軽減を図るために直線形を避け、出来るだけ屈曲させるように造られています

正面の壁に四角い凹み見えますか？
大抵の場合、こういう所には御真影が掲げられてたんですよね

坑道は幅、高さ共に約3m。ところどころに照明は在るけど、カメラに写るより実際は暗くて、懐中電灯のお世話になりました。足元平らじゃないので要注意

水槽跡

竈と排煙ダクト跡

坑道は枝分かれしていて、全く灯りの無い所も多く、それらは立ち入り禁止となってます。歩ける所も結構暗いし凸凹なので足元注意

追浜浄水センター

これ何？
遺構じゃないよ

燃料タンク貯蔵庫
中に丸いの入ってるの見えるでしょ

「甦る水100選」は、明治33(1900)年３月７日に近代下水道制度の基礎である旧下水道法が施行されてから100年が経ったのを記念して創設されました。
貝山緑地に隣接する追浜浄化センターの「トンボの王国」は、良好な水環境を創造したと高く評価され、「甦る水１００選」として建設大臣賞を受賞しました。
平成12(2000)年9月27日、扇千景建設大臣の名前が書かれています



敷地内には貝山緑地に隣接する「追浜トンボの王国」

法令等の改正により平成17(2005)年度から、現在の再生水処理施設で処理した水を直接触れる事が出来なくなっちゃって、せっかくのトンボ池や小川は、見て楽しむだけ施設として運用って事に。
ってか、浄水センターの敷地そのものが今、立ち入り禁止なんだよね

予科練誕生の地碑
予科練って海軍飛行予科練習生の略称で、大日本帝国海軍における航空兵養成制度の一つ。“Naval Aviator Preparatory Course Trainee”と訳されてる。
昭和4(1929)年12月、海軍省令により「将来、航空特務士官たるべき素地を与ふるを主眼」とされ、応募資格は高等小学校卒業者で満14歳以上20歳未満で、教育期間は3年(のちに短縮)、その後1年間の飛行戦技教育が行われた。全国からの志願者5807名から79名が合格し、昭和5(1930)年6月、第一期生として横須賀海軍航空隊へ入隊したって言うから、エリートだったんだよね。
ところが最初に与えられたのは最下級の新兵と同じ水兵服だったりしたから、不満爆発で、「予科練には来るな」って地元の出身中学で堂々と言ってはばからない
練習生が後を絶たず。更に不満は募って、ついには第三期生がストライキを起こすという前代未聞の事態に発展(やるジャン！)。人気を回復するため海軍省は苦肉の策として、軍楽兵と同様の短ジャケットに「桜に錨」の七つボタン、下士官型軍帽を制定した。安易だけど、それは功を奏したんだよね。
だって、桜に錨の七つボタンってPHOでも知ってる予科練の象徴になってるでしょ

海軍航空隊とその予科練習部が初めて置かれた地であり、戦争時には地下に飛行機の格納庫と旧日本軍の防空壕が掘られた。

貝山展望台

豊かな緑の一部は、地域住民の植林活動によって植えられた杏の木で、花の咲く時期には名所として多くの人が訪れる。

これは何？
多分北から西にかけてだと思う

八景島シーパラダイス
近いね

日産自動車追浜工場
敷地はかつて海軍飛行場だったところです。
昭和36(1961)年の操業開始から日産のマザー工場として、日産初の電動車(EV、e-power)が生産されたのも此処。

往きのバスの車窓から菜の花が綺麗なのを見てたので、帰りは歩いてみる事にしました。

最後までご覧いただき、有難うございましたm(。。)ｍ