2020/03/01 - 2020/03/01
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ノーーウォリーズさん
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シドニーの3大祭典のひとつ、マルディグラです。一般的にプライドパレードと呼ばれるLGBTQ(レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダー・問合せ中)の人たちのお祭りです。シドニーのマルディグラは非常に大きくパレード参加者は約12000人、観客は30万人と言われています。発祥は1978年で、20世紀終わりには世界で最も大きいプライドパレードだった時期もあります。約40年前はパレード参加者が逮捕されたり差別など激しかった様です。2021年現在はオーストラリアでは多様性が広く認められて、性的趣向を問わず沢山の人が集まる有名で賑やかなイベントになっています。日本で言うとハロウィンパレードに近いかも知れません。
毎年3月上旬が近づくと、シドニーの町はレインボー旗が飾られてお祝いムードになります。ウェブサイトの企業ロゴがレインボーカラーになったり、プロフィールの写真の背景をレインボーに変える人もいて、仕事をしているだけでも変化に気がつきます。私の会社では全員がダイバーシティ&インクルージョン(人種や性的趣向などの多様性を認めて差別禁止)のトレーニングを毎年受ける必要があり、私生活を含め違反するとペナルティがあると教育されます。豪州ではこういう事は厳しいです。敬虔なカトリック教徒の人は、信仰の自由がないと不満そうですが何も言えません。現在は日本でプレーしている元豪州代表のラグビー選手は、カトリックの教えに基づくゲイへのヘイト発言で、豪州代表を解雇されたのはこちらでは有名な話です。
2021年の日本でも東京五輪は多様性がテーマでしたし、10月下旬にはLGBTQ法案の可否を問う総選挙もあります。日本でも多様性やLGBTQの議論は避けられない状況となっている様です。旬の話題ですので、過去2016年と2020年3月のプライドパレードの様子をまとめて紹介します(2020年はコロナ禍直前の開催でした)。
[閲覧注意] 過激なシーンは自主規制していますが、同性愛イベントの性質上それでも過激に感じる人がいるかも知れません。私は何回も見ているので慣れましたが、最初見た時は衝撃でした。
関連旅行記:
シドニーの隠れた名物・マルディグラ (10年前の2011年の様子)
https://4travel.jp/travelogue/10739854
- 旅行の満足度
- 4.5
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本題に入る前に2021年10月22日現在の豪州のコロナ関連のニュースです。シドニーのNSW州では、ワクチン接種率が16歳以上に対し70%に達した10/11「自由の日」に106日間のロックダウンを解除(感染者は日に400人程)、11月から海外からの入国者の隔離義務を条件付き解除、と急激なペースで規制解除されています。パブ(居酒屋)やジムでは、沢山の人がマスクなしで集まっています。この日を境にすべてが解決した雰囲気です。ロックダウン解除後シドニーの急激な変化には大きな驚きと戸惑いです。
日本と豪州を比較すると対照的です。2020年には日本は規制解除が素早く豪州は慎重だったのに対し、2021年後半(ワクチン普及後)は逆に豪州の規制解除は素早く日本は冬の第6波を警戒して慎重な雰囲気があります。現時点でどちらが正しいかは分かりませんが。
Source: https://www.abc.net.au/news/2021-10-15/nsw-ditching-quarantine-for-international-travellers-explained/100541924 -
豪州が11/1から1年半ぶりに鎖国を解くことに伴い、カンタス航空は1年半ぶりに国際線フライトを再開します。ワクチン2回完了・72時間前の陰性証明があれば、豪州入国後にホテル隔離する必要はありません(現時点の情報で)。まずは豪州国民・在住者が対象ですが、ビジネスマン・留学生・観光客と徐々に対象を広げていく様です。ずっと鎖国していた豪州には大きなニュースです。
Source: https://www.qantas.com/jp/ja/travel-info/travel-updates/coronavirus/qantas-international-network-changes.html -
本題に戻ります。まずはメインイベントのマルディグラの数週間前に開催される2016年フェアデー Fair Dayの様子。シドニーのビクトリアパークに、LGBTQとサポートする人たちが集まります。マルディグラとは3週間も続く複数のLGBTQのイベントを総称しています。
シドニー・ゲイ・アンド・レズビアン・マルディ・グラ 祭り・イベント
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フェアデーにはドラァグクイーンのお姉さまに会うために訪れます。写真はピンヒールを履き身長190cmと存在感のあるお姉さま。ドラァグクイーンはテレビなどメディアでよく見かけますが、昼間にシドニーの街を歩いているドラァグクイーンには流石に会ったことがないです。
ビクトリア パーク 広場・公園
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男性のマッチョグループ。外見も良く気配りもできて、異性にもてそうですが。。女性には残念ですね。
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どこからともなくドラァグクイーンが集まると撮影会が始まります。レインボーカラーはLGBTQの象徴です。東京都のコロナ対策認証店を示す虹マークは、私にはGLBTQサポートの店に見えます。
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ドラァグクイーンは、撮影に気軽に応じてポーズをとってくれます。
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赤く燃え上がる情熱。ドラァグクイーンとしてのプライドを感じます。
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ここからマルディグラの当日です。午後3時ごろになるとマルディグラ・パレードの開始地点ハイドパークには、パレードに参加する人たち12000人集まってきます。参加者専用エリアに入る前が撮影のチャンスです。
ハイドパーク 広場・公園
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最近日本でもよく言われる多様性をもった人々が集まります。LGBTQでも普通っぽい外見の人からそうでない人たちまで。声をかけると一緒に記念撮影できます。
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日本のテレビに出演されている方でしょうか。。?
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鮮やかなサンバのコスチューム。
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同じくサンバのコスチュームですが、着ている人には多様性があります。
パレードの開始地点での撮影会が終わると、私はいつも終了地点へ移動します。マルディグラ・パレードはオックスフォードストリートとアンザックパレードの1.7kmを行進します。開始地点ハイドパーク周辺は大混雑で良い位置を確保するには朝から場所取りしなければいけませんが、終了地点ムーアパーク周辺なら夜6時ごろでも最前列を確保できます。 -
マルディグラ・パレードの構成は毎年同じです(2021年はコロナの影響で、ストリートパレードではなくスタジアム内で開催されました)。まず最初に夕暮れの7時ごろにとても男らしい女性バイクグループ Dykes on Bikesが爆音を轟かせて入場してきます。
マナー ブティック ホテル ホテル
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その後の男性バイクグループは小さいスクーターに乗り可愛さを演出しています。
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バイクグループは往復してまた戻ってきます。この頃には日が暮れています。
パレードの開始は夜8時ですが、ここは終了地点に近いので夜9時ごろまで2時間ほど待ちます。この時間には沿道には何重にも人が重なり場所取りが激しいため、仲間と来ていても一旦離れたらまず戻る事はできずトイレにも行けません。パレードを見るのは無料ですが、準備と忍耐が必要です。コロナ禍でいうと超超密です。 -
ようやく夜9時ごろパレードがやってきます。”Equality”を訴えるグループ。マルディグラが訴える多様性への平等を主張します。多様性や人種差別は長年の課題ですが、今でも解決してはいません。男女平等も完全に実現していません。
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看板に訴えたいことを書いてデモ行進するのは、昔からのスタイルです。今では真面目なデモ行進というよりはお祭りパレードの雰囲気ですが。
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ACONグループ、HIV啓蒙活動でマルディグラ・パレードの常連です。プライドパレードは欧米では広く行われていますが、夜に開催されるのはシドニーなどごく僅かです。夜だとより怪しい雰囲気になります。撮影には明るいレンズのカメラが必要です。この辺りは暗くて被写体の距離はバラバラに動き回るので撮影の難易度は高いです。
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有名企業グループも目立ちます。これはカンタス航空グループです。カンタス航空CEOは自らがゲイであることを公表して、LGBTQを大きくサポートしています。手を振っているドラッグクイーンも、普段はクルーとして飛行機に搭乗しているのでしょうか。
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Facebookグループ、IT業界GAFAの一角で最先端の勤務先です。ダイバーシティがある従業員は新たなイノベーションを先導するのでしょうか。
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自由な雰囲気のパレードですが、堅く整列しているグループも。写真はスコットランドのパイプバンド。他に整列しているのは警察官や消防士などの固い職業のグループです。ほぼ全ての職種のグループが、パレードに参加しています。
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政治家のグループ、写真は2016年当時に労働党 Laborの党首であったビル・ショーテン。豪州の労働党は比較的リベラル派です。第一野党の党首がパレードに参加しているのは、LGBTQは政治・経済にも影響力が高い証拠です。ちなみに豪州ではこの翌年2017年に同性婚が合法化されました。意外と最近です。
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派手な山車がやってきます。
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30万人の観客から注目を浴びて気持ち良さそうです。必ずしも全員LGBTQではなく、それをサポートする人たちも含まれています。
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沢山のダンサーが、ストリートパーティの様な状態で踊っています。
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リオのカーニバルもこんな感じなのでしょうか。カーニバルとマルディグラ(元の意味)の起源は同じです。イースター復活祭の40日前からレントという絶食(または節食)する期間があります。レントが始まる前をカーニバルと呼び、特に最終日のマルディグラは肉を食べて盛大に祝おうというものです。カトリック教が罪深いとするLGBTQの祭りの名前になるとは皮肉ですが。
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SM愛好家たちの登場です。
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檻にいれて鞭で調教シーンです。
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撮影中に視線をくれてポーズを取ってくれた人たちです。
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ブリーフの水着、マルディグラ定番のスタイルです。こちらではSpeedoと呼ばれています。ブランド名が水着のスタイルになっています。
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私の前後にいる観客が大声援を送っていて、彼らはそちらに向いています。
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なので私がもてて視線をくれている訳ではないと思います。
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普通のおじさんに見えるグループ。老若男女問わず、いろいろなグループを見かけます。
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こちらは普通のおばさんのグループ。
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ドラァグクイーンのお姉さま達。
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次々と山車がやってきます。それぞれグループの趣向も違い面白いです。
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サンバ系の情熱的なドラミング。
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男女混合グループで恋も生まれそうな雰囲気なのですが。
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豪州トレス海峡の少数民族の旗を掲げています。マイノリティの中のマイノリティですね。
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海外からもゲスト出場。アジアからのグループは小さな女の子達、と思ったのですがタイのレディボーイとは。。
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今まで性別問わず大柄の人ばかりだったので、レディボーイに真の女性を感じます。
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インドからもサリーを着て参加です。国によってはLGBTQである事は死刑並みの犯罪です。自由っていいですね。ちなみに日本からも浴衣を着た女性グループが毎年参加しています。
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クレオパトラを連想させる金ピカの衣装。
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アラジンと魔法のランプでお願いするなら「世界に多様性を」でしょう。
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パレードの最後尾には運営を手伝ったボランティア達が歩きます。そして左側の空には花火が上がっています。大体夜11時頃にマルディグラ・パレードは終了します。この後も朝までLGBTQ向けパーティがある様ですが、一般観客は帰路につきます。興奮が収まらない沢山の人たちが乗った電車の車内は騒がしくまるでパーティ会場です。この日はシドニーでも特別です。
なお2020年3月1日は通常開催でしたが、この数日後にコロナウイルスがシドニーに上陸している事が判明しました。町中が一気に緊張モードとなり、次週からのイベントは全て中止となりました。次のロックダウン滞在記に続きます。
日本にはLGBTQ理解など要らないという意見も聞きますが、日本人が海外旅行中に差別されて嫌な思いをする事が少ないなら、それは現地の多様性のおかげです。LGBTQ当事者でなくとも、多様性がある社会には多くの恩恵があると思います。
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この旅行記へのコメント (2)
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- スイカさん 2021/10/26 13:51:10
- LGBT...
- こんにちは
LGBTパレードなどは、こちらでは絶対無理でしょうねえ。
近頃は、益々統制強化のようで、CMや男性の長髪、ジャニーズ系の容姿にもいちゃもんをつけてるようです(坊主頭推奨か?(^_^;))。
まあ、我が街辺りでは、ジャニーズ系に出逢うことはそれ程多くないですが、けっこういます。
ゲイバーなんかがあるのかは、知りませんが、上海のSNSなんかによると上海はゲイバー盛んなようです。
ところで、こちらは、またまたデルタコロナが広がってしまいました。
国慶節の国内旅行者が広めてしまったようです。
けっこうな広がりになるかもしれない感じがあります。
大型イベント(武漢マラソン、北京マラソンなど)は中止され、とにかく北京五輪まで厳戒態勢でいくようです(現在、北京には相当な理由が無いと他省から入境できません)。
3回目接種を始めるという話も聞きます。
とりあえず、私は近々インフルエンザワクチンを打つ予定です。
スイカ
- ノーーウォリーズさん からの返信 2021/10/28 00:02:53
- ゲームチェンジャー
- スイカさん、こんにちは
LGBTQパレードは日本や中国などアジア諸国ではこんなに堂々と開放的にはできないでしょう。中国では障害者扱いですか?逮捕されないだけマシかも知れませんが。中国はイケメンだけでなく不動産やエネルギーなど不可解な統制も最近進めていて、いったいどこを目指しているのでしょうね。
北京五輪まで厳戒態勢ということは、あと4ヶ月は不自由な生活ですか。。世界が開放に進む中での自粛は辛いのは分かります。中国もワクチン接種80%超えたなら、もう開放すれば良いと思うのですが、いつまで続けるのでしょう。私はゼロコロナとウィズコロナ両方の生活を経験しましたが、ゼロコロナは絶対安全でノーマスクで近場に旅行へ行けますが、突然ロックダウンや隔離が起きて安心ではなかったです。ワクチンでウィズコロナとなって安全性は僅かに落ちて日常生活にマスクが要りますが、突然ロックダウンはなくなり海外渡航も解禁されました。政府としても休業保障しなくて良いので安上がりだと思います。なのでワクチン接種がゲームチェンジャーになりゼロコロナの国もウィズコロナに転向したのでしょう。中国製ワクチン効果が十分でないなら、日本が開発した飲み薬を中国へ供給してもらうしか他に開放への道がないのでは。ただ再度ウイルスが進化してゲームチェンジャーとなる可能性もありますので、どちらが正しいのかはまだ分かりませんねー。
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