2022/08/27 - 2022/08/27
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ノーーウォリーズさん
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2022年8月24日はウクライナの独立記念日、およびロシアの侵略が始まって半年が経ちます。終わりが見えない戦争が続き、ウクライナの人々の惨禍が長期化しています。また戦争中の2カ国からコモディティが輸出できず、世界的な物価上昇の大きな原因となり、戦争は世界中の人たちの生活に影響を与えています。ウクライナの独立記念日に合わせて、8月27日に地球の裏側にあるシドニーの反戦フェスティバルの様子を紹介します。
私はウクライナに行ったことがなくウクライナ出身の知人もいないので、ウクライナは正直あまり知らない国でした。一方地獄の隣国ロ○アには何度か旅行しており、最後の2019年には自由旅行もできて(政治的思考以外は)良い人々と出会えていたので、こんな事になってしまいとても残念です。このイベントを通じてウクライナについて良く知る事ができ、彼らに再び平和が訪れることを祈ります。
- 旅行の満足度
- 4.5
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最初に2022年9月現在のシドニーの現状を少し紹介します。もうコロナ禍は全く話題になりませんが、次にやって来たのがインフレ禍。2022年夏は日本から久しぶりの海外旅行に出掛けて現地の物価の高さに驚いたという話を聞きますが、ここシドニーでも例外ではありません。
CPIは前年比で6%以上も値上がっています。実感覚ではスーパーマーケットで全ての商品は値上がっていませんが、上がった物は20-30%程の大幅上昇で全部平均すると10%位のインフレでしょうか。一方で金利上昇によってローン返済が増える不動産価格は下落しています。 -
ウクライナ戦争等によるエネルギー価格の大幅上昇で、7月はガソリン1Lが$2.22(約215円)です。今までは日本より1割安位で連動していたのですが、今は豪州の方が2割ほど高いです。ドライブ旅行は長距離となるので要注意です。
旅行とは関係ないですが電気代も2倍近く上がっています。豪州では石炭とLNGが国内で豊富に採れるのですが、石炭は温暖化のために使えず、LNGは全て輸出に回されて高騰した国際価格で買わなければいけません。儲かっているのは資源会社だけで、一般市民は値上げと停電の危機に悲鳴を上げています。 -
価格高騰のもうひとつの理由は天候不順。豪州東海岸では過去最高の降雨量によって野菜が不作です。特に影響が大きいのがレタスとキャベツ。レタスはひとつ$10、白菜はひとつ$17と高騰しています。9月には少し落ち着いてきましたが。
日本と違うのは、幸い賃金も同時に上がっている事でしょう。ただ業界により上昇率は大きく違い、上がりの低い先生や鉄道の運転手はストライキしていますが。。人手不足の業界のひとつ農業では、時給が高止まりしていています。豪国の最低時給$21(2000円)ですが、今なら農業バイトは$30、良ければ$40以上(4000円)稼げます。非常に厳しかった労働(技能移民)ビザの技能基準も一時的に下がるのではないでしょうか。ワーホリや専門職として海外で稼ぐチャンスです。 -
本題に戻ります。シドニー・シティでは半年前にウクライナ戦争が始まってから、頻繁に反戦集会 Stand with Ukraineが行われています。小さい集会も含めるとほぼ毎週だそうです。応援はしたいですが、こういったデモの雰囲気だと少し近づき難いです。
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ウクライナ独立記念日のイベントは、デモの雰囲気ではなく明るく楽しみましょうというフェスティバルです。会場に着くとこんな感じのウルライナの民族衣装を着た人々が待っています。
ダーリングハーバー 散歩・街歩き
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しかし、他のイベントとはどこか違います。ポーズを取る人たちの表情がぎこちなく、何か悲しげにも見えます。その理由は後で判ります。
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店では普段はなかなか見られないウクライナの民芸品が。可愛らしい物が多いです。
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これは日本の鶴の折り紙です。元々日本からウクライナに贈った折り鶴文化が、ウクライナを介して世界中に広まっています。流石に鶴は1000羽もありませんが。
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こちらでは自ら鶴を折るのではなく、完成された鶴に願い事を書いてぶら下げます。私も”Peace in Ukraine”と願いました。
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メインイベントが始まります。やはり普通のフェスティバルではありません。スクリーンに映し出された戦争の悲惨な跡とそれを説明する重苦しいアナウンス。そして民族衣装を着た女性の多くは、避難民として豪州に来たばかりのウクライナ人です。
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ウクライナ北東部のハルキウ(ハリコフ)は、現在激しい戦闘が行われている地域です。女性はどこか悲しそうに歩きながらポーズを決めます。9月中旬時点での速報では、ウクライナがハルキウを取り戻したとか。
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ドネツク出身のウクライナ人。ウクライナ東部のドネツクは親ロシア派の住民も多い地域で、ドネツクは繰り返しニュースでも報じられています。
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リヴィウはウクライナ西部の街です。ニュースの現地報道はリヴィウからの事が多く東部の戦場から離れて比較的安全ですが、それでもミサイルが飛んで来る事があります。
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ウクライナ西部は数百万人もの国内避難民を受け入れています。ポーランドをはじめとする海外にも多数の避難民が向かい、その一部がシドニーに到着しています。彼女たちにとって初めて公の場に登場なのでしょう。
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最後にクリミア半島です。クリミアは2014年にロシアに併合された地域で、先住民族はタタール系で少し雰囲気が違います。
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”Crimea is Ukraine!”。クリミア半島は、歴史上色々な民族の争いの舞台で、極めて複雑な地域です。
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最後に全員集合で、ウクライナに花が咲きます。ウクライナ各地の独特の民族衣装です。こんなに多様性があるとは知りませんでした。
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この先は、シドニー在住のウクライナ人による楽しいショーが始まります。シドニーにも昔から住むウクライナ人コミュニティがあり、ウクライナ教会もあります。
コロナ禍に東欧・中東へ、、ローカル教会巡りでバーチャル旅行
https://4travel.jp/travelogue/11681462
ウクライナのダンスといえばコサックダンス。Wikiによると、コサックダンスはよく知られるロ○アではなく、ウクライナ由来のダンスです。男性は軽快な踊りとご覧の様なジャンプを繰り返します。 -
女性はロングスカートを履いて回転すると、スカートは舞います。
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難易度高そうな技を出します。
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観客たち。英語とウクライナ語が混じっています。
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ショー合間には、シドニーで行われた反戦デモの様子がスクリーンに映し出されます。
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もうひとつの有名なウクライナのダンスはバレーです。綺麗なジャンプ。10月には本場 The United Ukrainian Balletが、有名な曲「白鳥の湖」を踊りにシドニーにやって来ます。
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ショーは続きます。様々なウクライナの民族衣装が綺麗です。2022年ユーロビジョンに優勝したウクライナのシンガーもこんな感じの衣装でした。
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若者はコサックダンス。こんな感じに体を捻ったり、
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高くジャンプすることで瞬発力や柔軟性を競います。
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コサックダンスは主に男性向けですが、女性がジャンプする事もあります。
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これはゲスト出演の隣国ポーランドのダンス。良き友人の隣国とアナウンスされています、一方反対のロ○アは地獄の隣国と呼ばれます。
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ポーランドのダンスもジャンプを多く取り入れられており、ウクライナと競います。
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足の裏を叩くのは、ドイツやギリシャのダンスでも見られて東ヨーロッパで共通する様です。
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これは凄い。腕立て伏せの状態から、腕力を使ってジャンプします。高さは50センチはあるでしょうか、自分がやったら数センチがやっとかと。男性はダンスの軽快さと力強さを競います。
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再びウクライナのコサックダンス。
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ポップミュージックや昔のブレイクダンスでもこういうのありますね。起源はウクライナなんでしょうか。
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高くジャンプを決めます。
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再びポーランドの登場。両国のダンスは一見似ていますが、違いも分かってきます。
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これはウクライナ。本当に沢山の民族衣装があります。女性の場合、頭に乗せる花と背中の長いリボンがウクライナの特徴です。
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ウクライナの国旗が上がります。
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食事の時間です。ウクライナ料理として売られているのは、お馴染みのピロシキとボルシチ。どちらもロ○ア旅行中によく食べた料理です。
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これはピンクのスープが特徴のボルシチです。Wikiによるとボルシチは私を含め多くの人がロ○ア由来と誤解していますが、実はウクライナが起源です。今日食べたウクライナのピロシキは挽肉とヌードルがミックスされた具です。
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夜のショーは音楽です。これはウクライナの民族楽器バンドゥーラです。一見ギター(6本の弦)の様に見えますが、バンドゥーラにはおよそ50弦もあり繊細な音色です。
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他にもバンドが登場します。後ろのスクリーンに映るのは再び悲惨な戦火の様子。悲しい曲に聞こえます。
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最後は携帯電話をトーチ代わりにした犠牲者への追悼。このショーに参加した人たちも家族をウクライナに残し、彼らは今も戦火の中で苦しんでいます。平和を祈ります。
おそらくシドニー在住や避難民のウクライナ人は、祖国が戦争中にフェスティバルを開く事に葛藤はあったと思います。しかし少しでも多くの人にウクライナを知ってもらいたい事と、暗い雰囲気を改善したい思いもあるのでしょう。明るいフェスティバルと暗い戦争の悲惨な現状が混じるイベントでした。
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