マイクロツーリズム、400年前から変わらぬ町並み・富田林・寺内町編　2021年 6月

2021/06/24 - 2021/06/24

前から行ってみたかった寺内町。

富田林は、小学校の頃 遠足で度々訪ねた所です。
校庭の狭かった我が校の生徒達に少しでも運動させようと山歩きに毎年出掛けていました。

今回は山ではなく、町の富田林
初めて訪ねる寺内町です。
1600年代に作られた町並みで本当に町ぐるみで保存されています。

旧家はもちろん、新しく建つ家も景観を損なわない様にされていて、江戸時代へタイムトラベルしたみたいでした。

朝方足が攣る運動不足解消には丁度良い散策路となりました。

エリア 富田林・羽曳野(大阪)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• グルメ: 4.0
• 交通: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 1万円未満
• 交通手段: JRローカル 私鉄 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

あべのハルカスの上空は雲が多めですが…

あべのハルカス 名所・史跡

富田林駅に到着する頃には
青空も見え始めました。

富田林駅 駅

駅前には、楠氏遺跡里程標の碑
楠木正成は千早赤坂村、妻が富田林の出身だった様な…

右手奥に写っている、観光案内所
きらめきファクトリーは10:00からの営業で、利用出来ず残念！

観光交流施設きらめきファクトリー 名所・史跡

この道で合ってるのかな…と
少し心配しつつ歩いていきます。

西側にPL教団の塔が見えています。

本町公園には

『夫婦善哉』の作者織田作之助の碑と

石上露子の碑

露子の歌碑もあります。

石上露子は寺内町の出身。
織田作之助は一時期、富田林に住んでいたことがあったようです。

水槽は見当たらず…
石碑だけがのこっているのかな？！

ホッとしました。道あってた…

富田林寺内町は、戦国時代末期頃、本願寺一家衆興正寺第16世・証秀が石川西側の河岸段丘上の荒芝地を百貫文で購入し、一向宗興生正寺別院を中核に開発された宗教自治都市。

周辺4ヶ村（中野・新堂・山中田・毛人谷（えびたに））の「八人衆」の協力で、芝地の開発、御堂（興正寺別院）の建立、畑・屋敷・町割等を行い富田林と改めたことに始まるそうです。

マンホールには、金剛山と葛城山を
背景に旧杉山家（石上露子の実家）と
市の花 ツツジと市の木 楠木が
あしらわれています。

富田林寺内町 名所・史跡

じないまち交流館
こちらも10:00。あと数分時間がありましたが、私を見つけたスタッフさんが、中に入れてくれました。

検温・記入後、散策マップをみながら、見所の解説をして下さいました。

じないまち交流館 名所・史跡

お手洗いをお借りして
ではいざ出発！

焼杉と白壁の統一された町並み

越井家の年季の入った長大な米蔵。
とても風情があります。
古くから木材商を営み、安政年間には庄屋を務めたお家柄とか。。

越井家住宅 名所・史跡

夜はこの街頭にオレンジの灯が灯るのでしょうか。。
きっと素敵やね。。

新しく建った家も、町の景観を損ねない様工夫されています。

浄谷寺
本堂前のレトリバーが私を見つけて尻尾を振ってくれてます。

厨子と呼ばれる2階は、主に倉庫としてつかわれていたそうです。

その厨子には『虫籠窓』が施されており、倉庫に新鮮な風を送り込める様になっています。

南葛原家住宅
塀の上には『忍び返し』と言われるとんがった杭や鍵が施されています。

葛原家住宅 名所・史跡

このお宅の見所は、この『三層蔵』確かにこんなの見た事ありません。

隣の杉田家は油屋さんだったそう。。
門に家紋？！の立派な飾りがついています。
建物は18世紀の物だとか…

杉田家住宅 名所・史跡

他より古いというのは、観ていてもわかります。

手入れの行きとどいていそうなお庭が溢れ見えますね。

隣はレトロな洋館の様です。
医院の様ですが…

こちらもお庭が素敵です。
妙見寺

この町発祥の地と言われる

興正寺別院（重要文化財）

興正寺別院 寺・神社・教会

この本堂は、1638年に再建されたものだそうで、大阪府内最古の浄土真宗本堂だそうです。

寺内町のほぼ真ん中にあります。

田守家は明治中頃まで木綿屋を営んでいたそうです。
古さでは杉山家に次ぐ18世紀前半の主屋があるそうです。

田守家住宅 名所・史跡

このお宅の厨子は可愛らしい ♪

じないまち展望広場
建物の奥に展望所があるようです。

無料の休憩所でトイレもあります。

右側が金剛山、左側が葛城山
この眺望が観られる展望広場があります。

隣には、富栄戎神社

山中田坂
寺内町への入り口の一つ。
寺内町は小高い丘の上にある事がわかりますね。

大きな木が懐かしい景色にしてくれています。

木口家も木綿屋さん。
『煙出し』かまどの煙を外に出す為につけられた越し屋根が比較的間近に見られます。

ここはこの地区では有名なイタリアン
完全予約制なのだとか。。

oasi グルメ・レストラン

ここも寺内町への入り口の一つ。
『町中 くわへきせる ひなわ火 無用』

京から高野山へ通じる、東高野街道は商業都市である、この寺内町を通っていたそうです。
物を売り買いする商人の出入りも多く、くわへきせる、ひなわ火と言うとその旅人の逹の必需品だったとか。。

寺内町には、藁屋根の民家が多く又、高台の為水の便も悪かった為、火事の予防には細心の注意を払っていたそうです。

そんな自治都市の、旅人に対しての町中での防火の呼び掛けの碑だった模様。

寺内町が現存するのも、大火に見舞われなったお陰ですよね。

立派な屋根が見えてきました。
仲村家住宅（大阪府有形文化財）

仲村家住宅 名所・史跡

屋号は『佐渡屋』
代々徳兵衛を継ぐ酒造業を営む店主は寺内町八人衆の一人でもあったそう。
ここには多くの文人墨客が訪れたそうで吉田松陰も20日間程滞在したそうです。

駒つなぎ
商用に訪れた人が、牛馬を繋いだそうです。商業都市の名残りがみてとれる物ですね。

所々の民家の軒先に残されています。

寺内町センター

江戸時代に使われていた古道具や

この地の主要産業であった木綿業や

酒造業について展示されています。

家々の屋根を飾っていた鬼瓦も沢山。

旧杉山家住宅（重要文化財）

旧杉山家住宅 名所・史跡

石上露子こと、杉山孝さんのご実家です。

裕福な大地主

造り酒屋でもある

杉山家の長女として誕生した孝さん（露子）。

親同士の決めた婿養子縁組で、二人の息子を儲けたものの

既に、『明星』での

執筆活動で名を馳せていた

露子にとっては

不幸としか言えないものだった模様…

夫の理解を得る事が出来ず

断筆させられる事となります。

あれっ？

何か動いたよ ♪
め・だ・か？！

寺内町最古の土間だそうです。
（17世紀のもの）
では、家の中へ上がらせて頂きます。

商家の趣を

残していますね。

夫の事業失敗により

没落する杉山家ですが

露子にとっては

夫と別居する事になり

再び執筆活動を始めるきっかけとなります。

しかし、二人の息子は病死や自殺と

露子にとっては

耐え難い最期を迎える事になります。

富田林にいながら明治期の中央歌壇で注目を集めた

自らの生い立ちのような旧家や家族をテーマにした作品たち

大地主の娘でありながら

日露戦争の最中

与謝野晶子よりも前に反戦歌を詠むなど

社会の矛盾に目を向けた作品も多く

当時としては特異な面も放つ

作家でもあった石上露子。

晩年は、生家であるこの杉山家で

静かに過ごしていたそうです。

『明星』の優れた五人の詩人（晶子、とみ子、花子、雅子とこの露子）その内最も美しき女と言われた露子は、長谷川時雨が連載した「美人伝」でも紹介されたそうです。

旧杉山家住宅 名所・史跡

自治都市を守るため築かれた石垣が残る場所

その足元には、アザミが咲いていました。

興正寺別院前の『城之門筋』は
日本の道百選にも選ばれています。

寺内町は室町時代末期にできた町で、道路は直行せず四辻で交わる通りをそれぞれ半間ほどずらし外敵が町内の道を直進できないようにしています。
これを『あてまげの辻』と呼んでいるそうです。

寺内町きっちん あい
煮込みハンバーグが評判のお店だそうですが、11:30で本日分は売り切れたそうです。残念！

薬師堂
ここの薬師如来様は信者の若い男女の恋文で貼り重ね、その上に漆を塗り固め、金箔を押した像であるとのロマンチックな逸話もあるそうです。

旧田中家住宅
明治25年に建てられた古民家

旧田中家住宅 名所・史跡

内部の公開をしている

無料の施設です。

当時の調度品も置かれていて、懐かしい感じがします。

こんなガラスはもうありませんね。

井戸の上には紫陽花

玄関にも、花や

緑が置かれとても趣があります。

PLの塔が真正面に！

葛原家住宅
葛原家って、寺内町の葛原家ときっと関係あるよね？
非公開ですが、大正モダンの素敵な邸宅だそうです。

そこからは、もうすぐの富田林西口駅

富田林西口駅 駅

本日一番大きく見えた、PLの塔。
昔はあの塔に登ることも出来たそうです。
PLの花火と言えば、大阪でも夏の一大イベントです。今年はどうかな？！

超宗派万国戦争犠牲者慰霊大平和祈念塔 名所・史跡

お昼を食べそこなったので、天王寺でランチを

食游梅蘭 あべのHoop店 グルメ・レストラン

以前から食べたいと思っていながら、お初に頂く『梅蘭』のやきそば。
海鮮にしてプチ贅沢 ♪

碁盤の目の町、寺内町。
北から南へ、東西に歩いて約2時間。
ほとんどの家が、景観を損なわない造りで、本当にタイムトラベルしたみたいでした。
冬 雪景色の町並みと、夜の町並みもぜひ見てみたいな…
お散歩コースには最適な寺内町散策でした。