2021/03/17 - 2021/03/20
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ウェンディさん
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世の中は契約で成り立っています。
全ては契約書の紙きれ1枚でコトが足りる・・・とまでは言いませんが、人生の重要な部分は、契約書によって縛られていると言っても過言ではないかも知れません。
職を得るにも雇用主との契約書があり、仕事に就いてからも、売買契約書、リース契約書、代理店契約書等、様々な契約書が私達を待ち受けています。
人間活動においてもある意味、契約書が存在し、その1つが婚姻届や離婚届。
ただの紙切れ1枚ですが、ソレを公的機関に受理された時点で、その先の自分の人生の道がある程度の幅に狭められたり、束縛から解放されて自由度が大幅に広がったりします。
私達夫婦もそんな契約書に縛られていて、毎年、契約更新の時期がやって来ると、今年は契約を更新すべきかを真剣に考えます。
そしてお互いの合意が成立すると契約更新の意志を確認すべく、然るべき時期に契約更新の儀式を執行するための旅に出ます。
2年前は、太古の恐竜が今も生き残ると言われる、南米ギアナ高地のロライマ山。
1年前は、神々が降り立った地である高千穂
そして今年の契約の地は・・・。
儀式の地として私達が選んだのは、鹿児島。
漆黒の海の恵みの中にその身を沈め、契約更新の儀式を恙なく終了してきました。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- ANAグループ ソラシド エア
-
旅に出たのは3月。
我が家で発出されていた戒厳令が解かれ、ようやくある程度自由に出歩けるようになった頃だ。
鹿児島への足はソラシドエアで、ソラシドの利用は今回が初。
ソラシドの名は音階に由来する名前かと思ったが、機内放送でその由来を初めて知った。
ソラシドエアの由来は、“空(ソラ)”と“種(シード)”で、「空から笑顔の種(シード)を届けたい」という願いが込められているのだって。
素敵な名前だな♪と名前惚れ。羽田空港 第2旅客ターミナル 空港
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この日の関東地方の天気は朝から快晴で、羽田上空からは東京、神奈川、静岡までが一望。
勿論、遠くには富士山だって見える。
このご時世なので、飛行機に乗るのは1年ぶり。
白い雪を抱いた富士の姿は霊峰の名にふさわしい神々しさを纏っていた。 -
富士のすぐ脇を通過するとき、その北面には農鳥の姿が出現していた。
“農鳥”とは雪解けが始まると富士の斜面に現れる鳥の姿で、その残雪の溶ける形により田植えの時期を地元の農民達に知らせるシルエットのことで、その形から吉兆占いをする習慣もあったという。
3月の雪解けの形は、鳳凰に見えるらしい。
確かに、頭を高く山頂に向かって上げ、両の翼を大きく広げた鳳凰に見えなくもない。
“農鳥”のシルエットは、4月、5月と季節が進むとヒヨコや卵にも見え、時には牛の形になることもあるとか。
春に飛行機で富士山の上空を飛ぶ時、雪と大地が描く農鳥の姿を探すのも楽しいよね。富士山 自然・景勝地
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さて、今回の旅行記の主題は“契約の儀”なので、旅行記の本編の始まりは契約の儀の始まりから。
契約の儀が執り行われたのは、鹿児島県の最南端エリアの指宿(いぶすき)にて。
儀式に入るためには身を清め、専用の装束を着用するところから始まる。 -
私が装束を着替えている間に、儀式を執り行う神官は祭場の準備。
まずは、地の底から湧出す熱き神水を一面に神砂が敷き詰められた祭場へと取り込む。 -
神砂の表面には凹凸があるので、鋤を用いてその表面を平らにならす。
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神砂の一面が熱せられた神水で覆われたら、しばし浄化を待つ。
ここまでが儀式の準備段階となる。 -
神砂が清められたら、砂の上に人が一人埋もれるほどのサイズの縦長の窪みが作られ、
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そこに装束を整えた私が入り、儀式の最終段階へ。
熱い熱水に清められた砂を体にかけられ、砂蒸し温泉(砂湯)で目指せ美肌美人! by ウェンディさん休暇村 指宿 宿・ホテル
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儀式が開始となる。
相棒も同様の手順を踏んで・・・ -
二人そろって契約更新の儀式へ。
儀式の時間は10分ほど。
砂に埋められた体と砂の間に隙間はなく、濡れた砂の重みで殆ど身動きが取れず、今までに経験したことのない拘束感だ。
砂が発する熱線が体中を襲い、空中に出ている顔までもがほてってくる。
儀式なので神妙にしていなくてはならないのだが、頭に浮かぶのは邪な考え。
悪い人たちに捕まって、砂に埋められて殺されるって、こんな感じなんだ・・・とか・・・。
そんなこんなで10分間を砂蒸し状態で過ごし、26年目の契約更新の儀式は恙なく終了した。天然砂蒸し温泉は世界唯一 by ウェンディさん指宿温泉 温泉
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私達が契約更新の儀として利用したのは、指宿の砂蒸し温泉。
砂蒸し温泉は世界広しと言えども非常にレアな存在で、中でも天然の砂蒸し温泉は世界で唯一、この指宿の地でしか体験できない。
砂蒸し温泉の原理だが、私も指宿へ来る前は火山の地熱ラインが要因かと思っていたのだが、温泉の説明看板によると、どうやらこの指宿の摺ヶ浜の熱い砂を作っているのは、摺ヶ浜の地下5mを流れる温泉水だということ。
塩水と真水の温泉水の密度差が作りだしたシールドと海の潮汐の関係で、地下を流れる温泉水の流路がちょうど海岸付近の砂浜にぶち当たり、海岸の砂を熱しているそうだ。
砂蒸し温泉の歴史は古く、その発祥は江戸時代。
当時から砂の中に体を埋めることによって生まれる美肌効果が注目されていたらしい。
砂蒸し風呂の元となる指宿温泉の成分表はこんな感じで、分析表を眺める限り、基本は海水だね。 -
契約の儀式が終了したら、宴の時間。
宴は“玉手(たまて)箱”から始まる。
玉手箱は小さな鞠型の三段造り。
その中に入っているのは、ついさっきまで泳いでいた海の魚たちだ。
玉手箱とくれば、次に来るのは鯛やヒラメの舞い踊り・・・の筈なのだが、宴の席にいらしていたのは、私と同年代以上の方々。
遠目に見れば、カラフルな浴衣を着た鯛やヒラメにも見えなくはないかも知れないが、きっと、あちらにいた方々も私達をチラ見して、同じように思っていたに違いない。 -
契約の儀で始まった旅行記だが、この契約の儀のみで鹿児島旅の初日が終わった訳ではない。
この日は“伝説の地を巡る旅”と銘打って、指宿や枕崎の周辺を歩いてみた。
鹿児島空港からの移動は、レンタカーで。
空港近くで、コンパクトカーが安く借りられて、そこそこ安心感のあるレンタカー屋さんと言うことで利用したのは、日産レンタカー。
レンタカー会社からは空港へも迎車を出してはくれるが、空港の出口から駐車場を横切って徒歩5分の距離なので、貸し出しカウンターでの混雑を避ける意味でも、空港で迎車を待つよりも歩いて日産レンタカーのカウンターへと来る方が時間を効率的に使える。日産レンタカー鹿児島空港店 乗り物
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今回の”契約の旅“の表向きの目的は契約更新なのだが、鹿児島を選んだ理由は契約更新のためだけではなく、
・火山が作る秘湯を巡る
・最南端を攻めてみる
といったサブのターゲットもあった。
秘湯巡りや最〇端を巡る旅は旅の目的としては非常にありきたりだが、私たちの旅のキーワードは火山。
今回廻った3か所の地は、どこも火山に由来するエリアであり、火山列島である日本を満喫しようという計画だ。
火山性の温水を利用した砂蒸し温泉、活火山のパワーを利用したマグマ温泉、そして泥が美人を作り出す霧島の隠れ秘湯。
鹿児島は活火山を抱える地なので、火山温泉の種類は多く、短い日程の中でどこの温泉をセレクトするか、プランニング段階では頭を悩ませた。 -
そんなわけで、旅の初日。
鹿児島空港から高速に乗った私たちが最初に向かったのは薩摩半島の先端部分。
途中休憩で立ち寄った錦江台展望台から見えたのは桜島の姿だ。
桜島…なのだが、今回の旅の下調べをするまで桜島に関して大きな勘違いをしていた。
私は、桜島は海に浮かぶ島であり、船やヘリでしかアクセスできないと思い込んでいたのだが、実は桜島は大隅半島と地続きで、車でスイスイと行けてしまう場所なのだ。
とはいうものの、桜島が本州と地続きとなったのはそれほど遠い話ではなく、比較的最近の出来事。
今から約110年前の1914年に起きた桜島大正噴火で大量のマグマや溶岩が麓へと流れ出し、大隅半島の錦江湾内を埋めて、本州と桜島をつなげてしまった。
この噴火は江戸時代の富士山の宝永噴火(1707年)の10倍規模以上で、その時の桜島の被害は甚大だったそうだ。
その桜島へは旅の2日目に行くのだが、この錦江台展望台からは小噴火を繰り返し噴煙を上げる桜島火山と、桜島大正噴火により島と大隅半島とが地続き(写真右)になった部分がよく見えた。運転休憩に眺める桜島 by ウェンディさん錦江台展望公園 (スカイぱれっと) 公園・植物園
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薩摩半島の先端部分には日本の昔話や神話に縁のある場所が点在している。
最初に訪れたのは釜蓋神社で、この神社にまつわるお話は天智天皇の逸話だ。
その昔、天智天皇がこの地を訪れた時に、歓迎の宴のための米を炊いていた米釜の釜蓋が突風で大空高く舞い上がり、蓋の落ちた場所に住民たちが蓋を祀る神社を作ったということだ。
天智天皇と言えば、中大兄皇子と同一人物。
飛鳥時代末期の645年に起きた蘇我馬子惨殺事件である乙巳の変(大化の改新の先駆けとなった事件)を起こした主要人物が中大兄皇子だ。
中大兄皇子を名乗っていたころには、皇位継承権がらみで皇族の有間皇子を死に追い込むなど冷酷な人物像が目立っていたが、天智天皇として即位してからは遣唐使の派遣など日本文化の発展への貢献、日本最古の全国戸籍の作成を行うなど、政治家としての実務面では天智天皇は優れた人物だったと思われる。
その天智天皇が訪れたのがこのエリアで、天智天皇が関与する神社だというのに、その起源が宴の釜蓋に由来する神社というのがユニークだ。 -
釜蓋神社は釜の蓋を祀っているが、その御祭神は須佐之男命であり、彼は古事記の天岩戸の逸話にでてくる暴れん坊のスサノヲと同一人物。
スサノヲの筋肉質な性格を反映してか、武道や勝負事の神社としてスポーツ選手の方もこの釜蓋神社に多く参拝にくることも多いということだ。宴の釜が飛んで行った! by ウェンディさん釜蓋神社 寺・神社・教会
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更に、この神社で面白いのは参拝の方法。
普通に参拝しても何の問題もないが、願掛けがあるならば、神社に準備されている釜蓋を頭に乗せて参道を歩き、無事に拝殿まで蓋を落とさずに歩ければ、願いが叶うという話だ。 -
私も、釜蓋乗せにチャレンジしてみたがなかなか難しく、坂道を上る途中で頭の上から蓋がコロリ。
願いは神頼みではなく、実力で勝ち取れということなのだろう。 -
神社の裏の海岸線には注連縄が掛けられた釜。
あそこに、最初に釜蓋が落ちたのかと思いきや…
アトラクションの一種で、あの釜の中に神社で購入した陶器の玉をうまく投げ入れられれば、願いが叶うというもの。
こういうのは、商売じみていてあんまり好きではないが、宗教法人も稼がなければ存続はないので企業努力な部分なのだろう。 -
神社の背後に広がる海の向こうにうっすらと見える山は、開聞岳だ。
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薩摩半島には絶景と呼ばれる場所がいくつかあり、番所鼻(ばんどころばな)自然公園もその一つ。
案内看板によれば、全国を測量行脚した伊能忠敬さんも開聞岳を臨む番所鼻の絶景に感動したということだが、この日は天気が曇りがちだったので、その絶景も霞の中だった。 -
景色は今一つだったが、この場所は地形的に少しばかり興味があったところで、自然が作り上げた岩礁地形が美しい。
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高台から岩礁を見渡すと、まるで入り江のようになっていて、岩礁内側の水深の浅い海の底までがよく見える。
伊能忠敬が絶景と絶賛した薩摩の美しき風景 by ウェンディさん番所鼻公園 公園・植物園
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この岩礁へは歩いて降りることもできる。
何も天気が悪いのにわざわざ磯まで下りなくても上から眺めるだけで、十分なのでは?
そんな風にも感じるかもしれないが、私が下へと降りたのには理由があり、実は海水が綺麗なこの岩礁はタツノオトシゴが自然繁殖する海で、運が良ければ、水の中を漂うタツノオトシゴの姿を見られるかも…なんて淡い期待を抱いていた。 -
が、やはりソレは甘い考えで、いくら海の中を覗き込んだってタツノオトシゴの姿はなく、見えるのは海藻ばかり…。
そんな私たちが足を向けたのは、同公園内にあるタツノオトシゴハウス。
タツノオトシゴハウスは、日本で唯一のタツノオトシゴ観光養殖場で、繁殖しているタツノオトシゴの姿を見ることができる(見学無料)。 -
タツノオトシゴの雄は、メスが産み渡した卵をオスがふ化させ出産・育児をするイクメンの旦那さま。
オスの腹部にある育児嚢の中で、卵をふ化させ育てる。
オスの育児嚢はその部分だけが表面がツルツルしていて、まるで子宮みたい。
人間の男性にもこんなシステムがあって、奥さんが妊娠中の大変な時は一時だけでもその辛さを肩代わりしてあげられればよいのにね。
因みに私が妊娠中に“つわり”や“お腹の張り”や“極度の貧血”で苦しんでいるときも、職場の上司は≪妊娠は病気じゃないからね≫と私におっしゃってくださった。
是非、そんな考え方をする方にはこの男性子宮システムを強制的に付加してさしあげたいものだ。日本唯一 タツノオトシゴの観光養殖場 by ウェンディさんタツノオトシゴハウス 美術館・博物館
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旅の初日のランチは、特にあてはなく、226号沿いで見つけた地元の方御用達の食堂“ごはん屋 泰(ゆたか)”へ。
ガテン系ワーカーに愛される定食屋さん 旅人にも嬉しいおふくろの味 by ウェンディさんごはん家泰 グルメ・レストラン
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事前情報なしに私の野生の感を信じ、暖簾をくぐった地元の食堂だったが、大当たり。
地元の食材をふんだんに使った定食系のメニューがたくさんで、お客さんはガテン系の方が入れ替わり立ち代わりと大賑わい。
大盛の定食が650円、750円とお手頃価格で、私たちは日替わり定食とまんぞくランチをそれぞれオーダーし、量も質も大満足だった。 -
お腹がいっぱいになったら散歩の時間。
向かったのは薩摩半島の最南端の岬である長崎鼻だ。
鹿児島に来て思ったのは、午前中に訪れた“番所鼻”やら“長崎鼻”やら、“鼻”の接尾語が付く地名が散見されるということ。
鼻は古語で岬を表す言葉で、特に九州では〇〇岬よりも〇〇鼻を地名として用いることは多いようだ。 -
長崎鼻の先端には白い灯台があり、“恋する灯台”と呼ばれているらしい。
どの辺が恋する灯台なのか?
天気が良ければ、もう少しそれっぽくみえるのかな。“恋する灯台”とは… by ウェンディさん薩摩長崎鼻灯台 名所・史跡
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個人的には灯台のある岬の、ごつごつした火山地形の方が興味深いかな。
乙姫様との熱愛はこの岬から始まった!浦島伝説が残る岬 by ウェンディさん長崎鼻 自然・景勝地
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長崎鼻にはもう一つ興味を惹かれるものがあり、それが竜宮伝説。
九州には龍宮伝説が多く存在し、昨年に訪れた宮崎県の鵜戸神宮もその1つで、鵜戸神宮には乙姫様(実はその正体はシロワニ)が出産に使用したとの伝説がある岩屋が現在でも残っている。 -
浦島太郎の昔話では、カメを助けた浦島太郎と乙姫様が海の底で長い月日を愛し合って暮らした…ということになっているが、日本の伝記小説である古事記ではその関係性はちょっと異なり、乙姫様のお相手は太郎ちゃんではなく、天照大御神の孫である山幸彦(ヤマサチヒコ)とされている。
このあたりの伝説によれば、浦島太郎(ヤマサチヒコ)がカメを助けたのが長崎鼻の浜辺で、この浜から浦島太郎はカメに乗り、竜宮城の乙姫の元へと向かったということだ。 -
長崎鼻には龍宮神社なる建物もあるがその建物の存在感はビミョーで、テーマパークみたいな感じで、どうしてこうなってしまったのかな…と。
如何にもそれっぽい建物をわざわざ作ると神社本来の厳かさがなくなってしまう、と思う。
龍宮神社はその外見は微妙だが歴史は古く、ここには、浦島伝説の裏付けとなる事象がある。
この長崎鼻の砂浜は昔からのウミガメの産卵場所であり、夏になるとウミガメがやってくる場所で、その昔、浦島太郎が出産で力尽きたウミガメの一匹を助けたということがあったとしてもおかしくはない。
そして、もう1つ。
竜宮城が実在したかもしれない証拠も現代まで残っている。
それは、言葉。
龍宮(りゅうぐう)は琉球(りゅうきゅう)にかなり発音が似ているという点が指摘されていて、乙姫様は実は昔の琉球王国の姫だった可能性もあり、アマテラスの子孫の浦島太郎(ヤマサチヒコ)と琉球王国の王女の恋愛交流を境に、この岬を起点にヤマトと琉球の交易が始まったのではないかともいわれている。竜宮城は実は琉球王国だった?/お伽噺に隠された真実/ by ウェンディさん龍宮神社 寺・神社・教会
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龍宮神社の反対側からは、海から聳える開聞岳の姿も見えていた。
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この日、契約の儀を控えた私たちは早めに宿にチェックインすることにしたのだが、どうしても宿に入る前に訪れたい場所があった。
その場所とは、3月から10月のある特定の条件が揃った日にだけ出現する幻の道。
幻の道は普段は海水の下に隠されているが、干潮の条件が揃う大潮や中潮の日にだけ地上に姿を見せる道で、その道の先には無人島の知林ヶ島(ちりんがしま)がある。
夕方に中潮の干潮時間帯があったこの日は、一番の干潮時間帯の1時間前に海岸に到着し、幻の道が海の中から出現するのを待っていた。
知林ヶ島の潮汐予測表↓
https://www.ibusuki.or.jp/tourism/view/chiringashima/ -
最初は、目の前に見えていたのは海の向こうに浮かぶジャングルのような島だったが、干潮時間に差し掛かるにつれて、まるでモーゼの十戒を見るかのように海が次第に引いていき、目の前に島へとつながる幻の砂の道ができ始めた。
砂の道の先にあるのは、知林ヶ島。
道は出来立てほやほやで、その半分くらいはまだ海水が覆ってはいたがトレッキング用の靴を履いていたので、多少の水くらいならば平気ということで知林ヶ島に向けて歩き出した。幻の海の道を歩き、縁結びの島へ by ウェンディさん知林ヶ島 自然・景勝地
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私達の前にも1組のグループが先に歩き出していたのだが、その中の女性の靴がこのようなところを散策するには不向きなオシャレな靴で、彼らはまだ海水の残るエリアを渡ることを断念したようだった。
だから、私達がまだ踏み跡のない砂浜に足跡を残す役目を引き受けることに…。
海の中から合わられた幻の道を歩いて15分くらい(約800m)で知林ヶ島に到着した。 -
知林ヶ島は島自体は無人島で、岩場には美味しそうな“あおさ“がたくさん生えていて、採り放題な感じ(漁業権については調べていないので分からないが)だったが、私たちはとりあえず島の周囲をウロウロと徘徊。
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島の周囲で探していたのは、島の展望台への登り口。
知林ヶ島の丘の上に展望台があり、そこから薩摩半島が見えるということで楽しみにしていたのだが、見つけた登り口にはロープが掛けられていた。
どうやら上へと続く遊歩道が途中でがけ崩れを起こし、丘の上へとつながる道は危険とされているらしい。
高いところがあると登りたくなるネコ気質な私にとっては、せっかくここまで歩いてきたのに…という気もしたが、注意看板を無視してまで登るのは危険だし、大人気ないので、ここは諦めて引き返すことに。 -
私達が引き返す頃は一番の干潮時間帯で、現れた幻の道は大きく広がり、2時間前までは海の中だったとは信じられないくらい。
地球規模の海の深呼吸は本当にダイナミックだ。 -
さて、今回の旅のKey Wordの1つである“最南端”。
この日は、薩摩半島最南端の岬である“長崎鼻”を訪れ、九州本土最南端の山である“開門岳(かいもんだけ)”を麓から眺めてみた。
明日は薩摩富士とも呼ばれる最南端の山“開門岳”で契約の儀式に付属する“契約の盃”を交わし、更に日本最南端のJRの駅を攻めてみる。
明日は晴れたらいいね♪西大山駅 駅
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この旅行記へのコメント (6)
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- fujickeyさん 2021/06/15 10:30:46
- 上手い!
- ウェンディさん、こんにちは。
契約更新・・・資格とかなにかの更新なのかなとおもい読み進めていました。
なるほど!!
ご更新、おめでとうございます。
わが家の契約更新の場所は毎年同じお宿ですが、
ウェンディ夫妻のように気になる場所を探すのも楽しみですね。
旅は予定をたてた時から始まってますもんね。
装束姿のウェンディさん、かわいい。
儀式に向けての準備がこうなっているのは初めて知りました。
普通に砂を掘って、そこに埋まるだけだと思ってました。
砂や土砂に埋まる体験はまだないので今後、巻き込まれるかもしれない
災害への備えとして1度は体験してみるのもいいですね。
それが温泉なら一石二鳥(笑)
fujickey
- ウェンディさん からの返信 2021/06/15 23:22:34
- Re: 上手い!
- fujickeyさん こんばんは。
私と相棒はお互いに引くということを知らない性格で、比較的、お互いの主張の融合点が見つけられず納得するまで相手を論破しようとすることが多い(一般的には喧嘩と言いますね)のですが、旅となると、なぜかその傾向が少なくなるので、二人で過ごすのはできるだけ家の中ではなく、外が多いです。
だから私たちにとって旅は必須アイテム。
旅でなくても山登りでもよいのですが、自然の中にいることによってお互いに気分よく過ごせます。
年に1回の契約更新の日も、やはり家の中よりも外で。
いつもとは異なる環境の中に身を置くことによって、もう1年、頑張ってみるか!と気分を一新して、思うわけです。
指宿の砂蒸し温泉ですが、今回私たちが利用したような屋内型以外にも、屋外のビーチにダイレクトに穴を掘り砂蒸しになるところもありますが、屋外は夏などの海水浴シーズンがメインでさすがに3月は外気が冷たくて無理。
ただ、砂の温度的には屋内施設の方がコントロールが効いているので、砂の温度も高めで砂蒸しの効果は屋内>>屋外の砂浜らしいです。
でも、真夏のワイルドなビーチでのダイレクト砂蒸しも楽しそうですよね。
ウェンディ
-
- ねもさん 2021/06/14 14:55:09
- 拍手!
- ウェンディさん
仕事を辞めるか変わるかの話かと思って読み始めたら…… 面白いです、ウェンディ節が炸裂ですね。
わが家は38年目に突入ですが、惰性と相互扶助(こんな自分の相手をしてくれるのはこの人しかいない!)かな。
この付近は40年以上前の真夏に1回だけ。まだ扇風機が主流のころで「暑かった」という記憶しか残っていません(-_-;) 春は気持ち良さそうです。
- ウェンディさん からの返信 2021/06/15 06:41:29
- RE: 拍手!
- ねもさん こんにちは。
そろそろ夏山のシーズンですね。
昨年はコロナ禍でほとんど山には行けず、今年こそ!と思っています。
春の指宿は天気こそ安定していませんでしたが、ぷらぷらと観光するにはちょうど良い気候で、日本神話や昔話に縁のある地を歩いてきました。
九州は神々の土地と言われるだけあり、古事記の登場人物があちこちにその足跡を残しているので、なかなか面白いです。
浦島伝説にしても、今回初めて、竜宮と琉球の関係性を知り、なるほど!と思いました。昔から伝わる伝説の中にはたくさんの真実が隠れているはずですので、釜蓋や龍宮のお話も、あながち夢物語ではないのかもしれません。
ウェンディ
-
- pedaruさん 2021/06/14 07:21:58
- 契約更新
- ウェンディさん おはようございます。
契約更新が店舗だけでなく結婚にまで及ぶとは思いませんでした。
結婚契約更新がこんなに楽しいなら、更新の儀式は年5回くらいに増やしたほうが
良さそうです。
しかし、砂に埋められる様子を拝見すると、あのスキを持った男性、彼が悪人だったらどうだったでしょう、顔だけ出した状態で最後に砂をてんこ盛りにかけられても、苦しくても身動きができない、あーっ 怖いですねー。
砂をかけられたら賠償金3千万円を保証する、というような契約書は取り交わしたのでしょうね。3千万位もらっても命と引き換えではねぇ。せめて6千万円は譲れない契約にしたいですね。
pedaru
- ウェンディさん からの返信 2021/06/14 23:56:24
- RE: 契約更新
- pedaru様 こんばんは。
年に一度の契約更新の行事。
せっかくだったら、毎年、思い出に残ることをしたいよね♪ということで、始まった契約の儀。
今年は指宿をその地に選んでみました。
砂蒸し温泉は映像としては見たことはありましたが、自分が埋まるのは初めての体験。
砂穴に体を横たえ、体にかけられていく砂があんなに重いものだなんてびっくり。
首まで埋められた状態では足の指を動かすのも一苦労で、災害で土砂崩れとかに巻き込まれたときに自力での脱出が難しい理由を身体を張って体験してきました。
砂に埋まりながら、もし誰かが私をこの場で殺そうと思うならば、今の状態だと私は抵抗できないし、周囲には限られた人数の人しかいないので、口裏合わせをやられたら、事故で済まされてしまうのだろうな…とかも考えましたが、私を殺しても誰も得しないだろうし、あんまりメリットはないだろうな…と。
だから、ここで殺されることはないだろう。と安心しましたが、砂の危険性を再認識させられました。
砂蒸しで事故が起きた場合に3000万という保険は今はまだないようですが、逆に砂蒸し温泉を利用した、未必の故意的な事故が起きる可能性は十分にあるので、砂蒸し温泉を利用する時には、信頼のおける方と一緒が良いかもしれないですね。
間違っても、遺産争いをしている相手や離婚調停中の相手と一緒にはいかない方がよさそうです。
ウェンディ
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