2020/04/02 - 2020/04/05
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ブリッヂ・トレック(橋梁旅行)さん
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この旅行記のスケジュール
2020/04/05
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明神口橋
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釜ヶ谷桟道
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五味隧道
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犬吠橋
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井ノ谷橋
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堀ヶ生橋
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二股橋
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小島橋
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立岡二号桟道
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この旅行記スケジュールを元に
最終日は魚梁瀬森林鉄道の廃線跡を辿りました。
魚梁瀬森林鉄道は魚梁瀬杉の産地、高知県東部を走っていた森林鉄道で、1907年(明治40年)に安田川線に最初の軌道が開設されたのを皮切りに、奈半利川線等順次路線を伸ばしていきました。最盛時には総延長250kmに及ぶ国内屈指の森林鉄道網を築き上げた魚梁瀬森林鉄道ですが、モータリゼーションの波には勝てず、1963年(昭和38年)に廃線となりました。
高知県東部には森林鉄道の遺構が今も数多く残っており、中でも安田川・奈半利川流域の18の隧道や橋梁は、森林鉄道の遺構としては我が国で初めて国の重要文化財に指定されています。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 3万円 - 5万円
- 交通手段
- 高速・路線バス レンタカー 私鉄
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
◆Map
魚梁瀬森林鉄道各遺構の位置図です。
実際に観た順番とは異なりますが、この地図の番号順に追っていきたいと思います。
※魚梁瀬森林鉄道WEBミュージアム作成、一部加筆
※この地図はとても良くできていますが、井ノ谷橋の位置だけが大幅にずれています。正しくは赤丸の位置付近です。 -
1.【エヤ隧道】
1911年(明治44年)竣工、切石積み。
坑口には「Ⅰ」の刻印があり、安田川の下流側から順に番号がつけられていました。
【重要文化財】 -
3.【オオムカエ隧道】
1911年(明治44年)竣工、切石積み。
「Ⅲ」の刻印があります。2番目のバンダ島隧道も観たかったのですが、普通車が通れない道路で、少し距離がありそうなので割愛しました。
【重要文化財】 -
イチオシ
4.【明神口橋】
1929年(昭和4年)竣工、下路平行弦プラットトラス橋。
同じ森林鉄道でも木曾森林鉄道の木曽川橋梁(野尻鉄橋)等と比べると、下弦材がかなり華奢です。
【重要文化財】 -
軽自動車以下が通行できる道路橋として転用されています。
-
機関車導入前の木橋の写真が林野庁にありました。
ダブルワーレントラスだったようです。
出典:農林水産省Webサイト(https://www.rinya.maff.go.jp/shikoku/koho/tetudou/130516_20.html) -
5.【釜ヶ谷桟道】
石積みのアーチ橋です。側面が岩肌に寄りかかっているので、「橋」ではなく「桟道」と分類・命名しています。
【重要文化財】 -
6.【釜ヶ谷橋】
塗装工事中で観れませんでした。
【重要文化財】 -
架替前の写真です。右が旧釜ヶ谷橋、左の釜ヶ谷桟道も以前は桁を渡した橋だったようです。岩山を削り取った場所なので、頻繁な落石に耐えられるよう桁橋ではなく、石積みアーチにしたのかもしれません。
出典:農林水産省Webサイト(https://www.rinya.maff.go.jp/shikoku/koho/tetudou/130516_09.html) -
7.【平瀬隧道】
1911年(明治44年)竣工、切石積み。
側壁とアーチ部で、切石の大きさを変えているのが分かります。南側坑門は地滑りで閉塞していました。
【重要文化財】 -
8.【五味隧道】
1911年(明治44年)竣工、切石積み。
ここだけ軌道が残っていました。刻印は「Ⅶ」。
【重要文化財】 -
現在は閉塞されている反対側の坑門の古写真です。下流方向へ空の運材台車を犬に曳かせています。通常は上流で伐採した木材を下流へ運びますが、上流方向へ木材を運ぶ写真もあるので、上流にある馬路で製材していたのかもしれません。後ろの吊橋は旧馬路橋。
出典:農林水産省Webサイト(https://www.rinya.maff.go.jp/shikoku/koho/tetudou/130516_10.html) -
イチオシ
【五味橋】(正式名称不明)
五味隧道を渡ってすぐRCの橋が架かっています。 -
この橋を渡って馬路の製材所へ木材や木炭を運んでいます。
出典:農林水産省Webサイト(https://www.rinya.maff.go.jp/shikoku/koho/tetudou/130516_23.html) -
【馬路森林鉄道】
実際に使われていた蒸気機関車を3分の2サイズで復元、森林鉄道を走らせています。馬路は魚梁瀬森林鉄道にとって一大拠点だったようです。 -
【馬路村森林鉄道インクライン】
水の重さを利用した無動力のインクラインもあります。手前の吊橋は揉合橋。馬路森林鉄道とインクラインケーブルカー 乗り物
-
別の場所かと思われますが、インクラインの古写真が展示されています。
レール3本で真ん中の1本は上下で共有しています。 -
9.【落合橋】
1925年(大正14年)竣工、プレートガーダー橋。
道路橋に転用、切石積のこぢんまりとした橋脚が素敵です。
【重要文化財】 -
10.【河口隧道】
この隧道は鋼材で覆工されていました。
【重要文化財】 -
刻印は「Ⅷ」、綺麗に刻まれています。
-
11.【犬吠橋】
1924年(大正13年)竣工、上路プラットトラス橋+上路プレートガーダー橋。
なんと、落橋していました!
【重要文化財】 -
斜材4箇所が断裂しています。
2016年(平成28年)9月に損壊を確認、想定を超える重量の車両通行が原因とのこと。 -
道路橋は別位置に建設し、この橋は自転車歩行者道として修復する計画だそうです。道路橋転用時に付加された余計な部材を取り除いて、鉄道橋時代の姿が復元されることを期待しています。
-
12.【井ノ谷橋】
1924年(大正13年)竣工、上路プラットトラス橋+上路プレートガーダー橋。
こちらは健在でした。脇道なので犬吠橋に比べると交通量はかなり少なそうです。
【重要文化財】 -
【釈迦ヶ生隧道】
ここまでの隧道と同様の石積みが側壁片側だけ残っており、車道への転用に際し魚梁瀬森林鉄道の隧道を拡張したものかもしれません。 -
13.【堀ヶ生橋】(ほりがをばし)
1941年(昭和16年)竣工、RC充腹アーチ橋。
径間長43mは当時の充腹アーチとしては最大級。
橋中央の待避スペースは古写真には見当たらないので、後から追加したようです。
【重要文化財】 -
14.【二股橋】
1940年(昭和15年)竣工、無筋充腹アーチ橋。
親柱の竣工年は皇紀でした!
【重要文化財】 -
イチオシ
15.【小島橋】
1932年(昭和7年)竣工、下路平行弦プラットトラス橋+上路プレートガーダー橋。
山が色づいて綺麗でした!近代化産業遺産では『小島影橋』という橋名で登録されているようです。
【重要文化財】 -
こちらも道路橋に転用され、現役で頑張っていますが、下弦材等かなり華奢なので、せめて重量制限位かけて欲しいです。
-
【加茂隧道】
この隧道はなぜか重要文化財に指定されていません。 -
16.【立岡二号桟道】
1933年(昭和8年)竣工、RC上路ガーダー橋他。
前後の築堤と共に残存。桁側面に出ているL形の丸鋼で橋枕木を固定していたようです。
【重要文化財】 -
【奈半利川橋】
橋脚が一部残っていました。 -
林野庁に往時の写真がありました。
下路平行弦プラットトラス橋+上路プレートガーダー橋だったようです。橋門構に銘板が付いています。
出典:農林水産省Webサイト(https://www.rinya.maff.go.jp/shikoku/koho/tetudou/130516_12.html) -
17.【八幡山跨線橋】
1933年(昭和8年)竣工、RCガーダー橋。
八幡神社の参道を線路が横断する際に、前後の参道と併せて建設されたようです。
【重要文化財】 -
18.【法恩寺跨線橋】
1933年(昭和8年)頃竣工、石造アーチ橋。
こちらはお寺の参道を横断する為に架けられた橋。ほとんどの廃線跡は道路に生まれ変わり、橋やトンネル以外古き森林鉄道を感じる事はできませんが、この先にある奈半利木材共販所の存在に森林鉄道の名残がわずかに残っていました。
【重要文化財】 -
おまけ
【手結港可動橋】
2002年(平成14年)竣工、跳開式可動橋。
路面が垂直に立ちはだかる異様な光景! -
跳開角度は最大70度!あらかじめ決められた時間帯に上がるようです。今まで何箇所か可道橋を観てきましたが、動く所が観られたのはようやく2度目です。
奥の手結港(内港)は江戸時代1650年(慶安3年)より築港に着手、1657年(明暦3年)に竣工、見事な石積みの護岸が残っています。 -
【前浜掩体群 5号掩体】
1944年(昭和19年)建設。
戦闘機の格納庫です。現高知龍馬空港(旧高知海軍航空隊基地)の周囲に多数残存していました。道が狭く駐車場も一切無いのが残念。前浜掩体群 名所・史跡
-
イチオシ
【大栃橋】
1955年(昭和30年)竣工、下路平行弦分格ワーレントラス橋+ポニートラス橋。
主径間の平行弦分格ワーレントラスが側径間にはみ出し、ヒンジを介して側径間のポニートラスと一体化しています。
なお、日本では平行弦分格トラスなら何でも『ボルチモアトラス』と呼ぶのが定着しつつありますが、日本以外の国では【平行弦分格プラットトラス】だけがBaltimore trussと呼ばれています。 -
新橋完成後も旧橋は残されることになり、古めかしい直線の分格トラスと現代的な曲線のローゼとの対比が面白そうです。
-
【甲浦駅 DMV乗入れスロープ】
日本初のDMV(デュアルモードビークル)運用の為の、線路と道路とを接続するスロープを建設していました。DMVは『線路も走れるバス』、線路とスロープとの間には連接軌道を敷設するのでしょうか。
2020年度末にDMVの営業運転開始予定との事、楽しみですね♪甲浦駅 駅
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【松阪隧道】
1921年(大正10年)竣工。
旧道に見事な扁額を備えた古い隧道が残っています。 -
【佐古配水場ポンプ場】
1926年(大正15年)築。
入り口のペディメント風の飾りやバルコニーのような意匠が特徴的。
【有形登録文化財】 -
イチオシ
【佐古配水場集合井】
1926年(大正15年)築。
円形煉瓦造りがいい味出しています。桜が満開で綺麗でした。
【有形登録文化財】 -
この後高速バスに乗って帰路に着き、今回の旅は終わりです。
-
崩落した犬吠橋はショッキングでしたが、重要文化財に指定されている魚梁瀬森林鉄道の貴重な構造物や、新橋建設中の大栃橋等が観られて充実した旅でした。今回観た安田川・奈半利川沿い以外にも伊尾木川沿いの西坂本橋や小川川橋等、高知には森林鉄道の遺構が数多く残っているようなので、また機会があれば観に来たいと思います。
トータル 橋16、トンネル8、他6 を巡る旅でした。
出典:農林水産省Webサイト(https://www.rinya.maff.go.jp/shikoku/koho/tetudou/130516_25.html)
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