2019/06/17 - 2019/06/17
155位(同エリア1044件中)
ブリッヂ・トレック(橋梁旅行)さん
- ブリッヂ・トレック(橋梁旅行)さんTOP
- 旅行記109冊
- クチコミ66件
- Q&A回答1件
- 196,998アクセス
- フォロワー25人
福知山線の前身、阪鶴鉄道は大阪と舞鶴を結ぶ鉄道として1897年に池田~宝塚間が営業開始し、順次延伸して1899年に神崎(現尼崎)~福知山間が全通しました。その後1907年に国有化され福知山線となり、1986年の電化・複線化の際に、宝塚~道場間は新線に付け替えられ、旧線は廃止されました。しかし、武庫川渓谷沿いの風光明媚な旧線に無断立入する人が後を絶たず、またハイキング等のブームもあり、JR西日本が安全対策工事を実施、西宮市もトイレの整備等を行い、既に開放されていた宝塚市側と併せ2016年より正式に 【利用者の自己責任を原則としたハイキングコース】
として一般開放されました。今回はこの廃線跡を巡って100年以上前に造られた橋梁や隧道等の鉄道遺産を観てきました。
なお、トンネルの起点側(宝塚方)を入口、終点方(道場方)を出口と呼ばせて頂きます。
参考文献:1.わが国における鉄道トンネルの沿革と現状(第2報)
ー旧・京都鉄道、旧・阪鶴鉄道をめぐって-(土木学会)
2.明治時代に製作された鉄道トラス橋の歴史と現状(第4報)
----米国系トラス桁その1----(土木学会)
3.歴史的鋼橋調査台帳(土木学会)
4.鋼橋移設,既存ストックの有効活用(土木学会)
5.兵庫県内の主な産業遺産など6,7(神戸・兵庫の郷土史Web研究館)
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- JRローカル 私鉄 徒歩
-
◆Map1 宝塚~当田隧道
旧線のルートをGooglemapに点線で図示してみました。
※全Mapの権利帰属は、画像©Google、地図データ©Google です。
旧生瀬駅跡は上り線ホームから見下ろせるようですが、下り列車に乗って行ったので見逃してしまいました。 -
【第一武庫川橋梁跡】
6径間上路プレートガーダー。
生瀬駅で降りて宝塚方面へ少し戻ります。
新線の下流側に単線上路プレートガーダーが架かっていました。河床に橋脚跡が残っています。左は複線化・電化の際に架設された新橋です。 -
右岸の道路脇には橋台も残っていました。隅角部石積みが多いですが、こちらは全てレンガ、イギリス積みです。
-
イチオシ
【千苅導水路 第三水管橋】
1916年竣工。下路プラットトラス。
千苅堰堤と上ヶ原浄水場を結んでいます。
2004年の台風23号ではこの周辺の道路が流失する程増水しました。この橋が残ったのは奇跡としか言いようがありません。現在は橋脚もコンクリートで根固めされ、強固になっています。
〔近代化産業遺産〕 -
千苅堰堤(千苅ダム)も石積みが素晴らしいのでいつか行ってみたいです。
右の新線ワーレントラスは桁が曲線を描いています。対岸中央は惣川駅跡、砕石ホッパーがありましたが既に撤去されて跡形もありません。 -
一般国道176号 名塩道路
川の中に橋脚が林立しています。 -
道路が狭く交通量も多いので川の方へ拡幅し4車線化するようです。
※近畿地方整備局事業評価監視委員会平成29年度第4回資料より -
【生瀬架道橋跡】(正式名称不明)
1981年頃竣工、1986年撤去。下路プレートガーダー。
3段の一番奥が新線、真ん中が旧線跡、手前が旧道跡。
福知山線新線切替に併せ、旧道立体交差化の為に架設したようです。 -
【細谷川橋梁】
上の架道橋のすぐ先です。こちらは橋台も桁も残存していました。
※twitterにて橋梁名が判明しました。河陽鉄道探見様いつもありがとうございます。 -
【城山隧道(2号トンネル)】【太多田川橋梁跡】
1898年頃竣工、1986年廃止。
延長:62.7m、坑門:野石乱積み、側壁:野石乱積み、アーチ:レンガ長手積み。
木の陰に隠れてよく見えませんが、坑門はモルタルで覆工され、坑口も閉塞されてしまいました。切石積みの橋台は現存しています。
なお、以前は川西池田~中山寺間に天神川隧道(1号トンネル)がありましたが、高架化に伴い1980年に廃止・埋め戻されたので、それ以降1号は欠番となっています。 -
【当田隧道(3号トンネル)】【太多田川橋梁跡】
1898年頃竣工、1986年廃止。
延長:208.5m、坑門:野石乱積み、側壁:野石乱積み、アーチ:レンガ長手積み。
太多田川橋梁の構造は上路プレートガーダー(1,2)+槽状桁(3,4,5)或いは全て上路プレートガーダーではないかと思われます。 -
城山隧道 太多田川橋梁
新線は太多田川上流側を通っています。
太多田川橋梁は曲線中にありますが、桁そのものが曲線状の第一武庫川橋梁と違い、直線の桁幅を広く取ってその中に曲線の軌道を収めています。上横構の分格が特徴的です。 -
◆Map2 当田隧道~名塩川橋梁
当田隧道から先、国道に沿って山側一段高い所を走っていて、新線とは離れていきます。 -
国道の狭い歩道を進みます。一段高い所に見える白い部分が旧線の線路敷きです。中央の建物辺りから振り返ると、当田隧道の坑門が見えるようですが、気付かずに通過してしまいました。
-
上の写真の先の方から旧線跡を振り返って撮りました。当田隧道出口付近まで道路に転用されていましたが、工事中で通行止めになっていました。近畿地方整備局の図面を見て分かるように、大多田橋からこの道路へ向かって国道4車線化の用地として廃線跡が使われそうなので、当田隧道も切り崩されるかも知れません。当田隧道出口坑門を観たい方は急いだ方が良いです。
-
追加情報
当田隧道内はエアミルクを充填し閉塞されることが判明しました。
無念・・・ -
ハイキングコースの入口に着きました。砂利道が廃線敷きです。この付近のトイレから終点までトイレはありません。自販機等も一切ありません。
右は武庫川水管橋、渡ることができます。 -
◆国鉄廃線敷マップ・・・武田尾~生瀬
西宮市作成の地図です。開渠まで記載してあるのは助かります。
Mapの作成は面倒ですし折角作ってくださっているので、ハイキングコースの区間はこの地図を参照してください。 -
全長4.7km、普通に歩けば2時間弱の距離です。
-
しばらく進むと名塩探史会の看板が出てきました。
廃線敷マップと違い、廃線敷きはおまけで渓谷の案内看板です。 -
続いてJR西日本が設置した注意看板です。
施設管理は西宮市の公園緑地課。西宮市と宝塚市でそれぞれ市内を担当しているようです。
橋梁や隧道の管理が公園緑地課にできるのか疑問です。というか、「うちは草刈りとゴミ拾いしかやりませんよ」、という事だと思われます。
でも一般公開にはとても感謝しています。全国の廃線跡を抱える自治体の皆さまも参考にして頂きたいです。鉄道会社の協力も不可欠ですが、自治体が主体的に動かないと実現していなかったと思います。 -
イチオシ
【名塩川橋梁】
1898年頃竣工、1986年廃止。上路プレートガーダー。
ちょっと見にくいですが、枕木を残しその上に柵付きの通路を設置したようです。桁はJ型スティフナーを使ったプレートガーダーの下に、舟型の桁を溶接して後から補強したように見えます。旧第一武庫川橋梁の第2,6径間も同様の桁でした。 -
〔携帯電話機用端子箱〕
こんな設備まで残っていました。沿線電話に相当する設備でしょうか。
※蓋は撮影後閉めています。 -
落石の注意看板です。
施設は自治体の管理ですが、土地の所有者はJRなので、落石による事故の責任を問われる事を懸念しているようです。
中央奥に何か建築物の基礎のような遺構が残っています。 -
〔列車見張台〕もありました。
この前後は待避禁止区間のようです。 -
イチオシ
【姥ヶ懐川橋梁】
1898年頃竣工、1986年廃止。上路プレートガーダー。
切石積みの橋脚が見事! -
60km/hの〔速度制限標識〕がありました。R300でしょうか、もう少しで判読できなくなりそうです。木製の〔架線柱〕も健在です。
-
【北山隧道】(4-1号トンネル)
1923年竣工、1986年廃止。延長318.4m。
不自然に広くなっていますが、元々は隧道の谷側を走っていました。
※各隧道の延長等は参考文献1を参照しており、現地の看板とは若干の差異があります。 -
◆Map3 北山隧道周辺
黄色の点線が当初の路線です。今はフェンスで閉ざされ立ち入ることはできません。落石があまりに酷いので、隧道を新設したのかも知れません。1920年頃に着手した落石防護の為の第一次隧道延伸と時期も一致します。
この隧道を後から追加して、4-1号と枝番付きの番号が振られた為、隧道名も北山第一隧道という名称が広まってしまったようです。 -
イチオシ
出口側です。この隧道のみ側壁・アーチ共コンクリート造、電化も想定した乙型トンネルです。ここ以外は阪鶴鉄道の建設なので、鉄道省延伸部も含め独特な形状をしています。坑門は整層切石積み。
こちらも谷側が広くなっており、当初路線の面影を感じ取る事ができます。 -
谷側に待避所がせり出して設置されています。
-
1956年竣工。待受け擁壁にレール製の柵も付いています。
-
【北山第二隧道】(4-2号トンネル)
1898年頃竣工、1956年入口延長、1986年廃止。
延長:412.7m、坑門:RC、側壁:野石乱積み、アーチ:レンガ長手積み。 -
落石防護の為入口を16.0m延伸。この先も6,7号以外は延伸されています。落石防護柵も同時期の物が多く、1950年代に人命に関わる事故があって第二次隧道延伸を実施したものと推測されます。
-
側壁が野石乱積み!、すごいです!腕の良い職人さんが揃っていないとこんな事はできません。
待避所はアーチ部がレンガ積みの所もありました。
なお、トンネル内に照明はありませんので、ライトを忘れた場合は引き返した方が賢明です。腐食して尖った犬釘が枕木からとび出ている所もありました。 -
400mもの長さになると人の待避だけでなく資材等の置き場も必要になります。後から拡大或いは追加したと思しき巨大な待避所がありました。アーチ部まで届いています。
-
出口側は延伸されず原状を留めています。坑門は整層切石積み。
笠石も帯石も要石もピラスターも扁額も無い、一切の装飾性を排除した設計が阪鶴鉄道の坑門の特徴と言えそうです。 -
【鯰ヶ尾開渠】
西宮市作成のまちたびまっぷによると、もう一つ切池谷開渠があるようですが、どちらかを撮り忘れてしまいました。桁も橋台も観られないので省略してしまったかも知れません。一つ一つ案内看板を設置して貰いたいものです。 -
【跨線水路橋】(正式名称不明)
ロックシェッド(落石覆い)にしては短いし切り立った断崖があるでもなく変だなーと思ったら2径間連続アーチ。上を沢の水が流れている川底隧道です。当初開渠だったのを、大雨の際には開渠では運行に支障を来す程の水勢になる為に鉄道省か国鉄が設置したのではないかと推測します。 -
擁壁に蓋が掛かっていますが、擁壁点検用の梯子へ降りる点検口です。今はスライドできないように加工されていました。
荒々しい武庫川渓谷溝滝の流れが岩肌を削っています。 -
イチオシ
なんと!双頭レールの落石除けがありました。感動です!
重要文化財に指定してほしいです。 -
レンガ積みの土留め擁壁。しかもフランス積み!すばらっ
-
【金ヶ瀬川開渠跡】
24kmのキロポストも残っていました。 -
大量の枕木が積まれています。手前側5山は橋枕木なので第二武庫川橋梁又は開渠の物と思われますが、奥の方2山は通常の枕木なので、大雨で流された長尾山第一隧道内の物と思われます。
それにしても落石注意看板が多過ぎ。『看板のある所は特に危険!』と解釈した方が良さそうです。雨の日の危険性も注意喚起した方が良いと思います。
長くなったので その2 に続きます。いよいよ本命の第二武庫川橋梁が登場します。
その2はこちら→ https://4travel.jp/travelogue/11509563
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
旅行記グループ
◆廃線跡巡りの旅◆
-
前の旅行記
◆岩国~阿蘇~下関 鉄道遺産と橋梁を巡る旅◆その1~山口・宮崎編~
2018/03/29~
高千穂・五ヶ瀬
-
次の旅行記
◆宝塚~武田尾 福知山線旧線廃線跡巡りの旅◆その2◆Remains of JNR Fukuchiyama o...
2019/06/17~
宝塚
-
◆中津川~下付知 北恵那鉄道廃線跡巡りの旅◆Remains of Kita-ena Railway◆
2017/11/03~
恵那
-
◆岩国~阿蘇~下関 鉄道遺産と橋梁を巡る旅◆その1~山口・宮崎編~
2018/03/29~
高千穂・五ヶ瀬
-
◆宝塚~武田尾 福知山線旧線廃線跡巡りの旅◆その1◆Remains of JNR Fukuchiyama o...
2019/06/17~
西宮・芦屋
-
◆宝塚~武田尾 福知山線旧線廃線跡巡りの旅◆その2◆Remains of JNR Fukuchiyama o...
2019/06/17~
宝塚
-
◆伊勢中川~伊賀神戸 近鉄大阪線旧線廃線跡巡りの旅◆
2020/02/19~
津
-
◆安田~奈半利 魚梁瀬森林鉄道廃線跡巡りの旅◆Remains of Yanase Forest Railwa...
2020/04/02~
北川・奈半利・田野
-
◆丸山水力専用鉄道廃線跡と木曽川の橋梁等を巡る旅◆
2020/09/21~
川辺・八百津
-
◆阿寺森林鉄道の廃線跡や阿寺渓谷の橋梁等を巡る旅◆Remains of Atera Forest Railw...
2020/09/21~
木曽・塩尻
-
◆木之本~敦賀港 北陸本線旧線廃線跡巡りの旅◆その1
2022/05/26~
敦賀
-
◆敦賀~第二観音寺隧道 北陸本線旧線廃線跡巡りの旅◆その2
2022/05/26~
敦賀
-
◆曲谷隧道~湯尾 北陸本線旧線廃線跡巡りの旅◆その3
2022/05/27~
南条・今庄
旅行記グループをもっと見る
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
西宮・芦屋(兵庫) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
旅行記グループ ◆廃線跡巡りの旅◆
0
44