2019/03/12 - 2019/03/13
8位(同エリア102件中)
旅猫さん
旅の5日目、日奈久温泉を後にして、三角へと向かう。
この日の宿は上天草にあるのだが、その途中に立ち寄ってみたい街がある。
それが、三角西港だ。
現在の三角港が出来るまで、大いに賑わった港町である。
- 旅行の満足度
- 3.5
- 観光
- 3.5
- ホテル
- 3.5
- グルメ
- 3.0
- 交通
- 3.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- 高速・路線バス JRローカル 私鉄 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
日奈久温泉駅から乗った列車を八代駅で下車。
ここからは、JR線に乗り換える。
ホームでは、10:06発の鳥栖行きの区間快速が発車を待っていた。八代駅 駅
-
定刻に八代駅を出た列車は、肥後路を北上。
そして、10:31に宇土駅に到着。
ここでバスに乗り換えるのだが、誤って駅の反対側のバス停で待ってしまい、危うく乗り遅れるところだった。
10:40発のバスに何とか間に合い、三角西港へと向かう。 -
バスは西へと走り、45分ほどで三角西港前バス停に着いた。
バスを降りて道を渡ると、すぐそこが三角西港地区だった。
まず目に付いた瀟洒な洋風の建物へと入ってみる。
その建物は、旅館として明治期に建てられた浦島屋を復元したものだった。
小泉八雲も宿泊したそうだ。浦島屋 名所・史跡
-
当時の設計図を基に再現したそうで、正面の階段が印象的だった。
二階のテラスからは、三角西港や海がよく見えた。 -
浦島屋のすぐ近くには、龍驤館と言う建物もあった。
大正7年(1918)に、明治天皇即位50年記念事業として建てられたものらしい。龍驤館 名所・史跡
-
龍驤館のすぐ近くには、銅像も立っていた。
明治期の熊本県令富岡敬明のものだった。
彼は、ここ三角西港の整備に尽力したそうだ。 -
海の方へ歩いて行くと、小さいながらも立派な石橋が架かっていた。
三之橋と呼ばれ、明治20年(1887)に造られたものだそうだ。
下を流れる石造りの水路は、明治18年(1985)の築港第一期に設けられたもの。 -
海に出ると、穏やかな景色が広がっていた。
三角西港は、三角ノ瀬戸に面し、外海からは島などで守られた天然の良港だ。
ただ、海峡のような地形のため潮流が速く、接岸するが難しかったようだ。
そのため、東港が出来ると、次第に利用されなくなったらしい。 -
海沿いに歩いて行くと、古い建物が保存されていた。
4隻の汽船を所有して運送業を営んでいた旧高田回漕店の建物で、開港当時に三角に進出したそうだ。旧高田回漕店 名所・史跡
-
三角西港には、築港当時に造られた石積埠頭が残っている。
石造りと言うと冷たい印象を受けるが、ただのコンクリートで塗り固められた港に比べると、柔らかく温かい感じだ。
この埠頭には、開港当時、三つの浮桟橋が設けられていたそうだが、今は残っていない。石積埠頭 名所・史跡
-
港の外れにある一之橋まで歩き、そこから内陸側を流れる水路沿いに戻ることにする。
街の背後にある山すそに沿って設けられたその水路も、石積みで造られていた。
地形に沿って曲線を描いていて、何とも言えず美しい。 -
その石積みの隙間には、菫の花が咲いている。
野山に咲く菫も良いが、街中で健気に咲いている菫も好きだ。 -
歩いて行くと、水路が二股になっている場所があった。
水や土砂を効率的に海へ流すように造られたそうだが、石積みの緻密さがよくわかる。 -
その水路の袂から石段を登って行ったところに、旧三角簡易裁判所があった。
見学できるようになっていたので立ち寄ってみると、実際に使われていた法廷が残されていた。
ここは、平成4年まで現役の裁判所として使われていたそうだ。旧三角簡易裁判所(法の館、伝統工芸館) 名所・史跡
-
同じ高台には、白と水色の外観が特徴的な建物も建っていた。
これは、明治35年に建てられた旧宇土郡役所。
仕上げには、漆喰が使われているそうだ。宇土郡役所跡(九州海技学院) 名所・史跡
-
玄関部分が印象的で、洋風なのに、どこか和の美しさが感じられる。
そこから外を見ると、どこか絵のような風情があった。 -
石段の上まで戻ると、そこからは三角西港の街並みが望めた。
開港当時は賑わった港町も、今は春の日だまりの中で眠っているようだ。 -
そろそろ食事でもと思い、海の方へと戻る。
水路脇にあった白い建物は、三角西港の設計者であるムルドルに因んで名づけられたムルドルハウスと言う物産館だった。
覗いてみようかと思ったのだが、まだ営業前だった。ムルドルハウス お土産屋・直売所・特産品
-
すぐ近くにある港の倉庫を利用したレストランに向かうと、何と臨時休業だった。
他の食事処を検索してみたが、近くにはない。
それでは、早目に天草ヘ行こうと思いバスの時刻を調べると、あと2分でバスが来るので、急いでバス停へと向かった。西港明治館 グルメ・レストラン
-
バス停に着くと、すでに時刻を過ぎていた。
この後は1時間近く無いので、遅れていることを祈る。
すると、12:37発の本渡行きの快速『あまくさ号』が6分遅れでやってきた。 -
バスは、天草五橋のひとつ天門橋で上天草へ渡る。
しばらく走ると、右手に三角ノ瀬戸が見えてきた。
瀬戸の対岸には、先ほどまでいた三角西港も眺めることが出来た。
そして、20分足らずでさんぱーるバス停に着いた。
さんぱーるには、物産館や道の駅があるので、ここで昼食をと思っていたのだが、何とこの日は休業日だった。 -
仕方が無いので観光案内所で尋ねてみると、近くに食事処は無いという。
市役所の方へ行けばあるというので、バスが走ってきた道を歩いて戻ることにした。
そして、15分ほど歩くと、ようやく『大福』と言うちゃんぽんの店が見えてきた。
中に入り、ラーメンと餃子に麦酒を注文。
麺は柔らかく、餃子も小さかったが、食事にありつけて助かった。 -
さんぱーるへと戻り、バス停でバスを待つ。
三角西港を予定より1時間早く出たのと、物産館などが休みだったこともあり、かなり時間が余ってしまった。
しばらくすぐ近くの海岸などで景色を眺めたり、バス停の待合所で座ったりして時間を潰す。道の駅 上天草さんぱーる お土産屋・直売所・特産品
-
30分ほど待ち、14:30発の上天草市コミュニティバス『SUNまりん』の上循環線に乗り、今宵の宿がある弓ヶ浜を目指した。
バスは、穏やかな表情を見せる海沿いを走って行く。 -
そして、30分ほどで弓ヶ浜バス停に到着。
バス停から宿の方へと歩いて行くと、ここに温泉があるのかと思うほど、そこは長閑な集落だった。 -
5分ほど歩くと、突然、その宿が現れた。
『湯楽亭』と名の、大洞窟風呂が名物と言う温泉宿だ。
玄関わきにあった陶器の大きな壺に、私の名前が書かれていたのには驚いた。大洞窟の宿 湯楽亭 宿・ホテル
-
通された部屋は、庭に面した和室だった。
すでに布団も敷いてあり、旅館らしい風情が漂う。 -
部屋に荷物を置き、早速、自慢の温泉をいただくことにする。
浴室に入ると、まず白湯と呼ばれる透明な湯で満たされた湯舟があった。
元々は、この湯が最初に発見されたそうだ。 -
洗い場を向けると、そこには茶褐色の湯を湛えた湯舟が現れた。
赤湯と呼ばれるその湯は、平成8年に湧出したものだそうだが、熊本地震で止まってしまったらしい。
しかし、平成30年に復活したものだそうだ。 -
湯舟の脇には、温泉成分による火山のような堆積物があった。
現在は使われていないようだが、以前はそこが湯口だったようだ。 -
床を見れば、一面、温泉成分により網目のような模様が出来ていた。
この赤湯は、かなり温泉成分が濃いようだ。 -
その凄さは、露天風呂でさらに強まった。
湯舟のかなりの部分が温泉成分で埋まってしまい、浸かれるところが少なくなっていた。 -
岩造りの露天風呂は、狭いながらも風情があり、なかなか寛げる。
その湯舟の脇には、暖簾の掛かった小屋のようなものもあった。 -
寝湯とあったその小屋に入ってみると、そこは小さな湯舟となっていた。
温泉成分が堆積し、深さが浅くなってしまったのであろう。 -
露天風呂の奥には、洞窟風呂の入口があった。
手掘りと言うだけあり、その入口はまるで坑道のようだった。 -
中に入ると、天然のサウナのような熱気に包まれた。
しかも薄暗く、まさに洞窟の趣だった。
しかし、慣れてくるとこれがなかなか良い感じ。
湯加減もちょうどよかった。 -
温泉を堪能した後、火照った体を冷ましに、近くの弓ヶ浜に行ってみることにした。
浜辺に出てみると、青い空と海が広がっている。
その向こうには、島原半島が薄っすらと望めた。
しばらく風に吹かれ、景色を楽しんだと、宿へと戻った。 -
部屋でしばらく休憩した後、さんぱーる近くのコンビニで買ってきた弁当で夕食とした。
今回は、旅程が長いため、食費を節約しているのだ。 -
翌朝、まずは朝風呂へ。
大浴場は、朝夕で男女入れ替えとなるので、昨日とは違う浴室だった。
とは言え、造りは似たような感じで、雰囲気は変わらない。 -
露天風呂は、昨日より解放感は無かったものの、湯舟は堆積物も比較的少なく、入る場所は広かった。
洞窟風呂もあったが、こちらはやや狭かった。 -
宿からさんぱーるまでバスで戻る予定だったが、宿の方が来るまで送ってくれるというので、お言葉に甘えることにした。
物産館の前で下してもらい、本渡方面へ向かうバスを待つ。
時間を潰すために立ち寄った物産館には、いろいろな野菜や果物が売られていた。道の駅 上天草さんぱーる お土産屋・直売所・特産品
-
8:55発の本渡バスセンター行きの快速バスは、10分ほど遅れてやってきた。
そのバスに乗り、本渡のある下島へと向かう。
途中、天草五橋で天草松島を通過し、上島を横断。
そして、1時間足らずで天草下島への橋に差し掛かった。
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この旅行記へのコメント (6)
-
- hot chocolateさん 2020/04/04 23:30:19
- 素敵な町、三角西港
- 旅する猫さま、こんばんは。
9泊10日という超長い温泉旅、湯疲れしませんでしたか。
旅も後半戦に入りましたね。
日本国内10日間の旅というのは、学生時代でもしなかったなぁ。
最長でも東北や信州、北陸の旅の1週間、高校の修学旅行も
1週間だったけど・・・
三角西港地区には、旅館・浦島屋や旧宇土郡役所などモダンで瀟洒な
建物があるのですね。
三角西港の設計者であるムルドルに因んで名づけられた建物が、
ムルドルハウスと言うお洒落な物産館になっているのが面白いです。
「湯楽亭」の露天風呂といい、手掘りの洞窟風呂といい、温泉成分の
堆積物が凄まじいですね。
長い年月、温泉成分が蓄積されたものでしょうが、良質な温泉というのが
分かるような気がします。
hot choco
- 旅猫さん からの返信 2020/04/05 09:02:47
- RE: 素敵な町、三角西港
- hot chocoさん、こんにちは。
いつもありがとうございます。
学生時代以来の長旅でした。
良質な温泉ばかりで、湯疲れはしませんでした。
歩き回って疲れるので、逆に癒されました。
三角西港地区は、なかなか良い町でした。
古い建物は少しで、しかも観光用に保存されているものばかりですが、
街自体に風情があり、港の景色も良いので気に入りました。
湯楽亭のお湯は良かったですよ!
鉄分豊かで濃厚なお湯で、温泉成分の堆積物が凄かったです。
辺鄙な場所にあるので、訪れる人も少ないようです。
旅猫
-
- クリント東木さん 2020/03/14 20:42:24
- 懐かしく拝見しました
- 旅猫さんへ
こんにちは。いつも投票ありがとうございます。湯楽亭には2010年、大分~熊本を旅行した際宿泊しており懐かしく拝見しました。私達は秘湯を守る会のスタンプを集めているので二食付きでしたが…。湯口の析出物は相変わらず見事な形状!。露天風呂もどこが浴槽の縁か分からず、狭い(笑)。洞窟も何かのアトラクションの一シーンのような出来栄えで楽しめました。
クリント東木
- 旅猫さん からの返信 2020/03/17 21:08:49
- RE: 懐かしく拝見しました
- クリント東木さん、こんばんは。
こちらこそ、いつもありがとうございます。
湯楽亭に泊まったことがあるのですね!
この宿のお風呂は、堆積物が凄いですよね。
あの露天風呂、入るところが無い感じで(笑)
洞窟風呂も、なかなかいい感じでした。
天草に、こんな温泉があるとは驚きです。
旅猫
-
- salsaladyさん 2020/03/14 11:16:56
- 日奈久♨ー三角~昔同じ経路で。。。
- ☆日奈久温泉の名にひっかかりまして、20代の劇団時代に熊本公演の後入った日奈久のそれこそ鄙びた温泉街がお気に入りでした。
☆別のルートで、長崎から熊本三角へ渡る時には座長が車をぶつけてライトを壊した御陰で?宮崎へ着くのが真夜中(何処かで書いたかも?忘れられない想い出なの)~
☆九州は大分出身でも、熊本は詳しくなくてとても印象に残った度でしたから~
☆コロナ騒ぎが治まったら、熊本の温泉巡りも良いなあ~
- 旅猫さん からの返信 2020/03/17 21:06:23
- RE: 日奈久♨ー三角?昔同じ経路で。。。
- salsaladyさん、こんばんは。
書き込みありがとうございます。
日奈久温泉へ行かれたことがるのですね。
鄙びた感じで、なかなか良い温泉街ですよね。
九州中部から南部にかけては、良い温泉がたくさんありますね。
近ければ、いろいろ巡りたいのですが、関東からでは遠くて。
ぜひ、熊本の温泉巡りを!
旅猫
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