2019/03/13 - 2019/03/14
19位(同エリア854件中)
旅猫さん
九州での旅の6日目。
この日は、天草下島の?・津集落を歩き、島の西側にある下田温泉へと向かう。
﨑津集落は、以前から、海越しに見る教会の景色が印象に残っていたため、今回訪れることにしたのだ。
ただ、世界遺産『長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産』の構成資産に登録されたため、少し不安を感じながらの訪問となった。
- 旅行の満足度
- 3.5
- 観光
- 3.5
- ホテル
- 3.5
- 交通
- 3.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- 高速・路線バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
上天草のさんぱーるから乗った快速『あまくさ号』は、途中遅れを取り戻し、天草下島の中心である本渡のバスセンターに、ほぼ定刻の10:03に到着した。
本渡バスセンター 乗り物
-
本渡バスセンターで、10:20発の牛深市民病院行きのバスに乗り換える。
﨑津集落へは、このバスで一町田中央バス停まで行き、さらに乗り換える必要がある。
50分余りで着いたその街は、長閑な時間が流れていた。 -
一町田バス停で1時間ほど待ち、12:02発の下田温泉行のバスに乗る。
そのバスは、コミュニティバスのように小さかった。
そして、しばらく走ると空色の海が車窓に見えてきた。 -
一町田中央から20分足らずで﨑津集落の入口にある崎津バス停に着いた。
バス停のすぐ近くからは、港越しに﨑津教会と街並みが見える。
そう、これが観たかったのだ。 -
港に設けられた石造りの波止場の上を歩いて行く。
そこからの港の景色は、とても美しく穏やかだった。 -
集落に面した海の色は青緑。
どこか南国の港町のようだが、天草諸島も東シナ海に面しているので、ある意味、沖縄と似たようなものか。 -
波止場を途中まで進むと、それが集落につながっていないことに気付いた。
考えてみれば、当たり前だったのだが。
一度バス停近くまで戻り、改めて港沿いの道を集落へと向かう。
途中、﨑津のご当地マンホールを見つけた。
描かれていたのは、波に踊る二匹の鯛だった。 -
細い道を辿って行くと、集落の中心あたりに着いた。
そこには観光案内所もあったが、世界遺産の街とは思えないほど、通りに人影はなかった。 -
集落の象徴でもある﨑津教会は、表通りから少し奥まった場所にあった。
思いの外立派で、青空に映えている。
しかし、観光客の姿はほとんどない。
遺産登録されているのは集落であるし、教会自体は文化財ではないとしても、少し寂しすぎる気がする。﨑津教会 寺・神社・教会
-
よく見ると、建物の細部はなかなか凝っている。
ステンドグラスも、派手さが無く落ち着いた感じだ。
しばらく見学していたが、結局、出会ったのは10人ほどだった。 -
ちょうど昼時だったので、近くで買ってきたたこ焼きを食べる。
宿でいただいたおにぎりもあったので、ちょうどよかった。 -
その後、教会の向かいに資料館があったので立ち寄ってみる。
二階の窓からは、﨑津教会を望むことが出来た。 -
さらに街並みを歩いて行くと、そこかしこから海が見える。
港町らしい風情があり、なかなか良い。 -
集落には、家と家の間に細い路地がいくつもあった。
『トーヤ』と呼ばれるもので、生活のための道だそうだ。 -
集落の海に面した場所には、船の係留や漁具の手入れなどに使われる『カケ』と呼ばれるものもあった。
コンクリートの堤防に囲まれ、大きな漁船が停泊する漁港と違い、ここは漁村と言った風情が漂っている。 -
集落の外れまで来ると、西宮宮と言う、小さな社が建っていた。
蛭子神を祀る社で、集落の安全と大漁を祈願するものらしい。 -
さらに歩いて行くと、入江の入口が見えてきた。
海に突き出した番所の鼻と呼ばれる岬の先端に、何やら立っている。
海上のマリア像と呼ばれるものだそうだ。
夕日の時間には、美しいらしい。 -
瀬戸内のような美しい海の景色に、しばらく佇む。
春らしい穏やかな陽気の中、ホッとするような光景が広がっていた。 -
美しい風景に癒された後、集落へと戻る。
集落内のバス停近くに、﨑津諏訪神社が鎮座していたので参拝する。
この神社は、潜伏キリシタンが摘発された『天草崩れ』の中心となった場所だそうだ。 -
その境内からは、﨑津の集落と﨑津教会を見ることが出来た。
静かな街並みで、ここが世界遺産に登録されているとは思えない。
他の場所も、このようであればよいのだが。 -
﨑津教会入口バス停に戻り、14:30発のバスを待つ。
向かいにある観光案内所の方は、客が無く、手持ち無沙汰のようだ。
20分ほど遅れてやってきたバスに乗り、次の目的地へと向かう。 -
バスを降りたのは、大江天主堂入口バス停。
次に訪れるのは大江教会だが、それは小高い丘の上にあった。
坂を登って行くと、眼下には、山間らしい長閑な景色が広がっていた。 -
大江教会の建物は、壁の白さが印象的だった。
建てられたのは、昭和8年(1933)だそうだ。
麓にあった天草ロザリオ館にも立ち寄りたかったが、バスが遅れたせいで観ることが出来なかった。大江教会 寺・神社・教会
-
下田温泉へと向かう15:33発のバスは、1分早くやってきた。
乗り込むと、乗客は誰もいなかった。 -
バスは山間の道を走り抜け、30分ほどで終点の下田温泉に到着。
降り立った場所は橋の袂だった。
その橋の上からは、下田温泉の街並みが望める。下田温泉 温泉
-
橋を渡り、温泉街を歩いて行く。
ここは、歓楽的要素も無く、とても落ち着いた雰囲気がある。
商店もいくつかあり、良い感じだった。 -
今回お世話になったのは、川沿いに建つ『泉屋旅館』。
通された部屋は、川に面した和室だった。下田温泉 泉屋旅館 宿・ホテル
-
窓を開けて眺めてみると、思ったよりも風が強い。
川面も波が立っていた。 -
一休みした後、早速、温泉をいただく。
上天草の濃厚な茶褐色の湯の後だったが、湯力を感じる良い湯だった。
下田温泉は、非火山性温泉に分類されるそうで、温泉街の真ん中を活断層が貫いている。
訊けば、地層の摩擦熱により温められた地下水が湧いているらしい。 -
温泉の後、火照った体を冷ましに温泉街を散策。
歩いてすぐのところに温泉神社があったので、今後も良い温泉に入れるように祈願した。 -
温泉街の外れで川を渡り、山裾を通る道を海の方へと向かう。
川向うから眺める温泉街は、なかなか風情があった。 -
しばらく歩くと、趣のある橋が見えてきた。
温泉街の中心に掛かる湯の本橋だ。
街を流れる下津深江川には、明治43年まで橋が無かったそうで、この湯の本橋が、最初にかけられたものだそうだ。 -
橋の近くで、旧天草町のご当地マンホールを発見。
描かれているのは、町の花だった藪椿らしい。 -
海の近くまで来ると、高台に神社が立っていた。
石段を上がると、鳥居に掛かる扁額には下津深江神社とあった。
流れる川と同じ名称なので、何か繋がりがあるのだろう。 -
下津深江川の河口に広がるのは天草灘。
天草下島の西側に位置する下田温泉は、夕日の美しさで評判だそうだ。
ちょうど夕暮れ時で、陽が沈むのを観ていくことにした。
雲が少し多かったが、かえって印象的な夕景が観られた。 -
陽が落ちるにつれ、雲が広がり、辺りは急に薄暗くなってきた。
風も強く、少し肌寒い。 -
結局、黄金色に輝く夕焼けは拝めなかったが、何とか水平線に沈む夕日は観ることが出来た。
冷えて来たので、宿へ戻ろう。 -
温泉街に灯りが点り、情緒が増す。
下田温泉、結構気に入ってしまった。 -
宿へ戻ると、ちょうど夕食の時間だった。
海に近いので、海藻などが多いようだ。 -
しばらくすると、メバルの姿揚げがやってきた。
これが結構食べ応えがあり、しかも美味しかった。 -
お酒は、地元熊本の『香露』を冷やでいただく。
見れば、お猪口の中に魚が泳いでいた。
食事の品数は少なかったが、この後、地元天草産の芋を使った芋焼酎『島美人』などを追加でいただき、良い感じで夜が更けていった。 -
翌朝、朝風呂を使い、その後朝食を。
ちょうど良い量だったが、海苔が無かったのは残念。 -
9時前に宿を出て、バス停へと向かう。
今日は風も弱まり、天気も良い。
9:05発の本渡バスセンター行きに乗り、下田温泉を後にした。 -
バスは内陸を走り、45分ほどでバスセンターに着いた。
急ぐ旅でもないので、本渡の町を歩いてみることにする。
気の向くままに歩いていると、そこかしこに趣のある街並みがある。 -
しばらくすると、川に出た。
そこに、かなり立派な石橋が架かっている。
祇園橋と言うもので、天保3年(1832)に造られたものだそうだ。祇園橋 名所・史跡
-
その橋を渡ると、向かいに神社があった。
祇園社とのことで、境内からは祇園橋がよく見えた。 -
バスセンターへ戻り、11時ちょうど初の快速バスに乗車。
天草松島を車窓に眺めたりして、宇土バス停には13時頃に到着した。
JRの宇土駅とは離れていると聞いていたが、思ったよりも遠く、かなり疲れた。
後で、乗っていたバスが宇土駅の東口にも停まる便だったことを知り、かなり落ち込んだ。天草松島 自然・景勝地
-
宇土駅では20分ほどの待ち合わせで、13:30発の区間快速鳥栖行きに乗車し、大牟田駅へ向かう。
この後は、旅の最後の宿泊地である柳川を目指す。
いよいよ、旅も終盤戦だ。宇土駅 駅
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