2019/11/09 - 2019/11/10
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FUKUJIROさん
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世界遺産に登録された「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」は、構成資産のほとんどが長崎県にありますが、熊本県にも「天草の崎津集落」があります。
信仰と迫害が繰り返された歴史の中で、禁教期のキリスト教徒が神道との共存を模索した特殊な信仰形態だったのかも知れません。
今回の旅の日程です。
6日・午後は自由行動→桜島へ移動。
7日 桜島の半日観光→(仕事)→市内散策→(仕事)。
8日 帰京せずに寄り道を決行。肥薩線を乗り継いで熊本へ。
9日~10日 天草を観光→帰京。
本編は、天草観光の旅行記です。写真が多いので二つに分けました。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- レンタカー
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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朝のスマイルホテル熊本水前寺です。
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品数は少ないですが、価格を考えたらこれで十分です。
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熊本といえばクマモンですね。
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熊本駅のおてもやん像。
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バジェットレンタカーで2日間借りました。
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天草へ向かう途中で、宇土市の粟嶋神社を訪れました。
鳥居は、高さ10m、幅12mの総ヒノキ造りです。 -
駐車場がすごく広いです。祭りや行事のときは大勢の方が参拝されるのでしょう。
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朝一番のためか、地元の方も観光客もいません。
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七五三を控え、昼間はお参りで賑わうことでしょう。
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拝殿の前にある普通の鳥居とミニ鳥居。
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御祭神は、粟嶋大明神(少彦名命)です。御利益は、健康、良縁、安産、学業、交通安全、諸業繁栄など、すごいパワースポットです。
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足下には小さな鳥居があります。桜島の黒神埋没鳥居とは異なり、こういう仕様です。この小さい鳥居を潜ることができると御利益があるそうです。
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一見するととても潜れそうにありませんが、見ている人もいないので思い切って挑戦しました。1回目は肩が引っかかってしまいました。2回目は、水泳の飛び込みの要領で両腕を頭の上に出し、身体をくねらせながら入ると、見事に抜けることができました。因みに178cm、76kgです。
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文化11年(1814年)に奉納された日本一のミニ鳥居です。
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こちらはお子さん用かな。
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こちらは合格鳥居、鉛筆の形をした柱でできています。
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対岸は長崎県島原市。
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天草瀬戸大橋。上島を一気に走り抜けて、下島へ入ります。
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崎津バイパスを折れると遠くに教会が見えてきます。
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無料の公共駐車場。かなり狭いです。私は一番奥に入れましたが、大きな車だと無理かも。
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崎津の景観について説明がありました。
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崎津教会。昭和9年(1934年)建堂。公式HPでは予約が必要となっていますが、繁忙期でなければ関係ないみたいです。係の方もいないし、予約の有無を申告するところもありませんでした。
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「海の天主堂」とも言われ、この場所は、江戸時代には吉田庄屋役邸が建っていたところです。祭壇の場所ではかつて絵踏みが行われていたと伝えられています。
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内部の撮影はできません。60畳の畳敷きで、その上に礼拝の椅子が並べられています。
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崎津教会を建てたオーグスチン・ハルブ神父の碑。
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オルドの泉。
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同じ路地にある「みなと屋」さんが崎津資料館(無料)になっています。ただ、ほとんどの展示物は撮影禁止でした。
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2016年「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」として世界遺産に登録されました。
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崎津においては、崎津教会だけでなく、このジオラマの地域が世界遺産の構成資産となっています。
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崎津教会の模型。
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崎津諏訪神社の模型。
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教会が建てられた頃(昭和初期)の絵図。江戸時代とほぼ変わっていないようです。
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崎津の集落を納めていた天草城主の居城であった河内浦城から出土したベトナム産の絵盤。
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羊角湾の対岸。
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崎津の路地、奥に崎津諏訪神社。
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ハルブ記念堂。崎津諏訪神社への坂道の途中にあります。
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ハルブ神父の像。フランス人宣教師のハルブ神父は独力で資金を集め、崎津教会を建堂しました。
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ハルブ神父の墓。
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崎津諏訪神社の鳥居。
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正保4年(1647年)に崎津集落を一望する高台に建てられ、大漁と海上安全を祈願する神社です。
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御祭神は大国主大神の子である建御名方神(タケモナカタノカミ)です。
崎津集落のおよそ7割を占めていた潜伏キリシタンは、諏訪神社の氏子になることで信仰をカモフラージュしていたと、そして参拝の際には「アーメン、デウス」と唱えていたと伝わっています。
文化2年(1805年)の天草崩れにおいても、禁教ではなく異宗として処分されています。 -
さらに奥へ続く石段。金刀比羅宮の鳥居となっています。
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こちらの説明はなく、わかりません。
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崎津諏訪神社の境内からは、崎津教会と集落が見渡せます。
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車で10分ほど離れた天草コレジヨ館にきました。
コレジヨとは宣教師を養成する学校のようなものを言います。 -
天草コレジヨ館。入館料200円と安いにもかかわらず展示が豊富で、しかも原則撮影OKです。潜伏キリシタン関係の施設や教会は、撮影禁止なところばかりでしたが、歳を取ると写真でも見ないと何を見たのか思い出せないので、ここが一番思い出深い場所です。
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係の方が1階から2階まで展示内容について一通り説明をしてくれました。
その後は、2階から自由に見て回りました。 -
明治18年に建てられた旧崎津天主堂の模型。崎津諏訪神社のすぐ下に建てられていました。
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崎津天主堂(崎津教会)の模型。
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「兜梅」の伝承をもとにした合戦の様子。
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牛が材木を引っ張る様子。いろいろあって面白かったです。
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こちらも2階、世界平和大使人形の館。元衆議院議員の園田天光光(そのだてんこうこう)さんの功績が讃えられています。
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園田天光光さんが、国際児童年の昭和54年(1979年)に、世界100カ国に贈った平和大使の人形。
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その返礼に贈られてきた世界各国からの人形。
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中東地域からも珍しい人形。イスラム教は偶像が禁止されています。
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1階の展示です。
聖イグナチオ・ロヨラのメダイ(複製)。原品は長崎市の26聖人記念館が所有。他には崎津教会とローマにあり、世界に3つだけです。 -
潜伏キリシタンが持っていた貝殻。光の当たり具合で十字架が浮き出ます。
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南蛮船の模型(ポルトガル製)。豊臣秀吉が宣教師追放例を出した翌日、1587年7月25日、崎津に入港しました。
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当時の南蛮船は外周に大砲を並べており、武力で交易を行っていたことが分かります。
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西洋二武人図(複製)。宣教師の随行者です。
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羅針盤。
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羅針盤。
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グーテンベルク印刷機(複製)。このサイズの印刷機は世界に2台しか残っていないそうです。
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日本人として初めてヨーロッパを旅行した天正遣欧少年使節の4少年が持ち帰った印刷機。その後宣教師追放令とともにマカオへ送り返されました。
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天草コレジヨでは1,500部以上の天草本が印刷されていました。
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天正遣欧少年使節。天正10年(1582年)2月20日、長崎港を出発しローマを目指しました。2年半後、苦難の末にどうにかリスボンに到着しました。その後、ローマへと進みました。
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ローマに着いて教皇グレゴリウス13世に謁見したものの、まもなく高齢のため崩御してしまいます。その後に即位したシスト5世(馬に乗った人物)は、自らの戴冠式の行列に4人を参加させました。
この時の様子は、ヴァチカン図書館「シスト5世」の間の天井絵に描かれています。 -
貴族に列された伊東マンショ、千々石ミゲル、原マルチノ、中浦ジュリアンの4人も描かれています。
天正18年(1590年)7月、4人は無事に帰国しました。この3年前に宣教師追放例を出していた豊臣秀吉とも謁見できました。 -
復元した竹製のパイプオルガン。
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パイプオルガンの後面には手動のふいごがあり、演奏者よりもふいごで風を送る係の方が給金が高かったそうです。
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グーテンベルク印刷機で印刷された天草本の中でもよく知られている「伊曾保(イソップ)物語」を題材にした作品「ESOPOの宝箱」が展示されていました。
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奴隷から解放されたイソップ。何故かイソップは奴隷だったんです。ただ、大変知恵のある人物だったので、主人の窮地に頓智を効かせて自由を得ました。その後、学者として国中に知られるようになりました。
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ある島で「道義」を教えようとしましたが、島民に泥棒の濡れ衣を着せられて断崖から突き落とされてしまいました。なんだか救いのない話ですが、だからこそ天草の人たちは共感したのかも知れません。
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コレジヨ館に貼ってあったポスター。
ドローンで撮影したと思われるこの写真は珠玉の構図ですね。 -
天草ロザリオ館にきました。
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駐車場に車をおいて、坂道を上ります。
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まだまだ上ります。
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やっと開けた場所に出てきました。
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大江天主堂。昭和8年(1933年)、フランス人宣教師のガルニエ神父により建堂されました。
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西海岸の丘の上に立つ、ロマネスク様式のとてもきれいな教会です。
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大江天主堂の正面。内部の撮影は禁止です。
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大江の集落が見渡せます。
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聖母マリアと幼いイエスの像。
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ガルニエ神父の像。ラテン語で神父の意味の「パーテルさん」と呼ばれ、人々に親しまれていました。32歳で天草に赴任、35年間にわたって﨑津教会と兼任しながら司祭を務め、その後も14年間大江教会の司祭を務めました。
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ルルドの泉に下りる途中にガルニエ塔が建てられています。
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自らの臨終の際して「墓石に金をかけるな。墓をつくる金は病人や困った人に与えてくれ」という言葉を残したそうです。
しかし、それでも信徒は、教会の西側にりっぱなルドヴィコガルニエ塔を造り、十字架には「汝等ゆきて万民に教えよ」と聖書の一文が刻まれています。 -
ルルドの泉。
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聖母マリアの像。
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少女ベルナデッタの像。
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大江訪問の記念碑。
明治40年(1907年)8月10日、与謝野鉄幹をはじめ、北原白秋、吉井勇、木下杢太郎、平野万里の5名はガルニエ神父に会うため大江を訪ねました。
この訪問が切っ掛けとなり、北原白秋の第一詩集「邪宗門」が誕生しました。 -
坂道を下りて天草ロザリオ館に戻りました。ここも内部の撮影は禁止です。
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陽も傾き始めました。明るい内にもう少し回りましょう。
ここまでお読みいただきましてありがとうございました。
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