2019/08/25 - 2019/08/25
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Earl Greyさん
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休みの日に『三國志展』に行ってきました。
入場者の多さに閉口しましたが、この日はまだましな状況だったようです。
吉川英治、横山光輝両氏の『三国志』の世界を思い起こしながら鑑賞しました。
次は、宮城谷昌光氏の演義ではない『三国志』を読まねば。
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休日に、思いのほか早起きできたので、意気揚々と上野に乗り込んだ。
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青空が眩しい猛暑日です。
本当に暑い……。
国立博物館は相変わらず外国人観光客が多いですね。 -
平成館に着きました。
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まず、会場に入ってすぐ、横山光輝氏の漫画『三国志』の原画を見つけました。
大人になってからアニメで観ていたので(けっこう最近)、感嘆の声をあげそうに。 -
【関帝廟壁画】18世紀・清時代
関羽の生涯を描いた、関帝廟の堂内を彩る壁画です。 -
【関羽像】明時代 15・16世紀
こちらの青銅製の関羽像は、他の銅像とは異なり、実物の関羽を再現しようとしたそうです。さまざまな誇張(髭など)は排除されたもよう。
しかし、美髯公らしいお髭はやはり関羽のトレードマークですね。
ちなみに、この渾名って『三国志演義』のものなんですかね? -
【後赤壁図巻】明時代・嘉靖32年(1553年)
上海博物館所属の作品。
明時代の著名な文人・文徴明が書き写した「後赤壁賦」に、陸治が図を補っている。
「後赤壁賦」というのは北宋の詩人・蘇軾の作品で、彼は赤壁を二度見に行って作詩したそうです。そのため、「前赤壁賦」と「後赤壁賦」があります。 -
【関羽・張飛像】清時代19世紀
作者は張玉亭で、天津博物館所蔵。
吉川英治の『三国志』では、戦いで敗れた関羽は張遼に勧められ、曹操の捕虜となりましたよね。
上客として曹操のもとにいた関羽ですが、いよいよ劉備のもとへ帰るとき、途中で張飛に会います。
張飛はてっきり関羽が劉備を裏切ったと早とちりしたのですが、誤解がとけ、張飛が関羽に謝っている場面がこれです。 -
【趙雲像】清時代 17~18世紀
毫州市博物館所蔵の木製の像。
長坂坡の戦いで趙雲が阿斗を救出する場面を表しています。
吉川英治の『三国志』で、このあと泣けるシーンが。
ちなみに、このとき小説では曹操が趙雲の美しさに心惹かれ、彼を生け捕りにするよう臣下に命じていました。 -
【三国故事図】清時代18~19世紀
天津博物館所蔵の絹本着色の絵です。
紙より柔らかい分、緻密で繊細な技法で表現できるとか。
渭水で馬超が曹操を追撃する場面が描かれています。
吉川英治『三国志』のキャラで馬超はかなり好き。(イチオシは趙雲!) -
【壺】前漢時代・紀元前2世紀
ここから古代の遺物がたくさん出現します。
銅製で金メッキしたところに硝子を嵌め込んでいるようです。蓋がついています。
もとは、もっと色が鮮やかだったそうです。
中山靖王劉勝夫婦墓出土の豪華な遺物です。
ちなみに、劉備は『三国志』の作中で、自身を中山靖王の家系だと言っていましたよね。 -
【酒樽】後漢時代・2~3世紀
甘粛省武威市雷台墓からの出土品。
董卓配下の武将・張済の遺品のようですが、副葬品としてかなり豪華なのだそうです。
全体に龍や白虎といった神獣、雲気の文様を施しています。
彫金の一技法である蹴彫によって、細かな表現が可能となっています。 -
【儀仗俑】後漢時代,2~3世紀
甘粛省武威市雷台墓出土で、酒樽と同じ張済の副葬品。 -
正面から見るとこんな感じです。
ちなみに「俑」とは墳墓に副葬される人形のこと。
かの有名な「兵馬俑」の「俑」です。 -
【邸宅】後漢時代・2世紀
高い塀に囲まれた四隅に見張りの櫓が立っています。
後漢時代の豪族の館を模したものらしいです。 -
【四層穀倉楼】後漢時代・2世紀
建物の構造として、2階までは穀倉で3階以上は物見櫓だそうです。 -
矢が宙を飛ぶ空間。
赤壁の戦いをイメージしたようです。
吉川英治『三国志』の世界でも、赤壁の戦いは最も読み応えのある場面の一つですからね。
連環計とかなつかしい…。
龐統が曹操のところにもぐりこんで…と、胸熱のシーンが満載。 -
【軍船模型】
新しいです。
2015年の製作。
望楼を備えた大きな船で、魏と呉が建造したとされています。 -
【袞雪】拓本 20世紀(原本は後漢時代)
曹操が渓谷にそびえる絶壁から、雪のように水飛沫をあげる褒河を望んで詠んだ作。 -
【鐎】後漢時代・2世紀
「鐎斗(しょうと)」は、行軍の最に用いた炊飯用の鍋で、三本足・柄が付いています。柄の部分には、呉南部・交州の青銅器に多く見られる蹴彫で龍文が表されており、蜀南部で出土された遺物であることから、両地域の関係性がわかるそうです。 -
【提梁壺】後漢時代・2世紀
蓋の上に鋲で留めた鳳凰の飾りがあります。
肩や尾羽の部分に小さな孔があり、ここに宝石を嵌めたのではないかと考えられているそうです。
蜀南部の出土品です。
かなりゴージャス。 -
【獣文鏡】後漢時代・1~2世紀
鏡の背面に細長い体をした獣の姿が対で彫られています。おめでたい動物だそうです。
ちなみに、魏の墓からはこのような後漢時代に作られたと思われる出土品がたくさんあるとか。 -
【舞踏俑】後漢時代~三国時代(蜀)・2~3世紀
当時の蜀で流行した踊りの象徴的なポーズかもしれません。冠を被った女性がやや腰を落とし、袖をつかんだ右手を上げ、左手では上着の長い裾を引っ張り上げています。 -
【犬】後漢時代~三国時代(蜀)・2~3世紀
墓を守る番犬のようです。 -
【画文帯環状乳神獣鏡】後漢~三国時代(呉) 2~3世紀
この形式の鏡は日本でも出土します。
外周に龍などの文様帯をもち、上面が輪のようになった乳(小型突起物)を伴う神獣鏡です。 -
【羊尊】三国時代(呉) 甘露元年(265)
青磁の羊で、宗教的な用途があったようです。
頭部に孔があけられ、脇腹には羽らしきものがあります。 -
【神亭壺】三国時代(呉)
神亭とは呉から東晋時代にかけて作られた明器(副葬品)の一種だそうです。
壺上に楼閣や貯蔵用の甕、家畜や人物を配しています。 -
【銅鼓】三国時代(呉)~南北朝時代 3~6世紀
銅鼓は、中国南部の漢民族ではない人々が使用していたそうです。祭祀・儀礼などの重要な場面に登場します。
こちらの作品のように、カエルや騎馬人物像、鳥の立体装飾をもつものは珍しいようです。 -
【揺銭樹】後漢時代・2世紀
金のなる木です。
後漢時代は銅銭の製造が盛んに行われました。
こちらの揺銭樹は、金持ちになるということの象徴のようです。
四方に伸びた枝には、400個ほどの銅銭のほかに、龍・鳳凰・仙人などの装飾も見られます。
また、樹の頂部には玉をくわえた鳳凰がとまっています。
緑釉陶器の台座は羊に乗った仙人をかたどっています。
ちなみに、揺銭樹の大半が、蜀の支配地域で出土されています。当地での信仰と深い関わりがあるようです。 -
【揺銭樹台座】後漢~三国時代(蜀)
なんだかおどろおどろしいですが、先ほどのような青銅の揺銭樹が挿してあったそうです。
台座は、辟邪という架空の生き物で、侵入者を威嚇するとともに、墓主を天国へ導く役目をもっているとか。 -
【虎形棺座】三国時代(呉)・3世紀
棺を置くための石製台座。
うずくまる虎は、古来虎踞と称して、武功により地域を治めるという意味があったそうです。
呉では最大規模の墓にある台座です。 -
【牛車】三国時代(呉)・3世紀
呉の有力者の墓からの出土品。 -
昔、NHKで三国志の人形劇が放映されていたとか。
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わたしの好きな曹植。
前半は比較的新しい遺物が多かったのですが、中盤からはリアル三国志の世界へ!
演義ファンとして、楽しい時間と空間を堪能できました。
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