絵画展巡り（画家編）：「世界の傑作、奇跡の集結　エル・グレコ展（都美術館）」作品と海外美術館のグレコ作品を堪能します。

2013/02/10 - 2013/02/10

絵画展巡り（画家編）：「2013年 世界の傑作、奇跡の集結　エル・グレコ展（都美術館）」作品と、海外美術館のグレコの作品を堪能します。

１．「エル・グレコ展」
＊エル・グレコ没後４００年を迎えた、スペインの巨匠画家、エル・グレコの大回顧展が2013年に開催された。
＊マニエリスムの影響が強く、伸ばされた人体のプロポーション、強調されたポーズが印象的です。これらは教会や聖堂の高い空間を見上げた時、丁度上手く見えるよう計算されたものです。
＊エル・グレコの特徴と言えば、幻想的な雰囲気、デフォルメされた人物、人々の顔を並べること、強烈な色彩感覚、が上げられる。これらは皆、ビザンチン美術に特有な要素です。
＊グレコの故郷であるギリシャはビザンチン美術の拠点だった。エル・グレコはそこでビザンチン風の絵を体得し、それを生涯自分の芸術の基礎としたようだ。
＊神秘主義的な熱情に満ちた独特の作品群によってスペイン美術の黄金時代の幕開けを告げた。
２．その他にも世界の美術館や教会・聖堂にも沢山のエル・グレコ名画があります。後半には海外旅行時に訪問・鑑賞した作品、他を掲載しています。

３．履歴など
本名・・・ドメニコス・テオトコプーロス
生没年・・・1541年 ～ 1614年4月7日
出身・・・ギリシャ・クレタ島 。そこからヴェネツィア、ローマ、スペインと転々として画家の活動を行った。活躍した場所・・・スペイン
作風・・・マニエリスム
パトロン・・・スペイン貴族など
埋葬された場所・・・サント・ドミンゴ・エル・アンティグオ修道院

エリア 上野・御徒町(東京)

• 旅行の満足度: 5.0

2013年エル・グレコ展案内板(東京都美術館)

それでは、制作年代順にグレコ来日作品を掲示しています
グレコ1563-65　〇2013「聖母子を描く聖ルカ』ベナキ美術館、アテネ所蔵
＊2013年「エル・グレコ大回顧展」（都美術館）で来日
＊初期、ギリシャでは、イコン（聖画像）画家として活動していた。

グレコ1568-69　〇2013「羊飼いの礼拝」ビルムスン美術館・フレズレクスン
＃2013年「エル・グレコ大回顧展」（都美術館）で来日

グレコ1570-72　〇2013「シナイ山の眺め」カロケリノス慈善財団、イラクリオン所蔵
＃2013年「エル・グレコ大回顧展」（都美術館）で来日

グレコ1571-72　〇2013「燃え木でロウソクを灯す少年」NY.コロメール・コレクション所蔵
＊2013年「エル・グレコ大回顧展」（都美術館）で来日
＊暗中蝋燭に火を灯す少年。清貧な表情と、ろうそくの炎の、神秘的で暖かい輝きが表現される。本作はイタリア滞在時に描いたとされ、グレコの初期の作品。
＊見る者を圧倒する深い精神性を持った人物の表現、対象を強く照らす光、そこに落ちる陰影はエル・グレコの特徴であり、この作品の魅力。

グレコ1571-72　〇2013「盲人を癒すキリスト」イタリー、パルマ国立美術館蔵
＊2013年「エル・グレコ大回顧展」（都美術館）で来日
＊グレコ初期の作品、人物の縦長スケールも一般的だが、衣装の青と赤は聖色的である。50×61cm、
＊類似作品は、ドレスデンとNYにある

グレコ1576　〇2013「受胎告知」ティッセン＝ボルネミッサ美術館、マドリード所蔵
＃2013年「エル・グレコ大回顧展」（都美術館）で来日
＊受胎告知はマリア様が聖霊によってイエスを身籠る事を天使ガブリエルが伝えに来るシーン
＊床の格子パターンの配置で遠近感を出している。色彩、構図と、非常に完成度の高い絵だといえる。色彩は輝きを増している。

グレコ1576　〇2013「悔悛するマグダラのマリア　Saint Mary Magdalene in Penitence 」　ブダペスト国立西洋美術館所蔵　　サイズ1.56ｘ1.21ｍ
＃2013年「エル・グレコ大回顧展」（都美術館）で来日
#2007年　ブダペスト訪問時に鑑賞した。
*グレコの芸術は、色彩と光が求められる。
＊娼婦だったマリアはキリストの導きにより罪を悔い改め神への愛に生きる聖女となった。

グレコ1577 〇2024『悔悛のマグダラのマリア』ウスター美術館・usa
♯2024年「ウスター美術館展」（東京都美術館）で来日

グレコ1577‐79　〇2013「聖衣剥奪」サント・トメ教区聖堂所蔵(Toledo)
＃2013年「エル・グレコ大回顧展」（都美術館）で来日
＊37歳時、スペイン移住後の初仕事としてトレド大聖堂の発注で「新約聖書からキリストが十字架かけられる直前の衣服を剥がれる姿」をテーマとして制作。
＊鮮やかな真紅の服は血と炎を思わせる受難の象徴であり、天を仰ぐ静かな表情は周囲の喧騒のなかで一層際立っている。
＊ヴェネツィアの華麗な色彩とミケランジェロのダイナミックな形態、縦方向に積み重なる斬新な構図である。
＊沢山の群衆に取り囲まれ手首をロープで縛られたイエスが中央で天を仰いでいます。

グレコ1580年頃　○2015bs「胸に手を当てた騎士　ジェロニモ・デ・セバリョス」プラド美術館蔵
＃2015年「プラド美術館展 」で来日
＃2012年マドリード旅行時、プラド美術館を訪問・鑑賞した。
＊美術館のベストセレクション作品　
＊簡素さと威厳、繊細な描写の組み合わせて、独自の形に作り上げたグレコの肖像画の原型。
＊袖や襟のレースの繊細さ、正面から見据える眼差しに高貴な感じが見て取れる。
胸に手を置くことで本人の誠意を表現。

グレコ1578-81　〇2013「聖ラウレンティウスの前に現れる聖母」ヌエストラ・セニョーラ・デ・ラ・アンティグア財団、モンフォルテ・デ・レモス所蔵
＃2013年「エル・グレコ大回顧展」（都美術館）で来日

グレコ1579-82　〇2013「フェリペ2世の栄光」エル・エスコリアル修道院所蔵
＃2013年「エル・グレコ大回顧展」（都美術館）で来日

＊本作は最後の審判を示している、上半分に天上の世界を、下半分に現世と地獄を。上部の天上には父なる神の威光により光り輝くイエスの御名、罪無き人々を天上へと導く天使、画面下部左には救済を求める人類と、後景に神へ祈りを捧げる預言者を描き、画面下部右には地獄へと落とされる罪人が描かれている。
＊引き伸ばされた人体、躍動と色彩に満ちた天使や人物の表現はエル・グレコの大きな特徴で魅力である。祈りを一心に捧げる敬虔な信者たちの姿は信仰心を煽った。

グレコ1580-85　〇2019《男の習作》ブダペスト国立西洋美術館所蔵　
＃2019年「ブタペストーハンガリー国立美術館展　」で来日

＊12使徒の聖ヤコブを描いたものです。当時49歳だったエル・グレコの自画像とも言われています。何と言っても男の眼差しが印象的です。己の内面を厳しく見つめているかのような真摯な眼差しです。

グレコ1585　〇2013《聖母の前に現れるキリスト》トレドのサン・ニコラス教区聖堂所蔵
＃2013年「エル・グレコ大回顧展」（都美術館）で来日

グレコ1588　〇2013《医師ロドリーゴ・デ・ラ・フエンテ、またはある法学者の肖像》　プラド美術館所蔵　　47歳頃の作品
＃2013年「エル・グレコ大回顧展」（都美術館）で来日　
#2012年マドリード旅行時に、プラド美術館を訪問・鑑賞した

グレコ1577‐90　〇2013「白貂の毛皮をまとった婦人」グラスゴー美・ポロック・ハウス蔵
＃2013年「エル・グレコ展」（都美術館）で来日
＊顔は珍しくタッチを消した表現で、鋭く見る人を見すえるような視線を感じさせます。徹底した写実表現により毛皮の質感の表現は素晴らしく、画面にアクセントを与えています。
＊モデルは愛人ヘロニマ.クレバスと言われてる。
＊いわゆるエル・グレコらしい誇張やダイナミックな表現は一切なく、徹底した写実表現によって毛皮や指輪などの質感表現が見事に表現されています。
宗教画の多い画家が肖像画においても一流です

グレコ1590-95　〇2013「聖アンナのいる聖家族」メディナセリ公爵家所蔵
＃2013年「エル・グレコ大回顧展」（都美術館）で来日
＃2002年「プラド美術館展」で来日

グレコ1590-95　〇2013「瞑想する聖フランチェスコと修道士レオ」　Fundacion Nuestra Senora de la Antigua (PP. Escolapios), Monforte de Lemos
＃2013年「エル・グレコ大回顧展」（都美術館）で来日

＊ラヴェルナ山中の洞窟での断食修行の様子。手に持った頭蓋骨は "死" を瞑想。右手には聖痕が描かれている。左下で両手を組んで祈りを捧げているのは、修行を共にした修道士のレオ。

グレコ1595　〇2013「芸術家の自画像」メトロポリタン美術館所蔵
＃2013年「エル・グレコ大回顧展」（都美術館）で来日
＃2017年ニューヨーク旅行時に、NYメトロポリタン美術館を訪問・鑑賞した

グレコ1590-1600　〇2013「学者の姿をした聖ヒエロニムス 」ロンドンNG所蔵
＃2013年「エル・グレコ大回顧展」（都美術館）で来日
＊2018年ロンドン旅行時に、ナショナルギャラリー美術館を訪問・鑑賞した

グレコ1600　〇2013《キリストの復活》　セントルイスのワシントン大学ケンパー美術館所蔵
＃2013年「エル・グレコ大回顧展」（都美術館）で来日
＊トレドの風景を下方に描き、白馬を縦長の画面いっぱいにおさめています。晩年様式の出発点となる作品です。背景の青と白馬の白の色彩感がすばらしい作品です。

グレコ1600　〇2013《キリストの復活》セントルイスのワシントン大学ケンパー美術館所蔵
＃2013年「エル・グレコ大回顧展」（都美術館）で来日
＊浮上するキリストを中心とした螺旋状の渦巻のような構図が特色。浮上するキリストは天に向かい、倒れ兵士は地への方向に向かい、この緊張関係を絶妙の画面構成力でまとめています。

グレコ1600 〇2013「フリアン・ロメロと守護聖人」プラド美術所蔵
＃2013年「エル・グレコ大回顧展」（都美術館）で来日
＃2012年マドリード旅行時に、プラド美術館を訪問・鑑賞した

グレコ1600　〇2013《聖ヒエロニムス》マドリードの王立サン・フェルナンド美術アカデミー所蔵
＃2013年「エル・グレコ大回顧展」（都美術館）で来日
＊デフォルムした手のしぐさや首の線のうねり、自由な荒いタッチ、人物に動きと生命観を与えています。目・顔の表現も秀逸な傑作です。

グレコ1597-1600　〇2013「《受胎告知》」プラド美術館蔵　　サイズ315x174
＃2013年「エル・グレコ大回顧展」（都美術館）で来日
＃2015年「プラド美術館展」で来日
＊ベストセレクション作品．晩年の作品。画家独自のスタイルが良く表れている。
＊ドーニャ・マリア・デ・アラゴン学院の大祭壇画。
＊縦長の構図の中で、長身化されつつも、動性表現豊かで見事な人体描写、大胆な遠近短縮法もあり。視点は下から上に動き、地上と天上を繋いでる。コントラストの強い色彩、眩しい光で強い感情が表現されている。
＊絵は上半分と下半分に分かれ、上は神の世界、下は人間が住む地上界。
＊上半分には天使たちが楽器を奏でていて絵の中に音楽が聴こえてくるようだ
＊大天使ガブリエルが聖母マリアにキリストの受胎を告げるシーンが描かれています。中心に描かれた鳩は、精霊を表しています。

グレコ1600頃　〇2013《受胎告知》マドリードのティッセン＝ボルネミッサ美術館所蔵
＃2013年「エル・グレコ大回顧展」（都美術館）で来日

グレコ1600頃　　○2022▽bs「救世主キリスト」スコットランド国立美術館所蔵
＃2022年「スコットランド国立美術館展」（都美術館）で来日

グレコ1600頃　〇2013「ある枢機卿の肖像」メルボルン国立ヴィクトリア美術館所蔵
＃2013年「エル・グレコ大回顧展」（都美術館）で来日

グレコ1600　〇2013「ある若い騎士の肖像」プラド美術館蔵　
＃2013年「エル・グレコ大回顧展」（都美術館）で来日
＃2012年マドリード旅行時に、プラド美術館を訪問・鑑賞した

グレコ1585-1602　〇2013「巡礼者としての聖ヤコブ」サンニコラス教区聖堂・トレド　
＃2013年「エル・グレコ大回顧展」（都美術館）で来日

グレコ1603-05　〇2013「受胎告知　The Annunciation 」カリダート施療院、イリェスカス　Hospital de la Caridad de Illescas所蔵
＃2013年「エル・グレコ大回顧展」（都美術館）で来日

グレコ1603-05　〇2013「キリスト降誕　The Nativity 」アテネHospital de la Caridad de Illescas所蔵
＃2013年「エル・グレコ大回顧展」（都美術館）で来日

グレコ1603-05　〇2013「聖母載冠　The Coronation of the Virgin 」アレクサンダー・Ｓ・オナシス公益財団、アテネHospital de la Caridad de Illescas所蔵　
＃2013年「エル・グレコ大回顧展」（都美術館）で来日
ベストセレクション作品
＊この祭壇の壁や天井を飾るものとして、エル・グレコは四面の絵を描いた。慈悲の聖母、聖母の戴冠、受胎告知、イエス誕生。

グレコ1605　〇2022「羊飼いの礼拝　The Adoration of the Shepherds 」コルプス・クリスティ学院総大司教美術館所蔵・USA
＃2022年「メトロポリタン美術館展」（国立新）で来日予定
＃2013年「エル・グレコ大回顧展」（都美術館）で来日

グレコ1605　〇2013【オリーブ山のキリスト】リール美術館所蔵
＃2013年「エル・グレコ大回顧展」（都美術館）で来日　

グレコ1605　〇2013《聖ドミニクス》トレドのサン・ニコラス教区聖堂所蔵
＃2013年「エル・グレコ大回顧展」（都美術館）で来日

グレコ1605年頃　〇2013《洗礼者聖ヨハネ》セントルイスのバレンシア美術館所蔵
＃2013年「エル・グレコ大回顧展」（都美術館）で来日

グレコ1605　〇2013「聖衣剥奪」トレド・サント・トメ教区聖堂所蔵
＃2013年「エル・グレコ大回顧展」（都美術館）で来日
＊怒号する群衆の中に浮かび上がる、イエスの静かな表情と、自分を死に追いやる十字架をつくる男の背を撫でようとする左手。画面左下の三人の女性は「三人のマリア」とよばれる。聖母マリア、マグダラのマリアとマリア・デ・クレオファスを表す。

グレコ1597ー1607　 〇2006《十字架を抱くキリスト》プラド美術館・マドリッド所蔵
＃2006 年「プラド美術館展」（国立西洋）で来日

グレコ1607　〇2013「聖パウロ」グレコ美術館・トレド所蔵
＃2013年「エル・グレコ大回顧展」（都美術館）で来日

グレコ1607　〇2013《聖パウロ》エル・グレコ美術館所蔵
＃2013年「エル・グレコ大回顧展」（都美術館）で来日　

グレコ1607　〇2013《福音書記者聖ヨハネ》トレド・　エル・グレコ美術館所蔵。
＃2013年「エル・グレコ大回顧展」（都美術館）で来日
*身体の線の描き方を始め、内から出てくる強い力を感じさせられる、素晴らしい作品です

グレコ1610　〇2013《羊飼いの礼拝》プラド美術館所蔵・マドリッド
＃2013年「エル・グレコ大回顧展」（都美術館）で来日
＃2012年　マドリード旅行時に、プラド美術館訪問した。

グレコ1610　〇2013「羊飼いの礼拝」コルプス・クリスティー学院総大司教4美術館所蔵
＃2013年「エル・グレコ大回顧展」（都美術館）で来日

グレコ1605-10　○2022「羊飼いの礼拝」メトロポリタン美術館所蔵
#2022年「メトロポリタン美術館展　西洋絵画の500年」（国立新）で来日
＊ニューヨーク旅行時に、METを訪問した


展覧会作品はここまでです

グレコ1610　〇2013「神殿から商人を追い払うキリスト」 バレス・フィサ・コレクション
＃2013年「エル・グレコ大回顧展」（都美術館）で出展
＊流麗なタッチに豊かで輝きある赤、緑、青の色彩、画面を横切るダイナミックな空間構成はヴェネツィア派のティントレットを彷彿させる。
＊キリストを挟んで左側には逃げ惑う商人たちが描かれ、それを象徴するかのように背後の神殿の壁にはアダムとエバが楽園から追放されるレリーフが見えます。

グレコ1611　〇2013「オルテンシオ・フェリス・パラビシーノの肖像」ボストン美術館蔵
＃2013年「エル・グレコ大回顧展」（都美術館）で来日
＊グレコの親友の修道士、宮廷の公式説教師で、優れた詩人でもあった。グレコを讃えるソネットをいくつも書いて、その一つが墓碑銘になっている。

グレコ1607～13年頃　〇2013《無原罪のお宿り》トレドのサン・ニコラス教区聖堂所蔵　　　　　サイズ　3.47ｘ1.74ｍ　超大サイズ
＃2013年「エル・グレコ大回顧展」（都美術館）で来日
＊エル・グレコ66～72歳頃の最晩年の大祭壇画作品です。
＊この絵は聖堂の高い窓の下に配置され窓からの光が絵の神聖な光となっていた。大胆な縦長の構図、聖母マリアの曲がりくねった長い体、。
＊この絵を見上げる人の目線で違和感の無い構図であり、絵画全体が動いてるかのようなダイナミズムを与える。まさに動く絵画、躍動感のある画面作り。
＊絵の最下部の風景はトレドの街並みを描く。祭壇画の最高傑作のひとつ。
＊題名の「無原罪のお宿り」とは、聖マリアが母アンナの胎内に原罪を免れて宿ったとするカトリックの教義。
＊聖母の頭上に精霊の白い鳩、天使の足元には聖処女のの象徴である白百合と紅薔薇の花束が描かれている。

グレコ1610-14　〇2013「十字架のキリスト」国立西洋美術館蔵
＃2013年「エル・グレコ大回顧展」（都美術館）で出展
ベストセレクション作品

これより以下は、「グレコ展」に来日.出品されていない作品が続きます。

グレコ1595‐1610　ｘｘ「トレド眺望」メトロポリタン美術館所蔵
＊ベストセレクション作品　
＃2017年ニューヨーク旅行時に、メトロポリタン美術館を訪問・鑑賞した　
＊古都トレドの初めての風景画として描かれた作品である。エル・グレコの大きな特徴である筆跡が残る画風に深緑と濃青によって表現される独特の世界観である。トレドを陰鬱でありながら印象的にも神秘的にも写している。
＊うねり、色使い、重い雰囲気、雷鳴が来そうな暗い空が特徴的。
＊実際の風景よりキリスト教信仰と君主国の中心地としての都市の重要性が強調されています。
＊グレコが描いた、トレド風景2枚のうちの一点。

グレコ1570‐72　▽「ロレーヌ枢機卿」チューリッヒ，チューリッヒ美術館所蔵

グレコ1571‐76　「ヴィチェンツオ・アナスタージ」フリック・コレクション所蔵
#2017年NY旅行時に、フリック・コレクション美術館訪問した

グレコ1577‐79　xx「聖三位一体」プラド美術館所蔵・マドリッド
＃2012年マドリード旅行時に、プラド美術館を訪問・鑑賞した
＊初期の作品で、体も縦に長くない→→→晩年の絵は体が引き伸ばされ長くなっていく
＊デユーラの版画を基にした構図、ピエタのような父子の感動的で温かい関係を表している。美化された人体描写と優しさに満ちた表情が静謐な印象を与えている。
＊イエスの肉体の描写は、がっちりしておりミケランジェロの影響を受けている

グレコ1577-79　bsx「サント・ドミンゴの祭壇『三位一体 」プラド美術館蔵
＊＊2012年マドリード旅行時に、プラド美術館を訪問・鑑賞した
＊サント・ドミンゴ・エル・アンティグオ聖堂から依頼された主祭壇画
＊力強く荒々しい筆跡と、マニエリスム独特の躍動的な人体表現が劇的である。深い陰影と、引き伸ばされた人体よって表現される父なる神とイエスは、高い聖性を感じれる。

エルグレコ1577‐90　XⅩ「聖母被昇天」シカゴ美術館
＊聖母の死後、一度は魂が天に召された後、地上に復活を遂げた聖母マリアが再び天上へと還る場面を描く≪聖母被昇天≫。
＊聖母マリアの姿は朱色と青色の衣服である。輝くような青色が、画面上方の天上の光に包まれた背景や天使たちとと重なり、一層浮き出て見える。
＊画面下部では、イエスの弟子（使徒）達が、聖母の棺を囲む中、昇天してゆく聖母を目撃する場面が描かれた。

グレコ1580‐82　ｘｘ「聖マウリティウスの殉教」エル・エスコリアル修道院所蔵　
サイズ448X301。
＊「聖マウリティウスの殉教」は、紀元前3世紀、デーベに駐在していた隊長聖マウリティウスを始めとするキリスト教徒兵士1万1千人が、異教の儀式に参加することを拒絶したため、皇帝マクシミリアヌスの命により虐殺された場面

グレコ1586‐1588　X「オルガス伯の埋葬」トレド、サント・トメ教会所蔵
＃2012年トレド旅行時に、サント・トメ教会を訪問・鑑賞した。
＊グレコ作品の中でも最高傑作とも言われているベストセレクション作品　　
イコン画由来の構図とマニエリスムの融合。
＊非常に大きな作品(4・6mx3.6m)で、画面上は天界と現世に明確に上下分割されている。華麗なイタリア・ベネツィア派のしきさいと、黒、赤、黄をベースにしたカスティーリャ派の色使いを対比させた画面構成、人体の炎を象徴する引き伸ばされた人体、指先の表現がしなやかに表現されている。
＊画面上下で、イエスに導かれ天上へと昇華してゆくオルガス伯の魂の昇天と、当時の知識人や有力者に囲まれながら執り行われる肉体の埋葬という2場面を同時に構成した葬儀の場面であり、そのどちらの表現も画家の全作品中の出来栄えを見せている。
父なる神の威光を受け光り輝くイエスの周りには、聖母マリアや洗礼者聖ヨハネを始めとする諸聖人の他、幾多の天使が描かれているほか、サント・トメー聖堂の司祭や当時の知識人や有力者に囲まれながら埋葬されるオルガス伯の周囲にはエル・グレコ自身の姿や画家の息子であるホルヘ・マヌエルの姿も描かれている。（ネットより）
＊伯爵の魂のみが、天使の手に抱かれて地上から天上に通過する。(中央中心部)
＊地上界の人物は精緻に表現され、伯爵の甲冑に周囲が映る、反射まで描き込まれている。トレドの知識人たちを集団肖像画として描き、左下の少年はグレコの息子さん。（教会パンフレット日本語版より）

グレコ1585ー90　x《キリスト磔刑と二人の寄進者》 ルーヴル美術館所蔵
＊パリ旅行時、ルーブル美術館訪問した。
＊エル・グレコ44～49歳頃の作品
*引き伸ばされる人体表現が、暗い色調の中でより輝きを増し、陰鬱な世界観で深い表情を浮かべる神の子イエスの存在感は高い。
新約聖書によると、十字架に掲げられたイエスの頭上には「ユダヤ人の王、ナザレのイエス」と磔刑の罪状が付けされた。宗教画では≪I.N.R.I≫を用いて表現される。

グレコ1585‐90　ｘｘ▽「悔悛する聖ペテロ」ボウズ美術館所蔵
＊潤む上目が良く表現されている。聖ペテロの背後には、天使によってキリストの復活を告げられたマグダラのマリアが、イエスの墓を後にする場面が描かれている。

グレコ1590　ｘ「オリーヴ山のキリスト」ロンドン，ナショナル・ギャラリー蔵
＊2017年ロンドン旅行時(2度目)に、ナショナルギャラリーを訪問・鑑賞した。

グレコ1587‐92　X「ペテロとパウロ」エルミタージュ美術館所蔵
＊2013年サンクトペテルブルグ旅行時に、エルミタージュ美術館を訪問・鑑賞した。

グレコ1590　ｘｘ「受胎告知」大原美術館蔵・倉敷
＊倉敷市の大原美術館を訪問・鑑賞行ったことあります。

グレコ1590-95　ｘ《聖アンデレと聖フランチェスコ》プラド美術館所蔵
＊2012年マドリード旅行時、プラド美術館を訪問・鑑賞した。　
＊49～54歳頃の作品」

グレコ1590‐1595　ｘ「聖衣剥奪」ミュンヘン，アルテ・ピナコテーク所蔵
＃2007年ミュンヘン旅行時、アルテ・ピナコテーク美術館を訪問、鑑賞した。

グレコ1597　ｘ「聖母マリア』プラド美術館所蔵・マドリッド
＃2012年マドリード旅行時、プラド美術館を訪問、鑑賞した。

グレコ1590‐98　ｘｘ「オリーブ山のキリスト」トリード美術館所蔵
＊最後の晩餐後、弟子のペトロ、大ヤコブ、ヨハネの三人を連れゲツセマネのオリーブ山に赴き父なる神へ父なる神へ災いを退けるよう（主に杯や天使の姿で表現される）祈りを捧げる「オリーブ山の祈り（ゲツセマネの園とも呼ばれる）」であり、これは混沌とした夜景の場面を月明かりに照らされる青い色調で描いている。

グレコ1597‐99　「聖母子と聖マルティーナ、聖アグネス」ワシントン・ナショナル・ギャラリー所蔵
＃2017年ワシントン旅行時、ナショナルギャラリーを訪問、鑑賞した。

グレコ1600頃　「神殿を清めるキリスト」NY，フリック・コレクション所蔵
＃2017年ニューヨーク旅行時、フリック・コレクション美術館を訪問・鑑賞した。

グレコ1596-1600　ｘbs「聖霊降臨」プラド美術館蔵・マドリッド　
＊2012年マドリード旅行時、プラド美術館を訪問・鑑賞した。
＊描く人物に劇的な驚きを感じさせつつ、非常に神秘的な場面表現を用いることで、品格性を欠いた俗作に陥ることなく、≪聖霊降臨≫の感動の一瞬と深い聖性が見事に捉えられている。
＊縦長の画面が上方への視線を効果的なものに、鮮やかな色彩、引き伸ばされた人体、前景で大きく身をそらすポーズがマニエリスムの特徴を示す。
＊赤い衣、青いベールはマリアの伝統的な表現である。

グレコ1605－10　ｘｘ「キリストの復活」プラド美術館
＃2012年マドリード旅行時、プラド美術館を訪問・鑑賞した。　
磔刑に処され絶命し石墓に埋葬された主イエスの亡骸が、三日後の早朝、死に勝利し復活を遂げる、「キリストの復活」で、画面上部に配される勝利の旗を持ち復活した主イエスの瞬間の静寂すら感じさせる神々しい姿。

グレコ1600　《フリアン・ロメロと守護聖人》プラド美術館所蔵
＃2012年マドリード旅行時、プラド美術館を訪問・鑑賞した。
エル・グレコ59歳頃の作品です。
＊白い衣装がロメロで、その上の黒い騎士が守護聖人です。エル・グレコらしい大胆な構図が目を引きます。特に守護聖人の傾けた首の角度が眼を引く。

グレコ1570　　＜受胎告知」プラド美術館蔵
＊マドリード旅行時に、プラド美術館を訪問した
＊画サイズは小さいです　　26x20cm
＊聖母も天使も「ぽっちゃり」して、初期の作品。
＊床のタイルによる遠近法はベネチアのティントレットの影響。
＊聖母、祈祷台で聖書を読んでいたところに天使がやってきた場面。

グレコ1568‐70　ｘ『キリスト最後の晩餐』ボローニャ美術館
ヴェネチュア時代

グレコ1572　ｘ「ジュリオ・クローヴィオの肖像」ナポリ、カボティモンテ美術館所蔵

グレコ1570‐72　ｘ「ロレーヌ枢機卿」チューリッヒ美術館所蔵

グレコ1571‐76　ｘ「ヴィチェンツオ・アナスタージ」フリック・コレクション所蔵
＃2017年　NY旅行時に、フリック・コレクション訪問

グレコ1577‐79　xx▽「聖母被昇天」シカゴ美術研究所

グレコ1577-79　bsx「サント・ドミンゴの祭壇『三位一体 」サント・ドミンゴ・エル・アンティグオ聖堂所蔵
＊サント・ドミンゴ・エル・アンティグオ聖堂から依頼された主祭壇画です。

グレコ1575-80　▼bs『イエスの御名の礼拝』

グレコ1577‐80　？？ｘ「法悦の聖フランシスコ」マドリード，ラサロ・ガルディアーノ美術館

グレコ1585‐90　「キリストの磔刑と2人の寄進者」ルーブル美術館所蔵
＃2015年　パリ・ルーブル美術館３度目の訪問

グレコ1587‐92　X▽「ペテロとパウロ」エルミタージュ美術館所蔵
＃サンクトペテルブルク旅行時に、エルミタージュ美術館訪問した

グレコ1600　　ｘ《キリストの磔刑》プラド美術館所蔵
＃2012年マドリード旅行時、プラド美術館を訪問・鑑賞した。

グレコ1600 ｘ『枢機卿ニーニョ・デ・ゲバラ』Portrait du cardinal Niño de Guevara 」メトロポリタン美術館美術館所蔵
＊ニューヨーク旅行時に、MET訪問した
サイズ 171 x 108 cm

グレコ1600 ｘbs「聖霊降臨」プラド美術館所蔵　
＃2012年　マドリード旅行時に、プラド美術館訪問
*晩年の代表作であり、生涯の傑作の一つ。ベストセレクション作品　5位
＊エルサレムで聖霊降臨祭の日に、マリアと使徒の頭上に炎として精霊が注がれたシーンが描かれています。次のイエスの復活と対になる作品です。

グレコ1607　ｘ「Saint Peter ca」トレド・グレコ美術館所蔵

グレコ1608　ｘ「聖ペテロ」　スペイン，エル・エスコリアル修道院所蔵

グレコ1610　「枢機卿姿の聖ヒエロニムス」メトロポリタン美術館所蔵
＃2017年ニューヨーク旅行時、メトロポリタン美術館を訪問・鑑賞した。

グレコ1608-14　ｘ「救世主キリスト」 ？？

グレコ1610-14　　bs《オリーブ山のキリスト》ブタペスト国立西洋美術館
＊ブタペスト旅行時に、ブタペスト国立西洋美術館を訪問した
＊最晩年の作品です。
＊晩年のエル・グレコがトレドで円熟期を迎えた70歳ごろの作品です。この最晩年の5年間に描かれた作品はマニエリスム絵画の最高峰とも言える傑作。

グレコ1609‐14　？？「黙示録・第五の封印を開く」メトロポリタン美術館所蔵
＃2017年ニューヨーク旅行時、メトロポリタン美術館を訪問・鑑賞した。
＊新約聖書のヨハネの黙示録6章を題材として、ヨハネ左端と墓場から現れた殉教者の魂が天に呼びかける様子が描かれてる。
＊その後神による裁き『最後の審判』が起こるという聖書ではクライマックスの手前といったところでしょうか。

グレコ1610－14　ｘｘ「ラオコーン」ナショナルギャラリー所蔵
＃2017年ワシントン旅行時、ナショナルギャラリーを訪問、鑑賞した。
＊神話画。トロイの木馬がギリシア軍の計略であるとラオコーンが槍を投じると、ラオコーンと息子たちは大蛇に襲われ、絞め殺されるという神話を描いた。
＊ドラマティックな構図とダイナミックな3人の動きは、エル・グレコがローマで1506年に発掘された有名な古代彫刻“ラオコーン“を見て影響を受けたためかもしれません。この彫刻は、ウフィツイ美術館やヴァチカンで観たように思います。

グレコ1612－14　ｘｘbs「羊飼いの礼拝」プラド美術館蔵　
＃2012年マドリード旅行時、プラド美術館を訪問・鑑賞した。
＊遺作となった作品
＊晩年期のエル・グレコ様式の特徴、輝度の大きい光彩表現による激しい明暗対比、極端に縦へ引き伸ばされた人体プロポーション、原色に近い強烈な色彩感覚などによって、現実世界を超越した超自然的な事象として表現している。
＊強烈な明暗法によってドラマティックな情景、その光源はイエスそのもの。
＊救世主イエスの誕生を祝い礼讃する情景。
＊この作品は、エル・グレコ自身が埋葬される（はずの）トレドのサント・ドミンゴ・エル・アンティーグオ聖堂の地下墓所のために描きました。
＊エル・グレコが一時師事したヴェネツィア派の巨匠ティツィアーノも、自分の墓所のために『ピエタ』を描きそこに彼の自画像が登場するなど当時の画家たちには当たり前のことだったようです。
＊画面中央には降臨したキリスト。小さな赤子が周囲に威光を発し、ヨセフとマリア、三人の羊飼いがうやうやしく受け止めている。
＊赤、黄色、青と強烈な色彩が溢れて、グレコの魂が伝わってくる。
＊1614年死後、画壇から忘れられて、19世紀後半、ピカソやセザンヌによって再評価された。

グレコ1610‐14　X「トレドの景観と計画」トレド，グレコ美術館所蔵

グレコ1610‐14　X「使徒シモン」トレド，グレコ美術館所蔵

グレコ1610‐14　ｘ「使徒タダイ」トレド，グレコ美術館所蔵

グレコ1610‐14　ｘ「使徒トマス」トレド，グレコ美術館所蔵

グレコ1610－14　ｘ「使徒マタイ」トレド，グレコ美術館所蔵

グレコ1610‐14　ｘ「使徒バルトロマイ」トレド，グレコ美術館所蔵

グレコ1610‐14　▼ｘ「使徒ピリポ」トレド，グレコ美術館所蔵

グレコ1610‐14　X「使徒ヤコブ」トレド，グレコ美術館所蔵

グレコ1610‐14　X▼「使徒アンドレ」トレド，グレコ美術館所蔵