2019/04/28 - 2019/04/28
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+mo2さん
ウィーン美術史美術館の旅行記第6弾は、初期ネーデルランド派とフランダース絵画です。ここは何といってもブリューゲルの展示室。現存する(油絵)作品が40数点のピーテル・ブリューゲル(父)。その作品が1点でも来日すれば大ニュースとなりますが、そのブリューゲル(父)の作品が12点収蔵され、世界一を誇っています。東京都美術館で2017年にブリューゲル「バベルの塔」展が開催され見に行っていますが、ピーテル・ブリューゲル(父)の「バベルの塔」は2つあって、「バベルの塔」展のものは、ロッテルダムのボイスマン美術館のもの。今回、「大バベル」と呼ばれるもう1点のバベルの塔を見ることができました。
昨年のベルギー王立美術館(6点のブリューゲルの油彩画)の展示室に続き、至福の空間を満喫しました。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
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ここに来るのを夢見ていたブリューゲルの展示室。現存する(油絵)作品が40数点のピーテル・ブリューゲル(父)。そのブリューゲル(父)の作品が12点収蔵され、世界一を誇っています。
美術史美術館 博物館・美術館・ギャラリー
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ピーテル・ブリューゲル(父)「謝肉祭と四旬節の喧嘩」1559年
教会と商店に囲まれた広場の情景の中に、主の公現の祝日から復活祭までの間の時期の行事や風習がちりばめられた作品。 -
「謝肉祭と四旬節の喧嘩」(部分拡大)
そのハイライトは、画面手前に描かれている謝肉祭を表す男性と四旬節を表す女性との騎馬合戦で、これは民衆劇や謝肉祭の行列に実際に見られたものだそうです。 -
ピーテル・ブリューゲル(父)「子供の遊戯」1560年
描かれている子供は、幼児から若者まで幅があり、80種類の遊戯が細かく描き込まれています。 -
ピーテル・ブリューゲル(父)「農民の婚宴」1568年
ブリューゲルが最晩年に描いた代表作であるとともに、フランドル絵画の特徴の1つである、農民を描いた風俗画の先駆けとされる作品。 -
「農民の婚宴」(部分拡大)
画面手前で2人の農民が運んでいるのは、ブライと呼ばれるフランドル地方特有のプディングということです。 -
ピーテル・ブリューゲル(父)「農民の踊り」1568年
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ピーテル・ブリューゲル(父)「暗い日」1565年
アントワープの銀行家であったニクラース・ヨンゲリングの注文で1565年にピーデル・ブリューゲルによって製作された、6つの絵からなる連作月暦画の一つであり、うち1作品は消失しています。早春を描いた《暗い日》、夏の《干し草の収穫》、秋の《穀物の収穫》、晩秋を描いた《牛群の帰り、そして冬を描いた《雪中の狩人》の5作品は、現存しています。 -
ピーテル・ブリューゲル(父)「牛群の帰り」1565年
連作月暦画の1つ。11月頃における、農民の日常生活を描いた作品です。画面手前には牛追いたちが牛を追い立てていく様子が生き生きと描かれ、村の背後には厳しい自然が連なっていています。連作月暦画に共通する石膏の下地により、背景の山々は抒情に富んだ雰囲気が出ています。 -
ピーテル・ブリューゲル(父)「農夫と鳥の巣取り」1568年
一見のどかな農村風景をえがいたこの絵は、ネーデルラントの諺、「鳥の巣がどこにあるかを知っているものは知識を持つが、それを取るものは巣を持つ」を形象化したのだと解釈されています。
この解釈によれば、木によじ登って鳥の巣を盗もうとしている男の方が利口で、それを見逃し通り過ぎる男は賢くないということになります。また、賢くない方の男が、人さし指を突き出しているのは、鳥の巣泥棒を非難していると解釈できなくはないが、じつはこれは、レオナルド・ダ・ヴィンチの傑作「洗礼者聖ヨハネ」のパロディだという解釈もあります。 -
ピーテル・ブリューゲル(父)「雪中の狩人」1565年
雪の山間集落や岩山を背景に、猟銃を背負った狩人が猟犬を引き連れて歩く情景を描いた作品。左下に近景の狩人を配置し、中心にスケートに興じる村民、右上に遠景の山岳を配し、遠近法を巧みに用いています。 -
「雪中の狩人」(部分拡大1)
手前に描かれている3人の猟師。何時間も山中で狩りをしてきたのに、獲物はキツネ一匹だったのか、男たちは肩を落とし、猟犬もどこかしょんぼりしています。居酒屋の前で火を焚いている女性たちは、ソーセージや塩漬け肉を作るため、解体した豚の毛焼きをしている最中です。 -
「雪中の狩人」(部分拡大2)
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ピーテル・ブリューゲル(父)「バベルの塔」1563年
バベルの塔は旧約聖書に出る伝説の塔。天まで届く壮大な塔を作ろうとした人間に神が怒り災厄が降り注ぐという物語。塔の周りには働く人々が描かれており、その人と塔の対比で非常に大きく見え、見るものに圧倒的な迫力を与えます。 -
「バベルの塔」(部分拡大)
手前で市民と対話しているのは塔の建設を進めるニムロデ王。 -
ピーテル・ブリューゲル(父)「ゴルゴタの丘への行進」1564年
十字架を担いながら倒れるイエス・キリストが、馬にまたがった役人たちや多くの群衆とともに描かれています。 -
ピーテル・ブリューゲル(子)「鳥罠のある冬風景」
前年、ベルギー王立美術館でピーテル・ブリューゲル(父)のオリジナルを見てきましたがこちらは、ピーテル・ブリューゲル(子)による模作。ブリューゲル一族によるコピー・派生作が127点ものぼり(うち45点はピーテル(子)によるもの)、国立西洋美術館にもピーテル・ブリューゲル(子)による作品があります。 -
ピーテル・ブリューゲル(子)「幼児虐殺」
こちらもピーテル・ブリューゲル(父)の作品のコピー。 -
ヤン・ブリューゲル (父)「小作農家への訪問」1597年頃
ピーテル・ブリューゲル(父)の息子でピーテル・ブリューゲル(子)の弟、ヤン・ブリューゲル (父)の作品。
息子のヤンとアンブロシウスも画家となっています。 -
ヤン・ブリューゲル (父)「木製容器の花」1606-07年頃
花のブリューゲルとの異名を持つヤン・ブリューゲル(父)の代表的な作品のひとつ。 -
「木製容器の花」(部分拡大)
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ヤン・ブリューゲル (父)「青い花瓶の花束」1608年頃
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(左)ヘンドリック・ファン・バーレンとヤン・ブリューゲル (父)
「Europa auf dem Stier 」1625-32年
(右)ヤン・ブリューゲル (父)「シェーレの教会区の市」1614年頃 -
(上)ヤン・ブリューゲル (父)とヘンドリック・ファン・バーレンの共作
「Ceres und die vier Elemente 」1604年頃
(下)ヤン・ブリューゲル (父)とセバスティアーン・フランクス「馬車の護衛への攻撃」1612年頃 -
神聖ローマ皇帝ルドルフ2世のコレクション・ルームです。
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ヨーゼフ・ハインツ(父)「神聖ローマ皇帝ルドルフ2世」1592年頃
ヨーゼフ・ハインツ(父)は、神聖ローマ皇帝ルドルフ2世の最も重要な宮廷画家の一人。本作品は壮年の皇帝を描いたものですが、ルドルフ2世は、ヨーロッパ史上における稀代のコレクターとして名高い。デューラーやブリューゲルを好み、アルチンボルトを寵愛し、これらの作品は現在のウィーン美術史美術館のコレクションをなしています。政治に無関心で、魔術や錬金術、天文学に熱中。首都をウィーンからプラハに移し、自然物、珍しい異国の品々、工芸や芸術作品を収集し「クンストカマー」と呼ばれる場所に保管しました。失政を重ね、最期は城に監禁されたまま亡くなりました。 -
ヨーゼフ・ハインツ(父)「弓を作るキューピット」1603年頃
パルジャニーノの同名作品がウィーン美術史美術館にあり、ヨーゼフ・ハインツ(父)による模写と思われます。 -
ヨーゼフ・ハインツ(父)「洗礼者ヨハネの首を持つサロメ」1600-05年頃
クラーナハの作品かと思いましたが、ジョゼフ・ハインツのものでした。 -
バルトロメウス・スプランヘル「自画像」1580-85年頃
バルトロメウス・スプランヘルは、ブラバント公国(現在のベルギー)出身の北方マニエリスムの代表的な画家。 神聖ローマ皇帝マクシミリアン2世に招かれてウィーンへ赴き、宮廷画家となります。後にルドルフ2世に従ってプラハに移り、以降は没するまで彼の地を本拠としました。 -
バルトロメウス・スプランヘルの作品が続きます。
(左)「サルマキスとヘルマフロディトス」1580-82年頃
(右)「Glaucus and Scylla」1580-82年頃 -
バルトロメウス・スプランヘル「メルクリウスの警告を受けるヴィーナスとマルス」 1586-87年頃
古代神話を題材にした作品。美と愛の女神ヴィーナスは、足の不自由な鍛冶神ウルカヌスの妻であったが、軍神マルスと恋に落ちます。ヴィーナスとマルスが情事にふける寝室をメルクリウスが訪れ、警告を与える場面が描かれています。 -
バルトロメウス・スプランヘル
(左)「ヴィーナスとマーキュリー」1585年頃
(右)「ヘラクレスとデイアネイラ、ネッソス」1580-85年頃 -
バルトロメウス・スプランヘル「"Sine Cerere et Baccho friget Venus”」1590年頃
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バルトロメウス・スプランヘル「無知に勝利するミネルヴァ」1591年頃
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バルトロメウス・スプランヘル「原罪」1593-95年頃
知恵の実を食べるアダムとイヴ。 -
バルトロメウス・スプランヘル「ユピテルとアンティオペ」1596年頃
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バルトロメウス・スプランヘル「Venus in der Schmiede des Vulkan」1610年頃
ヴィーナスとウルカヌスと思われます。 -
バルトロメウス・スプランヘル「ヴィーナスとアドニス」1595-97年頃
ヴィーナスと若きアドニス -
ハンス・フォン・アーヘン「Paar im Wirtshaus」1596年頃
ハンス・フォン・アーヘンは、ドイツのマニエリスム画家。 神聖ローマ皇帝ルドルフ2世の宮廷画家の一人です。 -
ハンス・フォン・アーヘン「Kuppeleiszene」1605-10年頃
売春宿という意味のタイトル、寓意的な意味がありそうな絵です。 -
ハンス・フォン・アーヘン「バッカス、ヴィーナス、アモール」1595-1600年頃
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ハンス・フォン・アーヘン「バッカス、ケレス、アモール」1600年頃
酒の神バッカス、農業の神ケレス、愛の神アモールが描かれています。 -
ハンス・フォン・アーヘン「タルクィニウスとルクレティア」1600年頃
ルクレティアは、紀元前6世紀にローマを王政から共和政へと移行させる契機になったとされる女性。多くの作品の題材となっています。 -
ディルク・デ・クアーデ・ファン・ラフェスティン「眠れるヴィーナス」1608年頃
ルドルフ2世の愛妾が、神話的な装飾品をつけ16世紀ヴェネチア風に描かれたものと思われます。 -
ミッシェル・コクシー 「楽園追放」16世紀
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ミッシェル・コクシー 「原罪」16世紀
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オットー・ファン・フェーン「アマゾーンとスキタイ」1597-99年
アマゾーンは、ギリシア神話に登場する女性だけの部族。 -
オットー・ファン・フェーン「Die Persischen Frauen」1597-99年
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ヨハヒム・パティニエール「キリストの洗礼」1515年頃
ヨアヒム・パティニールは初期フランドル派の画家。現在のベルギー南部(ワロニア地方)の出身で、歴史絵画、風景絵画を多く描いており、北方ルネサンス風景絵画の先駆者とみなされています。 -
ヨハヒム・パティニエール「聖カタリナの車輪の奇跡」1515年頃
この作品は、地元の静岡県立美術館で2015年に開催された「ウィーン美術史美術館所蔵 風景画の誕生」で見た記憶があります。 -
アドリアーン・イーゼンブラント「エジプトへの逃避途上の休息」1520-30年頃
エジプトへの逃避は、「聖母マリアの7つの悲しみ」の1つでブルージュの画家アドリアーン・イーゼンブラントはその逃避途上の休息の様子を主題に描いています。 -
ヒエロニムス・ボスの模倣者
「地獄」1540-50年頃
「楽園図」1540-50年頃 -
ダフィット・テニールス (子)「村の縁日」1647年頃
ダフィット・テニールスは、フランドルの画家。農民の野外での祭りや祝賀の様子、酒屋や台所の風景など大衆的な題材で知られています -
ダフィット・テニールス (子)「レオポルト・ ウィルヘルム大公の画廊」1651年頃
レオポルト・ ウィルヘルム大公の宮廷画家ダフィット・テニールス (子)が、大公の訪問の際、新着の絵画を見せている場面を想定して描かれています。ここに描かれている51枚の絵画のほとんどが、現在の美術史美術館に収蔵されています。 -
ダフィット・テニールス (子)「Bird Shoot in Brussels」1652年頃
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ダフィット・リッケール3世「錬金術師」1649年頃
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ダフィット・リッケール3世「Leiden der Bauern」1649年頃
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ダフィット・リッケール3世「Freuden der Bauern」1649年頃
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