ウィーン美術史美術館【9】美術工芸品他

2019/04/28 - 2019/04/28

ハプスブルグ家は、神聖ローマ皇帝マクシミリアン1世を皮切りに、16世紀前半頃からヨーロッパ各地の絵画を中心に美術品を収集し始めます。そのコレクションは絵画にとどまらず、彫刻、工芸品と徐々に多岐に渡っていきます。特に16世紀後半のルドルフ2世の時代に、膨大なコレクションを形成しています。今回の美術史美術館訪問では、残念ながら美術工芸品のコーナーは駆け足での見学になってしまいましたが、フランスから贈られたチェッリーニの黄金の「塩入れ（サリエラ）」など優美な調度品の数々を見ることができました。

エリア ウィーン(オーストリア)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5

• 同行者: 一人旅
• 旅行の手配内容: ツアー（添乗員同行あり）

「ナジセントミクロージュの金工芸品」古ブルガリア、紀元９世紀後半
ここに見られる黄金の財宝は、中世初期最大のもので、1799年偶然の機会に発見されています。

「ナジセントミクロージュの金工芸品」
振り向く雄牛の頭をつけた容器など

「ナジセントミクローシュの金工芸品」

Saracchi - Werkstatt (16世紀）
（左）「Tafelaufsatz in Gestalt eines Vogeldrachen」1580年頃
（中）「GroBer Tafelaufsatz in Gestalt eines Reihers (Raiger) 」1590年頃
（右）「Tafelaufsatz in Gestalt eines Reihers, sog. Raiger」1580年頃

（上）Miseroni - Werkstatt in Mailand「Zweihenkelige Prunkvase」17世紀中
（中）Giovanni Ambrogio Miseroni「Zweihenkelige Prunkvase」17世紀初頭
（下）Saracchi - Werkstatt「PrunkgefaB mit Henkeln」1600年頃

美術史美術館 博物館・美術館・ギャラリー

Ferdinand Eusebio Miseroni ＆ Dionysio Miseroni 「Tischaufsatz in Form eines Drachens」1659-76年頃

Paul Strudelによる神聖ローマ皇帝レオポルト1世の家族の像。
「ヨーゼフ1世」1695年
「皇帝レオポルト1世」1695年
ヨーゼフ1世はレオポルト1世の長男で次の皇帝。

「皇后エレオノーレ・マグダレーネ」1695年
「カール６世」1695年
はレオポルト1世の妻、カール６世は次男。

Ignaz Elhafenによるハプスブルク家の象牙レリーフ
上左から①～④下左から⑤～⑧
①「神聖ローマ皇帝レオポルト1世」
②「スペイン国王カルロス2世」
③「ヨーゼフ1世」
④「カール６世」
⑤「バイエルン選帝侯マクシミリアン2世エマヌエル」
⑥「バーデン＝バーデン辺境伯ルートヴィヒ・ヴィルヘルム」
⑦「ザクセン選帝侯 ヨハン・ゲオルク3世」
⑧「Herzog Karl V. von Lothringen」

Christoph Maucher 「皇帝レオポルト1世の勝利」 1700年
ここからは繊細な象牙彫刻コレクションが続きます。

マティアス・シュタインル「レオポルト1世 (神聖ローマ皇帝)の騎馬像」1690-93年
象牙で彫られた神聖ローマ皇帝。マティアス・シュタインルは、オーストリアのバロックを代表する建築家・彫刻家で、多数の部分彫刻からなるこの作品は、バロック時代の象牙彫刻の最高傑作の1つ。

マティアス・シュタインル「レオポルト1世 (神聖ローマ皇帝)の騎馬像」
こちらは横から見たところ。

マティアス・シュタインル「カール６世の騎馬像」1711-12年頃
レオポルト1世と皇后エレオノーレ・マグダレーネの次男でヨーゼフ1世の弟。マリア・テレジアの父。ハプスブルク家最後の男系男子。

マティアス・シュタインル 「ヨーゼフ1世の騎馬像」1693年頃
ヨーゼフ1世は、ハプスブルク家の皇帝で、レオポルト1世と皇后エレオノーレ・マグダレーネの長男でカール6世の兄です。

マティアス・シュタインル「ヨーゼフ1世の騎馬像」
横から。後に皇帝となるヨーゼフ1世15歳の時の騎馬像。

Matthias Steinl 「Allegorie der Elemente Wasser und Luft 」1688年頃

Meister der Sebastiansmartyrien「Martyrium des hl. Sebastian」1655年頃

Jakob Auer 「アポロンとダフネ」1688年
ギリシャ神話で、アポロンはニンフ（精霊）ダプネに求愛しますが、ダフネはそれを拒み、月桂樹に姿を変えてしまいます。

（左）「Scherge einer GeiBelungsgruppe」1650年頃
（中左）Monogrammist P. G. 「Sitzender Schmerzensmann」1650年頃
（中右）「Scherge einer GeiBelungsgruppe」1650年頃
（右）Monogrammist P. B.「Auferstandener Christus」1625年頃

Leonhard Kernの作品（象牙）
「アブラハムとイサク」1615-20年頃
「モーゼ」1625年頃
「ダビデ王」1620年頃
「聖ヒエロニムス」1620-25年頃
「 Galoppierendes Pferd 」1630年頃
「Humpenmantel mit Badeszenen」1640-45年頃

Caspar Grasによる「レオポルト1世 (神聖ローマ皇帝)の騎馬像」他　1658年頃

Achilles Langenbucher「Automat, sog. Triumphwagen mit Minerva」1620年頃

グレゴール・エアハルト「虚栄の寓意像」1500年頃
少女と青年と老婆が一体になった像。

「虚栄の寓意像」少女側
同じ木を使いながら肌の色やつやを巧みに描き分けています。

「虚栄の寓意像」老婆側
若さや美は永遠ではなく、老いや死は必ず訪れることを表現しています。

グレゴール・エアハルト「Hl.Katharina; Bustenreliquiar」15世紀後半

Andrea del Verrocchio「Putto oder Christusknabe mit Feige und Weintraube」15世紀後半

ガスパロ・ミゼロ―ニ（右）「ドラゴンのカップ」1570年頃
名高い石彫刻家ガスパロ・ミゼロ―ニが非常に高価でエキゾチックなラピスラズリをカップに彫り上げ、これにミゼロ―ニ工房の金細工師が台座と金具を加え、両者が一体となった極めてユニークなカップ。
ガスパロ・ミゼロ―ニ（左）「Deckelschale」1565-70年

ベンヴェヌート・チェッリーニ「塩入れ（サリエラ）」1540-43年
海の神ポセイドンと大地の女神ケレスが向かい合う金の彫刻。フランス王フランソワ1世の為に作られた食卓の塩入れ。

「塩入れ（サリエラ）」
別方向から。ケレスの傍らにある小神殿は胡椒入れ。

ジャン・デ・ブーローニュ
ルネサンスの彫刻家、通称ジャンボローニャのブロンズの作品が続きます。
（前）「歩くライオン」1590年頃
（後）「歩くライオン」1607年頃

ジャン・デ・ブーローニュ「ライオンと馬」1600年頃

ジャン・デ・ブーローニュ
（左）「飛翔するマーキュリー」1585年頃
（右）「Allegorie der Astronomie」1585年頃

メルキオール・マイアー「装飾時計：ケンタウロスに乗るダイアナ」1605年頃
祝宴の食卓に飾られ、賓客を楽しませる音楽を奏でる装置。ケンタウロスの内部には時計の仕掛けがあり、木製の台座には自動装置が納められています。この装置により人物と犬が頭を動かし、ケンタウロスは矢を射ます。

「Automatenuhr mit reitendem Pascha」1580-90年頃

「Hausapotheke」1660年頃

アドリアン・デ・フリース「皇帝ルドルフ2世」1603年
1601年以来ルドルフ2世のプラハの宮廷に仕えたアドリアン・デ・フリースが制作したもの。

Christoph Jamnitzer「Prunkbecken mit Darstellung des Triumpfzuges von Amor; Becken der sogenannten Trionfi-Garnitur 」1601-02年頃

Christoph Lencker 「Prunkbecken mit der Geschichte der Europa」1602-06年頃

「Teller mit Monatsdarstellung Januar aus einer Serie von 12 Tellern 」16世紀中頃

Elias I. Jager , (Silberschmied) 「Votivtafel aus St. Blasien: Herzog Karl V. von Lothringen im Feldlager von Todtmoos 」1687年頃

Ottavio Miseroni (Steinschnitt) ＆Jan Vermeyen (Fassung)
（左）「Schale auf hohem FuＢ」1605年頃
（右）「Schale mit Handhabe aus Achat」1603-07年頃

「Deckelschale mit Fortuna」1600年頃
Ottavio Miseroni「Deckelschale」17世紀前半　など

Nikolaus Pfaff「Deckelpokal aus Rhinozeroshorn mit Warzenschweinhauern」1611年

アントン・シュヴァインベルガー「大実椰子のポット」1602年
ルドルフ2世のコレクション

（右）「Schale mit Bezoar」17世紀 など

「Taufkanne und Taufschussel der Taufgarnitur」スペイン製 1571年

Wenzel Jamnitzer 「筆記用具」1560-70年頃
銀製、精巧な昆虫が素晴らしい。

ボヘミアガラス（？）のコップなど

ボヘミアガラス（？）のコップ、美しいデザインですね。

（左）Ferdinand Eusebio Miseroni 「Blumenvase aus Jaspis」1678年
（中）Ferdinand Eusebio Miseroni 「Blumenvase」1678年頃
（右）「Probierstein mit kaiserlichem Doppeladler」1670-80年頃

「Kabinettschrank; sog. Wrangelschrank (vormals als Kabinett Kaiser Rudolfs II. bezeichnet)」1631-34年頃