下水道の行方を辿る～落合水再生センター～

2019/05/15 - 2019/05/15

東京都下水道局「落合水再生センター」を見学しました。
この施設は東京オリンピックに合わせ、1964年に運転が開始されました。
処理水は、ビルのトイレ洗浄用としても使用され、水量の少なかった三河川に送水することで、清流を復活させています。
また、膜ろ過設備では50ｔ/日処理することで、隣接する「せせらぎの里公苑」に親水用水として供給しています。

エリア 東京

西武新宿線「下落合駅」より徒歩5分

落合水再生センターに到着

落合水再生センター 名所・史跡

区部下水道全体図
この処理場では、中野区の大部分と新宿、世田谷、渋谷、杉並、豊島、練馬の一部の汚水が集まり、1日に450,000m3、小学校のプール約900杯分処理できる。

沈砂池（8池）
流入した汚水は、まず大きなごみを取り除き、砂を沈殿させ第一沈砂池へ。
黒い板は槽の流れを変える仕切り板。

第一沈殿池（8池）
反応槽に入る前に汚泥を沈殿させる。

第一沈殿池の地上部は緑化されている。

反応槽（8槽）
散気板旋回流式

反応槽
ここで空気を入れて4～6時間攪拌し、活性汚泥（微生物）を活発化させて水が浄化される。処理場の心臓部。

反応槽の散気管を模型で比較。
右側の高密度配置散気管は泡が細かく、効率良く空気を供給できる。

第ニ沈殿池（2系列10池）
上下構造になっていて、長い距離をゆっくりと汚泥を沈殿させる。
引き抜いた汚泥はここでは脱水せずに、東部スラッジプラントへ圧送し、処理する。

砂ろ過施設（33池）
上向流式急速濾過
処理水を全量砂ろ過処理しているのは、区部の処理場ではここだけ。

砂ろ過施設
第二沈殿池で沈まない小さな汚れを取り除く。

砂ろ過槽の模型（上向流式）
下は粒子の荒い砂利層、上は細かいろ過砂層になっていて、水は下から上に流れる。

反応槽大量の空気を送り込む送風機
多段式ターボブロア（7台）
360m3/分（1台当たり）

ポンプ室
沈砂池から第一沈殿池に送水するポンプが下にある。

処理水の一部は、渋谷川、古川、目黒川、呑川の三河川に送水し、清流を復活させている。

処理水の一部は、西新宿の新宿新都心水リサイクルセンターに送水し、西新宿、中野坂上地区のビルのトイレ洗浄水として活用している。

神田川側から

神田川の放流口

場外から見た第一沈殿池の地上部

江戸時代の下水の石積暗渠
新宿荒木町の下水道工事で発見されたした三百数十年前ものを復元した。
使われている石は、伊豆地方から運ばれた安山岩で、江戸城の石垣と同じ上質なもの。
現在も使用されている下水道としては、豊臣秀吉が造った大阪市の太閤下水に次ぐ古いもの。

下落合駅近くにガウディ建築のような奇妙なビル。

西武池袋線で高田馬場駅へ
駅前には手塚治虫のキャラクター壁画。