2018/10/19 - 2018/10/20
368位(同エリア1550件中)
クッキーさん
奥入瀬渓流から青森へ戻り、弘前へ向かいました。
弘前市は、江戸時代には城下町として栄えた土地。また、明治時代に建てられたモダンな洋風レトロ建築もたくさん残っている風光明媚な場所でもあり、明治から大正期に建てられた古い洋館が数多く残っている街です。
また 弘前城は、藩政時代に建造された天守・櫓・城門が現存し、当時の意匠を今に伝える城郭として、国の重要文化財に指定されています。
翌日 五能線に乗るための起点として宿泊した弘前ですが、限られた時間の中で 街並みや建物、弘前城を楽しみました。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
青森駅から電車に乗って弘前へ。
岩木山は 秋田富士の名に恥じない 形の良い立ち姿。
裾野のなだらかな広がり方は、岩木山に軍配。 -
駅前のホテルに荷物を預け、駅前のバス停でバスを待ち、市役所前公園入口まで。
歩いて ねぷた村へ。
見学・体験エリアは有料エリアになっていて、大人1人550円。
まずは 弘前ねぷたの館へ。津軽三味線「山絃堂」(さんげんどう)での 津軽三味線の演奏は ちょうど始まったところ。 -
大人しく演奏を聴いてはいられないほど、背後のねぷたに魅入られています。
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津軽太鼓の 凛々しいばち姿。
見学していた観光客にも お誘いの声がかかり、一人の若者が挑戦していました。 -
高さ10mの大型ねぷたと 内部の骨組みを見学できる実物大の大型ねぷたが展示されています。
ねぷたの殆どは扇形をしています。津軽藩の藩祖・津軽為信の幼名が扇丸だったことに由来していると言われます。
左側にあるのは ねぷた本体正面の絵である「鏡絵」。勇壮な武者絵が描かれています。
右側は ねぷた本体裏面中央部の絵「見送り絵」。女性が描かれている部分を見送り絵と言い、その周りの絵を袖絵と言うそうです。 -
金魚がゆらゆら。こんなに可愛いねぷたもあるんですね。
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裏面中央部の見送り絵。
明治時代には鐘馗や関羽が描かれ、大正時代以降は唐美人や虞美人を描くのが主流となり、鏡絵の勇壮さに対して優美な妖艶さが見送り絵に要求されるようになりました。 -
「鏡絵」は 江戸末期の浮世絵の影響を強く受けています。天保のベストセラー小説『絵本三国志』『水滸伝』『漢楚軍談』などのさし絵が絵師のテキストになりました。
明治時代以降 中国の三国志や水滸伝、あるいは日本の武将や説話の奮戦図・人情等が題材として多く用いられ描かれています。 -
ねぷたの間「ヤーヤ堂」。
弘前ねぷたの資料の展示や青森県内各地域の「ねぷた」「ねぶた」の紹介などの ねぷた・ねぶたに関するコーナーと、岩木山観光協会の協力による津軽の霊峰 岩木山と温泉の岩木山周辺の観光情報のコーナーがあります。
それぞれの土地に 様々なねぶた祭があるんですね。 -
建物の中から岩木山が望めます。
頂上はきれいに見えていますが、裾野は隠れています。 -
庭園を一望。
日本庭園「揚亀園」(ようきえん)は、津軽富士岩木山と弘前公園の老松を借景として 津軽地方特有の作庭方法「大石武学流」で作られた庭園で、国の登録記念物に指定されています。弘前市指定文化財である茶室「揚亀庵」(ようきあん)を擁し、弘前市保存緑地に指定されています。
外からは想像もつかないくつろぎの空間です。 -
庭園の中は散策できます。
そのほか、津軽蔵工房「たくみ」は、藩政時代から残る米蔵を利用した民工芸品の製作工房です。「津軽塗」「こぎん刺」「こけし・こま」「津軽焼」「津軽錦絵(ねぷた絵・凧絵)」の製作風景を見学できます。
時間も押しているので、さらっと通り過ぎただけ。 -
写真を撮り過ぎる私と 自由に動き回りたい夫は、行動パターンが違いすぎるようで、お互いのストレスはマックス。これ以上ぶつからないようにと、ねぷた村を出たところで 夫とは別行動をとることにしました。
弘前城の三の丸・東門を右手に見て。 -
藩祖・津軽為信公(1550~1607)
戦国乱世に南部氏支配の津軽地方の独立を果たし、豊臣秀吉から津軽地方の領有を認められるとともに、公家筆頭の近衛家から家紋に牡丹紋の使用を許された…方だそうです。 -
カトリック弘前教会。
1910(明治43)年に施工された、ロマネスク様式の教会。オージェ神父の設計のもとに横山常吉が施工したものです。
ロマネスク様式を基調とし、切妻屋根正面に尖塔を配置し、左右隅の柱が特徴的な外観。 -
聖堂内部。椅子の下には畳が敷かれています。昔 正座をしてミサに預かっていた頃の名残だそう。
祭壇は、オランダのアムステルダムにある聖トマス教会から特別に譲り受けたもので、ゴシック様式の総ナラ製、高さは8メートルに及びます。 -
通り沿いの建物。屋根の形が趣があります。
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弘前教会。
1875(明治8)年に創立された、東北では一番歴史あるプロテスタントの教会です。東奥義塾の塾長が初代牧師となり、津軽にキリスト教を広めたとされています。
1904年に焼失した後、1906(明治39)年、パリのノートルダム大聖堂をモデルにしたとされる、双塔木造ゴシック様式の2階建ての教会が建てられました。 -
中には入れないようでした。
内部には和室もあり、和洋折衷なのだそう。 -
街角の小さな広場を左折して、
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青森銀行記念館。
明治37年に、青森県最初の銀行・旧第五十九銀行の本店として建てられた建物を記念館として公開している施設。 -
建物は、ルネッサンス風建築で 左右対称で調和がとれています。
壁面は「張り瓦」という工法で、下地板の上に24㎝角、厚さ2㎝の素焼きの瓦を張り詰め、その上に漆喰を約4.5㎝程塗り重ねています。
また、窓は防犯・防火のため、土戸(土と漆喰で固めた引き戸)でふさぐことができるように工夫されています。
日本の土蔵造りの構造を取り入れているんですね。
屋根の先に取り付けられたバラストレード(手すり壁)は 建物の景観を引き締めるとともに、雪国津軽にはなくてはならない雪止めの実用も果たしています。 -
外観を見るだけでよかったのですが、表に 無料見学の表示があったので、入ってみました。さくらまつり、ねぷたまつり、菊と紅葉まつり、雪燈籠、それぞれのまつり期間中は 無料となるそうです。
館内には、建築当時の資料や日本の紙幣・硬貨等に関する資料が数多く展示されています。 -
磨きこまれた階段。
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小会議室。
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2階の大会議室の天井壁紙は金唐革紙(きんからかわかみ)。
見覚えがあると思ったら、東京の旧岩崎邸にも用いられているものでした。 -
窓から見る庭園。
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旧東奥義塾外人教師館。
明治5年に、県内で初めて開校した私学校で、外人宣教師の住まいとして建てられました。 -
当時の様子を再現した書斎や寝室、子ども部屋などが公開されています。
2階平面図。
1階には喫茶店「サロンド カフェ アンジュ」もあり、観光の合間に寛ぐこともできますね。 -
主寝室。書斎。ベランダ。
子供室。展示室。 -
弘前は 明治から大正期に建てられた古い洋館が数多く残っている街です。
旧東奥義塾外人教師館の隣にある外庭には 実在した洋館14棟が、10分の1ミニチュア模型の姿で再現されています。
弘前市公会堂。 旧制弘高講堂。
旧市立図書館。 旧弘前市役所。 -
青森銀行記念館。
弘前昇天教会聖堂。 菊地薬局。 -
現存していて観光施設となっている建物もあれば、既に解体されてしまった建物も。
角弘金物店。 角み呉服店。
旧弘前偕行社。 -
こうして見ると、まるで本当の街並みのようです。
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背後の建物が 木々に隠されて、一層 街並み感が増しています。
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ミニチュア建造物の案内図もありますが、すべて回って 見て歩くのは無理。
弘前市は 明治時代県庁所在地だったことや 戦争中空襲の被害を免れたことから、このような歴史手建造物が数多く残されているのだとか。 -
追手門広場にある、西洋のお屋敷のような建物。
赤い屋根に白い窓、緑の縁取りが印象的な建物は 旧市立図書館です。
木造の洋風3階建ての建物で、ルネッサンス様式を基調としています。各所に和風様式を取り入れつつも、左右にある八角形のドーム型双塔、石積基礎などの洋風技法の水準の高さを感じさせます。 -
内部の見学は無料です。
夫人閲覧室という表示も。男女同席せず、ということでしょうか。
階段室の色合いが素敵。 -
弘前市立観光館に隣接している「山車展示館」。
藩政時代の弘前八幡宮祭礼の際に、神輿の露払いとして各町会の人々によって運行された山車の展示館です。
和徳町の米山、土手町の猩々山(しょうじょうやま)など、 -
現存する7つの山車が 一堂に保存・展示されています。
これらの山車は、後にねぷたまつりにも影響を与えたといわれています。 -
弘前ねぷたまつりに出陣する「津軽剛情張大太鼓」。
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弘前市立観光館では 物産販売コーナーのほか、「弘前ねぷた」も常設展示されています。
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弘前市立観光館。
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弘前公園の正面玄関とも言える 追手門。藩政時代にも、初期を除いてほとんどの期間、この門が正門とされていました。周囲の濠や土塁もよく保存・整備されており、藩政時代の趣きが感じられます。
園内に現存する他の4つの門同様、この追手門も2層の櫓門となっています。全体的に簡素な素木造りとなっていて、戦国時代の古い形式を残すものとして全国の城郭建築の中でも珍しいものとされているそう。 -
ニの丸・東内門。
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城を囲むようにして作られた弘前公園内には 植物園や博物館など見どころが数多くあります。
菊と紅葉まつりが ちょうどこの日、10月19日から始まっていました。
平地に 立体的に配置されていたり、 -
壁一面を埋め尽くしたり。
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紅葉を楽しむには 少し早いようです。
三の丸市民広場から眺める杉の大橋。 -
二の丸・南内門。
杉の大橋を渡って二の丸に入る時に通過する門です。
装飾を排した簡素な外見は、戦国の威風を感じさせます。 -
杉の大橋。朱塗りの欄干と黒塗りの橋げたのコントラストが素敵です。
さくらまつりの季節には一面を桜に包まれて、まさに絶景だそう。
弘前城は 広大な弘前公園に植えられた2600本の桜が楽しめる、東北屈指の桜の名所です。特に満開の溢れるような桜の木々とその下を流れるお堀に浮かぶ花筏との共演が見事だとか。
弘前公園は、津軽家の人々の努力により 廃城令から守られ、1805年から公園として公開されていました。
公園の中にある様々な桜は 廃藩置県の後に旧藩士から寄付された1000本のソメイヨシノを始め、明治から大正、そして戦後から現在にかけてしだれ桜や八重桜など様々な桜の木が様々な形で寄付され、現在のような多くの桜が咲き誇る素晴らしい景色を生み出されたそうです。 -
ソメイヨシノは病気や害虫に弱く繊細な桜で、平均寿命が60年ほどと言われているほど弱い木ですが、弘前公園の桜の木々はどれも生命力に溢れ生き生きと咲き誇り、樹齢100年を超える桜が多くあります。
これは桜と同じバラ科の木で 美味しい実を作るのに繊細な気遣いが必要なリンゴの名産地である弘前だからこそできる細やかなケアの賜物であり、『弘前方式』と呼ばれるリンゴの剪定技術があっての事、とのこと。 -
本丸へ向かう途中に見える石垣が見事。
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本丸にポツンと立つのは天守だけ。何か違和感がありますが…
天守付近の本丸石垣が膨らんでいることや、天守に傾き生じていたことから、2015年8月に弘前城・天守の建物を持ち上げて、曳屋を行い、現在 本丸内部の仮天守台に移動されているのです。
石垣の修復工事が完了したら、天守を元の位置に戻すと言う工事が行われ、2121年に工事完了する見込みだそうです。 -
庭園内に点在する石垣。
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紅葉まつり初日なのに ほとんど紅くない…
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別名、「御三階櫓」と称される天守は、藩政時代の史料が展示される史料館として活用されています。
天守閣から見る岩木山。
岩木山は、標高1625mの二重式火山です。山頂が三峰に分かれ、厳鬼山と鳥海山は外輪山の一部で、鐘状の中央火山丘が岩木山。その形は見る方向によって異なり、それぞれお国自慢が存在するのだとか。 -
天守閣から蓮池方向を。
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弘前城天守は、もともと華麗な五層の天守で本丸西南隅にあり、会津若松城に次ぐ大きな天守でした。
しかし 1627年に落雷で火災となり、天守に備蓄していた火薬が引火して、大爆発を起こし、本丸御殿などと焼失したそうです。
この5重天守の代用として、1811年、9代藩主・津軽寧親のときに完成したのが、本丸南東隅の辰巳櫓(御三階櫓)です。 -
江戸幕府への遠慮から天守とは呼びませんでしたが、事実上の天守と一般的に言われており、現存12天守のひとつに数えられます。
規模こそ小さいですが、江戸時代に造られた天守としては東北唯一のものです。
この方向から見ると、天守っぽく見えるのが不思議。 -
天守台石垣の特徴ある「隅石」。
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本丸から下りてきます。
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年月を経た石垣の風合いは 味わいがあります。
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南内門を内側から。
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杉の大橋を振り返って。
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辰巳櫓は木々に隠れて 全景がよく見えませんでした。
ライトアップを待ちきれず もうホテルに戻ります。
帰りのバス停がよくわからず、観光館でスタッフに尋ねたら 観光館周辺バス停マップをいただいた上 詳しく示してくれました。
市役所前のバス停から 土手町循環バスに乗って、駅前まで。
駅に着くころには もう辺りは宵闇の中。 -
ホテル・ルートイン弘前駅前。
喫煙ツイン・朝食込み、早割プランで10,600円。 -
食事処を探して歩くには疲れすぎました。
ホテルの近くで見つけたラーメン屋さんで お手軽な夕食。 -
18:50
もうすっかり夜のとばり。 -
今朝の朝食。
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弘前駅は ホテルのすぐ目の前。
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土手町循環100円バス停。
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これから十二湖へ向かいます。
リゾートしらかみの車両が展示されていて、期待でワクワク。
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この旅行記へのコメント (1)
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- ニコニコさん 2019/10/08 09:21:48
- 詳しいですね!!
- クッキーさん おはようございます!
弘前の洋館、こんなに沢山あったんですね。
カトリック弘前教会には行きたいなと旅の前に思っていたのですが
しっかり地図マークをしなかったので
到着したところがプロテスタント弘前教会^^;
ん?
とは思いながらも諦めてしまいました。
旧東奥義塾外人教師館の隣にある外庭にある
ミニチュア模型は見たかったなぁ‥。
弘前市内は結構歩きでがあって、クッキーさんのように
循環バスを使えばよかったと後悔。
でもクッキーさんのこの旅行記で周れたので
良しとしましょう^^
ありがとうございました。
ニコニコ
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