シニア夫婦のスペイン・ポルトガル周遊旅行（３９）現地発ツアーでサンティアゴ・デ・コンポステーラへ

2018/06/26 - 2018/06/26

ポルトのすぐ北に位置するサンティアゴ・コンポステーラ。
最初の予定では、バスク地方からサンティアゴ、ポルトへと周遊する計画を考えていたのですが、最初の一歩の空港が決まらず、結局逆回りになりました。
スペインの周遊に時間をとられたので、サンティアゴへ自力で行く時間が取れず、ポルトからの現地ツアーを利用することにし、一日で行けるみゅうツアーを日本で予約しておきました。
サンティアゴからの帰りには、星型要塞で有名な城塞都市ヴァレンサ・ド・ミーニョを訪れました。

エリア サンティアゴ・デ・コンポステーラ(スペイン)

• 旅行の満足度: 5.0

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 交通手段: 観光バス
• 旅行の手配内容: ツアー（添乗員同行あり）

６：４０から朝食。
ピックアップ時間は７：４０。ホテルのフロント前で待っていると、今日のツアーのバンがやってきました。
バンに乗り込むと　１組のカップルの姿。別のホテルに寄って　もう１組のツアー客をピックアップしました。

生憎の空模様です。
時折降ってくる大粒の雨。

橋のフォルムが素敵。ロンデ橋だそう。
ここはもうスペインです。

９：２５
トイレ休憩をしたレストランから。

静かな入り江。

山裾は靄の中。

この日のツアーのバンです。８人(乗客は６人）で乗ると　車内は一杯。
車内で　驚きのリーフレットを見つけました。このツアーを９８ユーロで案内するリーフレットです。私たちが予約したのは１３８ユーロでした。
本当は　ベルトラの現地ツアーを考えていたのですが、旅行が近づいた頃に検索すると　WEBページは見つかりませんという表示。ベルトラでの予約は１１０ユーロ位だったのに…

帰国後、別の検索で　WEBページは見つかりませんという表示があり、こちらはどうしても必要なものだったので、コールセンターに電話をしてようやく解決。
その結果　ベルトラも検索できるようになりました。２か月早ければよかった…

サンティアゴの文字が見える標識。
このころには　曇り空ながら　もうすっかり雨は止んでいました。

１０：２８　（時間の表示は　ポルトガル時間のままです）。
サンティアゴ・デ・コンポステーラに到着。
１２：１０の昼食時間までフリータイムです。

尖塔を見上げながら　坂道を上がります。

気持ちよさそうな広場の向こうに見える尖塔。

サンティアゴの街の中心であるオブラドイロ広場。
｢オブラドイロ｣とは、ガリシア語で｢職人｣の意味。カテドラルの建設の際　石切職人がここで働いていたことに由来するのだとか。

広場に面したカテドラル。外壁の一部が　修復工事中なのは残念ですが、その威容がよく分かります。
エルサレム、ローマに並ぶキリスト教の三大聖地といわれるサンティアゴ・デ・コンポステーラ。
十二使徒のうちのひとりで、最後に殉教したヤコブの墓が、9世紀になってこの地で発見されたことから、サンティアゴ・デ・コンポステーラを聖地として多くの巡礼者が訪ねるようになりました。ちなみに、サンティアゴはヤコブのスペイン名、コンポステーラとは星の野原という意味です。

カテドラルと同じくオブラドイロ広場の一角を担う大きな建物は、 巡礼者のための病院及び宿泊施設として、カトリック両王の命により建てられたもの。

現在では　国営のパラドールになっています。

パラドールの建物沿いに下りていきます。

その通りの先の家並み。
こんな通りを歩いて、

石段を上がり、

カテドラルの尖塔を目にしながら、

最後の坂道を上がる　巡礼者たち。

ここも教会のよう。

市役所の裏手に並ぶパトカー。

修復中のため、オブラドイロの正面からは入れません。
広場を回って、カテドラルの右側へ。

銀細工の広場に立つ時計塔。

入場を待つ間に。

9世紀に聖ヤコブを祭る聖堂と教会が建てられましたが、10世紀末のイスラム教徒の侵攻により焼失。
その後11世紀後半にロマネスク様式で再建が始まり、その後数世紀に渡り様々な様式で手が加えられ、現在の姿となりました。聖ヤコブとその二人の弟子が祭られているそうです。

銀細工の門の前に立つ　馬の噴水。ヤコブの遺体は女神の掲げる星に導かれてこの地に辿りついたのだとか。

聖ヤコブ像が祀られているチュリゲラ様式の中央祭壇など、随所に芸術作品とも呼べる数々の傑作がちらばめられているそう。

祭壇の前を埋め尽くす 巡礼者の姿。

祭壇脇には、狭い扉とそれに続く階段があって、大勢の人が列をなしています。その列に導かれて、前の人について階段を上ると、ヤコブ像の背後に出て、ひとりひとり順番に像を抱きしめキスしています。
信者ではありませんから　像を抱きしめることまではできませんが（心情的に）、軽く手を触れてから　像の隙間から教会内部を見下ろしてみました。

このカテドラルは、ロマネスク様式で建てられたスペイン最大の教会として有名です。
３つのアーチをもつ　ロマネスク様式の傑作と言われる栄光の門や、200体の彫刻、聖ヤコブ像など　見どころといわれるものは　ことごとく見られなかったのですが、

この　熱気にあふれるミサの様子が　一番印象に残りました。
天井から吊るされる巨大な香炉（ボタフメイロ）が振られる様子が見られなかったのが　唯一の心残り。

カテドラルを出て。

神学者のための学校。

歴史ある石造りの街並み。

礼路であることを示すホタテ貝のマーカー。

バグパイプの演奏。

再び　オブラドイロ広場へ。
巡礼を終えてカテドラルを見上げる　自転車での巡礼者たち。

先ほどまでは観光客が多かったのですが、次々に巡礼者たちが広場に集まってきています。

信仰心のかけらもなく　ツアーバスでお手軽に訪れた私たちですが、こうして巡礼を終えて感慨にふける方たちの姿を目にすると、素直な感動が沸き上がります。
何人かの方々に向けて　おめでとう、という声が自然に出てきました。

巡礼を終えた方々は　抱き合って感動を分かち合っています。
サンティアゴ・デ・コンポステーラを訪れて　一番心に残った場面です。

街角。

街歩き。

集合場所に戻ります。

１２時１０分が集合時間だったのですが、イギリスからの老婦人２人が３０分ほど遅れたために　ランチは１２時半過ぎからスタート。
ここはスペインだと実感するようなタパスが次々とサーブされます。
昼からワインもしっかりいただき　すっかりいい気分。普通、こういった飲物は別料金だと思うのですが…ランチの時刻が遅くなったお詫びだったのかも。

ランチの後　３０分ほどのフリータイムです。
足早に　少しだけ街歩き。ガリシア地方は雨が多いからか、アーケードみたいな造りの通りもあります。

石畳の街。

街並み。

自転車での巡礼。

キンターナ広場。

キンターナ広場。

街歩き。

カテドラルを目に焼き付けて　ツアーのバンに乗り込みました。

サンティアゴを出て１時間余り。
ミーニョ川を渡ってすぐ、

１５：５２
ポルトガルとの国境の表示。
サンティアゴ・デ・コンポステーラを見学した後、どこかに寄るということは知っていたのですが、それがどこかと分からないまま。ツアー参加はお気楽です。

１５：５５
訪れたのは　星型要塞で有名な城塞都市ヴァレンサ・ド・ミーニョでした。
ミーニョ川でスペインと対峙する ヴァレンサ・ド・ミーニョにある星型要塞 、カステロ・デ・ヴァレンサ（ヴァレンサ城）です。

城塞都市の入り口をくぐりますが、驚きの狭さです。

１６：０５
バンは　城門をくぐってからも　通りや広場を走り抜け、通り沿いに駐車しました。調べてみたらオリヴェイラ通りというところ。
ここでのフリータイムは３０分ほど。
降りたその先に　こんな城壁が目に入ります。

城壁の反対側には　魅力的な街並み。
ヴァレンサは　エルヴァスやアルメイダと同様、城壁の中に比較的大規模な街がある城塞都市です。

短い時間ですから　どちらへ向かうかといえば、当然のごとく　城壁の方へ。
狭い範囲での行動なので　夫は別行動でいいというので、心おきなく城壁を楽しみます。
星型要塞の多角形の角にあたる部分にあるのは　見張り塔でしょうね。

幾重にも築かれた城壁の間は　今では草原になっています。

星型要塞の多角形の角にあたる部分にある見張り塔の形や　城壁の重なり具合は、エルヴァスの星形要塞のものとそっくり。

ヴァレンサ城から望む、対岸のスペイン・トゥイの街並み。
その間に見えるのは　ヴァレンサとスペイン側のトゥイ間を流れるミーニョ川。この辺りの川幅はおよそ300ｍ。鉄道や車、そして徒歩でも国境を超える事が出来ます。
歴史的に対立のあったポルトガルとスペインですから、国境近くの町や村にはお城や城塞が多く見られます。ヴァレンサ・ド・ミーニョもそんな町の一つです。

かつての強固な城塞都市も　今では牧歌的な趣きを漂わせています。
ヴァレンサ城は２つの要塞がくっついた様な形をしているのだそう。ひとつはほぼ完全な星形、もうひとつは長方形の星形。
グーグルマップで確認すると、こちらは長方形の要塞の方みたいです。

２つの要塞は、狭い通路や城門でつながっているというわけ。
こんなにもスペインと近いので、ヴァレンサの町は何重もの城壁に囲まれた強固な城塞都市になっているのですね。
ヴァレンサの星型要塞は、ポルトガルでも保存状態の良い城跡だそうです。

城壁に導かれるままに　通りの端辺りまで歩いてきました。

シンプルな教会。

かつて国境防衛の最前線だった街が、今では観光客で賑わい　緑豊かな景観の公園になっています。

どちらを向いても　星型の美しい城塁が目に入ります。

堅固な城塁が見事です。

内側の城壁を超えて　下りていけるようになっていました。
ヴァレンサ城の説明のプレート。

下にある城壁に見られる城門。
こんなものを見ると、城壁を一周したくなりますが、時間は全く足りません。

強固な城壁。

通りに沿った　この門は、何か由緒あるものだと聞いたような…。

１６：２８
城塞内の通りには　お店が並んでいます。

通りの上には　アーケードの代わりの天蓋幕。
緑と赤の　ポルトガル国旗仕様ですね。

色鮮やかな布製品が並んでいます。

１６：３６
わずか３０分余りでしたが　訪れることが出来てよかった。

１６：４５
車窓から。

１６：４６
城門は　自動車がようやく１台通れるくらいの狭さ。

１７：４０
ポルトまで帰ってきました。
この後は　サン・ベント駅やドン・ルイス1世橋の夜景を見に行く予定。

この旅行記へのコメント （1）

• mistralさん 2019/12/30 20:45:22

  巡礼の旅

  クッキーさん
  
  今年もあとわずかとなりました。
  いつもご訪問とご投票を頂きまして有難うございます。
  
  私たちも以前、ポルトから日帰りツアーを利用してサンティアゴ・デ・コンポステーラ
  までにわか巡礼で行った事がありました。
  その折に、大聖堂前の広場で巡礼の方々が放心状態で座り込んでおられたり
  グループで喜んでおられる様を目のあたりにして、
  いつの日か私も歩いて辿り着こうと思ったのでした。
  そして更に数年後、100キロではありましたが歩いて辿り着いたのでした。
  クッキーさんの旅行記を拝見して,様々なことを思い出しました。
  
  来たる年も元気で旅ができますよう、お祈り致しております。
  
  mistral