エヴォラから５０㎞余りの距離にある、ポルトガルで最も美しい村のひとつに数えられるモンサラーシュ。<br />レゲンゴス・モンサラーシュで乗り換えるローカルバスで行けるのですが、上手く乗り継げなかったとか　乗り継ぎ時間が長かったとか等　ネガティブな情報も多く、それなら最初からタクシーで向かってもいいかなと考えていました。<br />エヴォラでの滞在時間が短いこともあって、結局タクシーで向かうことになりました。<br />アレンテージョの平原の中、丘の上に聳え立つ　孤高の要塞のような村は、周囲を城壁に囲まれ、ひっそりと佇んでいました。

シニア夫婦のスペイン・ポルトガル周遊旅行（３０）城壁が包み込む静寂の村・モンサラーシュ

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2018/06/18 - 2018/06/18

4位(同エリア38件中)

エリア

モンサラーシュ(ポルトガル)

旅行の満足度: 5.0

同行者: カップル・夫婦（シニア）

交通手段: タクシー

旅行の手配内容: 個別手配

エヴォラ13：00出発→レゲンゴス・モンサラーシュ13：45着　
レゲンゴス・モンサラーシュ　13：40→モンセラーシュ14：14　　
帰り；モンセラーシュ17：30～　　ローカルバスは、地元民の足なので、通勤通学時間の朝夕に集中しているようす。バスで向かうと、午後一杯かかりそう。
ポルトガルのタクシーはメーター制ですが、1ｋｍあたり1ユーロくらい。
モンサラーシュはエヴォラから50ｋｍ余りなので、多くても往復で100ユーロだろうと見当をつけていました。
結局、タクシーでのプライベートツアーを　ドライバーさんとの直接予約で７５ユーロでお願いすることにしました。
ドライバーさんは、途中の林を指して、コルク樫だと教えてくれました。
モンサラーシュに近づくにつれ、見えてきた広大な湖水。
タクシーを停めてもらって写真を撮るべきだったと一抹の後悔。
タクシーは湖水のそばを走った後、小高い丘を目指して坂道を登り始めました。
１５：２２
タクシーから降りた途端、素晴らしい景色が広がっていて　見とれてしまいました。期待をはるかに超えた眺望です。
モンサラーシュの村が　アレンテージョの平原の上の丘の上にあるのがわかる光景です。モンサラーシュの村は　標高332ｍだとか。
中世の雰囲気を維持するために、日中　モンサラーシュの中には車の立ち入りが禁止されています。ドライバーさんと待ち合わせ場所や時間を確認して、さっそく村の中へ。
ゴツゴツとした石が重なった門をくぐって村に入ります。
目の前に延びる城壁に心がときめきます。
左手が村の中心地のようです。
石畳の坂道の奥に見えるのは　石灰で白く塗られた家々の壁。
くぐってきた門も忘れずに。
ここは　最初の門でしたっけ？
城壁の向こうに　見渡す限り続いている、赤茶けた大地と　鮮やかな緑の平原。
門を入って　右端の城壁に沿って、石畳の坂道を歩いている…はず。
その突き当り辺りで　村の中へ。
中世の城壁の内側にはいると、アレンテージョの伝統的な村が保存されています。モンサラーシュの唯一の欠点は、夏に訪れるあまりにも多くの観光客だそう。
時期が良かったのか、時間帯が良かったのか、
拍子抜けするほど　観光客の姿を見かけませんでした。
石畳の小道に沿って、白壁の家並みが続いています。
その間を縫うように続いている　魅力的な小道。
上がってきた坂道を振り返って。
１５：３８
村のはずれに見えるのは、かつて13世紀にディニス王によって作られたという城跡。現在は闘牛場として使われており、イースターホリデーと9月には闘牛祭りが開催され沢山の人で賑わうそうです。
この姿だけを見ると　最初から闘牛場として造られたとしか思えないのですが、後世に造りかえられたのかしら？
城跡から。
城跡から。
湖の先はスペインです。
城跡からの眺望。
城跡から見下ろせる　この広大な湖は、広さ２５０平方ｋｍのヨーロッパ最大の人造湖アルケヴァ湖(Alqueva)。グアディアナ川 (Rio Guadiana)のアルケヴァ・ダム (albufeira do Alqueva) に造られたものです。
グアディアナ川は、スペインのメリダから流れてきて、バダホス辺りで南に向きを変え、大西洋のカディス湾に流入する国際河川。バダホス辺りから　この近くまでグアディアナ川が国境線になっています。
かつてはオリーブ、コルク樫などの樹木が生えていたところが水没して、湖になったそうです。
湖はアレンテージョ地方の灌漑用水として広く使われています。
湖は灌漑用水の他に、セーリング、水上スキーなどのウォータースポーツ、カヌーやカヤックでのツーリング、さらにはトレッキングやマウンテンバイクのコースも設置されており、レジャー地として人気なのだとか。　
またアルケヴァ周辺の地域は、UNESCOによって星の観察のための保護区に指定されており、夜は公共照明を最小限に抑え　夜空を眺めやすいようにしているのだそうです。
何らかの補修もされているのでしょうが、見事に残されている城壁です。
需要が多いんでしょうね、駐車場が　とても広く造られています。
あの駐車場が一杯になっていたら、「静寂」を味わうことなど不可能なはず。
湖に架かる橋。
橋を渡ったその先、左手が　スペインとの国境になります。
城跡内に残された塔。
城跡内。
ここでも観光客は　ほんの数人ほどでした。
１５：４９
城跡からの眺めを堪能しました。
城跡から少し下りたところにある　教会前の広場には、罪人のさらし台であるペロニーニョが立っています。
大通りから　ふと左に目をやると、素朴な門が。
門をくぐった先の右手は　城跡がある方向みたいです。
こちらからも下りてこられるのね。
高い丘の上にあるためか、城壁は　主に小さな石が積まれてできています。
ここモンサラーシュも　かつては国境の防御を担っていたようです。
さきほど　城跡から見下ろしていた白い門。
白い門柱越しに見る城跡。
こんなにも堅固な城壁を見るとは　思ってもみませんでした。
国境沿いの城塞都市という点では　エルバスと同じですが、星形要塞であるエルバスとは違って、ひっそりと隠れ住むような　孤高の城塞の趣きを感じます。
城壁も堪能したので、通りの方へ戻ります。
味わい深い石畳ですが、坂道の上り下りは　けっこうきついです。
城跡から続く道はメインストリートらしく、モンサラーシュ村では一番広いのですが、それでも　これだけの広さに過ぎません。
石畳の隙間の植栽が　見事に満開。
村と外をつなぐ　様々な門が、あちこちに見られます。
こちらの門は、遠目に眺めただけだったような…
徒歩で30分もあれば周れる小さいモンサラーシュ村。
これという見どころがあるわけではありませんが、石畳の通りに立ち並ぶ　石灰で白く塗られた家々の趣きが、本当に素敵です。
それ以上に、村を取り囲む城壁が　最大のポイント。
１６：０４
ここはもう村の入り口です。アレンテージョ地方の素朴な民芸品を並べたお土産屋さん。
脇道を歩いても　城跡からここまで１５分もかかりませんでした。
ほとんどの店が開いていない中、ようやく見つけたこちらの店で　飲み物を買うことができました。
村の入口を振り返って。
片方の円型の塔の上に正方形の鐘楼が置かれています。
１６：１６
入り口の外側にも　何軒かの家々が立ち並んでいます。
帰り道で　1台のツアーバスとすれ違いました。
ちょうど良いタイミングで静寂のモンサラーシュが味わえて　本当によかった。