2018.8ギリシアザキントス島，ペロポネソス半島ドライブ旅行19-オリンピア考古学博物館2

2018/08/19 - 2018/08/19

考古学博物館の後編　いよいよ古典期からヘレニズム，ローマ期の展示にうつっていく．600ＢＣの女神ヘラの頭部，490BCのアテナ神の頭部，480‐470BCのガニュメデスをさらうゼウス　330BCのヘルメス像等が素晴らしい．でも圧巻はアテネ神殿の破風の彫刻群だ．ケンタウルス族とラピタイ族の戦いの場面とPelopusとOinomaos王の戦車競走の出陣の場面があたかも叙事詩のように描かれる．圧倒されてしまった！紀元前4世紀のエリス式の陶器も素晴らしい．最後には古代ローマの彫像．ギリシャの芸術の本流がローマへと結実していくこともわかる．すばらしい博物館！必見だ！

エリア オリンピア(ギリシャ)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0

• 同行者: 友人
• 交通手段: レンタカー
• 航空会社: ターキッシュ エアラインズ
• 旅行の手配内容: 個別手配

いよいよArchaicからClassical期の展示に移っていく　紀元前5‐7世紀のもの

オリンピア考古学博物館 博物館・美術館・ギャラリー

紀元前7世紀

イオニア方式の足とサンダルを模した花瓶または塩入れ

これは女神ヘラの頭部だが，もとは巨大な大理石でつくられたスフィンクスを伴った宮殿の一部だったようだ　600BC

聖なる異なる場所から集めたTerra　Cotta 陶器　紀元前6世紀第二四半期から5世紀初め

左下のもの

もう一つの断片

文字が書いてあるヘルメット　BC474

サチュロスをおいかけるメナード

こんな感じだったのだろう　想像図

上記足の部分　紀元前6世紀第2四半期

横になったライオンのテラコッタ　5世紀中葉　コリントス

アテナ神の頭部　テラコッタ　490BC

ガニュメデスをさらうゼウス　480‐470BC

部分

Krater(水やワインを混ぜる瓶）　5世紀中葉　コリントスの影響を受けていると思う

皿の一部　5世紀中葉

PioniosのNike　これはもうオリンピックのころ

頭部が惜しいね 地上に降り立った勝利の女神ニケの像

いよいよローマに受け継がれていく古典期　PraxitelesのHermes　330BC

これはすごいねえ　嫉妬に狂ったゼウスの正妻ヘラから赤子デイオニソスを守るためにニンフにとどけようとしている　1877年にヘラ神殿で発掘作業中に見つけられたそうです

戦士像　紀元前5世紀初頭

Zeus像　神殿にあったのだろう　想像図

ゼウス神殿のふたつの破風（Pediment)　がすばらしい．西の破風　ケンタウルス族とラピタイ族の戦いの場面　紀元前470-456年ころ　その後ローマ時代まで補修されている．ラピタイ族の結婚式に怪物ケンタウロスが乱入し，アテネの英雄テセウスが加勢してラピタイ族の勝利に終わる。人間界の出来事を神が成敗するというテーマ，人間に対する神の威厳の表現。ギリシア彫刻史上最高の傑作。

ラピタイ族の女

ラピタイ族の跪く女

Apollo　これはすばらしい

左はアテネの英雄テーセウス　テーセウスは手にしている斧を、ラピタイの娘の腰に手をかけているケンタウロスに打ちつけようとしている

ラピタイ王ペイトリウスがケンタウルスを打ち付ける

一番左ラピタイとケンタウルスが絡み合っている　これはすごい！古典期の大傑作

左はケンタウルスとラピタイの若者の戦い　ケンタウルスが首を抑えられて，若者にかみついている

良くこれだけの狭く平たい三角形の中にこれだけの群像を入れたものだ

東の破風　PelopusとOinomaos王の戦車競走の出陣の場面　これには逸話がある
オイノマオスが求婚者を殺害したのは、ヒッポダメイアと結婚した者に殺されるという神託があったためとも、娘に恋していたためともいわれ、一説にはヒッポダメイアを穢したともいわれる。このためオイノマオスは求婚者たちにヒッポダメイアを戦車に乗せてコリントス地峡まで逃げることができれば結婚を許すが、もし途中で追いつかれたら殺すという条件を出した。しかしオイノマオスはアレースから授かった馬と武具を持っていたので、求婚者を先に走らせ、自分はゼウスに犠牲を捧げた後に出発しても追いつくことができ、槍で求婚者を殺し、首を切り落として館に打ちつけた。あるいは屋根に葺いた。後にペロプスが求婚したとき、ヒッポダメイアはペロプスに恋し、御者のミュルティロスにペロプスの味方をするよう頼んだ。そこでミュルティロスは戦車の車輪から楔を外した。このためオイノマオスがペロプスを追跡すると車輪が壊れ、手綱が絡まって引きずられて死んだ。あるいはペロプスに殺された。そのときオイノマオスはミュルティロスの裏切りに気づきペロプスに殺されるように呪った。そのためミュルティロスはペロプスに殺され、ペロプスの子孫を呪った。wikipedia
ヘラクレスはPelopusに敬意を表して，オリンピックを始めたとか
実際は紀元前8世紀にゼウスを祀る砲の奉納試合として始まり，紀元前776年~ローマ時代の393年まで1200年も4年に一度開催された

左に老いた先覚者（馬競争を見ている観衆という説もある）　この像は拡大がないのが惜しい　すばらしい　 一番右はKladeos川の象徴の像

左よりZeus（中央） Pelopus Hippodameia 跪くMyrtilos（馬丁） そして馬

Hippodameia 跪くMyrtilos そして馬　4頭立ての戦車

Oinomaos と　Zeus　Oinomaosはひげを生やした老人だ

ゼウスの右隣りはPelopus　裸で兜のみだ

右はＯinomaosの母Sterope

自分のつま先をいたわる若者

Alpheios川の象徴の像

これらもすごい群像だ

一大叙事詩が凝縮されたようだ

小さな破風も展示されていた　ここに彫刻をするなんてすごいよね　日本の欄間のようだ　紀元前520年　Megarian劇場

破風の周りの展示　このようなmetopeが12枚ある

〔建築〕メトープ《ドリス式建築のフリーズで2個の3条溝の石壁(triglyph) の間に狭まれた四角な壁面》.とのこと

ヘラクレスの姿はアウゲイアス王の厩の掃除の場面では，アテナは手にした槍でヘラクレスが掘るべき場所を指し示している
https://hulule-hulule-voyage.blogspot.com/2013/10/blog-post_7.html

ライオンの樋口　すごいねえ

馬もだいぶ精巧になってくる　紀元前5世紀初頭

古典期後半にはこのような黒地の陶器が多くなる　　Eleian（エリス式の）bell krater (ワインや水をこの中で混ぜる）紀元前4世紀　サチュロスとマイナス

Eleian Kanthalos (水のみ）　紀元前4世紀第二四半期

Kylix　　上段が紀元前2世紀初頭　下段が柄をもつもの　紀元前2世紀第二四半期

紀元前4世紀から３世紀のKanthalosなど水入れ

上はOinocheという酒つぎ　前3世紀
下３つはlecytholという名前のオイルやMirrh(香草，薬剤なそ）のいれもの　前4世紀中葉

4世紀中ごろのKanthalosや10は香水入れ　12も水差し

紀元前１から3世紀の壺

紀元前1－2世紀の壺　だいぶ時代が若くなる

Asclepiusの胴部
女性の頭部
ヘレニズム時代

アフロディデの頭部　紀元前4世紀　Plroxiteles作

Antonius Piusの年上の妻　Faustinaの上半身　紀元後2世紀第2四半期　もうローマ時代だ

牡牛像　紀元後2世紀第2四半期

ネロの第二夫人　Poppaea Sabina 祭司としての服装
紀元後1世紀初頭
　

Claudius皇帝の妻　Agrippinaの若き日の像　紀元後1世紀初頭

Marcus Aurelius皇帝の像（推定）　161-180ＡＤ

同時代の彫像だが記録を忘れた

なかなかいい像だ．

皇帝Titus 79-81AD

同時代の樋口など

Fragonisi Miraka　墓地出土のガラス細工　1－3世紀

奇麗に撮影されなかったが当時のオリンピア

案内書にあった想像図

その模型があるところ

1457　外へ　素晴らしかった

さてこれから遺跡に行こう