ドイツ・中欧 3,300kmドライブの旅　１日目　（準備・出国）

2018/09/03 - 2018/09/19

ドイツの旅は最初からレンタカー・ドライブと決めていました。
計画を始めたのは１年半以上前から。当初は典型的なロマンチック街道やドイツ国内周遊、逆にドイツーイタリア大縦断など多様なプランを検討しましたが、結局、南ドイツに加えて中欧４カ国を巡る今回の計画に落ち着きました。

初めてのドイツ・中欧なので、計画はいつものように念入りに策定します。大手旅行会社のツアースケジュールや４トラの関係旅行記を参考に、大まかなイメージをつかんだ上で詳細な計画を練り上げました。旅行記をアップしていただいた皆さんに改めてお礼申し上げます。

こうして作り上げたのが14泊（＋機内2泊）17日の下記旅程です。移動はレンタカーなので機動的で柔軟性も高いという利点を生かし、ツアー並みの盛り沢山でハードなスケジュールです。なお今回の旅行記も、今後旅行を計画される方の参考になるよう１日単位で記述します。

１日目は事前準備と出国の顛末です。今回の旅のトラブル（というほどもものでもありませんが）は、不思議なことに全て出発時に集中しました。

〈旅程〉
９月　３日　成田→バンコク→フランクフルト（機内泊）
９月　４日　フランクフルト→ヴュルツブルク→ローテンブルク→ニュルンベルク（泊）
９月　５日　ニュルンベルク→プラハ（泊）
９月　６日　プラハ→チェスキークルムロフ→ブラチスラバ（泊）
９月　７日　ブラチスラバ→ブダペスト（泊）
９月　８日　ブダペスト→ウィーン（泊）
９月　９日　ウィーン市内散策（泊）
９月１０日　ウィーン→ハルシュタット→ザルツブルク（泊）
９月１１日　ザルツブルク→キームゼー→ミュンヘン（泊）
９月１２日　ミュンヘン→アイブゼー→ガルミッシュ・パルテンキルヘン（泊）
９月１３日　ガルミッシュ・パルテンキルヘン→オーバーアマガウ→アウクスブルク→シュヴァンガウ（泊）
９月１４日　シュヴァンガウ→ウルム→メッツィンゲン（泊）
９月１５日　メッツィンゲン→ビジンゲン→マウルブロン→ハイデルベルク（泊）
９月１６日　ハイデルベルク→ボッパルト→オーバーヴェーゼル（泊）
９月１７日　オーバーヴェーゼル→リューデスハイム→ザンクトゴアール→ケルン→フランクフルト（泊）
９月１８日　フランクフルト→バンコク（機内泊）
９月１９日　バンコク→成田

エリア バンコク(タイ)

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 一人あたり費用: 50万円 - 100万円
• 交通手段: 高速・路線バス 飛行機
• 航空会社: タイ国際航空
• 旅行の手配内容: 個別手配

日程が決まればまず航空券の手配。
ネットで調べると該当日程での東京ーフランクフルト往復ビジネスクラスはタイ国際航空が最安値。同社サイトで直接予約。もちろん直航便でなくバンコク乗り継ぎです。
機材が全行程A380、スタッガードシートというのも高ポイント。

ホテル予約は、最近はもっぱらホテルズ・ドットコム。なんと言っても10泊すれば1泊ボーナスが魅力です。今回は2泊が無料宿泊です。

今回のホテルは、
① 駐車場があること（必須）
② できればツインベッド
③ できればバスタブ付き
の３条件で選びました。

レンタカーはネットで最安値を確認した上、今回はAVIS（日本総代理店）で直接予約しました。

https://www.avis-japan.com

前回イタリアで借りた車の状態がとても良かったことと、今回はチェコ、スロバキア、ハンガリーなど乗り入れ不可の車種（ベンツ、BMW、フォルクスワーゲンなど）がある国に入るので、日本語で事前に詳細な条件を伝えておきたかったためです。イレギュラーな予約はネット予約ではなく、電話予約です。
対応は極めてスムーズ、条件確認書がメールで送られてくるのでそれを現地窓口に提出するだけで簡単・確実に契約できます。

ドライブ旅行の場合、国内で済ませておくべき大事な作業はオフライン地図&ナビゲーションアプリMAPS.MEに訪問地の地図のダウンロードと目的地をブックマークしておくことです。それも「〇〇教会」とか「△△城」とかの漠然とした目的地でなく、実際に停車する駐車場まで正確に指定しておくことが大事です。
駐車場がわからない場合は、グーグルアースで目的地周辺を探すと見当がつきます。こうしておけばMAPS.MEはピンポイントでナビしてくれます。

いつもはこれに加えグーグルストリートビューで行程の主要ポイントをチェックし、シミュレーションしておくのですが、残念なことにドイツとオーストリアはストリートビューがありません。おそらくプライバシー云々で規制されているのだと思います（困ったもの）。しかし、同じドイツでもニュルンベルクはストリートビューが見られたので、自治体によって規制が違うのだと思います。また、ドイツ国内でストリートビュー撮影車を見かけたので、その内ドイツでもストリートビューが見られるようになることを期待しています。

せっかくウィーンに行くので、シュターツ・オパーを見逃すわけにいきません。
たまたまウィーン滞在は土・日の２日、日曜日の演目は人気の「カルメン」で４ヶ月前に予約を入れた時点で良い席はすでに一杯。土曜日はウェーバーの「魔弾の射手」、有名ですがなかなか見る機会のない作品、手頃なバルコン中央最前列が並びで確保できました。

定番のライン川クルーズも予定しています。そのため宿泊地に近いザンクトゴアールハウゼンからリューデスハイムまでドイツ鉄道（DB）で戻る必要があります。
４トラでザンクトゴアールハウゼンは無人駅、自動券売機でのチケット購入に難渋したとの情報を得ていたので、出発前にオンライン・チケットを入手。
紙のチケットの他にDBアプリもダウンロード。実際の検札時にはアプリを提示してクリアしました。

最後はSIMカード、アマゾンで購入しました。
ドイツは2017年7月以降、テロ対策の一環でSIMカードの規制が厳格化され、旅行者が現地でSIMカードを購入することが困難になりました。なので、イギリスThree社のSIMを国内で入手し持参します。
30日間、ドイツ他71地域でデータ通信5GB、EU圏通話時間約3000分/テキスト約3000通利用可能で2,980円。コストパフォーマンス良好、妻と二人分購入しました。
イギリス国外のデータ通信は3Gですが実用上全く問題ありません。

日本から予約したレストランは２件。
ひとつはフォアグラ料理で有名なブダペストのレストラン。２ヶ月前の予約必須と知ってあわてて出発の１週間前にメールで予約を入れましたが、あっけなくOK。ただし、現地で次々やってくる客が門前払いでしたので予約はしておいた方が良いと思います。
もうひとつは、オーバーヴェーゼルで宿泊する古城ホテルのレストラン。これは念のための予約。そのせいかメインダイニングの良い席を準備してくれました。

以上の他に、ネットで旅行保険契約も忘れずにすませておきます。

出発時の荷物はいつもと同じ（写真は１月のイタリア旅行時のもの）。
一番上のバックパックは、ロストバゲッジ対策として２日分の衣類と洗面具などを入れ、機内持ち込みです。

というわけで成田空港第一ターミナルです。

今回のトラブル３件は全て出発時に発生しました。
ひとつめは、大きな被害をもたらすことになる台風21号。上陸が１日遅れの翌日になったので間一髪で出国できそうです。

成田空港第1ターミナル 空港

チェックインしてまずはユナイテッドのラウンジ。おしゃれな内装です。

ユナイテッド クラブ ラウンジ (成田空港) 空港ラウンジ

食べ物はほどほど。

二つ目のトラブルは、ラウンジで何気なく撮ったこのUA機。離陸後、前輪の不具合が発生し、洋上で燃料を投下して成田に引き返し緊急着陸する事態になりました。
おかげで我々のTG677の離陸が40分遅れ、ただでさえバンコクでのトランジットが短い私たちはヒヤヒヤしました。

緊急着陸したUA機、消防車が寄り添っています。タクシー中に撮影。
出発の遅れは困ったものですが、我々の機体でなくて良かったと考えることにしました。

ANAラウンジに移動し、きつねうどん。
ここではThree社SIMへの差し替えが主な課題。添付されたマニュアルに従い、難なく装着完了。

ところが、さあ出発とバックパックを担ごうとした瞬間、私の右足からメリメリと音がしました。なんとふくらはぎの肉離れ。これが３つ目で最大のトラブルです。まだ出国もしていないのに（涙）。

成田空港 国際線 ANAラウンジ (第4サテライト) 空港ラウンジ

それでも痛い足を引きずって搭乗口へ。
TG677便、A380の機体が見えます。

搭乗開始は予定通りでしたが、先ほどの事情で離陸が遅れ、プッシュバックが始まったのは予定を40分すぎた18::00頃でした。

スタッガードシートです。

お約束のシャンペイン（シャンパンと呼ぶのは日本人だけ？）。なすこともなく、離陸を待ち続けます。

ようやく離陸、富士山にお別れ。

最初の夕食はタイ料理をチョイス。文句なく美味しい。
どこぞの日系エアラインのビジネス食を思い出すと悲しくなります。

夜食は果物にチーズ、スコッチと一緒に。
フランクフルト到着後すぐ車の運転となるので、アルコールはバンコクまでと決めています。

バンコクの夜景です。A380はさすが空の王者、揺れがほとんどなく、機内も静か。快適なフライトです。
離陸は40分遅れでしたが、到着は5分遅れまで挽回してくれました。

スワンナブーム国際空港。
飛行機を降り、少し歩きましたがやはり足が痛い。妻が機転をきかせて車椅子を手配してくれました。短時間ですがちゃんとラウンジにも案内され、搭乗口まで運んでくれます。空港職員が降りぎわに「マネー、チップ、マネー、チップ」と繰り返すので5ユーロをチップとして渡しました。

スワンナプーム国際空港 (BKK) 空港

日付が変わって、バンコクからフランクフルトに向かうTG920便の機内食はこんな感じ。こちらも美味しい。

成田出発から約20時間半、いよいよフランクフルトに到着です。
ここでも空港職員の女性が車椅子を用意して待ち受けてくれました。
搭乗口から入国審査（特別に外交官用窓口を通過）、バゲッジクレーム、さらにAVISのカウンターまで送り届けてくれました（そんな訳で空港の写真はありません）。こちらはチップを拒絶、さすがドイツです。

肉離れの足を引きずって不安の中、いよいよドイツ旅行のスタートです。

フランクフルト国際空港 (FRA) 空港

この旅行記へのコメント （6）

• olive kenjiさん 2020/04/06 10:28:12

  欧州レンタカーHOW　TO　BOOKに最適

  beanbagさん　初めまして　いいね有難うございました。
  おそらく４Ｔのtakasiさんの掲示板でご一緒になったからではと思います。
  
  takasiさんと同様に５年後には世界一周を目指している記事を読み、私より少し先輩かと思われるbeanbagさんが夢見て計画をしているのを目にして、私は何をしているのだ！と喝を入れられたような気分になりました。
  
  ところで、少し旅行履歴を見ましたが、いい所へ沢山行かれていますね。
  特にこの旅行記のレンタカーなどを借りる方法については参考になることが多いです。
  過去にＬＡやロンドンで借りたことはありますが、やはり緊張するもので、特に欧州の場合は道路複雑、スピード早し、コスト高で挑戦したくても、引っ込みがちになってしまいます。この旅行記は旅行準備段階からのノウハウが詰まっており、明瞭で分かりやすく、これから参考になると思います。いつかは欧州をレンタカーで周ってみたいものです。
  
  takasiさんが書かれていたようにbeanbagさんと似た所があるとの記述ですが、私が推測するには、興味ある所には時間、資金を惜しまず遂行するところと、記述の仕方が正確、無駄のない文章でしょうか。私とは全く違うパーソナリティーでしょうが、これからもよろしくお願い申し上げます。
  
  ちょっと気になる旅行記も拝見しましたので、引き続きコメントさせて頂きます。
  
  　　　　　　　　　　　　　　　olive　kenji

  beanbagさん からの返信 2020/04/06 11:45:56

  Re: 欧州レンタカーHOW　TO　BOOKに最適

  olive kenjiさん
  
  コメントをありがとうございます。
  
  体力のない私たちには重い荷物を持って列車を乗り継ぐのは厳しいと実感し、ヨーロッパはレンタカー・ドライブに限ると決断しました。実際走ってみると、ヨーロッパは人口密度が低いので交通量は多くなく、日本国内のドライブよりずっと快適でした。オススメです。
  
  ただ、そんなクセが出たのか、ボケてきたのか、今日、病院の帰りに対向車が危ないなと思ったら、なんと自分が右側車線を走っていました。近いうちに逆走老人になりかねないと心配になってきたところです。
  
  英国ミステリードラマ、私も大好きです。特に「刑事フォイル」「刑事ルーサー」「新米刑事モース～オックスフォード事件簿」などは人物描写が巧みで独特の雰囲気があり、出色だと思います。そんな舞台を訪ねるのも楽しいかもしれません。
  
  旅慣れたご様子のolive kenjiさんの旅行記をフォローさせていただきます。よろしくお願いします。
  
  beanbag

• salsaladyさん 2018/10/14 15:56:54

  三つ目のトラブル？肉離れは痛そうですが～

  ☆大胆且つ繊細な旅程を組んでも，台風や前後の飛行機のトラブルはどうしようも無いけれど，良く『肉離れ脚』で旅を続けられましたこと～
  
  ☆しかもヨーロッパをレンタカーで！Unbelievableな進行状態ですが無事に帰国できたことがめでたし（半ばまでは，昨年我がクラブツーリズム記のスケジュールと相似為てますが，内容は頗る羨ましい！オーストリアでオペラは必然ですね。）~see you~
  
  

  beanbagさん からの返信 2018/10/16 11:56:34

  RE: 三つ目のトラブル？肉離れは痛そうですが?

  salsaladyさん
  
  コメントありがとうございます。
  肉離れをご心配いただき恐縮です。幸い軽症でしたので、1回目は１週間ほど、2回目は２~3日で痛みは収まりました。
  
  高い飛行機代を払ってせっかく行くのだからと、思い切り欲張りなスケジュールにしました。なので出発前は相当緊張しましたが、出発時のトラブルを除けばあとは極めてスムーズに旅が続けられ、帰国後、充実感でいっぱいです。
  
  普通のツアーの3回分くらいの内容でしたので、コストパフォーマンスにも納得しています。
  
  こんな旅がこれからも続けられるかどうか、天のみぞ知る状況です。
  
  salsaladyさんの旅行記を拝見し、懐かしんでいます。「教会の名前なんて覚えなくても、心が清ければそれで良い〜」その通りです。
  私たちは個人旅行なので行程の準備は念入りにしましたが、観光地の情報は携えた「歩き方」頼りです。帰国後、旅行記を書く際に記憶のために調べ直して、「そうだったんだ」と後追いで納得している状態です。ガイドさんなどいませんので見落としたものもたくさんありますが、執着していません。
  
  これからも旅行記を楽しみにしています。
  
  beanbag

• comestaiさん 2018/09/26 23:04:44

  オフライン・ナビ、MAPS.ME

  beanbagさん、
  
  こんばんは、comestai です。
  この度は、ドイツ・中欧 3,300kmドライブの旅に行かれたのですね。
  私もドライブ旅が好きなので、旅行記のアップを楽しみにしています。
  
  今年６月、私はフランス国鉄のストライキの影響もあって、全行程 3,236km、レンタカーでフランスを旅してきました。昨年来、私もオフライン・ナビ、MAPS.MEを8インチ・タブレットで使うようになって、ドライブが格段に楽になりました。駐車場までピンポイントでナビゲートしてくれるので、ガーミンや車載ナビは使わなくなりました。
  
  ただ唯一、パリやリヨンなどの大都市で、高速道路が複数分岐するところで、カーナビにあるようなポップアップ・ウィンドウが出てこないので、どこで曲がれば良いかわからず、よく道を間違えました。それ以外はパーフェクトでした。
  
  私もAVISをよく使うのですが、だんだんレベルが落ちてきている気がします。今回、メンテナンス不良車をアサインされたため、途中で車両交換になり、１２時間、ロスタイムが生じ、スケジュールがぼろぼろになりました。でも安全に戻って来れたので、良かったです。良い経験でした。
  
  SIMカード、アマゾンでも購入できるのですね。次回、試してみたいです。
  
  また、ちょくちょく旅行記を訪問させて頂きます。
  
  comestai

  beanbagさん からの返信 2018/09/27 10:08:24

  RE: オフライン・ナビ、MAPS.ME

  comestaiさん
  
  コメントをありがとうございます。
  
  私も出発前からcomestaiさんのフランス・ドライブを興味を持って拝見しておりました。
  レンタカーの車両交換なんてひどいですね。そんな目にあったら私などどうして良いかパニクってしまうと思います。
  私も南フランスから北スペイン、ポルトガルドライブをして見たいと思っています。ただ、いつ実現できるのか、それとも空想に終わってしまうのか、歳が歳だけに全く予想がつきません。
  
  強力な相棒MAPS.MEですが、今回の旅ではご機嫌斜めでした（これから書きます）。レンタカー代を安く上げるため、GPSは申し込んでなかったのですが、アサインされた車が新車でしたのでナビが使えました。
  今回はこれに随分助けられました。これがなければ順調なドライブ旅ができなかったと思います。
  
  レンタカー代の請求はまだです。丁寧に扱ったので車の傷はないと思いますが、スピード違反の請求が心配です。
  
  フランス・ドライブこれからも楽しみにしています。
  
  beanbag