2017/11/21 - 2017/11/29
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vindetableさん
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モン・サン・ミッシェルへのプチ旅行の朝です。大きな荷物はアパルトマンに置いたまま、一泊二日に必要な荷物をまとめました。パリから約2時間、TGVはレンヌに到着。ブルターニュ地方の代表都市です。今回私たちはさらにドル・ド・ブルターニュまでTGVを利用し、そこからバスで向かうルートを選択しました。ドル・ド・ブルターニュ駅を出発してから20分ぐらい経ったとき、前方にモンサンミッシェルの姿が小さく見えてきました。平原の先に聳え立つ姿に、感動というか畏敬の念というか、なんともいえない感じを抱いている間にも、バスは着々とその距離をつめていきます。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- ショッピング
- 5.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス 徒歩
- 航空会社
- ANA
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
モン・サン・ミッシェルへのプチ旅行の朝です。大きな荷物はアパルトマンに置いたまま、一泊二日に必要な荷物をまとめます。
「いつものメトロ4号線でモンパルナスまで、TGVはドル・ド・ブルターニュまで行くから。そこでバスに乗り継いで、モン・サン・ミッシェルにはお昼前には到着予定。」
パリ市内に出かけるときには部屋においていくような貴重品も今回は持参します。パスポートを身につけ、用意が整いました。海外に出ると特に緊張する持ち物です、これは昔も今も変わりません。一方、ハルキはwifiルータと充電器類をリュックにしまっています。スマホやiPadでインターネットを使って情報に「つながる」って、とても便利なのですが、そのために必要なモノが増えていますよね。旅行中は充電時間も限られるので、同時に充電するためには充電器も複数必要になります。
「モン・サン・ミッシェルではホテルだから、コンセント少ないよね。ヨーロッパのコンセントは形状も違うし。変換プラグと一緒にテーブルタップも必要かな、きっと。」
ハルキは出張で海外に慣れているので、100円ショップで売っているような短いテーブルタップを常備しています。アメリカや中国は、日本と同じ形状のコンセントがあるので(違うのもありますが)直接挿すことができますが、ヨーロッパは形状が違うので変換したあとにテーブルタップがあると、確かに便利だと思います。部屋で過ごす夜の時間、コンセントに近いテーブルの一つは、毎日充電状態の機器が並んでいます。インターネット、しかもモバイルのおかげで持ち物が増えましたが、その分減ったのは紙のガイドブックでしょうか?確かに、モン・サン・ミッシェルのためだけのガイドブックは今回の持ち物にはありませんので、荷物の重さは昔も今もさほど変わりがないのかもしれません。
「ごめん、待たせたね。じゃあ行こうか。」
朝の街はまだ人通りも少なく、路肩には収集を待つゴミ箱が置かれています。部屋から駅への道も、少し慣れてきました。メトロ4号線のオデオン駅からモンパルナス駅までは4駅。モン・サン・ミッシェルへの扉は、意外と近くにあります。オデオン駅 駅
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モンパルナス駅です。この写真は、翌日モン・サン・ミッシェルの帰りに撮影したものです。メトロ4号線のホームからは、長い地下通路で結ばれています。改札をでたところで、ハルキは機械を探し始めました。
「TGVのチケットはここで受け取らなければならないんだけど。ちょっと聞いてくるね。」
窓口の説明では、上の階に在るとの説明だったようですが、上の階でもうまくいきません。
「そっか。もっと上なんだね。」
さらにエスカレータを昇ったところには、外見の違う機械がたくさん並んでいます。東京メトロ、JR在来線、JR新幹線、日本でもみな機械が違うので、同じようなことなのでしょうね。
「たぶんこれでいいはずなんだけど、おかしいな進まない。あっ、できた。」
購入者の認証はクレジットカードで行う仕組みなのですが、「カードを抜け」というフランス語表示が分からず、カードを入れっぱなしにしていたことが、処理が進まなかった原因のようです。やり直そうとしてカードを取り出したら、切符が出てきました。モンパルナス ビヤンヴニュ駅 駅
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SNCF(フランス国鉄)の切符です。ビックリしたのは、乗り継ぎのバスも同じように記載されていることです。写真では写っていませんが、購入者の名前がそれぞれの切符に印刷されています。航空券のようです、ネット購入だからでしょうか。新幹線の切符は通常無記名ですので、治安とか不正とかまとめて文化の違いでしょうか。
パリ、モンパルナス駅発、サン・マロ行きのTGV8081は、ブリュッセルから乗車したタリス以上に長い車両編成です。ヨーロッパのターミナルは、ホーム最後尾から乗車車両まで歩かなければなりません。新横浜駅のように、東京駅もそうですね、ホーム中央でエスカレータや階段でアプローチする構造にはなっていないので、前方車両の場合10両以上分歩くことが求められますので、早め早めに駅に到着していることが重要であること、再認識しました。今回の席は席は進行方向に向いています。着席してしばらくすると、TGV8081は定刻とともに、静かに動き始めました。
ぼんやり車窓を眺めていると、すぐに自然豊かな景色に変わりました。モンパルナス駅自体がパリ14区と外周部にあるので、少し走れば郊外に出てしまいます。空模様は、曇り空だったり時おり雨が吹き付けたりと、パッとしない様子です。 -
08:14にモンパルナス駅を発車したTGVは一路ブルターニュ地方へ向かっています。約1時間後09:11、ル・マンに停車しました。最初の停車駅です。この駅では沢山の人が降りました。ル・マン。日本では24時間自動車レースで知られていますね。ネットで検索すると、人口は約15万人、Salthe県の県庁所在地だそうです。
「むかし、山本達彦って歌手がいて、ダンロップのタイヤのCMソングを歌っていたんだけど。『ル・マン~♪』だとばかり思っていたら実は『ロマン(roman)~♪』だったんだよね。ボクのル・マンの思い出。」 -
09:43、.次の停車駅はLavalです。こちらはMayenne県の県庁所在地とのこと。人口は約5万人の小規模都市です。
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Laval駅を出た後の風景です。車窓からは(おそらく)中世の街並みが見渡せました。とても感じの良い雰囲気です。
「TGVは前からこの区間を走っていたんだけど、7月にル・マン=レンヌ間に高速新線が開通したから、今日はそこを走っているんだ。おかげで30分くらい短縮されたはずだよ。新幹線のような高速鉄道は、車両も重要だけど線路しだいなんだってさ。日本でも、秋田新幹線や山形新幹線は在来線区間があって、ゆっくり走るよね。日本の場合は線路の幅も違うから、もっと厳しいか。ロンドンからユーロスターに乗ったときも、ロンドン側の線路が高速化された後だったような。。。。」
ハルキって鉄道オタクだったかしら。。。(?)
確かにTGVの乗り心地は悪くありません。高速新線のおかげなんですね。 -
10:07、TGVはレンヌのホームに静かに進入しました。パリから約2時間、ブルターニュ地方の代表都市です。モン・サン・ミッシェルへはレンヌからバスで向かうルートと、今回私たちが選んだドル・ド・ブルターニュからバスで向かうルートがあります。明日の復路はバスでレンヌを経由するルートにしました。日程に余裕があればレンヌで1~2日観光したかったのですが、今回は往復ともにレンヌ市内は素通りです。
レンヌ駅 駅
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レンヌから30分あまりのTGVの旅、10:41にドル・ド・ブルターニュ駅に到着です。バスの発車時刻は10:50、風景を楽しむ余裕もなく、長いホームを急ぎ出口に向かいます。雨が上がって、スッキリとした青空の下、駅前にはコンパクトな街並みが広がっています。少し陽射しがまぶしく感じます。
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モン・サン・ミッシェルへのバスは、すでに乗客が集まるのを待っていました。急いだ甲斐があって、幸運にも最前列の席を確保することができました。運転手さんに先ほどの切符を見せると、バス券の部分にペンでチェックが入りました。同乗の客は10人くらいで、車内はガラガラです。
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ドル・ド・ブルターニュ市内は、居心地のよさそうな雰囲気です。道路の幅があまり広くないので大型バスが通るにはやや窮屈さを感じますが、モンサンミッシェルへの標識が、バスを導いています(運転手さんは標識などなくても運行可能だと思いますが)。
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ドル・ド・ブルターニュ駅を出発してから20分ぐらい経ちました。
「あれ、モンサンミッシェルじゃない?」
前方にモンサンミッシェルの姿が小さく見えてきました。平原の先に聳え立つ姿に、感動というか畏敬の念というか、なんともいえない感じを抱いている間にも、バスは着々とその距離をつめていきます。 -
もうすぐ到着です。駐車場の標識が私たちが乗ったバスを迎えています。撮影に気をとられていましたが、写真を見ると、左はバスの駐車場、右は一般車両のようです。
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私たちを乗せてきたバスです。乗客が降りた後は静寂がバスを包んでいました。
モンサンミッシェル観光案内所 散歩・街歩き
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こちらはモンサンミッシェルへのシャトルバスです。私たちはシャトルバスには乗らず、ホテルに向かって歩くことにします。人影はまばらで、私たちもその雰囲気に馴染むように、同時にその雰囲気を満喫しています。
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シャトルバスルートとは別に整備された歩道の前方にはモンサンミッシェルが、右手には地平線(空との境は水平線かも?)が広がっています。
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先ほどの標識をさらに直進すると、モンサンミッシェルへのアクセス案内がありました。シャトルバスに乗るには左折・徒歩3分。
歩いて目指すなら直進・2300m、35分だそうです。
バイクの駐車場(自転車のことでしょうか、とすれば駐輪場)へは左折・200m。
ダムと展望テラスへは左折・250m。
「いったんホテルに行くには、左折したほうがよさそうだね。余計な荷物は置いて、たぶんチェックインできるだろうし。」
標識にあった、ダムと展望テラスにはピンとこなかったのですが、ハルキの言うとおりいったんホテルを目指します。 -
前方に馬車の姿が見えます。
馬車 (モンサンミッシェル) その他の交通機関
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メインの通りからモンサンミッシェル方面の眺めです。道の左右に大陸側からモンサンミッシェルが一望できるホテルが並びます。私たちが宿泊するのは、Le Relais du Roy、写真左手後方に位置しています。
ホテルには滞りなくチェックインすることができました。部屋はカリフォルニアのモーテルほどの広さはないものの、マンハッタンの観光客向けホテルのような狭さでもなく、一夜を過ごすには十分な感じです。窓が小さいのがやや残念ですが、この窓はベランダに通じるガラスドアと兼用になっています。
「ベランダからモンサンミッシェルが見えるよ。今ちょっと調べてみたけど、正面に見えるのはクエノン川。やや右手に見えるダムは、さっき案内板に書いてあったね、クエノン川河口堰で、モンサンミッシェルが陸続きになってしまうのを防止するために造られたんだってさ。」
ベランダに出ると、ゆったりとしたクエノン川の流れが、モンサンミッシェルの方角を導いてくれました。河口堰とモンサンミッシェルが一望することできます。
「ひと休みしたら、外に出ようか。いよいよモンサンミッシェルだね。」 -
モンサンミッシェル(以下島と呼ぶことにします)への遊歩道の入口に来ました。鮮やかな青空と雲のコントラストを背景に、島が浮き上がって見えます。二人の影も写りこんでしまいました。
「さっきの標識の通りなら、歩いて30分くらいだね。」 -
ズーム倍率の異なる写真がありますが、島に近づく様子が分かるように、アプローチの遊歩道を歩く間、島の写真は広角写真に固定しています。
2,3分歩くと、アスファルトの道が木道に変わりました。ご覧のように身近に人の姿はありません。
「この空間を二人占めって感じだね。」
いえいえ、牧草地には多数の羊がいます。けっして二人きりではありません。ほらっ。 -
(この写真はズームアップしています。)
「これが、プレ・サレだね。この地方ではプレ・サレの羊が有名なんだ。確かプレが牧草、サレは塩、サレはソルトに似てるよね。海の塩分を含んだ牧草を食べた羊ってことかな。」
塩で味付けされた草は美味しいのでしょうか。 -
歩き始めてから20分くらい経ちました。
島も大きく見えるようになりました。島からのシャトルバスがこちらに向かってきます。その先には歩行者の姿も。先を行く旅行者に追いつきそうです。
空には少し雲が増えてきましたが、11月のフランスとは思えない温かさ、風もなくとても過ごしやすいです。パリで過ごした水曜日、木曜日も「気温」には恵まれました。ノートルダム大聖堂での嵐を除けば、概ね天気にも恵まれたのですが。今日もTGVの車内では雨も降りましたが、ドル・ド・ブルターニュ駅からは好天が続いています。 -
前方の人影は当初は2人だったのですが、旅先でたまたま遭遇したお二人だったのでしょうか、お一人は右側の歩道に移り歩みを緩めていたので、ほどなく追い越してしまいました。もうお一人はまだ前方を歩いています。島の大きさも先ほどの2倍程度になりました。
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修道院尖塔の先、大天使ミカエルがデジカメのファインダーで捉えられる大きさになってきました。最大望遠です。
ところで大天使ミカエル、今回の旅では紛らわしい名前です。
「パリにはサン・ミッシェルSaint-Michelという場所があったよね。ノートルダム大聖堂から見るとセーヌ川対岸に、アパルトマンのあるサンジェルマンデプレにも歩いていけたくらいの距離だ。そう、大天使・聖ミカエルは、フランス語表記すればSaint-Michel、パリの地名と同じなんだ。英語名はMichael、そうマイケル。日本ではそれをローマ字読みしたのかな。ミカエル、ミッシェル、マイケル、実は同じ名前なんだ。」
余談ですが、ミッキー(Mickey)はマイケルの短縮形のひとつだそうです。ディズニーの人気者は大天使ミカエルゆかりの人だったんですね。 -
歩き始めて25分、ようやく島側のバス停に到着しました。大陸に戻るバスに乗る人々が集まってきます。この地区に来てこんなに多くの人が一度にファインダーに収まるのは初めてのように思います。島もずいぶん大きく見えるようになりました。観光客は基本的にバス停からは徒歩で島に渡ります。このバスで島を訪れた人たちは、もう先のほうを歩いています。
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私たちも、道路を渡って右側の歩道に移りました。島がちょうどファインダに収まるような大きさになってきました。歩道の外は干潟になっていて、海水はほとんどありません。
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島に足を踏み入れ、修道院を見上げたところです。
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門をくぐります。尖塔の先端にはミカエル像がここからも見ることができます。
いよいよ世界遺産モンサンミッシェルの中に進みます。モン サン ミッシェル 前哨門 寺院・教会
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「工事中みたいだ。通れないところがあるようだね。」
工事の案内図のようです。メインストリートで工事をしているようなので、早めに坂上の路地に入ったほうが良いのかもしれません。 -
工事の看板からすぐに目に入ったのは、オムレツで有名なレストラン『ラ・メール・プーラール』です。料理人が卵をかき混ぜている姿は道路からも見ることができます。
「入ってみたい気もするけど、ランチはガレット屋さんにしようと思うんだ。」
ハルキは今日のランチを、Tripadviserで調べたLa Sireneというガレットのレストランに決めているようです。モンサンミッシェルのレストランで1位とのこと。ですが、実際は思わぬ方向に。。。 -
レストラン『ラ・メール・プーラール』に隣接して王の門があります。。。なんか表現に違和感ありますね、書き直します。レストラン『ラ・メール・プーラール』は王の門に隣接していることが分かります。記念撮影をしている皆さんもいます。
NHKの番組『2時間で回るモンサンミッシェル』によると、王の門はかつてフランス国王から派遣された衛兵が守っており、作られたのは15世紀。敵が来たら橋を跳ね上げ、敵の侵入を防ぐ仕組みになっている、とのこと。モンサンミッシェル 王の門 寺院・教会
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王の門、くぐりぬけて振り返ってみました。やや高いところに聖母子像でしょうか、マリア様のブルーのお召し物が鮮やかです。両手を広げたイエスの姿も、新鮮な姿ですね。
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さて、今日のランチです。残念ながらハルキお目当てのLa Sireneを探し出すことができませんでした。と、いうかお休みだったようです。しばらくLa Sireneがあるはずの場所を行ったりきたり探しましたが、1階のおみやげ物屋さん、2Fのレストランともに入口が閉ざされていました。
気を取り直して、店頭の見た目で選んだのがLa Confiance。この店は、『ラ・メール・プーラール』の系列店のようです。またツアーでの指定レストランなのでしょう、私たちが席に着いてしばらくすると、日本人観光客がたくさんいらっしゃいました。La Sireneでガレットをいただくこうと考えていたので、ここでもガレットをいただきました。お味のほうは。。。例えばモンサンミッシェルのオムレツ、この旅行の前からあまり良い評判にはお目にかかれなかったので、ガレットもこんなものかな。。。という感じです。一番残念だったのは、付け合せの生野菜の鮮度です。切断面が明らかに変色していて。。。旅先ですので、残さず食べる勇気は封印しました。
会計を済ませてお店の外に。La Confiance手前の階段を昇って進みます。 -
先ほどの階段を昇って、少し行くと眺望が開けました。島の建物の向こう、陸続きの大陸には地平線が視界いっぱいに広がっています。今日は特に空の表情が豊かに感じます。青空を背景に、雲の厚さが織り成す明暗が印象的です。
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途中、サン ピエール教会Eglise Paroissiale Saint-Pierreに立ち寄りました。こじんまりとした教会です。昼間ながら静寂で厳かさが満ちた、とても良い雰囲気です。屋内にはミカエルの像、屋外にはジャンヌダルクの像があるはずですが、写真が残っていません、それと気づかず通り過ぎてしまったようです。とても残念です。
サン ピエール教会 寺院・教会
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北の塔にやってきました。モンサンミッシェルの影が大西洋の干潟に映し出されています。手前に見える島はTombelaine、さらに遠く向こうにはノルマンディーが見えます。写真では、水平線と地平線の区別がつきにくいです。
「むかしむかしの映画に『史上最大の作戦』って作品があるんだ。第2次大戦中のノルマンディー上陸作戦を描いた戦争映画なんだけど。。。音楽が有名なんだよね。行進曲っぽいから、運動会とかで聴いたことがあるんじゃないかな。その舞台が正面に見えるノルマンディー地方。実際に上陸したのは見えている陸の向こう側だと思うけど。」
モンサンミッシェルの起源は8世紀。ミカエルのお告げを聴いた司教が建てた礼拝堂がその起源とされています。それ以降サン・マロ湾を見守ってきたモンサンミッシェルにとっては、20世紀の出来事は最近のことなんでしょうね。 -
北の塔からブクル塔を見た景色です。
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修道院へ向かう最後の階段です。
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窓口で入場券を購入して修道院の見学へ。大人一人10ユーロです。
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修道院の入口にある哨戒の間を過ぎ、大階段を昇ります。
「右側が教会、左側は修道僧の居住棟だね。14世紀から16世紀に建てられ、歴代修道院長が住んでいたらしいよ。」
時代は、フィレンツェのサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂が建設された13世紀から15世紀とほぼ重なっています。モンサンミッシェル修道院 寺院・教会
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大階段を昇りきると、眺望が開けました。クエノン川がまっすぐ伸びています。広大な大地に降り注ぐ太陽が、干潟の水に反射してまぶしいです。
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眼下には島の入口が見えます。入口はちょうど赤い旗の右下になります。結構な高さまで上ってきたことを実感します。高低差を感じる一枚です。
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10世紀の修道院の模型です。11-12世紀、(写真なし不明)、20世紀の計4点がありました。10世紀、この地方はブルターニュ王国・公国の時代。その繁栄ぶりは分かりませんが、今日の景色から、とても寂しい土地であったことが想像できます。不便な場所であったことも、今日の交通から、容易に想像できます。干潟が広がるサン・マロ湾に浮かぶ小島に、しかもその小高い山の上に建てられた修道院。当時のその存在が奇跡のような気もしますし、1000年以上の時を刻んできた歴史の重みとそれを可能にしたキリスト教のパワーを感じざるを得ません。だからこそ、世界遺産の価値があり、たくさんの人が訪れるのでしょうね。
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西のテラスに出ました。北西方向に広がる海が一望できます。
「公式ガイドには、『西のテラスは当初の教会の前庭と、18世紀の火災で焼失した身廊前部3列で構成されている。』と書いてある。」 -
西のテラスから修道院付属教会を望みます。真っ青な空を背景に尖塔の先には金色のミカエルが輝いています。
「修道院付属教会は1000年~1010年に完成だって。このファザードは1780年に再建されたそうだよ。花崗岩を採石したのは沖合いのショゼー群島。あの尖塔は、1897年に建てられたネオゴシック様式の鐘楼で、ミカエルは銅でできていてそれに金メッキ。このへんの高さは海抜80メートル。」 -
ノルマンディーの断崖の先端をアップで撮影してみました。好天に恵まれた今日は海も穏やかなようです。水辺の岩場から急な崖が立ち上がっています。崖の上には建物も見えます。
「あの断崖を登るのは大変だ。映画で見た上陸地点は、砂浜があったような気がするなぁ。あの崖なら、天然の要害って感じだね。」 -
西のテラスから直接教会に入ることができます。
「ここ、今いるところは身廊。左右は拱廊、あまり見慣れない文字だけど、アーケードのことらしい。アーチだね。その上が回廊、そして高窓がある。天井は板張りヴォールト、確かに装飾が板張りっぽいね。正面の内陣は100年戦争後に再建されたっていうから、15世紀だね。フランボワイヤン式ゴシックだってさ、炎の意味があるみたいだけど、ちょっとついていけない。」モンサンミッシェル修道院 付属教会 (聖堂) 寺院・教会
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内陣に向かって左手には、ミカエルと思われる像があります。持っているのは天秤と長い棒は何でしょうね。
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教会から、回廊に進みました。回廊の中庭は、ガイドブックなどでは植栽に覆われた緑あふれる写真が使われていますが、この日はまったくの土、整地中といった風情でした。これはこれで、雰囲気があるというか。。。
「今いるこの回廊の下は、ラ・メルヴェイユと呼ばれる3階建ての建物で、修道院建築として有名な建物みたいだね。木材が多く使われているのは、軽くすることが目的だってさ。」
現地の説明パネルによると、回廊の完成は1228年、下に建物があるので防水性の確保がポイントのようです。1880年代、1965年の改修を経て、現在の改修で1965年当時の薬草の庭が復活する予定だそうです。モンサンミッシェル修道院 回廊 寺院・教会
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回廊の隣、合同の食事室です。
モンサンミッシェル修道院 食事室 寺院・教会
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階段を下りると、そこは迎賓の間です。ちょうど食事室の真下に位置します。
天井が高いのが印象的です。モンサンミッシェル修道院 迎賓の間 寺院・教会
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写真は、迎賓の間のステンドグラス越しに撮影した、モンサンミッシェルの影です。
モンサンミッシェル修道院 迎賓の間 寺院・教会
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迎賓の間の次はいったんラ・メルヴェイユ棟から離れて、15世紀の中ごろに作られた柱の礼拝堂に進みます。薄暗い屋内に太い柱がたくさん並んでいます。
「今いるのは、さっきの教会の内陣の下。このたくさん柱が、教会の内陣を支えてる。基礎の部分を部屋にして使うのも、当時の知恵なんだろうね。」モンサンミッシェル修道院 太柱の礼拝堂 寺院・教会
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さらに、柱の礼拝堂に隣接した聖マルタン礼拝堂に進みます。
「ここも教会のフロアを支えている建物の一部だね。」
窓が小さく、薄暗い部屋が続きます。
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まぶしい光に誘われて屋外に出ました。空が見えます。ほぼ真下からミカエル像に手が届きそうです。
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修道僧の納骨堂に進みます。
「この車輪は、修道院が監獄として使われた19世紀に、幽閉されていた政治犯の食料を引き上げるために設置されたと書いてあるけど。それ以前、中世に工事用に使われていたものの複製が展示されている、とも読めるね。」
車輪と眺望に気をとられてしまい、納骨の場所は分からないまま。。。モンサンミッシェル修道院 大車輪 寺院・教会
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ラ・メルヴェイユからぐるっとまわって、今は教会の南側にいるので、今夜の宿になるホテルも遠くに見えます。手前に横たわっているのは、ダムへの通路です。
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聖エティエンヌのチャペルです。壁にピエタ像と思われる作品が。作者は分かりません。
「この隣には、昔は医務室があったようだけど。19世紀に崩落してなくなったそうだよ。」モンサンミッシェル修道院 聖エティエンヌのチャペル 寺院・教会
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南北階段近くの、進入禁止の階段です。
「西のテラスの下辺りに来ているよ。南北階段は今も修道院の通路として機能しているけど、この階段は何だろうね?」 -
「ここは、修道僧の遊歩場だね。12世紀のゴシック初期の様式で、身廊は2つある。天井は交差リブと円天井に特徴があるみたいだ。」
窓からの採光と正面の照明の光が対照的です。 -
騎士の間です。ここも天井が高いですね。
「この部屋は屋上の回廊を支えている部屋だよ。ラ・メルヴェイユ棟に戻ってきたんだ。」モンサンミッシェル修道院 騎士の間 寺院・教会
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入場時には気づきませんでしたが、出口に向かう際に目に入ります。切符売り場の右手に立つミカエル像が見送ってくれました。
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尖塔の先のミカエル。華麗な後姿です
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トリもいます。まったくものおじしません。堂々と迎えてくれました。
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大砲は敵を迎え撃つ準備を整えています。
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聖オベール礼拝堂が眼下に見えます。ここに修道院を開いた司教が祀られています。
「自然にさらされている感じがするね。海が荒れたら大変そうだ。」 -
西日が傾いてきたので、影もずいぶんと長くなりました。海沿いの通路を通ってシャトルバスのバス停を目指します。
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ホテル レ テラス プラールの前にやってきました。島の入口のオムレツ屋さんの系列と思われます。メニューの看板が赤く統一されています。メニューには日本語が併記されていることにも気づきました。
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明るいうちに大陸側に、ホテルに戻ることにします。
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ホテルのレストランのメニューを確認して部屋に向かいます。
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部屋の窓に沈む夕日です。好天に恵まれた一日に感謝です。
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食事の前に近くのマーケットでシードルを購入しました。王冠だったので、ホテルのレストランで開栓していただいて、部屋でいただきました。ブルターニュ地方は、フランスのほかの地方に比べ気候が厳しいため、ブドウの栽培には適さないそうです。そこで生まれたのがりんごのお酒、シードルです。ガレットも、厳しい気候でも育つ蕎麦ゆえなんですね。
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部屋でひと休みして、ホテルのレストランを訪れました。チェックインのときに予約済みです。案内されたのは奥の壁に沿った落ち着いたテーブルです。セットメニューから、前菜にムール貝の大盛りが選べるセットと生ガキを選べるセットを2人で注文して、シェアしました。メインはビーフと白身魚。名物のプレ・サレ(羊)とオムレツはなんとなく選択外に。ワインは比較的地元に近いボルドーの白ワイン。生ガキは、日本でいただくカキに比べ少しやせている感じがして、お味のほうもかなり淡白な感じです。意外だったのはムール貝。パリの専門店では「バケツいっぱいの」というような表現を見かけることがあります。このレストランでは、バケツほどの大きさではありませんが、2人でいただくには十分な感じの量がドンブリ(?)いっぱいに盛られて運ばれてきました。熱々のムール貝を手づかみでいただくのが、とても美味で、ドンブリいっぱいの量もあっという間に完食です。ワインとの相性もよく、大変美味しくいただきました。
ホテル ル ルレ デュ ロワ ホテル
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食事を済ませた後ひと休みして、今日2回目のモンサンミッシェル訪問です。シャトルバスに乗って、島側のバス停までやってきました。ライトアップされたミカエルは、昼間と同じように、尖塔の上で金色に輝いています。モンサンミッシェルの夜景は、ここで一泊する目的の大半を占めています。
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夜の闇に浮かぶモンサンミッシェルです。想像していたより暗いな。。。というのが実感です。
「家のカレンダーの写真は、長時間露出などの撮影テクニックが駆使されていると思うよ。このカメラでもできるかもしれないけど、どこかに固定しないと。三脚がないから難しいかな。」
この写真は実態を的確に表現できていると思います。お台場から都心を見たときのような光のパワーを、ブルターニュの海沿いで期待してはいけないことは気持ちでは分かっているのですが、旅の高揚感でしょうか。それを期待していた自分がいました。 -
今日お世話になったシャトルバスです。ホテルの近くのバス停にまで戻ってきました。
部屋に戻って、シャワーを浴びます。パリのアパルトマンとは比べ物にならないくらいシャワーの湯量で、とても快適なバスタイムです。部屋の暖房も快適です。ブリオッシュ ドーレ (モンサンミッシェル店) カフェ
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