2018/05/05 - 2018/05/06
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5月から6月にかけて四国へ歩き遍路にでかけました。3年ぶり5回目の歩き遍路旅。
完全歩き遍路は過去に経験しているので、今回はバスや鉄道にも乗って時間短縮(それでも9割は歩きましたけど)。37日間の歩き旅です。
旅行記というよりはお遍路で起こったトピックスやこれから歩き遍路をしてみたいという方への参考情報を中心に書きたいと思います。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 高速・路線バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
3年ぶり5回目の歩き遍路をしてきました。
初遍路の時は結願(八十八ヶ寺すべてに参ること)したとき、自分が千キロを超える距離を歩ききったというとてつもない達成感に包まれて大感激したのだけれど、前回(4回目)はさすがに大きな感動はありませんでした。結願しても“ああ終わった。さあ帰ろう。”程度の感じで。
それで“四国遍路はもう卒業だな”って思ってました。
ところが、なぜかまた歩きたくなって、四国にでかけました。
四国遍路は4県に散らばる八十八の寺のどこから始めてもよく、どういう順番で八十八ヶ所をまわってもいいのですが、多くの人は1番札所の霊山寺からスタートします。
僕の住む地域(兵庫県)からだと、神戸から高速バスで明石海峡大橋をわたって徳島に入るのがもっとも簡単な四国へのアクス。となると、1番霊山寺からのスタートとなります。 -
11時10分、鳴門西PAで下車。高速バスは高松行に乗車します。徳島行だとこのPAには停車しません。
パーキングエリアから1番札所霊山寺までの道案内もありました(四国遍路では参拝する寺院のことを札所といいます)。 -
1番札所霊山寺。ここはいつ来ても参拝者のいる寺で賑わっています。さっそく中に入り、作法に従ってお参りをしました。昨年、知多四国八十八ヶ所をたずねて以来、約一年ぶりのお参りでしたが、般若心経も頭に残っていて、順調に手順通りに参拝を済ませました。
門前にでると外国人がいました。「Hello」と軽く挨拶しただけのつもりだったのに、次の札所へと歩き出したらついてきた。
フランシスコ君、24歳。僕が5回目のお遍路だと言ったので、一緒にいれば都合がいいと思ったのかもしれません。僕の英語はブロークンで、ほぼ単語英語のレベルだから密にコミュニケーションがとれないんだけれど、そこは適当に。
たまたま出会った外国人がスペイン人だったのは縁かもしれないと思いました。
僕は以前スペインのサンティアゴ巡礼路を歩いているからです。
“サンティアゴ巡礼した際にスペイン人には親切にしてもらったから、多少は恩返しするか” -
フランシスコはお遍路の正装をしています。このマネキンは霊山寺の山門前に立っているのですが、彼女とほぼ同じ格好。
菅傘、白衣の上下、輪袈裟(首にかかる帯状のもの)、数珠、頭陀袋(肩掛けかばん)、金剛杖。
もちろん、線香、ろうそく、納札、納経帳といった小物まですべて。これだけ買い揃えたら2万円ほどしたと思う。霊山寺の売店で揃えたというから、売店の人に言われるままにすべて買ったんじゃないかなあ。
僕の格好は釣り用の帽子にスポーツウェア。
弘法大師の分身とされる金剛杖はやめて、トレッキングポールにしていました。その方が機能的だからです。輪袈裟と頭陀袋も省略。歩き遍路はバックパックを担ぐので肩にベルトがくる。首肩まわりはすっきりしたいから邪魔なのです。数珠もやめちゃった。
見た目、お遍路の要素はどこにもありません。
さすがに僕ほど極端な人は少ないが、歩き遍路の人ほど身につけるお遍路アイテムは少ない傾向にあります。ちなみにバス団体の遍路さんは周囲の人と違う格好をしてうくのがこわいのか、元々信仰心が篤いのかわからないが、正装の人が多いです。マイカー遍路さんはきっちりした人とそうでない人の両極端に分かれる傾向にあります。
もっとも崩れているのが自転車遍路さん。金剛杖は自転車では必要ないし、輪袈裟とかぶら下げて自転車は漕げないからね。 -
近年、歩き遍路をする外国人が増えていると聞いたけれど、霊山寺でも3組の外国人をみかけました。次の極楽寺にも別の外国人がいた。
彼らの多くはテントや寝袋をかついでトレッキング感覚でやって来る。フランシスコもそうでした。
「どこかテントを張るのにいい場所知らない?」って聞いてきたから、「6番安楽寺まで進んだら……で宿泊できるよ」と教えてあげました。
(写真は2番極楽寺) -
フランシスコは熱心で様々な質問を投げかけてくる。お遍路について予習もしてきたみたいで、「おまえは5回目なのにどうして白い納札を使っているんだ」なんて上級レベルの質問もしてきます。僕の英語力では返答に困ります。
僕が白札なのは単に前回の残りを使っているからという理由なんだけど。
*お遍路では納札といって名前や願い事を書いたネームカードを参拝の際にお堂に供える習慣があります。
その色はお遍路の回数によって決まっていて、1回から4回は白、7回までは緑、24回までは赤、49回までは銀、99回までは金、100回以上は錦を使います。錦は複数の色糸を使った豪華なもので、幸運を呼ぶアイテムとされています(写真の右2枚が錦)。
錦の札を手に入れようと、納札を入れる箱に手をつっこんで漁る人がいます。無作法なのでやめましょう。泥棒と同じです。ちなみに僕が持っているのは直接ご本人から、またはその知り合いの方から間接的にいただいたものです。 -
フランシスコの質問は続きます。
「ご本尊って何?」と聞かれたときには困った。僕の英語力ではそんな複雑な事柄は説明はできないよ。
「仏教はキリスト教のような一神教と違って神様は複数いて…」なんて話し始めたけけど、伝わらない。
「健康の仏様(薬師如来のつもり)、馬の仏様(馬頭観音のつもり)、オールマイティの仏様(大日如来のつもり)…」なんて言っても理解できるわけないよね。怪訝な顔をするフランシスコ。
「教会だってノートルダム大聖堂とかマリア大聖堂とかサンティアゴ大聖堂とかあるだろう」と言うとようやく納得した顔をしてくれた。
意味合いはちょっと違うけど、まあいいや。
フランシスコと一緒に歩くと疲れるよ。
こんな話をしながら歩いているからスピードがあがらない。
「フランシスコ、納経所は17時で閉まるんだ」と言ったら、
「じゃあ急がなきゃね」って返事がきた。
それからちょっとスピードアップしたけど、基本的にフランシスコはのんびり歩きたいみたい。その程度の歩速では、17時までに6番札所まで行けないのだが。
(写真は3番金泉寺) -
16時30分、5番札所地蔵寺に着きました。僕は近くの宿に予約をいれていたので今日はここまでです。
次の札所、6番安楽寺までは5kmあるので、フランシスコが今日中に安楽寺を打つのは無理だけど、そこまで進んでおけば明日の朝一番で安楽寺を打つことができます。
宿の前でフランシスコとはお別れです。
ところがフランシスコ、「僕も泊まれないかなあ」と言いだした。おいおい。テント泊じゃなかったの?。
宿で聞いてみたら部屋はまだあいており、夕食の用意もできるとのこと。突然の申し出でしたが、臨機応変に対応していただきました。
(写真は5番地蔵寺) -
宿での夕食。和食です。豆腐ハンバーグにお刺身。その他いろいろ。
フランシスコは生魚ははじめてなのだとか。美味しいと言って食べてました。 -
泊まった部屋はドミトリー。フランシスコと同部屋になりました。
翌日5時40分に宿をでました。お遍路は基本的に早寝早起きです。
僕はこのあと別格1番の大山寺にむかいます。6番安楽寺にむかうフランシスコとはここで別れました。 -
14時10分、9番切幡寺に着きました。
333段の石段があり、歩き遍路にとっては最初の難関です。
石段を上がったらフランシスコがいました。別の外国人と一緒。サイモンというデンマーク人でした。たまたま出会った外国人が連れ立って歩くというのはごくありふれたことです。
このあと、彼らと一緒に3人で歩くことになりました。 -
フランシスコは道をいっぱい間違えたそうです。というのは、彼は日本語が読めないから、こんな看板にも反応して右折してしまうのです。僕と一緒なら安心だと思ったらしく、再会したときはホッとしていました。
*四国遍路の道標はいろんな種類があるのですが、その多くは赤色の矢印で示されています。
このあと鴨島まで歩いて、三人一緒に泊まりました。 -
スーパーに買出しに出かけました。明日から山の中に入るので、昼食までの食料を確保しなければなりません。
おにぎりの具について二人の質問攻めにあいました。
「これ何?」「鮭」
「これ何?」「ツナ&マヨネーズ」。
中の具が魚だとわかると、フランシスコは手にとったおにぎりを戻します。昨日、まぐろの刺身を美味しいと言っていたのはお愛想だったの?。
さらに質問は続きます。
「これ何?」「ジャパニーズピクルス、ソルティ(梅干の説明のつもり)」
「これ何?」「チップスドフィッシュ…(おかかってどう説明すればいいの?)」
「これ何?」「……(昆布なんて単語、知らないよ)」
彼らといると楽しいけど疲れます。 -
(ご参考)
○鳴門西PA→1番霊山寺 1.5km。楽。
○霊山寺→2番極楽寺 1.5km。楽。
○極楽寺→3番金泉寺 2.5km。楽。
○金泉寺→4番大日寺 5km。楽。
○大日寺→5番地蔵寺 2km。楽。
●地蔵寺→6番安楽寺 5km。楽。
○安楽寺→7番十楽寺 1km。楽。
○十楽寺→8番熊谷寺 4km。楽。
○熊谷寺→9番法輪寺 2.5km。楽。
○法輪寺→10番切幡寺 4km。ラスト0.5kmは上り。境内に333段の石段。きつい★。
○切幡寺→11番藤井寺 9.5km。遍路地図ではふたつのルートが示されています。阿波中央橋ルートより川島橋ルートがおすすめ。沈下橋があり風景に変化、距離も短い。
[別格ルート]
●地蔵寺→別1番大山寺 6.5km。3km過ぎから長い上り坂。ほぼ舗装路だが所々地道と交差する。遍路地図に従い地道を通る方が良い。舗装路は大きく迂回し距離がありすぎる。きつい★★。
●大山寺→6番安楽寺 7km。打戻りになるので長い下りになる。
*写真の地図が通称遍路地図。歩き遍路は皆さんこの地図を使っています。
ページによって縮尺が違ったり方位が違ったり、情報量が多すぎてかえってわかりづらかったりと、慣れるまでは大変です。ただし宿情報が充実していて重宝します。
霊山寺売店の他、ネット通販でも購入可能です。
*ほとんどの歩き遍路(除野宿派)は1日目は5-7番付近の宿、2日目は鴨島に泊まります。鴨島の先はしばらく宿がないので、鴨島で止まる以外選択肢がありません。相当慣れた人でなければ一日で鴨島(または切幡寺近辺の宿)までは無理なので、鴨島までの行程を二日で歩きます。
必然的に初日はその中間付近の宿をとることになります。
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