2018/05/22 - 2018/05/27
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5月から6月にかけて四国へ歩き遍路にでかけました。
3年ぶり5回目の歩き遍路旅。完全歩きは過去にやっているので、今回はバスや鉄道にも乗って時間短縮(それでも9割は歩きましたけど)。37日間の歩き旅です。
今回は旅行記というよりはお遍路で起こったトピックスやこれから歩き遍路をしてみたいという方への参考情報を中心に書きたいと思います。
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- 徒歩
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-
[四国4県でいちばんきつかったのはどこか]とお遍路経験者に聞くと、高知県と答える人が最も多いでしょう。距離が長いのに寺院の数は少ない。ただひたすら歩くだけの単調な日は精神的につらいです。
でも僕がつらいと思うのは愛媛県、特に南予がきついなあと思います。宿毛で高知県と別れてから、松山に入るまでは峠の連続。体力的にもそうだけど、“また峠越えか”と思うとテンションが下がります。
高知県から愛媛県に入ります。県境にあるのが松尾峠。木の根道の上り。歩きにくい道で体力が必要です。
峠を境として愛媛県側に入ると、道の雰囲気ががらっと変わる。おだやかな整地されたスロープになるのです。ここは県境なので、峠の前後で管轄者がかわる。高知と愛媛の考え方が違うのでしょう。 -
松尾峠の先で遍路ルートは二つに分かれます。国道56号と県道299号。
早いのは国道だけど、何もなかった土地に、ただ都市間を結ぶために引かれたような殺風景な道で、なんの面白みもない道です。
県道299側は旧道らしく、舗装路と旧道が交互にあらわれます。道標もしっかりしている。こちらの方が楽しいので、僕は旧道を歩きます。
遍路地図ではルートに指定されていませんが、宿毛から国道56号を歩き通して観自在寺にむかうのがいちばん早くて楽です。もっとも、延光寺から観自在寺まで、つまらない道を延々25kmも耐えなければなりませんが。 -
40番札所観自在寺。町の中の寺です。
こちらの納経所は本堂の中にあります。この立地パターンは6番安楽寺などいくつかあります。
納経所にはお寺の方が常時待機しているので、そばで読経を聞かれていると思うと意識してしまいます。職員の方は僕のことなんか気にしていないのだろうけど。 -
観自在寺から宇和島への道は3ルート。灘道と中道と篠山道。
江戸時代は中道がメインだったそうですが、お遍路さんの通行は禁止されていたそうです。よって遍路地図でも中道はお遍路ルートには指定されず、灘道が記載されています。
その中道が近年ハイキングロードして整備されたと聞き、歩いてみたいと思いました。
ただ、調べてみたら中道ルートはかなりの険しさ。観自在寺から宇和島まで14時間かかるとのこと。その途中に泊まれるような町はありません。仮に中道を途中で離れて宿泊施設のある津島まで歩いたとしても10時間かかるという。中道を歩くのは、テントでもないと厳しそうです。
そこで今回は津島までは通常のお遍路ルートをとり、津島から中道を歩いてみることにしました。これなら少しだけど中道を歩けます。
お遍路18日目、宿毛を出発して今夜の宿のある津島にむかいます。宿毛から津島は50km以上あるので、一部、バス移動。観自在寺から1kmほど歩いたところ、背後からバスがやってきたので、近くにあった停留所から乗り込みます。
バスは国道56号を走ります。遍路コースだと柏から峠道に入りますが、バスはそのまま国道を走ります。海岸沿いのコースです。
柿ノ裏というバス停で下車しました。ここから歩けば、18時頃には津島に到着できるだろうと、距離を逆算して降車地点を決めました。
ちなみに、この国道ルートは峠道よりも距離はありますが平坦で歩きやすい道、お遍路さんの中には峠越えではなくこちらを選ぶ人もいます。" -
お遍路19日目、津島の宿を出て西へ3km、満願寺を目指します。
万願寺は臨済宗の寺。禅宗らしいシンプルな感じです。 -
満願寺から中道ルートを歩きます。野井坂遍路道とも言われます。まずは岩松川沿いを進みます。
野井橋を渡り少し歩いたところにお遍路の墓がありました。 -
舗装路を離れ土の道へ。このあたりはまだよく整備されて歩きやすい道でした。
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丸太を束ねただけの橋を渡ります。こんな小さな橋にも、ちゃんと宮崎橋と名前がついています。
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橋を越えると山の中へ。落ち葉が深かった。歩く人が少ないからなのか踏み固められていません。フカフカで沈む感じの足元。
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しばらくは木々の中を歩いていましたが、やがてパッと視界が広がり、谷間の集落が見えました。山深い地区。
このあたりが峠らしく、その後は急な下り。ドンドン下ります。 -
満願寺から2時間で大きな道路にぶつかりました。ここで一般的な遍路道(灘道)と合流、宇和島にむかって歩きます。
このあと宇和島市内に入り、龍光院、龍光寺、仏木寺と打ち、お遍路19日目は終了。 -
お遍路20日目、仏木寺近くの宿から歩き出します。
宿をでて5分程であらわれるのが歯長峠。
写真の場所は歯長峠の手前のまだ前哨戦といった場所なんだけど、それなりの坂、かつ敷石が歩きにくい。 -
敷石の道が終わると舗装路。少し歩いてから、また土道に入ります。
この写真の場所が歯長峠道への分岐点。舗装路側のセメントに、スリップしないよう溝が刻まれていることからも、ここが急角度の道だとわかります。舗装路側でもそれなりに厳しいのに、地道はより高い峠のてっぺんまで、かなりの角度で上がることになります。 -
舗装路をそのまま進めば歯長トンネル。峠の上まで上がらなくてすむので、ちょっと楽。
僕は直進してトンネルを歩きました。写真では伝わらないけど、舗装路でも呼吸が荒くなる坂道です。 -
43番札所明石寺。まだ新しい瓦が輝いています。黄色みを帯びたもので、台湾の寺院とかで見られそうな色味をしています。
明石寺をでるとちょっとした小山を越えて卯之町へ。坂また坂です。 -
明石寺から10km。ここでルートの選択。鳥坂峠道かトンネルのどちらかを歩くことになります。ここは峠道を歩きました。
歯長峠と鳥坂峠のふたつを越えると体力を使うので、今回は歯長峠はトンネルにして、鳥坂峠は山道を歩くことにしました。体調が良ければ、ふたつとも峠でもよかったけれど、この日の調子をみて、峠ふたつはきついなあと判断しました。
愛媛は峠の連続なので、適当に楽しておかないと、すべて峠道を歩くと大変です。
今回は峠道を選びましたが、鳥坂の道の選択は、毎回迷います。はっきりどちらかが優位な道であればいいのですが、一長一短です。
峠道は面白いけれど長くて辛い。特に、すぐ横に車が走れるだけの勾配におさえた道があるのにわざわざ急坂の旧道を歩くというのは、損した気分になります。
でも、鳥坂峠の場合、トンネルがいいかと言うと…道が良くありません。 -
鳥坂トンネルは歩道がありません。側道を歩くことになります。しかも交通量が多い。恐いです。(2015年撮影)
こういった道では僕は対向車を自分で視認できるよう、右側を歩きます。万が一の時に逃げられるようにです。中央線側に寄ってくれたりアクセルを若干緩めてくれる車は、こちらの姿を認識しているのだとわかるけれど、そのままの速度でまっすぐ向かってくる車は、果たして歩行者を認識しているのかと疑ってしまう。本当に恐い。
しかも、鳥坂トンネルは1117mもあります。四国遍路で最も危険なトンネルといえるでしょう。
雨なら腹くくってトンネルを選択するけど、そうでないと、峠かトンネルか迷います。 -
ちなみに、分岐点にはこんな案内板がありますが、これ間違ってます。『峠道、札始大師堂まで5.5km 約60分』と書いてありますが、実際に歩いたら100分かかりました。一般的に4km60分とされるから、5.5km60分というのはないです。まして、峠の坂道ですから、もっと時間がかかります。
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峠の上りはけっこうハード。路面が荒れていました。
峠の頂上あたりにあるのが日天月天様。御神体は円形の石で、鳥居形の木の枠と石板で保護するようにおおわれています。素朴な形状。古来から脈々と受け継がれてきたのかと思われます。
峠の下りは小砂利が多い道ですが、傾斜が緩やかで歩きやすい。木漏れ日が気持ちよかったです。
バードウオッチングのおじさんと会いました。ここに限りませんが、遍路コースが山に入ると鳥の鳴き声が聞こえてきて、気持ちがいいものです。 -
番外霊場の札掛大師堂。
建物は朽ち果てていました。弘法大師像だけが残っていました。 -
これは2014年の札掛大師堂。
建物はありましたが、家財道具が建物の中に詰め込まれていて廃屋状態。こんなところで読経して意味があるのかと思いながら、般若心経をあげたおぼえがあります。
今回訪ねたら、建物が崩れかかってました。4年経ってさらに荒れてますね。 -
お遍路21目は大洲から別格7番出石寺へ。一日がかりの打戻のルートになります。
そのほとんどは舗装路。ゆるい上り坂が続いて、とにかく長い。長くて長くて飽きます。 -
大洲市街からはずっと舗装路でしたが、この分岐から約3kmは地道。木々深い中を歩いていきます。ここは歩きたくない。理由は臭いからです。獣臭。おそらくは猪のものと思われます。
今回はさほどではなかったが、以前雨上がりの日に通ったときは、落ち葉の下から立ち上る蒸気とともに獣臭がグワッと立ち上り、鼻がひん曲がるという表現がピッタリするほどきついものでした。臭いの原因はおそらく猪。
猪は夜行性だそうですが、木々のせいで薄暗くて猪が出てくるんじゃないかと怖かったのを憶えています。 -
別格7番札所出石寺。標高800mを超える山の上にあります。山寺らしい雰囲気があります。
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お遍路22日目、朝は早めに大洲を出ました。大洲には別格8番十夜ヶ橋(永徳寺)があります。ここは八十八ヶ所には入っていませんが、ルート上にあるので、立ち寄ることをおすすめします。
お遍路さんはその道中、橋の上では杖をつかないという決まり事があります。その風習が生まれた場所がここ十夜ヶ橋です。いわれはネット検索すればすぐでてきます。
弘法大師が夜をあかしたとされる橋は今はコンクリート製。風情はないですが橋の下に寝姿の弘法大師がいらっしゃいます。 -
大洲から44番札所大宝寺へは大きく二つのルートに分かれます。鴇田峠ルートと農祖峠ルート。標高差が少なく歩きやすいのは農祖峠ですが、鴇田峠ルートを歩く人の方が多いみたい。なぜですかねえ。僕はどっちもどっちかなあと思うのですが。
今回は鴇田峠ルートを選択しました。農祖峠を避けたのではなく、鴇田峠ルートから少し入ったところにある石鉄寺を訪ねてみたいと思ったので、必然的に鴇田峠ルートになりました。
鴇田峠ルートと農祖峠ルートの分岐点にはしっかりと表示があります。僕は左の道を歩きます。 -
総津落合の分岐点。遍路コースは右だけど、まっすぐ進んで広田方面を目指します。分岐点から15分も歩けば今夜の宿に到着です。
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荷物を置いて、前から興味のあった石鉄寺をめざします。豊峯神社と同じ敷地にあるようで、そちらのほうが名が通っているみたい。神社ですから、入口は鳥居です。
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奥に進むと空気が一変。巨岩が迫ってきて、いかにもの雰囲気。
緑が深いです。川が流れてるせいで、湿度が高く、植物が繁茂するのに条件がいいのでしょう。 -
苔むしたお地蔵様。苔の量が年月を感じさせます。
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石鉄寺は無人で、近くの青厳寺が管理されているようです。そこには『51番石手寺奥の院、石鉄寺・青厳寺』と書かれていました。
奥の院とは本堂の奥にある開山祖師の霊像や神霊を守った所と辞書にありましたが、いくつかまわってみると、定義は色々のようです。
石鉄寺は山の中にあるので、民衆が参拝しやすいように道後の地に石手寺を建てたのかなあなんて想像できます。 -
ところが、以前、石手寺でうかがったところ、石手寺の奥の院は石手寺の裏手10分程の所だと教えられました。実際にそこに行ってみると納骨堂が建っていて、そのフォルムは奇抜で、なんでこんなもの造っちゃったの?って印象でした。(2015年撮影)
石鉄寺の方がよっぽど奥の院らしいです。 -
お遍路23日目、再び遍路ルートに戻り先を目指します。
このあたりが鴇田峠の頂上。標高約790mです。峠越えは長くて、また790mと高いけど、極端な急坂はありません。つまり、印象ほどにはきつくないということです。 -
この日は久万に宿をとりました。昼前ですが宿に立ち寄り荷物を置かせてもらって再度出発です。ここから先は道が厳しい岩屋寺打戻りなので、荷物は軽くするのが賢明です。
11時50分、大宝寺着。想定より遅れての到着です。途中で立ち寄ったコンビニにトレッキングポールを忘れて取りに戻ったのが痛かった。 -
大宝寺から岩屋寺へ。出だしの地道は峠越え。ここはちょっときつい。楽したいなら、回り道になるけれど、車道をとることです。
大宝寺から岩屋寺へはいくつか道があるが、歩いて楽しいのは山道。八丁坂はきついけれどチャレンジしがいがあります。 -
45番札所岩屋寺。岩塊せまる寺院です。修行の寺という雰囲気がして好きです。
ここは駐車場から本堂まで長い階段があります。歩きたくないからこその車遍路であって、200段を越える石段の道を15分かけて歩くのは苦行だと、出会った車遍路さんが言っておられました。 -
(ご参考)
○39番延光寺→一本松 17km。宿毛までの国道56号、車多くビジー。松尾峠の上りは木の根道で急。下りは楽。 きつい★★★。 好き★。
宿毛からも国道56号を歩くのが楽。ただし、つまらない。
○一本松→40番観自在寺、県道299から僧都川沿いの道がおすすめ。12km。起伏あるが下り傾向。川べりはのんびり。国道56号は平板で速いがまったく退屈。
○観自在寺→柏坂 10km。国道の歩道。八百坂は長い。きつい★。
○柏坂→津島 15km。柳水大師への道、きつい★★。 柏坂から国道56号を進む方が距離は長いが楽。
○津島→別6番龍光院 15km。松尾峠は特にいい道でもない。トンネルが楽。
オプションの野井坂遍路道は好きな道★。きつい★。
○龍光院→41番龍光寺 10km。ゆるいが長い上り。
○龍光寺→42番仏木寺 2.5km。龍光寺からの出だしがややわかりくい。駐車場から奥へ。
○仏木寺→43番明石寺 11km。歯長峠、きつい★★★。
○明石寺→大洲 21km。鳥坂峠はきつい★★。鳥坂トンネルは恐い★。鳥坂からの国道は雑草の歩道、嫌い★
○大洲→別8番十夜ヶ橋→突合 30km。五十崎の先に水浮く地帯あり。
○突合→44番大宝寺へは2ルート。 ①鴇田峠ルート 20km。きつい★。②農祖峠ルート 22km。鴇田ルートより2km長いが標高差小さい。きつい★(鴇田峠よりやや楽)。
□大宝寺、好き★。
○大宝寺→45番岩屋寺→久万 19km。 ①峠御堂トンネル経由県道12号での往復がいちばん速い。起伏あり。きつい★。 ②大宝寺裏地道、きつい★★。 ③高原ゴルフ場前→八丁坂下、きつい★。好き★。 ④八丁坂下→八丁坂→岩屋寺、きつい★★★。 ⑤八丁坂→古岩屋裏→川沿いに岩屋寺。起伏は並行する県道並。
□岩屋寺、好き★★。
[別格ルート]
●大洲→別7番出石寺→大洲 24km。出石寺へは大洲に連泊し打ち戻る人が多い。往路は長い上り。JRガード越えたあたり道標なく道右左折する。一部メンテ悪い地道。ここは避けて阿蔵まで車道にしたらいいと思う。最後の1kmだけきつい★。
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