2017/09/02 - 2017/09/10
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sallyさん
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今回のスペイン旅では、一番語りたいことがあるかもしれないこの話題。
”今年はスペインに行こう”と9月にバルセロナ行きの航空券を買ったのは3ケ月まえの6月だったけれど、そのあと現地情報を調べるうちに、いろいろと憂鬱に。”ほんとうにスペインに行くのかな? 行けるかな?”っていう。
なかでも、出立日の2週間前に起こったバルセロナのランブラス通りで起こったテロは大きかった。
無事に帰ってきた今となっては「美味しかった、楽しかった、深い歴史があった、行って良かった!」という部分がスペイン旅の記憶をすっかり占有してしまいそう。
行くか、行かないか、行っていいのかのスペイン旅”前”の葛藤の日々を書きます
-
《1》カタルーニャ独立投票を知る
2017年7月初旬。
行くのは9月で、航空券を予約したのが6月。
3ケ月ある。
スペインの現地情報を集めようと4トラベラーさんオススメの「スペインニュース.com」を読み始めた。
そして知った。「カタルーニャ地方のスペインからの独立投票」
、、、やるんだ?
それも・・・スコットランド独立投票の時のイギリスのように、国会が承認した形でなく、自分たち発信で自分たちが宣言してやるんだ・・・なるほど、そういうお国柄なんだ・・・。
この独立投票は10月1日実施。
わたしのバルセロナ行きはその1ケ月前の9月初旬。
バルセロナはカタルーニャ州の州都。
少しキケンかなぁとも思ったが、旅行はその1ケ月前だし、町歩きで”ナショナリズムが昂まってるなぁ”くらいで距離をおいた感じの感覚を持つくらいで済むだろう、「直接の被害はないだろう」と判断した。
この頃はまだ余裕だった。 -
あれが「カタルーニャ独立」の旗。
スペインの国旗は赤と黄色の縞模様。
そこに青い三角に白い☆印が入ったあの旗が「カタルーニャ独立」を支持することを表明する旗なんだそう。
バルセロナ滞在中、街中のマンションのベランダやバルコニーから旗を垂らして、自分の意思表明をしている部屋を見かけた。そして、たまに「独立支持」の旗と、ただのスペイン国旗(つまり、スペイン残留支持)が隣り合わせたバルコニーもあって、こちらがドキドキする感じだった。 -
《2》スペイン国王、イギリス女王晩餐会で政治的な発言
7月中旬にはこんなニュースもあり、スペインって国をまた少し知った気がする。
ここ数年行っていたイギリスでは、王は「君臨すれど統治せず」が基本で、政治的、外交的な発言は基本的にしない国だった。
だから、いつもチラ見しているイギリスのニュースでスペインの国王(背が高くて相当美男子!よって目出つ。)が、イギリスエリサベス女王の晩餐会で、なんだか不穏な発言をしたらしい、ってニュースには驚いた。 -
「フェリペ国王、英議会でジブラルタル問題に言及」
ジブラルタルってスペインの先っちょにある半島が、何故かイギリスの領土なんだよなぁってことは、うっすらながら知ってはいたんだけど、
そのイギリス領ジブラルタルについて、スペイン国王がやんわり「いつか返してくれるといいんだけどな」的真意をこめて、そのタブーな地名に触れた(!)って話で。
へーーーーー、スペイン国王ってアグレッシブなんだな!
エリザベス女王は流石にシレっと流した模様だけど(上の記事)、内心はどうだったか。ポーカーフェイスが英国の流儀でも内心結構びっくりしたんじゃないだろうか。 -
《3》バルセロナ・エルプラッツ空港のストライキ
労働者のストライキはヨーロッパの国では珍しくないんだろうけど、短い期間を移動しなくてはならない旅人にとっては、大きな関心事。
以前、ロンドンで地下鉄のストに遭いそうになってヒヤヒヤした経験があったので、マメにチェックしていた。
旅の2ケ月前には国内線を初め、都市間のバス移動、スペイン国鉄の1等車をすでに予約してしまっていたから、ストライキが早めに分かれば対応のしようがあるだろうと。
(写真はバルセロナ・エルプラット空港 横に広い広い空港でした) -
「8月11日 バルセロナエル・プラッツ空港のセキュリティーコントロールのスタッフ24時間ストに突入か?」
スペインニュース.comというサイトにこんな記事が。
それまでも、大都市バルセロナでは、タクシーのスト、バスのスト、とあって大丈夫かなぁとは思っていたが、ここで自分の旅程に直接関わりそうなストライキが出てきて、ドキーン。
”まずいなぁ・・・”
「週3回4時間のスト」とあるが、これがこの後しばらくエル・プラット空港から搭乗する旅客に大混乱を与え、予定の飛行機に乗れない客が続出したニュースも読んだ。
バルセロナ領事館からの「お知らせ」にもなるべく早く空港へ来るようにとあったりしてヒヤヒヤ。
(これは結果的には、この後起こるもっとも甚大な出来事、バルセロナのテロがあって、労使交渉は一旦休止。少なくともその後しばらくはストライキは再開されず、自分の旅程に影響を与える事はなかったが。) -
《4》バルセロナでの観光客迫害行為
「バルセロナのアンチツーリズム団体が観光客用自転車やバスを攻撃」
8月初旬の記事。
バルセロナで観光客用のレンタル自転車がパンクさせられたり、観光バスの前面ガラスにスプレーで嫌がらせを書かれたりという事件が起こる。
極右政党に雇われた若者のグループが反ツーリズム行為をはたらいて・・・
つまり働いてない若者ってこと。”訳のわからない不満と有り余った精力とで、そういうことすんのってなんなのー、”だった。
このあたりから、他所の国のことながら、スペインってほんと治安が悪いんだなーと怖くなりはじめた。 -
”Tourist go home ”ー「観光客帰れ」
実際、こんな落書きをバルセロナゴシック地区で見かけた。
滞在中は怖いことはなかったけど、こういう人たちが少なからずいるんだって緊張感はずっとあったかな。
ただ、それとは別に、いろいろ読んでみると、バルセロナという観光都市ならではの異常さも知った。
旧市街を歩けば、8割は観光客だというし、年々増える観光客のせいで不動産や物価が上がり続け・・・ 開放感ある海辺を求めてやって来る観光客の素行の悪さには地元の人たちは子供の教育に悪影響と頭を悩ませる。
今夏では、イギリス人観光客が、スペイン滞在中に食べたもので食中毒にあったと医療費請求する"詐欺"が横行したらしくイギリスのニュースでも大きく取り上げられていた。
確かに大勢の観光客は現地の人たちを窒息させてしまいそうで気の毒に思った。
そんななか、バルセロナ市長が取った施策は、市の条例で数年間新規のホテル建設は許可しない、もしくは、建築中なら凍結、というもの。これは一部で大混乱を招き、ついにマンダリンオリエンタル(だったか?世界的なホテル)が撤退したという。
その施策の良し悪しは別にして、観光客が押し寄せる街の苦悩の一面を知る。 -
《5》バロセロナでテロ
8月17日、バルセロナのランプラス通りでテロ。
朝起きて、テレビからこのニュースが聞こえてきてあまり驚かなかったのは自分でも意外だったが、それと同時に「ダメだな、スペイン行けないな」と思った。
ここ数年ヨーロッパの都市に行くというのはテロがないとは言えない街に行くという事だと考えていたので、「航空券を買ったあとに、もしテロがあったら行かない」と覚悟しているところはあったから。
しかし、、、。 -
イスラム国の犯行声明が出る。
でも、彼らはどこまで直接関わっているのか、実際のところわからない。
イスラム国どうこうよりショックだったのは、テロリストが10代後半と20歳になったばかりの若者たちで、彼らを40代のイマム(イスラム教の指導者)が巧妙に率いていたという事。若者を兄弟ごとグループに組み込むことで、グループへの忠誠心と外部へ情報が漏れることを防いだのだった。
ランブラス通りを歩く人々を白いバンで跳ね続けた恐ろしい主犯格は、単独犯だったこと、モロッコ移民だったこと、しかし決して孤独な青年ではなく、賢く、優しい子で、近所の人達は自分の息子にあの子を見習えというような、みんなの模範になるような男の子だったこと、、、
情報を知れば知るほど、「どうして?」「なんで?」。テロリストになる背景が見えなかった、理解できる部分がなかった。
そして、その主犯格は最後まで単独で逃げ続け、郊外の町で射殺されてしまった。「どうして、そんなことをしたのか」理由を彼から聞くことが不可能になった。
犠牲者のニュースでもっとも忘れられないのは、イタリア人男性で、瞬時の判断で子供二人をかばって自らが跳ねられ、亡くなってしまった父親。ただ家族でのんびりバカンスを楽しみたかっただけだろうに。。。 -
カタルーニャ広場前のホテルをキャンセル
テロがあった数日後「ホテル ミィディウム・モネガル」をキャンセルした。
初めて訪れる街だから移動がしやすいところに宿を取ろうと思ってカタルーニャ広場前の古そうだけど結構割高なこのホテルにしたのだが。
ランブラス通りが目の前のこのホテルにはとても泊まる気になれないなと思ってキャンセルした。テロ直後は、テロリストが潜んでいる可能性があったため、このあたり一帯がすべて封鎖され、自分のホテルに戻れない人たちが出たらしい。
ちなみに、自分の行く、行かないの葛藤とは別に、ホテル予約サイト「booking.com」の予約率はテロ後もほとんど変化なかったのは少し驚きだったり、やっぱりな、だったりした。 -
さて、スペインに行くかどうか決めなければ。
事件直後、瞬時に思ったのは「スペインには行けないな」だった。
まずはスペイン行きの航空券をキャンセルすることを考えた。キャンセル料金は2万円だ、これはまぁ仕方ない。航空会社で直接買った分、キャンセル料としては安く済んだ、と考えることも出来る。
でも、今年の旅はどこに行こう? と。休暇日程を変更するのは今更無理なところもあって、この日程でどこに行く?と思った。
ロンドン? パリ? ベルリン?
どの都市もテロがないともあるとも言えない、それで、「どこへ行っても一緒だ」と思った。
そんな風に考えてたら、いい案が浮かんだ。
バルセロナIn マドリッドoutの航空券はそのままで、スペインから隣の国のポルトガルのリスボンへ飛ぶことだって出来るんだ、と。
もちろん、リスボンだってテロがないとは言えないけど、少なくともISのテロ対象リストとして高レベルのスペインとは違う。
そう考えたら「とりあえず行ける。」と決断できた。 -
そして、最大の課題は家族の説得。
が、これは思いもしない形でクリアできた。
親がバルセロナでテロがあったことは知っていたが、
"バルセロナはスペインの都市だ"とはわかってなかった(らしい)こと。
これは親には悪いのだけど、”助かった!”と思った。
スペインとかバルセロナとか、当初からハッキリと旅先の地名を言っておかなかったのもあるのかもしれない。
まぁ本当は知っていた感じもあるけど、聞いていない。
寝た子は起こさないのが良いことだと思う。 -
ポルトガルのリスボンなら、スペインに着いてからでも航空券が取れるということに気付いてから、気はラクになった。
国際線の航空券はそのままで良いことになったわけだ。
でも、それ以外の予約はどうする?
(写真はカタルーニャ音楽堂) -
スペイン旅で予約してあったものの合計は6万円。
今回わたしには珍しく、現地ツアーを2本も予約してしまったし、鉄道、飛行機、バスも予約済みでキャンセルすれば全てパァだ。
6万円・・・。
これまで4トラベルの旅行記で、テロ後の都市を歩く方たちの旅行記を読んで、”勇気あるなぁ”と思っていた。”自分なら行かない”と。でも、今回わかった、自分は行く、と。外務省が行くなと書かなくて、集めた情報で明らかに危険だと思うものがなければ、自分は行く、と。
実際、お金と休暇は問題だ。せっかく取れた休暇はもう動かせないし、お金だってキャンセル料金は約6万円前後になる。"まぁいいか。"とはならない額。
6万円払ってキャンセルして、別の国に行ったからといって、間違いなく安全な他の国が旅出来る、って保証はないし、そもそもテロがなくても、スペインを予定通り歩けても転んで怪我したり、スリにあったりしたら、、、
誰かに相談したら「行くのやめなよ」って間違いなく言われる。自分が相談されたら、そう言うだろうから。結構ひそかに悶々としてしまった。 -
旅のスケジュールはスペイン6泊8日で
バルセロナ2泊を皮切りに、グラナダ2泊、コルドバ1泊、マドリード1泊と忙しく周遊するもので、
予約してしまった旅程の詳細は、
バルセロナ2泊
・タパス巡りツアー 8,000円
・ガウディ・バルセロナ市内観光ツアー 12,000円
バルセロナ→グラナダ 空路ブエリング 11,000円
グラナダ2泊
・アルハンブラ宮殿入場券 1,500円
グラナダ→コルドバ ALSAバス スープラエコノミー 3,000円
コルドバ2泊
コルドバ→マドリッド AVE 1等席(スペイン新幹線)9,000円
・・・リスボンに飛べばいいや、と考えたら気はラクにはなったものの実際これだけ決めてしまうと
「スペイン旅の色々決めて払っちゃったし、行ってしまおう、、、でも、やっぱり、、、」と逡巡としていたら、、こんどはバルセロナではなく、コルドバに・・・。
(写真は、コルドバの「メスキータ」) -
《5》コルドバ出身者が、IS動画に。
8月24日、テロから1週間後。
「イスラム国、スペインへのさらなる攻撃について、初めてのスペイン語版動画を通して言及」
スペイン紙 El Pais(エル・パイス)の「テロ、その後」をずっと読んでいた。
”テロは怖いが、正しく怖がりたい。”
どの程度大丈夫なのか、大丈夫なのかどうかは全く見えないものなのか、判断するには情報がないとと記事を漁り読みしていたら、これが出てきて、ガ~ン。
イスラム国初のスペイン語話者によるプロパガンダ動画で話しているこの人は、コルドバ出身の若者であることが判明。
スペイン南部アンダルシア地方の街「コルドバ」へ行くことを決めていて、バスや列車の手配は済んでいた。バルセロナは諦めて他の街だけまわろうかなと思っていたら、今度はコルドバ出身者が、IS初のスペイン語話者として動画に出るって・・・。”なんなんだよーーー!”
コルドバのメスキータは、昔はイスラム教のモスクで今はキリスト教会。
彼らイスラム国にとって奪われた土地。恨みをはらすために爆弾とか仕掛けないよね?
マイナス思考のエスカレーション止まらず。。。 -
スペイン南部の街「コルドバ」。
コルドバといえば、「メスキータ」。メスキータはスペインにまだイスラム教があった時代に建てられたモスクだ。
その後、この土地がキリスト教化されたのを受けて、この赤白アーチが印象的な歴史あるモスクの中に、なんとキリストの大聖堂を埋め込んでしまったという。ちょっと口で説明しただけでは想像のつかない建物だ。
(写真はメスキータの内部) -
《6》アルハンブラ宮殿がイスラム国のプロパガンダ動画のイメージ画像として使われる
上の「コルドバ出身者がIS動画に登場」の記事と前後して見つけた記事だったので、再びにガーーーーーーン。
アルハンブラ宮殿のある街「グラナダ」も旅程に組んでいて、やはり国内線航空券を購入済みだったのだ。
「イスラム国のプロパガンダ動画に、アルハンブラ宮殿を使用。それについて明確な脅威を言及していないものの、テロリストグループは徐々にスペインを標的としてきている模様」
”なんでまた・・・。わたした行こうとする街が次々にイスラム国に絡んで行く・・・。” ・・・落ち込む。
・・・まぁ、落ち着け、自分。
そもそも記事はよくみたら2016年のもの。(急にスペインがターゲットになったわけではないという事。まぁそれも怖いが。)
このISプロパガンダ動画には、アルハンブラ宮殿以外にローマやバグダットの画像も使ったらしいし、アルハンブラ宮殿への急襲とか、なにか具体的な言及があるわけでもない。ただのイメージ背景に使ったと、記事にあるじゃないか・・・。
でも、"アルハンブラ宮殿もそりゃぁ昔はイスラム教徒の土地でしたよ。ええ。そして私は異教徒で何か言える立場にはないけど、でもでも、トルコのイスタンブールは昔キリスト教だったじゃないですか、それをイスラム教が奪った土地なわけで・・・
いやいや、そんなことより、”そもそもそれは500年以上前の話で、あなたたちISに実害はなかったでしょう?"
悶々としてしまった。”テロリズムって理屈が通ってんのかよ、通ってねーよ、って初めて自分の予定に降りかかり、ぶつけようのない苛立ちを感じてしまった。 -
スペイン最後のイスラム教の街であった「グラナダ」。
そしてグラナダといえば、ここ「アルハンブラ宮殿」。
アルハンブラ宮殿もまたスペインにイスラム教があった頃の、イスラム教徒のお城です。
そもそもグラナダの街はイスラム教徒のムーア人が興した街で、シエラネバタ山脈を背に、自然の地形を生かした城塞を築き繁栄を誇った国だったわけで。。。
そこを1500年代にスペイン全土のキリスト教化(レコンキスタ)に敗れてこの土地を手放しアフリカ大陸へ逃れたイスラム教徒たち・・・
つまり「コルドバ」にしても「グラナダ」にしても、いずれも街ももとはイスラム教徒の街(国)だったのですよね。 そう考えたらイスラム国のイメージ画像になる所以は理解できなくもないのですが。。。
(写真はグラナダ、アルハンブラ宮殿の「ライオンの間」) -
《7》「犠牲祭(イスラム教の祝日)期間に伴う注意喚起
8月下旬、 イスラム教徒の犠牲祭に旅行日程がぶつかっていた事を知る。
外務省の「たびレジ」を登録しておくとメールが配信されるが、こんな安全情報が配信されてきた。
「犠牲祭」
イスラム教徒の神への感謝祭である。羊を屠り近所の人たちに振る舞う日である。
この日程で旅行するひとへの注意喚起だろうけど、犠牲祭ってイスラム教徒の大切な祝日で、ISが何か起こそうもんなら、かえってイスラム教徒の人達を巻き添えにするんじゃないの?と思った。それに、偉大なるアラーの神に背くことになるんじゃないの?と。
だから、まぁ、犠牲祭にぶつかったことは気にすることないと判断することにした。しかし、何から何まで、イスラム国に警戒しなきゃなくて、イヤになる。 -
《8》乗り換え地に向かっている台風、欠航か?
そんなこんなで、いよいよ、 バルセロナ行き前日。9月1日。
48時間前になっているからオンラインチェックインができる時間帯。”いちよう見ておくか”くらいの気持ちでキャセイパシフィックのページを開くと、「(乗り換え地の)香港に台風が近づいているので、ご旅行の延期を進めます。この場合、当社は変更料を無料で承り・・・」と。
『え、え、え~っ』
9月初旬、この時期、成田に台風が近づいていて飛べるかな?ってことは過去にも何度かあったけど、航空会社からの「ご旅行の延期を勧めます」って、かなり積極的なご提案にちょっとヒく。
『まじかよ・・・』 -
香港行きキャセイパシフィック便で成田を旅発つ9月2日土曜日、その日は半日お仕事の日。
お昼に仕事を上がったら、”日常にさらばじゃ!”って成田空港に向かう予定だったのに、この日午前中は香港に迫り来る台風の情報が気になって”仕事してる場合じゃないよな実際・・・”って感じだった、内心。
ま、そうも言えないから、頑張ったけど。
「香港の」台風の情報、日本のサイトでは情報が遅くて、香港の英文サイトでちらちらチェック。そもそも香港ってどのへん?って話で。
香港に迫り来る台風・・・さぁどうしよう。
休暇の変更は今更有り得ないから飛ぶしかない、じゃ他の空港会社で行こうかな、ってなった。
候補にあがった「中国国際航空」。
口コミではやたら評判が悪かったのは覚えていたけど、この際、「飛んでくれればカミ」って感じ。上海から飛ぶし、幸い、バルセロナ着は朝だから、スケジュールは変えないで済みそうだってところも良かった、航空券も安かった。
海沿いで台風上陸をモロに受けそうな香港がもはや恨めしいとも思ったりした。 -
そんなこんなで、仕事終了後、速攻でとりあえず成田空港に向かった。
航空券を買い替えるかどうかは、もうこの段階では成田で判断するしかないな、と。キャセイパシフィックのチェックインカウンターで現況を聞いて判断しようと。
で、成田空港15時すぎ(予定の飛行機離陸時間は18時)に到着。
キャセイパシフィックカウンター、
あっさりチェックイン、何の説明なくチェックイン手続き終了。
なんだったんだ・・・。
もう少し「台風が香港に接近したら飛ばない場合もありますがご了解ください」とか言われるんだと思っていた。 -
9月2日から6泊8日の旅は無事に終わった。
バルセロナ2泊、グラナダ2泊、コルドバ1泊、マドリード1泊。
「バルセロナ」は地下鉄が怖くて街中は都市らしい貧富の差も感じなくはなかったけど、確かにカタルーニャ人としての独立心と強い自尊心を感じる芸術都市だった。あの街はおそらくスペインのなかでも独特なのだと思う。
「グラナダ」ではエジプト人を父親にもつ女の子とちょっと話して「グラナダの街がイスラムの歴史を残すところが好きだ」ってところで共感したりした。
もっとも印象に残った街は「コルドバ」。メスキータの静寂さが忘れられない。
「マドリード」はたった半日の印象では、日本の東京みたい。きちんとしていて新しいという印象を持った。 -
最終的に行ってしまったスペイン旅。
行ってしまった決め手はつまり自分のエゴなんだと思う。
行くかどうかこんなに悩んだのは初めてだと思っていたが、違った。思い出した。2001年のニューヨークテロのあった年、ハワイへの家族旅行を予定していたが、それは行かなかった。キャンセルした。
日本人観光客はテロが起こると行かない、ほかの国からの観光客はあまりそういうことがない、と聞くけれど、テロがあったら行かないって日本人らしい考え方は色んな意味でわたしは良いことだなと思う。
ただ、テロを含め、外国で事故に遭うことが、そのあとの人生に与える影響を真剣にとことん考えてしまった。
行って帰ってきて「何事もなく帰って来れたなー」と少しぼんやりしてしまうくらい現地では緊張して歩いていたと思います。
さて、本日は10月2日。
テレビ、新聞でカタルーニャ独立投票について大きく取り上げていました。
スペイン警察とカタルーニャ州警察のそりの悪さ、、国の警察が国家権力の名のもとに、市民に催涙ガスを投げる、警棒を振るう。
他所の国のこととはいえ、相当野蛮なものでした。
大きな国が分かれ、小さな国が統合する。離合集散を繰り返す歴史。
スペインに行くことはもうないかな、と思いますが、今後のカタルーニャ独立問題はきっとずっと気になると思います。以前、イギリスのスコットランドに独立投票直後に旅したこともあって、以来、スコットランドもずっと注視しているし、中東のクルドとかも学生時代から記事があれば読んでいる。陸続きの国の民族の違い、ほぼ単一民族の日本との違い。。。
「バルセロナ行きを阻んだあれこれ」、おしまい。
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