2017/05/05 - 2017/05/05
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kojikojiさん
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ゴール郊外の「ジェットウイング・ライトハウス」を出て、海岸線の美しい道路をアンバランゴダに向かって走ります。この辺りの海岸線は2004年のスマトラ島沖地震で壊滅的な被害を受けたそうです。ゴールの旧市街は要塞の壁で守られていたので亡くなった方は無かったそうですが、車窓からは壊れたままの建物が数多く見受けられました。特に海岸線を走っている鉄道の被害が大きく、車両が木っ端のように流されたそうです。スリランカ全土で35,322名が亡くなったそうです。車窓から慰霊碑を見ることも出来ましたし、本願寺が寄進したアフガニスタン・バーミヤン遺跡の大仏を模した18メートルの立像を見ることが出来ました。海岸線の波打ち際を走るのでちょっと怖い感じもしました。アンバランゴダに午前10時過ぎに到着しました。大きな町で街中にはMASKSの看板がいくつも見られます。まずは「仮面博物館」へ行き説明を受けますが、これはとても勉強になりました。そして表にある工房を見学させてもらって2階のショップに入ります。このお店の作品は非常にクオリティが高く、作家さんが作っていることが分かります。ピーコックやコブラの仮面も良いのですが、出発前にエーツアーズの岡部さんに教えていただいた白木の仮面に心奪われていたのでいろいろ迷いました。ここだけで決めるのはどうかと思い、他の工房にも行ってみましたが、やはりここが一番だと分かりすぐに戻りました。結果彩色の仮面2個と白木の仮面2個買ってしまいました。カードは使えますが定価販売と強気のお店です。でもこれで人生のバスケットリストの1つが達成された気分です。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- ショッピング
- 5.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- 船 タクシー 徒歩
- 航空会社
- スリランカ航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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ゴールを出てからは海岸線を北上することになります。ガイドのナンダさんから2004年のスマトラ沖地震の被害についてはいろいろ聞かされていました。ゴール旧市街は要塞の壁のお陰で被害が無かったことなど。
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そしてこの辺りは海岸線と住宅地が近かったので被害が大きかったそうです。
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この辺りのビーチはいくつかを除いて遊泳禁止です。ゴールロードを走っていてホテルが建っているビーチは遊泳できるけれど、いくらきれいでもホテルが建っていないということは遊泳禁止だそうです。離岸流がかなり強いようです。離岸流の怖さは以前バリ島の横のレンボンガン島でシュノーケリングしていて感じました。
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この寺院は津波で建物がすべて壊滅状態になったそうです。
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元々はこの沖合まで歩けたそうですが、津波で島になってしまったそうです。驚くことにこの島の建物は全く壊れなかったそうで、それ以来参拝に来る人が増えたそうです。「ミーンガマ・デワル」という名前の寺院です。
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コロンボに向かって右側に日本の本願寺財団がスリランカ政府と共同で津波犠牲者の追悼のために「津波本願寺佛舎」を建立したそうです。アフガニスタンのバーミヤンの立像を模した高さ18メートルの像です。
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津波によりこの近くで止まっていた電車に乗っていて流された約1650人の犠牲者がゴール州ヒッカドゥワ市ペラリアに埋葬されており、「津波犠牲者慰霊碑」が建立されています。レリーフに描かれた宙を舞う列車と津波に巻き込まれる人々の姿が痛々しかったです。
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海岸線に続く破壊されたままの家屋が13年経ってもそのままです。
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何も知らないとそのまま通り過ぎてしまうと思いました。
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海岸線はあまりにも美しいのですが、海を見ていると少し怖い気持ちになってきます。
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アンバランゴダの町に着きました。街中には「MASKS」の看板の文字が目につきます。
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この「仮面博物館」はアンバランゴダの仮面の伝統を残すために設けられています。仮面はスリランカの西部や南西部沿岸地域のカラヴァと呼ばれる漁師コミュニティで行われた民間伝承による病気を引き起こす凶悪な悪魔を払うコーラム・ダンスという儀式で使われました。ただコーラム・ダンスは30年から50年行われることが無く、仮面を造ることも廃れていきます。地域の有名な彫刻家のうちウィジェソニヤ(Wijesooriya)家だけはマスクを伝統的に造る技法を現在に伝えています。
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最初はマスクの作り方の説明から始まります。材料は「カドゥル」と呼ばれるバルサ材です。乾燥させた物を大まかに切り出します。
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そして彫刻していきます。
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形が整うと囲炉裏などのそばで乾燥させます。表面を整えるのは「Thalapatha」と「Maduwa」という海の魚の皮を使うそうです。さらに「Motadeliya」と「Delsavaran」という木の葉でさらに滑らかにします。
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塗装はまず黄色から始めるそうです。日本でいう砥の粉のような目止めの意味合いもあるのでしょうか。「Valichchiya」という顔色で色を塗り重ねていきます。「Valichchiya」は樹脂粉の混合物と「Dorana」という木の油を沸騰させて作るそうです。細かい輪郭線などを描くときはオイルの量を変えてたり工夫するそうです。
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博物館を運営しているのはアンバランゴダで代々仮面工房を営んでいるウィジェソリヤさんの家族です。
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「コーラム・マドゥワ(KOLAM MADUWA)」という仮面劇の装束です。
コーラムはスリランカの南西沿岸の地方での伝統的な民俗芸能で、神話によるとマハーサムマサ王(人間の初の国王)の時代から始められました。 この王の妃は妊娠していました。妃は今までに見たこともない仮面劇を見たいという強い願望を持っていました。古来インドでは妊娠中の願望は悪霊の仕業と考えられ、叶えない場合は災いが起こると考えられていたようです。 しかし誰もそれを叶える方法を知りませんでした。すると妃はますます苦しみます。王は天のインドラ神に祈りをささげると工芸を司るヴィシュヴァクラマ神が仮面と舞台を整えてくれます。翌朝仮面劇が国王宮殿の庭で演じられます。満足した妃の痛みは無くなりました。 -
「ラクシャ・コーラム(Raksha Kolama)」
ラクシャのダンスはナーガ・ラクシャとグルーラ・ラクシャがステージに入ります。そして王と妃を楽しませるために美しいダンスを踊ります。 -
「キング・マハサムサ(King Mah Sammatha)」
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「クイーン・メニクパラ(Queen Menikpala)」
頭の上の花などはその仮面が頭の中で考えていることを表しているそうです。「ヘリタンス・カンダラマ」のロビーにもこの仮面が飾られていました。 -
「シンハ・コーラム(Sinha Kolama)」はシンハの名前の通り獅子の仮面です。
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ほとんど獅子舞いですね。ルーツは日本の物と同じルーツなのかもしれません。細かい毛並みが美しい仮面です。バリ島のバロンにも変化していったのではないかとも感じます。
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「ナーガ・ラクシャヤ(Naga Raksyaya)」
コブラの仮面ですが、恐ろしさよりもコブラの顔のかわいらしさに目が留まります。 -
「グルル・ラクシャヤ(Gurulu Rakshaya)」
鷲を表しているこのマスクはコブラをくちばしに咥えています グルル・マスクダンスは恐れを払いのける意味を含んでいます。そしてスリランカのすべての毒ヘビは滅ぼされました。 -
キャンディアンダンスでも仮面ダンスを観ましたが、本物の儀式も見てみたいものです。説明してくれた女性によると5月27日に近くでお祭りがあるということでした。
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「スランバ・ヴァリ(Suramba Valli)」
この仮面はカラヴァ人(Karava)人の性質のシンボルです。 -
踊りながら仮面上部の人形を動かすのだと思います。
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道化のような仮面の踊りもあります。これは酔っぱらった男が妻を間男に寝取られてしまう話だそうです。
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浮気してしまう妻の仮面。インドネシアのジャワ島で見た仮面に似ているなと感じました。
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コーラムと並ぶもう1つの仮面舞踏がトウィルです。シンハラ人は病気はヤカーという悪霊が憑りついたためと考えていました。病人の家に出向き悪霊払いを行う訳です。博物館にはその再現模型が設えてありました。
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竹で造られた祭壇は祭場に欠かせないもので、コロンボの国立博物館にも同じようなものが展示してありました。
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トウィルの祭礼ではヤッカ・ドゥラーが取り仕切りますが、その中のサンニ・ヤクマの儀礼では18の仮面の悪霊が現れます。ヤッカ・ドゥラーが巧みに面白おかしく説き伏せて病人の体から追い払う訳です。
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「デーヴァ・サンニ(Deva Sanniya)」
はしかとおたふく風邪と小さな水痘と腸チフスとコレラを司る悪霊です。 -
「ナーガ・サンニ(Naga Sanniya)」
体の水膨れでコブラの持つような毒を引き起こします。 -
「ピス・サンニ( Pith Sanniya)」
胆汁が原因となる病気を司ります。かなり細かい病気までカバーしています。 -
「ジニジャラ・サンニ( Ginijala Sanniya)」
体の灼熱感と熱病を司ります。 -
「コーラ・サンニ(Kora Sanniya)」
手足の関節痛を起こします。 -
「カナ・サンニ(Kana Sanniya)」
一時的な盲目を引き起こします。 -
上の仮面は「ピス・サンニ(Pissu Sanniya)」
胆汁を原因とする病気。
下の仮面は「ビヒリ・サンニ(Bihiri Sanniya)」
一時的な難聴を引き起こします。 -
「 マル・サンニ(Maru Sanniya)」
死の恐れを引き起こします。 -
「カパラ・サンニ(Kopala Sanniya)」
痰や咳やくしゃみの化身とされます。 -
アンバランゴダの伝統的なサンニ・ヤッカーの仮面たち。
「マハソナ・ヤッカー(Mahasona yakka)。」 -
「スニヤム・ヤッカー(Suniyam Yakka)」
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「カル・ヤッカー(kalu Yakka)」
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「アビマナ・ヤッカー(Abimana Yakka)」
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「リリ・ヤッカー(Riri Yakka)」
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「マハ・コーラ・サンニ・ヤカー」は悪霊の総大将です。左右に18の病気を司る悪霊を従えています。エクソシストに出てくるパズズ神に似ているように思えました。後で立ち寄ったショップで同じような仮面があったのですが、妻が病気の仮面なんて買わせてくれる訳がありません。
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スリランカにも妖怪がいるようで12の仮面が展示してあります。
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「カドゥ・パリヤ(Kadu Paliya)」
これでも仮面なのでしょうか? -
「ククルー・パリヤ(Kukulu Paliya)」
ブダペストの民族博物館で同じような物を見た気がします。博物館の見学はいろいろ質問したので30分くらいかかりました。次は隣接する工房の見学です。 -
材料がバルサ材なので加工は比較的簡単なようです。
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まだ下彫りの段階です。
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乾燥したカドゥルの木は指で摘みあげられるほど軽いです。
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仕上げを待つ仮面たち。
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着彩の工程の途中はちょっとマジンガーZのようにも見えます。
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2階のショップは定価販売で値引きは出来ないとのことでした。この店だけでは比較も出来ないので車で周辺の工房も回ってみました。どこも同じくらいの料金でしたが、クオリティはここが一番でした。同じ仮面でも仕上げに光沢の有るものと無いものがあります。光沢が無いものはナチュラルの塗料で、光沢の有るものはケミカルだということでした。100年くらい置けば違うのかもしれませんが、光沢の有る物を買い求めました。
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店のオーナーに「自分で梱包するという人はたまにいるけど、段ボール箱まで持参した人は初めてだ。」と言われました。組み合わせることも考えて同じ段ボール箱を2つ持ってきましたが、寒河江市のふるさと納税のお米の箱がここで役立ちました。
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やっぱりこのタイプの仮面が欲しかったです。
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このタイプのコブラとピーコックを買いましたが、このガルーダもきれいでした。
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「ナリ・ラータ(Nari Latha)」というペイントをしないタイプの彫刻です。日本を出る前にアンバランゴダの彫刻についてイーツアーズの岡部さんに問い合わせたところ教えてもらったものです。何とも言えない表情に魅了されどうしても欲しいと思っていました。伏目がちに恍惚感の有る表情が何とも言えません。冠状の彫刻は頭の中で考えていることを表現しているそうです。
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これは彫刻の技術を見せるために造られ始めたそうです。中国の人に人気があるようで品薄状態でもあり、値段も上がっているそうです。高さ70センチの大きいもので3000ドルもします。
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王様とお妃の一対になっているので片方だけ買う気にはなりません。
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この王様もカッコ良かったです。
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小さめの王様とお妃を買いました。
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しばらくお小遣いが無くなりそうです。
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これで1つのミッションが終わりました。これからは旅の後半はジェフリー・バワの建築巡りが始まります。
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