「京都一周トレイル」②東山コース(1)

2017/04/03 - 2017/04/03

「京都一周トレイル」の第2回目は「ふとん着て寝たる姿や東山」と言われる「東山三十六峰」を渡り歩く「東山コース」24.6kmのうち、最南端の稲荷山から中間地点の粟田山までの12km、最高標高242mのコースです。「東山三十六峰」は、京都盆地の東部になだらかに連なっている南北12キロに及ぶ36の山々の総称で、山麓には平安京よりも古い伏見稲荷大社や清水寺を含め多くの神社や寺院があり、平安時代から近代にかけては京都の皇族、貴族や武士の保養地で足利義政の東山山荘・銀閣寺や御水尾上皇の別荘・修学院離宮など有名な観光地がいっぱいです。
写真は、京都の町が扇を開いたように眺望される扇のかなめに当たるという「清閑寺の要石」。

エリア 東山・祇園・北白川(京都)

（工程）京阪伏見稲荷駅～伏見稲荷大社～三ツ辻～1.6km四ツ辻（標高170m）～（三ノ峰～二ノ峰～一ノ峰）2.5km稲荷山233m～3.1km四ツ辻～（東山コースへ）～4.2km泉涌寺（付近に東福寺、雲龍院、月輪陵、後月輪陵、孝明天皇陵、後堀河天皇陵）～5.0km今熊野観音寺石碑（右へ進み赤い橋～東山11細い階段～山道～車道～東山16-2を左へ）～6.6km阿弥陀ヶ峰196m～7.0km清閑寺（付近に六条天皇陵、高倉天皇陵）～7.6km清水山（242m）～ 9.7km東山山頂公園220m～将軍塚・清龍殿大舞台～10.8km粟田神社（付近に高台寺、長楽寺、知恩院、花園天皇陵、青蓮院門跡）～11.6km地下鉄東山駅～12.0km京阪三条駅

京阪伏見稲荷駅
朝9時の時点ですでに観光客ラッシュ

伏見稲荷大社

昨年初詣で稲荷山周遊したので今回は四ツ辻から東山方面へ

泉涌寺方面へ

泉涌寺到着

今日は隣にある新興宗教の「解脱会」が毎年4月にある三聖地巡拝の日で、1000人ほどのバスの隊列に遭遇した。
「解脱会」は神仏混交の新興宗教で、泉涌寺を資金的に援助したことから教祖の死後、境内内に祀られ「解脱金剛宝塔」が建立されたので聖地となっているという。

後伏見天皇十九世皇孫・晃親王墓
寺域内には後堀河天皇、四条天皇、後水尾天皇、孝明天皇まで歴代天皇の陵墓が39ある。

雲龍院へ

雲龍院は、南北朝時代に建てられた泉涌寺別院で、泉涌寺の塔頭の中でも別格本山という高い寺格を持ち、現存する日本最古の写経道場として有名。

雲龍院・勅使門

参道横の、三十三観音の一つ「衆宝観音」。衆宝とは財宝の事で、信仰すれば財宝がたまり福徳を授けられ出世が叶うと言われる。
隣の「知徳照十方」と書かれた球体は、知と徳をもって十方を照らすとの、弘法大師（空海）の教え

河津桜

摩耶紅梅

「燈籠」は最後の将軍・徳川慶喜が寄進したもの。

砂紋は皇室の十六菊紋

「龍華殿」は皇室の位牌堂で、御本尊の薬師如来三尊像が安置されている。藤原時代作で薬師如来座像を中心に、鎌倉時代作の日光・月光菩薩が両脇に安置されている。

室内の写経机は後水尾天皇が寄進された物が現在も使用されているという。

「大輪の間」にある「大石内蔵助額」は、討ち入り前山科に隠棲して居た頃、親戚の来迎院住職と交流があった大石内蔵助の直筆。

書院の東側に広がる苔地にたくさんの樹木が茂る緑豊かな庭園

庭園の前で、「瞑想石」に足を乗せ腰かけ、「阿（あ）」の声を出すつもりで息を吐き、瞑想石に気を集中して息を止め、鼻からゆっくり吸い込むとよいらしい。

赤い文字は「阿」の梵字

大きな2つの石は東山七条に豊臣秀吉が建立した方広寺・大仏殿の礎石といわれる。

｢悟りの窓｣は禅における悟りの境地を表している。禅の教えでは、四角は四苦八苦と言われるように迷いを表しており、真円はありのままの自然の姿で悟りの境地を顕わす。障子の間から見えるのは「五色の紅葉」で紅葉のグラデーションが美しい。

部屋にあった鎌倉時代の頭の体操

受付で教えてもらった回答

今熊野観音寺へ

赤い橋の下をくぐる

清水山へ

剣神社：古くは剣の宮と呼ばれ、子どもの護神・疳虫封じの神として洛中・洛外より多くの参詣を集めてきたらしい

明治時代の貿易商の迎賓館を使ったそば屋さん
懐石5000～8000円らしい

今日の工程で一番の桜

国道1号線から清水山へ

ここから山越えに入る

ここからは結構ややこしい

清閑寺へ

古来ここから清水寺の音羽の滝に通じる参道は花鳥風月に恵まれ多くの文人歌人に歌を詠まれ「歌の中山」と呼ばれる。

六条天皇陵、高倉天皇陵

清閑寺

清閑寺は、近くの智積院の末寺（支配下）で、高倉天皇の寵愛を受けた平家物語のヒロイン小督の局（こごうのつぼね）が平清盛から出家させられた寺。

高倉天皇の遺言でこの近くに天皇陵が作られ、「小督の局の供養塔」があり、高倉天皇と小督の局が仲良く眠っている。

清水寺に近く、幕末に西郷隆盛と清水寺の住職月照（げっしょう）が密談したとされる茶室「郭公亭」の跡碑「大西郷月照王政復古謀議跡」が鐘楼前にある。

小督剃髪の本堂

石垣に囲まれた大石は「要石」と言われ、ここに立つと京都の町が扇を開いたように眺望され、ちょうどこの石が扇の要にあたる。

山科方面から京都に出入りする時の名所になっていて、この石に願をかけると叶うと言われた

願いあらばあゆみを運べ清閑寺／庭に近いの要石あり

ここの清閑寺焼きが発展して清水焼、粟田焼きが生まれ、京焼きになったといわれる

黒田清輝はフランスから帰国して一番にこの清閑寺に来て、住職から平家物語の中の”小督の局と高倉天皇”の悲恋物語を聞き、これに感動して2年かけて「昔語り」を完成したが、焼失して今は黒田の「幻の代表作」となっている。

清水山から将軍塚方面へ

将軍塚へ山道が続く

山を下りたら清水寺へ向かう

東山山頂公園到着

将軍塚220mは、昔から京都盆地を見下ろせる展望スポットで、和気清麻呂がここから盆地を見下ろしながら「ここが都の場所にふさわしい」と桓武天皇に進言し、「平和な都を作る」という願いを込めて将軍の像を作り、その像をこの地に埋めて塚を作ったという。

ここは青蓮院門跡の飛び地境内で、2014年高野山明王院の赤不動、三井寺の黄不動と並び、日本三大不動の一つ「青不動」を安置し、護摩祈祷を行う「清龍殿」という大護摩堂を造った。そして外に清水寺の舞台の5倍という大舞台が作られた。

大舞台の下を通って粟田口へ

大舞台の足組み

粟田口方面へ

尊勝院に到着

尊勝院は青蓮院別院の一つで青蓮院門主が住職を兼務する。

高級料亭・粟田山荘を通過

粟田神社に到着

粟田口は刀鍛冶が多く住んでいたとされ、数多くの名工を排出しており、本殿の手前に末社の「鍛冶神社」がある。

数々の名刀を生み出した匠が神として祀られており、刀剣は悪縁を切り、良縁結びに霊験あらたかで、さらに勝ち運にも恵まれるとのことなので参拝者が後を絶たない。女性に人気のDMMのオンラインゲームの刀剣男子が戦場を舞う「刀剣乱舞」ゆかりの神社をめぐる「京都刀剣御朱印めぐり」もあった。（豊国神社、建勲神社、藤野森神社）京都に多数ある刀剣乱舞ゆかりの地の中でもっとも人気の高い神社

青蓮院門跡の鎮守社。京の七口の一つである粟田口に鎮座し、古くから旅立ち守護の神として崇敬を集めている。

平安神宮の鳥居が見えてきた。

東山連峰を後にして、今回はこれで終了。

三条で発見。1864年坂本龍馬とお龍が結婚式を挙げた所。
お龍の父が青蓮院宮に仕えた医師をしていた関係で、この場所にあった青蓮院の塔頭金蔵寺で挙げたといわれる。
一般には、1866年寺田屋遭難の後に西郷隆盛の媒酌で結婚したといわれるが、こちらが本当らしい。

地下鉄東山駅

京阪三条駅