パレスチナの壁（砂布巾のＬＷ　第７章９）

2024/09/11 - 2025/04/12

パレスチナの壁（戦後史、パレスチナ）
　砂布巾は、パレスチナ問題にも興味を持っている。これまで何回かイスラエル訪問（1996年に亡くなったキリスト教徒の妹も訪問していた）を計画した。1997年末にはトルコ航空で手配していたが、米英軍のイラク空爆でイスラエルへの報復が懸念され、HIS担当者の「命の保証はできません」が決定打になった。独り身だったら押し切っていただろう。

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　心からの感謝を込めて　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　砂布巾

エリア イスラエル

＊エルサレムの象徴的光景　ユダヤ教の聖地嘆きの壁と後方に光る岩のドーム

　2009年には平和公園での「Free　Gazaころさないで」のイベントを見学し、1週間後には「ガザで今何が起きているか？…」の講演会にも参加した。
　訪問がやっと実現したのは2011年。岡山空港から大韓航空を利用した。訪問先はテルアビブ（昔日本赤軍によるベングリオン空港乱射事件があった）、首都と主張するエルサレム、

エルサレムの旧市街とその城壁群 史跡・遺跡

＊旧市街

＊帰国時にこんなTシャツを持っていたのが見つかったら没収されるのだろうか？

＊エルサレム旧市街にある聖墳墓教会にあるイエスのお墓

イェルサレム　聖地編　http://4travel.jp/travelogue/10590674
　　　　　　　戦争編　http://4travel.jp/travelogue/10590900

占領地（後述）にあるイエスの生誕地ベツレヘム。

降誕教会 (聖誕教会) / イエスの生誕地: ベツレヘムの聖誕教会と巡礼の道 寺院・教会

＊イエスの生誕の地とされる場所

＊パレスチナの「国旗」が掲げてあるなど、街の様子はイスラエルと異なった趣

そして「事実上の」国境、ヨルダン川に架かるアレンビー橋を渡ってヨルダンを訪れた。

＊アンマンのアル・フセイン・モスク

アル フセイン モスク 寺院・教会

　ヨルダンでは首都アンマンのほかファラ・ホテルがアレンジした４人でのタクシーツアーを利用して死海、映画「インディージョーンズ～最後の聖戦」に登場したぺトラ遺跡も訪れた。

＊正にインディージョーンズの世界
「ペトラツアー編」　http://4travel.jp/travelogue/10591014

ペトラ 史跡・遺跡

　戦後のパレスチナ問題を簡単に。多くのユダヤ人が移住してきたこともあって、アラブ人とのバランスが崩れて対立が激化。イギリスは匙を投げ国連に委ねる。1947年11月29日にパレスチナを両者の地区に分ける分割決議が可決され、ユダヤ人地区にイスラエルが建国された。アラブ諸国とはその後４度の戦火を交え、1967年の第三次中東戦争でヨルダン川西岸地区（ベツレヘムはこの地区内）、ガザ地区、シリアのゴラン高原を占領し、いわば全パレスチナを支配している。1973年の第四次戦争ではオイルショックを招く。

　1993年８月20日にはパレスチナ暫定自治協定が結ばれ、クリントン大統領を挟んでPLOのアラファト議長とイスラエルのラビン首相（後に和平反対派により殺害される）が握手するという感動的なシーンも見られたが、2006年のイスラエルによるガザ地区侵攻などによって和平は事実上崩壊。ガザ地区は封鎖や空爆で悲惨な状況にある。旅行から帰った直後の2023年秋以降事態は一層深刻になっている。
　　　Free Gaza殺さないで見学旅行記はこちら
　　　　　　http://4travel.jp/travelogue/10302598

　イスラエルは占領地からテロリストが侵入することを警戒。ほぼ西岸との境界に沿って分離壁が建設され、イスラエルに「入国」する際には厳重なチェックが行われる。また交通ターミナルなどでもセキュリティチェックがある。かつてのベルリンより高い壁は、アラブ人とユダヤ人、普通のイスラム教徒とイスラムを曲解した過激派、教派内争い（イスラムではスンナ派vsシーア派）など、様々な対立を象徴しているかのようだ。
＊「世界一眺めの悪いホテル」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%96%E7%95%8C%E4%B8%80%E7%9C%BA%E3%82%81%E3%81%AE%E6%82%AA%E3%81%84%E3%83%9B%E3%83%86%E3%83%AB

　パレスチナに平和が訪れる日が来るのを祈らずにはいられない。和解には占領地を返還し、その地にパレスチナ国家を認める、領土と平和の交換（1979年エジプトとの和平はこの方法）しかありえない。ネックは西岸地区にあり、拡大を続けるイスラエル入植地の存在だ。国内世論も強硬派と和平派に割れており、それがまた問題を複雑にしている。
　なおシリア内戦は滞在中に始まり、2023年になってアサド政権が崩壊した。イラクも含めた混乱の間隙をぬったイスラム国が台頭。パルミラなど歴史的遺産の破壊、外国人人質の処刑、忠誠を誓う組織や個人によるテロ、欧州に殺到する難民（各国で反移民勢力が台頭するきっかけになった）などによって国際情勢は一層混沌とし、かつ様々な波紋を巻き起こした。

　この時の旅は「楽しくないだろうな」という予感めいたものがあった。ボスニア・ヘルツェゴビナを除けば唯一訪問していたイスラム系の国トルコ（イスタンブール）がかなりヨーロッパナイズされていたのに比べると、テルアビブでビザを取得して入国したヨルダンは、やはりイスラム教国独特の雰囲気があって異文化体験という点では一番だった。
　ラマダン（断食）期間中のアンマンで日没を待って人々が一斉にアラビア料理を食べ始めた光景は壮観だった。一緒に食べた人は新婚旅行で新婦とイスタンブールで合流する人、シリアのダマスカスから帰国する人。

　マンスール・ホテル（別名コーダＨ　2004年にイラクで殺害された香田証生さんに由来）のルアイさんは、泊まってないのに親身になってアレンビー橋への（白）タクシーと同行者（世界一周中）を手配してくれ、ミネラルウォーターまでくれた。なお同行者は入国できたか不明。イラン訪問がネックになったと思われる。（2011年８月訪問）

マンスール hノテル ホテル

＊伝説的ホテルの伝説的ノート