2011/07/12 - 2011/07/26
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motogenさん
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その8からの続きです。
ドイステープの奥地、噂に聞く山岳民族村に行ってみることにしました。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- 徒歩 バイク
-
ドイステープから奥に奥に、まだ道路は伸びている。
その道はプイの山麓に分け入り、いくつかのモン族の村に続いているらしい。
ここまで来たからには奥地まで探検してみよう。
と決意したのだが、実際に走ってみると目的地は遠く、ドイステープの山を南から一回りし、西側の谷間を抜け、北側の山に向かうことになってしまった。
風を受ける腕は寒さで震えている。
長袖シャツを持って来なかったことを後悔した。
やっと土産物屋の並ぶ広場が現れた。
駐車場もある。 -
店はがらんとしていて、人の姿はほんのわずかばかり。
営業しているのか、していないのか分からない。
道路の反対側にガードマンに守られた入口と、チケット売り場が見えた。 -
ここがモン族村の入り口?
入場料を払って中に入った。
案内所でパンフレットをもらって歩き始めると、後から声がかかった。
「あの、日本の方ですか? 私、案内して、いいですか。」
ぎこちないけど丁寧な日本語だ。
「・・・・」
「案内、フリーです。私、日本語の勉強、少ししました。」
身分証明のカードを首にかけた可愛い娘さんが立っている。
なんとも嬉しくなるような申し出だった。 -
ここはモン族の村ではなく、ブービンパレスという王様の避暑地となっている庭園だと知った。
モン族の村はもっと奥にあるらしい。
至る所にバラをはじめとするさまざまな花が育てられていて、案内の娘さんがバラの花についていちいち説明をしてくれる。 -
そして説明のあとに
「どうぞ、写真、撮ってください。」とニコッとする。
撮らざるをえない。 -
庭園はかなり広い。
遊歩道がからみあって拡がっている。 -
花だけでなく、数々の建物が建っていた。
豪華な建物もあれば、木のぬくもりのする品のよいログハウス風の建物もある。
「ここは、王様が、お食事をしたところです・・
どうぞ、見ていってください。」
「ここは、王様の奥さんが、お休みになったり、本を読んだり、なさったところです。」 -
娘さんは大学を出て、ここで働き始めたばかりと言う。
話す日本語は、正式に勉強しただけあってしっかりしているが、私や女房の言うことがすべて理解できているわけではない。
私たちの質問に応える日本語は、どこかちぐはぐだ。
王様がいました・・を、王様がありました・・などと、「いる」と「ある」の用法も混乱している。
「いる」も「ある」も、タイ語では同じ「ユー」だ。
しかし私にはそれがこの娘さんの初々しさと感じられる。
パビリオンの案内嬢のようなさっそうとした歩き方ではなく、コチョコチョと歩く姿も可愛い。 -
王様の今なお使っている建物の中にも入っていける。
日本では到底考えられないことだ。 -
「バラは、雨に弱いです。
夕べの雨で、このバラは、だめになってしまいました。」
可愛い声で説明しながらの案内が続いた。 -
「私、日本語、もっと上手になりたい。
でも、ここ、日本人、なかなか来てくれません。」
と笑う。
外国人ではどこの国の人が多いの、と聞くと
「一番は中国です。
二番はUSA、三番はフランス、四番ドイツ、5番韓国、六番イングランド、七番オートラリア・・・
日本13番です。寂しいです。」
と指を折りながら、笑顏を見せる。
「中国語のできるガイドが、ここでは一番活躍できています。」 -
噴水を背景に記念写真といく。
私たち夫婦の写真も撮ってくれた。
日本語はどこで習ったのと聞くと、ウッタラディットの大学で勉強したと答えてくれた。
ウッタラディットはピサヌロークからチェンライに行く時に、バスで通過した町だ。 -
数々の種類の薔薇が育てられている。
花にはあまり関心のない私だが、こんなにもたくさんの花があると、気分は盛り上がる。 -
竹が生えていた。
同じ場所から何本もの茎が密集して伸びている。
日本ではあまり見かけない竹だ。 -
庭園をすべて回り終えると、1時間半以上もたっていた。
すでに12時を過ぎている。
「私、おなか、すきました。
今から、友達と食事に行きます・・」
と言うので、「一緒に食べよう」とみやげ物屋の横にある食堂に一緒に行った。
同僚の案内嬢も誘って行く。 -
大衆食堂だった。
彼女は「私、野菜、嫌いです・・」
と野菜の乗っていない豚肉料理と飲み物を注文した。
私もそれをまねる。
女房と友達は、野菜たっぷりの料理を注文した。 -
「私、日本、大好きです。
日本に行きたいです。
日本に帰ったら、是非、メールください。」
別れ際、何回も何回も、お願いされてしまった。
メールアドレスやら、電話番号、住所をメモ用紙に書いてくれた。
「どこに住んでいるの?」
「今は、ここの宿泊施設にいます。
ここにはパソコンあります。
日本に帰ったら、きっとメールください。」
必ずメールするよと言って、私たちはバイクにまたがった。
会計は私たちがもったが、とても安かった。 -
モン族の村までの道は、車とのすれ違いが心配されるような細いところが多く、滑りやすかった。
村は噂通りに観光地化されていて、入口付近には駐車場と土産物屋が立ち並び、バイクがたくさん停まっている。 -
大麻の栽培が盛んだった時代もあったが、タイ政府の指導で今では工芸品販売と入場料で暮らしているらしい。
店の周りではモン族の女性たちが、バッグや布に刺繍をしていた。
丁寧な刺繍だ。 -
一つ作るのに一カ月以上はかかるだろうと思える大きなバッグが、たったの500バーツ。
眺めていると400バーツにしてくれるという。
こんなに安く売っていて暮らしていけるのだろうかと心配してしまう。
申し訳ない価格だ。 -
しかしバッグや布製品を買っても、私たちのキャリーバッグには入る余裕はなく、持ち帰るのに邪魔になるだけだ。
大きなものは買えず、刺繍の施してある人形のキーホルダーを多量に買うことにした。
みんな女房の友だち仲間へのお土産だ。 -
観光客の冷やかしにも心乱さず、黙々と作業を続けるおばあさんがいる。
こんな仕事を娘時代から、ずっと続けてきたんだね。
顔に刻まれたしわ一つ一つに、このおばあさんの人生がつまっているようだ。
『風の谷のナウシカ』の主人公は言うだろう。
「はたらき者の、とっても素敵な顔だ」 -
子供時代は自給自足生活で、物には恵まれなかったけど一族で助け合い、町に住むタイ人から隠れるようにして、ひそかに暮らしていたんだね。
それなのに、町から人が押し寄せてきて、いつしか貨幣文化が浸透し、テレビやら携帯やらバイクなどと、欲しいものがたくさん増えて、観光客を相手にした生活に変わってしまったんだね。 -
日本人だって同じ道を通ってきた。
欲望をかきたてられて贅沢を美徳とし、立身出世の夢にうつつを抜かし、貧乏人をばかにして金儲けに走る。
食うに困らず、冷暖房の効いた快適な家に住み、医療の整った清潔で便利な生活を楽しむことができるようになったんだ。
でもそれが何だというんだろう・・・
そんな気持ちになってきた。 -
ここから奥がモン族の居住区となる。
子供をあやしながら刺繍を続けるお母さん。
ぼんやりと遊んでいるお父さん。 -
居住区に入るには入場料が必要だったが、10バーツとただ同然だった。
高原特有のさわやかな風が、ほほや腕をなぜて通り過ぎていく。
桃源郷のような村だ。 -
草葺の家が、赤やピンクや黄色の花の隙間からポツンポツンと見える。
あぜ道のような通路をたどりながら、村を一周してみた。
開け放れた家の中をのぞいても、どの家にも人の姿はなかった。
洗濯物がほしてある庭を、鶏やひよこが歩いているだけだ。 -
所々で、他の観光客とすれ違った。
軽く挨拶はするが、みんな静かに通り過ぎていく。
-
自然以外に何もない・・
何もないのはとっても良いことだ、と物のいっぱいありすぎる世界から来た私は思う。 -
粗末なトイレに女房もびっくりする。
しかしトイレはここしかない。
女房は意を決して・・・入っていった。 -
駐車場に戻ると、20人ほどの集団が一斉にバイクにまたがって帰るところだった。
バイクのエンジン音が山々に響き渡り、そしてしだいに静けさを取りもどしていく。
モン族の村にはあい変わらず、春のようなあたたかい陽光がそそがれ、霧が漂っていた。 -
西方を眺めると、下界に田や村や道路が見えた。
どのあたりなんだろう。
なごり惜しくはあったが、欧米人たちの集団を追って、私たちもモン族の村から去ることにした。
その10に続きます。
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この旅行記へのコメント (2)
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- うめはなさん 2015/11/03 21:05:08
- 初めまして(_ _)
- ベトナム旅行記に訪問&いいね、ありがとうございましたm(__)m
わたしも8月にチェンマイに行きました。とても気持ちにフィットする
いい街でした。モン族の集落には、興味はあったのですが、非常に
葛藤し、行きませんでした。人の生活の場に踏み込んでいいのか、
それとも幾らかでもお金を落とした方がいいのか、今でも答えが
でていません。でもこちらを拝見して、行ってみてもよかったかな
と思いました。
うめはなでした。
- motogenさん からの返信 2015/11/03 21:39:32
- RE: 初めまして(_ _)
- コメントありがとうございました。
『ドイステープにもエレファントキャンプに行かないチェンマイ』題名どおりいいですね。
しみじみと感じる本当のタイは観光地以外にありそうです。
私はラオス、カンボジア、マレーシア、ネシア、シンガポール、フィリピンには行きしたが、ベトナムとミャンマーにはまだいったことがありません。
今度ベトナムに行こうかと研究しているところです。
それもみんなが行く定番の観光地ではなく、ベトナムを感じられるところへ。
よろしかったらご指導ください。
motogen
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