2011/07/12 - 2011/07/26
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motogenさん
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その4からの続きです。メーホンソンからローカルバスにゆられてパイに向かいました。
日本では絶対に味わえないバスの旅となりました。
バスの中ではみんな仲間です。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
10:30発のバスがあるはずだ。
そう考えて10時にバスターミナルに出掛けたが、バスの姿はなかった。
タイのこと、30分くらいは遅れるのが普通・・と淡い期待をかけて待つが、やはりバスは来ない。
座っているベンチの目の前に売店があって、カップラーメンを食べたり、サンドイッチを3回も買いに行ったり、水やら牛乳やらジュースやらスナック菓子と何回も足を運ぶものだから、すっかり売店のおばちゃんと仲よくなってしまった。
ターミナルはけっこう人の出入りがあって、人間観察するのも面白い。
11時を過ぎると、チェイマイからメーサリアン経由でやって来たバスが到着した。
ああ、3日前にはこのバスに乗って来たんだ・・
ちょっぴり懐かしい気持ちになる。
ターミナルにいるのはほとんど地元のタイ人だが、欧米人の観光客も混ざっていた。 -
パイ行きのバスが来たのは12時を30分も過ぎてからだった。
小型のバスだ。
バスの入り口に向かってどっと人が集まってくる。
なんだ、こんなたくさんの人が乗るのかと、先陣をきって乗り込んだ。
大きな荷物を運転席脇のエンジンカバーの上に乗せ、近くの席に座ろうとすると、「ここは俺の席だよ」とイタリア人がチケットをチラチラさせた。
ええっ!
このバス、指定席なの?
どうしよう。
私はバスの中でチケットを買えばいいと楽観していて、チケットは買ってないのだ。
車掌がチケットの点検を始め、チケットを持っていない人は、バスから降ろされている。
バスは既に満席で、外にはチケットなしの人が集まっている。
この小さなバスでは全員乗れるはずがない。
チケット売り場でチケット買わないと、乗せてもらえないの?
焦りに焦りまくる。
「チケット、ない。どうすれば、いい?」
「チケット、バスの中で、買う、できる?」
「あなたはチケット、持っているの?」
回りにいる乗客に聞いてみるが、聞き方が悪いのか、みんなにこにこしているだけだ。
まごまごしているうちに、後部の出入り口から外に追い出されてしまった。
あっ、荷物、荷物!!
置いてあったはずのエンジンルームの上に、私たちの荷物がない。
こうなると恥も外聞もない。
必死になって車掌に食い下がると、後部の荷物室の中に自分のバッグを発見でき
た。
(画像はしばらく走り、落ち着いてからのものです) -
そんなことがありながらも、なんとかバスに乗せてもらえた。
小さなバスの中にギューギュー詰めとなって、待っていた客全員が収まっている。
よくもまあ、入ったものだ。
重過ぎてタイヤがパンクしないかと心配するが、信じられないことに、メーホンソンの町中で、さらに客が乗り込んできた。
あっ!
ゲストハウスで一緒だった韓国の娘たちだ。
彼女たちも私たちを発見し、手を振ってニコニコしている。
入り口付近にいた女房が彼女たちのバッグを持ってあげ、他の人達が彼女たちを引っ張ってあげて、やっとのことで二人は乗り込むことができた。
(画像はしばらく走り、落ち着いてからのものです。混乱状態の中ではカメラなど取り出せません。) -
町を出て10分ほど進んだ山の中で、バスは急に路肩に止まってしまった。
運転手と車掌が車の下にもぐって、カンカンとバスの底をたたいている。
時々運転席の窓から手をつっこんで、ハンドルを左右に揺すり、また車体の下にもぐってしまう。
ハンドル系統に異常があるらしい。
ああ・・なんてことだ。
こんな場所で、トンカチやスパナでぶったたくだけで、故障が直るのだろうか?
早く動いてもらいたような、安易に動いてもらっては困るような、複雑な気持ちでバスに閉じ込められていた。 -
およそ30分後、やっとのことでバスは動きだした。
険しい上り坂に差しかかると、いくらアクセルを踏み込んでも、バスは人が歩くほどしかスピードが出ない。
当たり前だ。
あふれんばかりに人が乗っているのだから。
他のバス停でも人が乗り込んできていて、車内は大混乱している。
通路には乗客の荷物が山のように積まれ、時折それが人の上になだれ落ちてくる。
乗客同士はぴったりと身体が重なり、わずかな身動きさえ困難だ。
座っている人も大きな荷物を膝の上に抱え、狭苦しいシートに縮こまっている。
それでも人が乗りこんでくると、乗り込んでくる人の荷物を引き上げたり、膝の上に抱えてあげたりとみんな協力的だった。 -
私は身動きできないほどの人ごみの中で立ったままだ。
バスは揺れるが、回りの人たちによさりかかって倒れることはない。
横の席に座っているタイ人女性が居眠りを始め、コクリコクリと頭を傾けはじめ、しばらくすると、その頭が私の脇腹に押しつられた状態になってしまった。
私が身をずらせば、この女性はそのまま通路に倒れこんでしまうだろう。
私は脇腹でその女性の頭を支え続けた。
まだ20代の若い女性だ。
日本ならば、私のような初老のみすぼらしいおじさんに、こんなまねをする女性はいない。
臭い、汚い、きもいと、接触を避けるてしまうのがおちだ。 -
回りを見回すと、韓国人娘が乗降口の階段にちょこんと座りこんでいた。
扉は開きっぱなし。
目のすぐ下は、土ぼこりあげながら後方に飛んでいく道路だ。
何かのはずみで後から押されたら、道路に転がり落ちてしまうはず。
いやいや、おもしろい。
これがタイの旅なのだ。 -
前方に目を移すと、女房は運転手の横のエンジンルームのふくらみに、ギュウギュウ詰めながらも、ちゃっかり座り込んでいた。
その膝の上で子供が眠り込んでいる。
先程乗り込んできた大家族の子供に違いない。
超過密の車内に押し込められ、見知らぬ子供を抱え続けている女房は、今何を思っているのだろうと想像すると、可笑しさがこみ上げてきた。
いつ事故になるかもしれない危険なバスに、言葉も通じない人達と肌触れ合わせ、筋肉痛になりそうな窮屈な姿勢を余儀なくされ、もう二度とこんな旅はしたくないと言うだろうか。
それともお仕着せの観光ツアーにはないめちゃくちゃな旅に、面白かったというだろうか。 -
揺れる車内に立ちっぱなしで、しだいに足腰に苦痛を覚えてきた。
そうした中、傍らのシートに座っていた若いタイ人女性が、コクリコクリと頭を揺らし始め、ついに私の横っ腹に頭を預けて眠り込んでしまった。
私が身体をずらせば、倒れこんでしまう。
日本ではこんなことは絶対に起こらない。
こんな初老のみっともないおじさん(爺さん)に、接触してくる若い女性などいるはずがない。
臭い、汚い、きもいなどと言って避けてしまうはずだ。
足腰は疲れ切っているが、このままの姿勢で私は我慢することにした。 -
大半が原始林や耕作不能の荒地であるが、時折民家がぽつんと建っていて、バス停などがあった。
荷物をかかえた人が乗り込んできたり、乗客が降りていく。
乗り込んでくる人には、それを見送る家族がついていて、荷物の運搬を手伝っていた。
いつしかバスの指定席などなくなっていて、みんな好き勝手に移動している。 -
今走っている道路は、日本軍がビルマを攻めるために造成した道なのだそうだ。
パイという町が、日本軍の工事でできた町らしい。
真偽はともかく、それが本当ならば、すごいことをしたものだ。 -
当時ときたらブルドーザなどの重機があるわけでなく、ほとんどが人の手作業だったに違いない。
原木を倒し、根を掘り起こし、岩を砕き、山肌を削ったのだろうか。
それも突貫工事で。
道路を眺めながら、私の空想が始まる。 -
山頂から見る景色は素晴らしい。
山、山、山、どこまで行っても山、山、山。
開けっ放しの窓から山の生気が入ってくる。 -
山を一つ登りきったと思ったら、今度は下り坂。
急カーブだよ、運転者さん。
もっとスピードを落としてよ。
そんなにブレーキばかり踏んでると、フェード現象を起こしてしまうよ。
心配をよそに、高速でカーブに突入していく。
楽しい反面、命がけの旅でもある。 -
そうこうしているうちに中間地点の町に近づいたのか、乗客が減りだした。
女房の抱えていた子供連れの家族か降りていくと、エンジンルームの上に少しばかりのスペースができた。
回りの乗客や、韓国の娘たちが私に座るよう薦めてくれ、その好意に甘えた。 -
車内にも少し余裕が生まれ、韓国女性たちもどうにか座る席を見つけたようだ。
良かった、良かった。 -
この人たちも降りていくのかな。
メーホンソンで買物をしてきた人たちなんだろう。
バス停以外でも乗客が降りると合図すれば、バスはどこでも止まってくれる。
-
民家がポツリポツリと見え始めた。
中間地点の町はもう少しのはずだ。 -
期待していると予想通り、町が現れた。
町と言っても道路脇に家が建ち並び、商店が少しあるだけ。
ここでトイレ休憩となる。
軽い食事だってできるはず。 -
休憩所に到着。
乗客は次々に降りていく。
さあ、トイレだ。 -
どこから集まったのか、バスの乗客や物売りでにぎわっている。
日本でいえば『道の駅』だ。
情報によれば、こんな小さな町にもゲストハウがあるらしい。
観光名所などあるとは思えないが、何もないのが最高で、こんな山奥に泊まって野山をブラブラし、ホカンとしているのが玄人の遊び人なのかも知れない。
魚釣りとか、天体観察、野外キャンプなどができるのかな? -
トイレは有料で、2〜5バーツほどが普通。
水の豊富なタイでは水洗が常識だが、トイレットペイパーなどなく、バケツに貯めてある水を使って自分の手で洗うのだ。
やってみるとこれがけっこういかしていて、紙を使うよりも清潔になれる。
手動のウォシュレットだ。 -
今回は少し休んだだけで、すぐに出発となってしまった。
最初のバスの修理で時間を使ってしまったからなのか?
前回はゆったりと休憩していったのに。 -
まだまだバスの旅は続く。
パイの町は、あの山を越えた先なんだろうか。
-
峠を越えると下り坂が多くなってきた。
道路も少し幅が広がり、舗装状態も良くなったような気がする。 -
小さな集落があって、道路上に人が集まっていた。
軍服のような服装をしたポリスが通過する車をチェックしている。
しかしバスは見逃してもらい、そのまま通過。 -
人里に下りてきた。
気温も少しずつ上がってきたようだ。
もうすぐパイの町に着きそうだが、実際の到着はまだまだだった。 -
パイのバスターミナルに到着した。
ターミナルは町の中にある。
「すごいバスだったね。」
降りたった女房が言った。
「あの子、完全に眠ってしまうんだもの、もう腕が痛くて、痛くて・・・
足も踏ん張れなくて、バスが揺れるとつかまるところもなくて、目の前のあった足にギュッとつかまったら、それが若い男の人の足だったの。
その人、ニッと笑うと、そのままでいいよ、なんて仕草してくれるの・・・
みんないい人なんだね。
あの子、降りる時、両手合わせてくれたのよ。
こんな経験、日本じゃ、絶対できないね。」
女房は嬉しそうである。
俺のアジアの旅は、いつもこんなに大変なんだ・・・という顔をして見せる。 -
「ロンリープラネット」のガイドブックで目星をつけてあるゲストハウスに向かう。
ターミナルから歩いて数分のはず。
韓国の二人の娘たちは、ターミナルからずっと離れた川沿いのゲストハウスを予約しているらしい。
場所を聞かれたので地図を見せると、カシャッとスマホで撮影した。
最新の機器を上手に使いこなす若者に、頭が下がった。 -
パイの雰囲気はカオサンに似ている。
どこを見ても必ず欧米人がいて、通りには欧米人向きのきれいな店が並んでいる。
レストラン、コンビニ、レンタルバイク、マッサージ、ランドリー、両替所・・
レストランには洋食系が多く、メニューには必ずアルファベット表示が添えられている。
短パンにゴム草履姿の観光客がバイクで走り回り、大きな荷物を背負った男女が行き交っている。
どうしてここに欧米人の集まる町ができたのかはよく分からないが、とにかくタイ北部では特異な町だ。 -
『アボダヤGH』は樹木の繁る敷地の中にあった。
部屋は日陰になっていて、昼間もそれほど暑くなさそう。
宿泊棟は敷地の中に散在していて、全部で10室あった。 -
ゲストハウスを管理していたのは、16歳の娘と12歳の男の子だった。
客の受付から掃除、洗濯、すべてこの二人の仕事のようだ。
驚いた。
娘さんの方は、上手ではないが一応英語が話せる。
つたないタイ語と、発音の悪い英語で交渉すると、部屋は空いていて、二人は嬉しそうな顔をしてくれた。
一泊200バーツ。
その安さにまた驚いた。 -
入り口近くのこの奥の棟にある部屋が私たちに当てがわれた。
エアコンはないが、温水シャワー、広いベッド、TV、困ることは何もない。
さっそく部屋の中にロープを張って、洗濯の準備。
天井に大きなファンがあるので、洗濯物はすぐに乾きそうだ。 -
屈託がなく愛嬌のある子供たちだ。
この少年は昼間の一時期は学校に通っていて、ゲストハウスにはいないが、帰ってくるとお姉さんのお手つだい。
でも遊び盛りの年頃で、お姉さんの目を盗んでは、ちょこまかとふざけて遊んでいた。 -
町をぐるりと歩き回っていると、バスで一緒だった韓国娘の二人が小汚い店でカオパットを食べていた。
「美味しいよ・・」
そんなジェスチャーをする。
こんな店で食べているなんて、お嬢さんタイプに見えるけど、けっこうたくましいんだと、私も笑顏で応える。
「明日は、どうするの?」
「まだ決まっていません。どこか、いい所,ありますか?」
「西には中国村と滝、南にはパイキャニオンと日本人が作った鉄橋、東にはエレファントキャンプと温泉があるけど・・
ここには何泊するの?」
「2泊です。」
「そう、一番いいのは温泉かな・・バイクを借りて・・」
そんな話をしているうちに、明日からのバイクの旅が楽しみになってきた。
私たちも食事をすることにした。 -
どこの町に行っても、最初はグリンカレーとバナナシェイク。
女房はあちこちのカレーを食べ比べ、評論する。
ここのは、まあまあだそうだ。
パイのレストランは安くて美味い。
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