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その6からの続きです。<br />この日もバイクで冒険です。<br />しかし、とんでもないことになってしまいました。

タイ北部田舎巡り その7 パイで川に放り出される

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2011/07/12 - 2011/07/26

23位(同エリア118件中)

旅行記グループ タイ北部田舎巡り

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motogen

motogenさん

その6からの続きです。
この日もバイクで冒険です。
しかし、とんでもないことになってしまいました。

旅行の満足度
5.0
同行者
カップル・夫婦(シニア)
一人あたり費用
5万円 - 10万円
交通手段
バイク
旅行の手配内容
個別手配
  •  朝の町の様子を見ようと散歩をする。<br /> すでに町は活動を開始していて、屋台からは朝食のにおいが漂ってくる。<br /> 私は熱い豆乳と、そこに付いてくる揚げてあるパンのようなものが好きだ。<br />  

     朝の町の様子を見ようと散歩をする。
     すでに町は活動を開始していて、屋台からは朝食のにおいが漂ってくる。
     私は熱い豆乳と、そこに付いてくる揚げてあるパンのようなものが好きだ。
      

  •  パイの町にも坊さんがいて、地元の人たちは道に出てタンブンしていた。<br /> 信心心などない私なのに、がすがしい気持ちになってくる。<br /> いい朝だ。<br />

     パイの町にも坊さんがいて、地元の人たちは道に出てタンブンしていた。
     信心心などない私なのに、がすがしい気持ちになってくる。
     いい朝だ。

  •  今日もバイクで走ってみる。<br /> 目指すはモーペン滝。<br /> 中国村よりさらに北になるはず。<br /> 

     今日もバイクで走ってみる。
     目指すはモーペン滝。
     中国村よりさらに北になるはず。
     

  •  途中の道端にブタの親子を発見する。<br /> 小さくて可愛い子ブタを触ろうと近づくが、ちょこまかと逃げてしまう。<br /> 追いかけても追いかけても、つかまえることはできない。<br /> 時々村人に出会う。、<br /> 女房が覚えたての「サワディ・カ」と挨拶すると、とろけるようて笑顔を見せてくれる。

     途中の道端にブタの親子を発見する。
     小さくて可愛い子ブタを触ろうと近づくが、ちょこまかと逃げてしまう。
     追いかけても追いかけても、つかまえることはできない。
     時々村人に出会う。、
     女房が覚えたての「サワディ・カ」と挨拶すると、とろけるようて笑顔を見せてくれる。

  •  タイヤが滑りそうな坂道を登っていくと滝が現れた。<br /> 坂道の突き当たりに広場があり、駐車場になっている。<br /> 大きな樹木で囲まれた、うっそうとした森の中の駐車場だ。<br /> 

     タイヤが滑りそうな坂道を登っていくと滝が現れた。
     坂道の突き当たりに広場があり、駐車場になっている。
     大きな樹木で囲まれた、うっそうとした森の中の駐車場だ。
     

  •  駐車場に屋根だけの小屋があって、おじさんが修理をしていた。<br /> 挨拶すると人の良さそうな顔で応えてくれるが、言葉がうまく通じない。<br /> 山の中でほかに人の姿はなく、おじさんがいてくれるだけで何だか心強い。<br /> 

     駐車場に屋根だけの小屋があって、おじさんが修理をしていた。
     挨拶すると人の良さそうな顔で応えてくれるが、言葉がうまく通じない。
     山の中でほかに人の姿はなく、おじさんがいてくれるだけで何だか心強い。
     

  •  静まりかえった森の中から、水の流れ落ちる音が続いている。<br /> 崖のような急斜面の下に滝が見えた。<br /> 広場から下りていく道がある。<br /> 人ひとりが歩けるような細い道だ。<br /> その道を伝って滝の中に降りていった。

     静まりかえった森の中から、水の流れ落ちる音が続いている。
     崖のような急斜面の下に滝が見えた。
     広場から下りていく道がある。
     人ひとりが歩けるような細い道だ。
     その道を伝って滝の中に降りていった。

  •  滝といっても『ナイアガラ』や『富士の白糸』のような、空中を水が舞うような滝ではない。<br /> 急流だ。<br /> タイの滝はほとんどがそうだ。<br /> 滑りそうな岩から岩へと飛び移ったり、両手をついて伝い歩いた。<br /> 静寂な山奥にドードーと流れる滝の流れが別世界を造り、ここは2年前と何も変わってない。

     滝といっても『ナイアガラ』や『富士の白糸』のような、空中を水が舞うような滝ではない。
     急流だ。
     タイの滝はほとんどがそうだ。
     滑りそうな岩から岩へと飛び移ったり、両手をついて伝い歩いた。
     静寂な山奥にドードーと流れる滝の流れが別世界を造り、ここは2年前と何も変わってない。

  •  山を下っていくと、茶色に変色した山の斜面に数人の人が動きまわっていた。<br /> 焼き畑農業で暮らしている地元の人たちだ。<br /> 見ていると、草を焼いた斜面に苗を植えているようだ。

     山を下っていくと、茶色に変色した山の斜面に数人の人が動きまわっていた。
     焼き畑農業で暮らしている地元の人たちだ。
     見ていると、草を焼いた斜面に苗を植えているようだ。

  •  民家もあった。<br /> ニワトリやブタが放し飼いにされていて、餌を探して庭をぶらついている。<br /> 家から離れ、遠くさまよっているものたちもいる。<br /> 犬やネコも野放しにされているが、ニワトリやヒヨコを襲うことはなさそうだ。<br /> みんな仲良く暮らしている。

     民家もあった。
     ニワトリやブタが放し飼いにされていて、餌を探して庭をぶらついている。
     家から離れ、遠くさまよっているものたちもいる。
     犬やネコも野放しにされているが、ニワトリやヒヨコを襲うことはなさそうだ。
     みんな仲良く暮らしている。

  •  幼い子供が遊んでいた。<br /> 包丁にも似た大きなナイフで、バナナの茎を加工している。<br /> 思うようにならないようだ。<br /> 手を切らないかと心配になって、<br /> 「何してるの?」と声をかけると、恥ずかしそうに下を向いてしまった。

     幼い子供が遊んでいた。
     包丁にも似た大きなナイフで、バナナの茎を加工している。
     思うようにならないようだ。
     手を切らないかと心配になって、
     「何してるの?」と声をかけると、恥ずかしそうに下を向いてしまった。

  •  滝とは正反対の方向にあるエレファントキャンプに向かった。<br /> 店に到着すると、にこにこ顔で迎えてくれたおばちゃんに肩を押され、座らされたのはTVの前だった。<br /> 写っているのは川で遊ぶ象だった。<br /> 象が鼻で水を吸い込み、乗っている客に噴水のようにかけている。<br /> 「ほら、こんなこともするんだよ・・」<br />とおばちゃんが楽しそうに説明する。<br /> ああ、ここのトレッキングって川にも行くのか・・<br /> 軽くそう考えただけで、象に乗ることばかりが頭の中にあり、TV画面を真剣には見ていなかった。<br /> 単なるプロモーションビデオだと勝手に決めつけていたのだ。

     滝とは正反対の方向にあるエレファントキャンプに向かった。
     店に到着すると、にこにこ顔で迎えてくれたおばちゃんに肩を押され、座らされたのはTVの前だった。
     写っているのは川で遊ぶ象だった。
     象が鼻で水を吸い込み、乗っている客に噴水のようにかけている。
     「ほら、こんなこともするんだよ・・」
    とおばちゃんが楽しそうに説明する。
     ああ、ここのトレッキングって川にも行くのか・・
     軽くそう考えただけで、象に乗ることばかりが頭の中にあり、TV画面を真剣には見ていなかった。
     単なるプロモーションビデオだと勝手に決めつけていたのだ。

  •  どの象に乗るんだろう。<br /> どの辺まで歩き回るんだろうか。<br /> 象を見ていると、私たちの順番がきて象小屋に案内された。

     どの象に乗るんだろう。
     どの辺まで歩き回るんだろうか。
     象を見ていると、私たちの順番がきて象小屋に案内された。

  •  はしごのついた高い台があって、その台の上から象に伝い乗る。<br /> 下から見ると何のことはないが、上に登ると3階まで登ったような気がしてくる。<br /> 滑り落ちそうで、これがまた怖い。<br /> 象に乗ろうとしたことを後悔しはじめる。

     はしごのついた高い台があって、その台の上から象に伝い乗る。
     下から見ると何のことはないが、上に登ると3階まで登ったような気がしてくる。
     滑り落ちそうで、これがまた怖い。
     象に乗ろうとしたことを後悔しはじめる。

  •  落ちたら骨折しそうなほど、象の背中は高かった。<br /> 椅子の上に乗るのかと思っていたら、裸の象だった。<br /> タオルがかけてあるが象の毛がちくちくし、むしろの上に乗っているようだ。<br /> つかまるところは象の胴体に回してある一本のロープだけで心細い。<br /> 象の背中は前後左右、おまけに上下にも揺れ動き、しだいに乗っている位置がずれてきてしまう。<br /> 滑り落ちないように中央に戻るだけのことが難しい。<br /> 2〜300m進んだだけでへとへとになってしまっていた。

     落ちたら骨折しそうなほど、象の背中は高かった。
     椅子の上に乗るのかと思っていたら、裸の象だった。
     タオルがかけてあるが象の毛がちくちくし、むしろの上に乗っているようだ。
     つかまるところは象の胴体に回してある一本のロープだけで心細い。
     象の背中は前後左右、おまけに上下にも揺れ動き、しだいに乗っている位置がずれてきてしまう。
     滑り落ちないように中央に戻るだけのことが難しい。
     2〜300m進んだだけでへとへとになってしまっていた。

  •  バイクに乗った欧米人が立ち止まり、私たちにカメラを構えるが、私の笑顏はきっと硬直していただろう。<br /> 野良犬が近づいてくると、象使いが大声をあげて犬を追い払っている。<br /> もしかして象は犬が大嫌いで、犬が近づくとパニックを起こすのかもしれない。<br /> そんなことを考えていると、このまま向きを変えて早く帰りたくなってくるが、私の気持ちを理解できない象は、のしのしと歩き続ける。<br />

     バイクに乗った欧米人が立ち止まり、私たちにカメラを構えるが、私の笑顏はきっと硬直していただろう。
     野良犬が近づいてくると、象使いが大声をあげて犬を追い払っている。
     もしかして象は犬が大嫌いで、犬が近づくとパニックを起こすのかもしれない。
     そんなことを考えていると、このまま向きを変えて早く帰りたくなってくるが、私の気持ちを理解できない象は、のしのしと歩き続ける。

  •  やっと車やバイクの走る鋪装道路からはずれて、川に向かう道に入った。<br /> アップダウンがあるので、前に滑り落ちそうになったり、後に滑りそうになったりする。<br /> 付き添ってきた女性が川の手前で、持っているものを預かると大きなバッグの口を広げた。<br /> カメラ、腕時計、財布、バイクや部屋の鍵・・<br /> ポケットの中のものを渡すと、サングラスもと言う。<br /> サングラスも・・?<br /> まだ私は気づかなかった。<br /> この後、何が起こるかということを。

     やっと車やバイクの走る鋪装道路からはずれて、川に向かう道に入った。
     アップダウンがあるので、前に滑り落ちそうになったり、後に滑りそうになったりする。
     付き添ってきた女性が川の手前で、持っているものを預かると大きなバッグの口を広げた。
     カメラ、腕時計、財布、バイクや部屋の鍵・・
     ポケットの中のものを渡すと、サングラスもと言う。
     サングラスも・・?
     まだ私は気づかなかった。
     この後、何が起こるかということを。

  •  ゆるい斜面をズルズルと川に入ったところで、象の首にまたがっていた象使いが川の中に降りてしまった。<br /> 川の深さは1mほどか。

     ゆるい斜面をズルズルと川に入ったところで、象の首にまたがっていた象使いが川の中に降りてしまった。
     川の深さは1mほどか。

  •  象使いが川の中から象に命令する。<br /> すると象は後ろ足を折り曲げて、ちょうど犬がお座りをするような姿勢になってしまった。<br /> ああっ、ああっ・・<br /> 私たちは必死にロープにしがみつき、後に落ちないように踏ん張る。

     象使いが川の中から象に命令する。
     すると象は後ろ足を折り曲げて、ちょうど犬がお座りをするような姿勢になってしまった。
     ああっ、ああっ・・
     私たちは必死にロープにしがみつき、後に落ちないように踏ん張る。

  •  するとその時、象はごろんと横に寝たのだ。<br /> ヒー〜〜!!<br /> 片足だけ象に引っかかっている無理な姿勢のまま、私は川の中に落ちていく。<br /> 女房はすでに川の中に浸かっていた。<br /> 象の下敷きになってはならじと、私はロープにつかまりながら、象の横っ腹によじ登る。<br /> すると象は起き上がり、今度は反対側に滑り落ちそうになってしまうのだった。

     するとその時、象はごろんと横に寝たのだ。
     ヒー〜〜!!
     片足だけ象に引っかかっている無理な姿勢のまま、私は川の中に落ちていく。
     女房はすでに川の中に浸かっていた。
     象の下敷きになってはならじと、私はロープにつかまりながら、象の横っ腹によじ登る。
     すると象は起き上がり、今度は反対側に滑り落ちそうになってしまうのだった。

  •  やっと元に戻った。<br /> 何てことをしてくれるんだ。<br /> 涙さえ出てくるありさまだ。

     やっと元に戻った。
     何てことをしてくれるんだ。
     涙さえ出てくるありさまだ。

  •  しかし、それで終わったわけではなかった。 <br /> 再び象は寝転んでしまう。<br /> またもや私たちは水の中。

     しかし、それで終わったわけではなかった。 
     再び象は寝転んでしまう。
     またもや私たちは水の中。

  •  それを何度も何度も繰り返す。<br /> とっくに10回以上になっているはず。<br /> 全身ずぶ濡れ、頭からも泥水がしたたっている。<br /> おぼれかかっている女房を心配する余裕もない。<br /> 無理な姿勢が続き、身体の固い私は足がひきつりそうだ。

     それを何度も何度も繰り返す。
     とっくに10回以上になっているはず。
     全身ずぶ濡れ、頭からも泥水がしたたっている。
     おぼれかかっている女房を心配する余裕もない。
     無理な姿勢が続き、身体の固い私は足がひきつりそうだ。

  •  象が鼻で水をかけるが、もうそんなものたいしたことではない。<br /> 水など怖くはない。<br /> 怖いのはおぼれること。<br /> そして象の下敷きになること。<br /> 命がかかっている。<br /> タイのことだ。<br /> 安全なんて二の次で、とにかく楽しければよい国だ。

     象が鼻で水をかけるが、もうそんなものたいしたことではない。
     水など怖くはない。
     怖いのはおぼれること。
     そして象の下敷きになること。
     命がかかっている。
     タイのことだ。
     安全なんて二の次で、とにかく楽しければよい国だ。

  •  店のビデオをよく見なかったことを後悔した。<br /> あれはただのプロモーションビデオではなかった。<br /> 前の客が体験した実写だったのだ。

     店のビデオをよく見なかったことを後悔した。
     あれはただのプロモーションビデオではなかった。
     前の客が体験した実写だったのだ。

  •  悪夢のような時間が過ぎ、帰路についた。<br /> 少し離れた川辺を見ると、私たちと同じように川に振るい落とされている欧米人たちがいた。<br /> 像使いが「ワン、ツー、スリー」と号令をかけると、象が思い切り横転する。<br /> その度に、真っ赤なビキニの女性や青いビキニの女性たちが、悲鳴をあげて川の中にたたき落とされているのだ。<br /> 私は涙が出るほど笑ってしまった。<br /> 自分たちと同じように残酷な目にあっている人たちを見ると、なぜか嬉しくなってしまうものだと知った。

     悪夢のような時間が過ぎ、帰路についた。
     少し離れた川辺を見ると、私たちと同じように川に振るい落とされている欧米人たちがいた。
     像使いが「ワン、ツー、スリー」と号令をかけると、象が思い切り横転する。
     その度に、真っ赤なビキニの女性や青いビキニの女性たちが、悲鳴をあげて川の中にたたき落とされているのだ。
     私は涙が出るほど笑ってしまった。
     自分たちと同じように残酷な目にあっている人たちを見ると、なぜか嬉しくなってしまうものだと知った。

  •  店に帰ると、おばさんがビデオを見せてくれた。<br /> 私たちが写っている。<br /> 付き添っていた女性が写したものだ。<br /> 自分の悲劇も、ここで見ると忘れ難い喜劇に見えてくる。<br /> 動画と静止画をCD2枚に焼いて400バーツだというので、買うことにした。

     店に帰ると、おばさんがビデオを見せてくれた。
     私たちが写っている。
     付き添っていた女性が写したものだ。
     自分の悲劇も、ここで見ると忘れ難い喜劇に見えてくる。
     動画と静止画をCD2枚に焼いて400バーツだというので、買うことにした。

  •  ふと気づくと、短パンのポケットに何か入っている。<br /> 出してみると、パスポートと折りたたんだ紙幣、車の免許証だった。<br /> パスポートと出国カードに押されたスタンプはにじんでしまい、出国カードは判読がむつかしい。<br /> 私たちはずぶ濡れのまま、ゲストハウスへの道を走った。<br /> 初めからわかっていたら、事前にシャツは脱ぎ、水着のパンツをはき、貴重品は全部預けるべきだった・・と悔やんだ。

     ふと気づくと、短パンのポケットに何か入っている。
     出してみると、パスポートと折りたたんだ紙幣、車の免許証だった。
     パスポートと出国カードに押されたスタンプはにじんでしまい、出国カードは判読がむつかしい。
     私たちはずぶ濡れのまま、ゲストハウスへの道を走った。
     初めからわかっていたら、事前にシャツは脱ぎ、水着のパンツをはき、貴重品は全部預けるべきだった・・と悔やんだ。

  •  しかし走っているうちに、こんな面白い経験はなかなかあるものではないと、笑いがこみあげてきた。<br /> 不思議だった。<br /> 髪の毛までぐしゃぐしゃにしている女房も、バイクの後で笑い転げている。<br /> 他の観光客が乗った象のそばを通り過ぎても、もう象は怖くなかった。<br /> 必死になって象の身体にしがみついていたのだから。<br /><br /> 翌日、脚の内側の筋肉が異様に痛くなっていて、ヒョロヒョロと変な歩き方になっていた。<br /> これが強烈な思い出に残る、私たちのパイだ。<br /><br />その8につづきます 

     しかし走っているうちに、こんな面白い経験はなかなかあるものではないと、笑いがこみあげてきた。
     不思議だった。
     髪の毛までぐしゃぐしゃにしている女房も、バイクの後で笑い転げている。
     他の観光客が乗った象のそばを通り過ぎても、もう象は怖くなかった。
     必死になって象の身体にしがみついていたのだから。

     翌日、脚の内側の筋肉が異様に痛くなっていて、ヒョロヒョロと変な歩き方になっていた。
     これが強烈な思い出に残る、私たちのパイだ。

    その8につづきます 

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