2011/07/12 - 2011/07/26
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motogenさん
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その3からの続編です。
クンアユムからローカルバスでメーホンソンに移動しました。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- 徒歩 バイク
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
クンアユムのバス停は小さな広場になっていて、バスはここでトイレ休憩をしていく。
バスを待っていると、5〜6人の人たちが私たちに加わった。
見知らぬ人たちだが、仲間のように思えてくる。
-
山道を下り、2時間もかからずにメーホンソンに着いた。
終点のバスターミナルは、町から西方およそ1〜2キロ離れた場所にある。
以前は町の中央付近にあったのが、ここに移ってきたらしい。
-
バスターミナルで待ちかまえていた3輪トクトクに乗ることにした。
女房にとってはこんなトクトクは初めて。
遊園地の乗り物に乗る気分。
以前宿泊したゲストハウスの名前をだして、そこまで連れていってもらう。
-
前回と同じ『プリンセス・GH』に部屋をとる。
欧米人が経営しているゲストハウスだ。
裏口から出ると目の前は池にほとりで、遊歩道がぐるりと池を取り囲んでいる。
立地が良いのに、1泊300バーツ。
3泊することにした。 -
簡素なフロント。
笑顔で迎えてくれるが不必要なサービスはなし。
私たちに似合っている。 -
フロントから奥に進むと中庭があって、その奥に2階建ての宿泊棟。
建て増しを重ねてあるようで、内部は複雑。
2階のテラスからは池をとりまく素敵な景色が一望できる。 -
ゲストハウスにはたくさんの猫がいて、どの猫も人なつこい。
首のまわりをなぜてやると、ゴロゴロ音をたててくれる。 -
さっそく外に出て、池の回りを歩いてみる。
この日は三宝節の仏事のお祭り。
池の回りのワット・チョンカムとワット・チョンカンは、さぞかし賑やかであろう。
そんな期待をこめて外に出たのはいいが、あるはずの屋台もなければ人も少ない。 -
お寺にはそれなりの人はいるけど、とてもお祭りという雰囲気ではなく、本堂の中もシーンと静まりかえっている。
-
気落ちしながらしずしずと本堂にあがり、仏様を前にして女房と一緒に座禅を組んだり、瞑想にふけってみたりする。
仏など信じていない観光客が黙って上がり、偉そうに座禅などしていても、誰もとがめない。
ちょっぴり薄暗く線香の匂いが漂う本堂の中は、厳かでなかなかいい雰囲気だ。
時折お供え物をもった人が上がってきて、タイ人らしく深いお辞儀を繰り返し、黙って去っていく。 -
仏様の前でだらしなく寝ころび、寝入ってしまう人がいた。
よくよく観察すると、片隅ではまくら持参で眠り込んでいる人もいる。
そんな人に向かって、行儀が悪いと坊さんは叱らない。
こんな様子を見ていると、タイに来たのだとほほえましく思えてくる。 -
隣のワットに移動する。
廊下ではみんなが集まって野菜や果物で何かを作っていた。
お昼の準備?
お祭りのお飾り? -
「ねえ、見てよ。仏様の後、ぴかぴか光ってる。電飾掲示板みたい。」
くすくす笑いながら女房が言う。
タイ人は派手で豪華で、きれいなものが好きなんだ。
神社仏閣にわびさびを求める日本人の感覚とは違っている。 -
気持ちの良い風が流れる本堂。
その静寂さに、ついつい昼寝をしてしまった。
ふと子供時代の夏休みを思い出す。 -
夕方になっても池の回りに屋台は現れず、観光客もほとんど見なかった。
町の中もいたって静か。
三宝節というものを、楽しいお祭りだと勘違いしていたようだ。
対岸のワットの灯がクリスマスツリーのように輝き、池に反射しだした。
二階のベランダに座りその灯を見ていると、霧のような雨が広がってきて、そのうち本降りとなってしまった。 -
朝の散歩に出かけると、オレンジ色の衣をまとまった坊さん達がお寺に帰ってくる途中だった。
-
托鉢が終わったんだろう。
両手に抱えたはちの中にはご飯などがつまっている。 -
町の中にも坊さんがいた。
地べたに座ってタンブンし、ありがたいお経を唱えてもらっているおばあさん。
宗教嫌いな私だが、タイにやってくるとこんな情景が好きになる。
日本にいる時と違って、かたひじはらずに素直になるんだろうか。 -
バイクを借りに外に出ると、道路にたくさんの犬が寝転んでいた。
近づいても反応なし。
怖さは感じない。
そんなタイが私は好きだ。 -
近くにバイクを貸している店があり、パスポートを持って行くとすぐに借りられる。
料金は24時間150バーツほどだ。
運転免許証など普通は必要ないが、私はいざと言う時にそなえ、バンコクのカオサンで偽装の国際免許証を作ってある。 -
借りてきたバイク。
上り坂が多いので、オートマチックではなくマニュアルギアにした。
110ccほどのエンジンで、二人乗でも楽々と上り坂を登るはず。
-
まずはこて調べに、町のどこからでも目に入るワット・プラタートの小高い山へ登ってみる。
一度行ったことがあって、甘く考えていたら、山の入り口やら山の中の分岐点で道を間違えてしまった。
少しあわてるが、そんな気持ちは女房には見せない。 -
山の上からの景色を女房に見せる。
池やその周囲にある2つのワット、ゲストハウス、市場、飛行場が箱庭のように見える。
こんな時間がいつまでも続けばいいと思ってしまう。 -
飛行場に小型機が降りてくるところだった。
そんな景色に見とれていたが、女房は別のことに関心が移っているようだった。
女房の視線の先には、寺の講堂に黄色の袈裟をまとった小僧さんがたむろしている。 -
子供の坊さんたちは、大人の目の届かない所でふざけてじゃれ合ったり、こっそりゲーム機を出して遊んでいる。
なりは坊さんだが、中身はまだまだ無邪気な子供なのだ。
それが女房には可愛く見えるらしい。
歳を聞くと12歳とか14歳だと答えて、恥ずかしそうに照れていた。 -
こんな子供たちがタイのお寺にたくさんいる。
子供たちの家族はどうなっているの・・?
この子たちは、身寄りのない子供なの?
学校には行かなくていいの?
女房にそんなことを聞かれるが、ほとんど私にも分からない。
ただお寺が学校の役割をしていることを、うすうす知っているだけだ。 -
日本の坊さんとタイの坊さんは、本質的なところで違うようだ。
日本の坊さんは仏教関係の大学を卒業し、各宗派の本寺で修行をし、系列のお寺に配属されていく。
坊さんという職業に就くには、資格というか免許のようなものが必要で、一種の特権階級だ。
しかしタイの坊さんは違うように見える。
誰もが出家しようとすれば、いとも簡単に出家でき、年端のいかぬ子供だって坊さんの真似ごとができるのだから。
日本の坊さんの収入源は葬式や法事のお布施、盆や正月の檀家からの徴収金だ。
ではタイの坊さんの収入源は何だろう。
タイには日本のような法事はないし、そもそも檀家制度がない。
多分托鉢が収入源なのだろう。
タイ人は信じがたいほど信心深く、純真な心をもっていて、本心からお坊さん尊敬している。
そんなことを思いながら、みやげ物店を眺めて歩いた。 -
山から戻ってきて、ゲストハウス近くのレストランで食事。
辛いタイ料理を「おいしい、おいしい」と小気味よく口に運ぶ女房。
観光地と言えど田舎町では、二人600円ほどで贅沢な気持ちになれる。
それが嬉しい。
一度、店員さんに「スパイシー? ノンスパイシー?」と聞かれて、ノンスパイシーと応えてしまったら、つまらない味になってしまった。
やはりタイ料理は辛いほうがよい。 -
満腹になったところで、国道を一路南に走り、パーボン温泉に挑戦してみた。
2年前に挑戦し、間違った脇道に入り込んでしまって、すごすごと退散してしまった温泉だ。
今回はしっかり下調べをし、町から11?にあることを確かめた。
クンユアムからのバスの中でも、目星もつけてあるから大丈夫だろう。 -
そんな訳で温泉は簡単に見つかった。
しかし見つかったはいいが、温泉という雰囲気ではない。
日本人のもつ温泉のイメージは、ひなびた山の岩陰からふつふつと湯が沸き出ていて、湯治するための宿泊所があり、簡素ながらも脱衣場や湯だまりが備わっているというものだ。
浴衣姿でなくてもいいから、お客さんだっていなくてはならない。
ところがここは、灼熱の太陽に照らされた空き地のような広場で、それも回りは田んぼときている。
広場の片側に倉庫と、倒産した小さな工場みたいな建物が建っているだけなのだ。 -
どこにも人の姿は見えない。
その広場の奥に、硫黄の匂いが漂う大きな池があって、看板が立っていることから、温泉とわかるくらいだ。
せっかく来たのに休業閉店なのか? -
バイクを降りてその池を眺めていたら、建物の中から男が出てきて手招きしてくれた。
管理人だった。
料金表を見せてくれ、一人50バーツで入浴できると言う。
さっそく入浴料を支払った。 -
従業員のおじさんが、あっちこっち電源を入れてポンプを作動させ、あっちこっちのバルブを開け、少し離れた浴場らしき場所に案内してくれた。
屋根のついた屋外廊下に、10室くらいの個室が一列に並んでいる。
個室の大きさは3畳ほどであろうか。
中にはバスタブがあるのみで、脱衣場や服を置く場所などはない。
しばらく客は来てないようで、部屋全体に土埃が積もっている。 -
おじさんはドードーとお湯を出すと、タオルでバスタブを洗い始めた。
土埃はかなりの厚さだったらしく、お湯はまっ茶色になって流れていき、女房はあっけにとられて笑っていた。
誰もいないことをいいことに、私は外の廊下で裸になると服も外に置いて個室に入り、バスタブに浸かった。
女房もまねをして入ってくる。
お湯はかなり熱く、水を大量に混ぜないと入れないほどだった。
温泉とはいえ3畳ほどの狭い浴室に閉じこもっていては、何も面白くない。
これじゃ客が来ないのも納得できる。
温泉地として売り出したいのであれば、岩場で囲った露店風呂にするとか、泳ぐこともできるような大きな公共の風呂にするとか、バブル風呂を造るとか、もう少し工夫があってもいいだろうと思うのだった。 -
それでも汗を流すとさっぱりし、湯から出て周囲を歩きながら、地中からこんこんと沸きだしている池を観察した。
池は二つあり、一つの池は透明で、もう一つは白く濁っていた。
温度はかなり高い。
この施設は、この池からお湯を吸い上げて、浴室に引いているのだとわかった。
沸き出してくる湯は、池の淵を超えて流れ出し周囲の小川にそそがれている。
回りの田んぼに影響しないのだろうかと心配した。 -
2人の幼い子供を連れたお母さんがバイクでやってきて、しばらく池で遊んでいた。
入浴自体はそんなに楽しいものではなかったが、こんな変わった温泉地にやってきて、こんな変てこな温泉に浸かったことには満足し、パーボン温泉をあとにした。
温泉から南に走ると、小さな集落があって何軒かの雑貨屋があった。
冷たい飲み物を飲んでいると、大型バイクにまたがった欧米人がグループでやってきて、温泉の場所を聞いてきた。
「すぐそこだよ。とってもグッドだ。」
そう伝えると、ニッと笑いながら指を立てて挨拶し、元意よく去っていった。
後部座席にはナイスボディーの女の子たちが乗っている。
店のおばさんの話では、もう10?ほど南に下ると東に折れる別れ道があり、鋪装もない細い道をさらに10?ほど登ると大きな滝があるということだった。
面白そうだったが勇気がなく、滝はあきらめた。 -
事故もなく無事に町に帰ってこれた。
町の入り口にはこんな大きな門がある。
タイにはこんな町がかなりある。 -
バスターミナル近くの様子が一変していた。
大勢の人たちが集まって、ワイワイドンドンと騒いでいる。
学生らしき若者達が多いようだ。
いったい何事だ。 -
どうもパレードの準備中のようだ。
何のパレード?
聞いてみたけど彼らのことばが聞き取れず、私には理解不能。
若々しい娘さんたちが美しい衣装を身にまとい、私も浮かれた気分になってくる。 -
タイ伝統の太鼓を奏でる若者もいた。
この太鼓の産地を紹介していたTV番組を見たばかりだ。
実物は思いのほか大きく、迫力がある。 -
パレードはいつから始まるのだろう。
本番まで見ていたいが、いままで待っても始まらず、きりがないのでゲストハウスに帰ることにした。 -
昨日は三宝節で、この日はカオパンサー。
男たちが出家する日であると聞いている。
どんなことが起こるんだろうとワットに注目していたが、さして変わったことは見られなかった。
新人の坊さんが増えたようすもない。
夜の町をバイクで回ってみると、池の近くでカウトン(お粥)の屋台が営業していた。 -
前回、何度も食べたカウトン屋台だ。
熱くて、安くて、うまい。
フーフーいながらスプーンですする。
でもこれだけじゃ、何かもの足りない。
別の屋台でチキン揚げなど食べようか。 -
近くには山岳民族の衣装をまとった人達の、民芸品の屋台が開かれていた。
欧米人の観光客が三々五々に歩いていて、屋台を冷やかしている。
前回のように夜の町に屋台が戻ってきた。
観光の町なんだから、やはりこうでなくてはね。 -
私たちも民芸品を見て回り、池の淵のベンチで夜の空気を楽しんだ。
欲しいものはないけれど、見るもの聞くもの、女房にとってはすべてが面白くて仕方ない様子だ。 -
いつしか空は真っ暗。
池に写るワットの姿を楽しみながら、今日の疲れを癒します。
明日は北方方面に遠出する予定。
こんなわくわくする気分は、自宅にいたら味わえない。
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