新疆キルギス・カザフ旅９▼アラシャン温泉までトレッキング

2014/06/14 - 2014/06/15

アルティン・アラシャンはイシククル湖の南東に位置し、そこには温泉宿がある。歩き方にも紹介されているが、アクセスは徒歩で片道14kmとなかなかハードだ。宿からさらに往復１２時間ほど歩くとアラキョル湖(3560m)にも行けるが、それなりの装備とガイドが必要だろう。僕は宿の予約もなしにふらっと来ただけなので温泉に一泊するだけで終わったが宿周辺の自然は十分に満喫できた。帰りにカラコルの町も少しだけ観光。
【交通】
6/14
チョルボン・アタ ⇒ カラコルBT　マルシュ302番　120ソム
カラコルBT ⇒ カラコルバザール　マルシュ109番　7ソム
カラコルバザール ⇒ アム・スム手前の分岐　マルシュ350番　25ソム　　
6/15
アム・スム手前の分岐 ⇒ カラコルバザール　マルシュ350番　20ソム
カラコルバザール ⇒ カラコルBT　マルシュ109番　7ソム
カラコルBT ⇒ ビシュケク　マルシュ　300ソム　　

【宿泊】アラシャン・トラベル　ドミトリー　500ソム　夕食200ソム
【標高】チョルボン・アタ：1630ｍ　カラコル：1750ｍ アルティン・アラシャン：2500ｍ
【為替】1ソム≒2円

エリア その他の観光地(キルギス)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 2.0
• グルメ: 3.0
• 交通: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 10万円 - 15万円
• 交通手段: 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

今日はまずカラコルまで行ってみて、乗り継ぎがよければアルティン・アラシャンを目指す。

カラコル行きマルシュルートカは街の東外れから出ている。朝ホテルから歩いていたら街を巡回している車が連れて行ってくれた。

この道具を使って何か順番決めでもやっているらしい。

３０２番のカラコル行き。この辺を走っているマルシュはどれもベンツ。

北側にはずっと山脈が連なっている。

一方南側は湖が遠くにしか見えない。

モスク＋戦車＝聖戦？

カラコルの北側にあるバスターミナルに到着。

１０９番のマルシュに乗換え終点のバザールで下車。

パンとジュースを買い込んで３５０番でアク・スム村へ。

運転手にアルティン・アラシャンへ行きたいと伝えておくとアク・スム村の手前にある分岐路で降ろしてくれる。

ここを右へ１４キロ進むと温泉に着くはずだ。
１０時２６分にスタート。歩き出して間もなく前方から欧米人と日本人が歩いてきたので温泉宿について情報を貰う。予約無しで行っても泊まりはぐれることは無さそうだ。

バザールで買った食料を途中で開ける。ジュースが1.5Lもあり重くてしょうがないので飲みながら進む。

トラックが一台だけ追い越していったがヒッチするつもりはない。

道は川沿いに続いていて迷う心配はなさそうだ。

水が気持ちいい。

流れの音に包まれて暫く歩く。

１３時、道は川沿いを離れて折り返しの上り坂になった。

休みたいけど日陰が無い。

１３時半、欧米人カップルとすれ違い、互いに歩いた時間を教えあう。温泉まであと１時間５０分とのこと。

馬に乗った少年とすれ違う。

川がはるか下のほうに見える。

再び川沿いの道になり、羊飼いのおじさんがいた。

犬がこちらを意識し始めたがおじさんのそばを歩いてかわす。

川沿いの日陰を見つけて休憩。

１４時半、道が複数に分かれてはっきりしない。

迷いながら高い方向へ歩いていくと眼下に数軒の建物が見えた。

どうやらあそこが温泉らしい。やっと着いた〜！

一番手前の敷地にあった世界各都市を指し示す標識。

ここには三軒ほど宿があり、

そのうち中央付近のアラシャン・トラベルに泊まった。

１５時、宿に到着し大柄なオーナーから英語で説明を受ける。

宿代はドミでも個室でも500ソムと適当な値付け。

温泉は三棟あり自由に使えるが普段は鍵が掛かっている。夕食は200ソム、朝食100ソムで用意できる。僕は夕食だけお願いすると「羊肉は大丈夫か？」と聞かれた。羊の丸焼きを輪になって食べている自分を想像。期待が膨らむ。

まずは明るいうちに周辺を散策。

川を越えて歩いてみるが湿地帯で歩きにくく引き返す。

左奥に見える台形の雪山はパラータ山4260ｍ。ビッグテントと呼ばれていた。

正面の山に向かって歩くと途中で遊牧民のテントがあった。

中ではチーズを作っているようだ。

羊とヤギの群れを突っ切って歩く。

山に最接近したポイントがここ。

帰りにドイツ人二人連れと出会った。彼らも僕と同じく歩いてきたそうだが「日曜日にカラコルで開かれる家畜市を見たいから帰りは歩かずにジープをチャーターするよ」とのこと。

鍵を借りて温泉に入る。

二つ並んだ棟の一つに内鍵をかけて暫く占有。かなり熱くてずっとは入っていられなかった。透明の綺麗なお湯でほのかに硫黄臭。隣のお湯は欧米人客が数人で使っている。

トイレは敷地の外に建っていて電気も付かないので夜は不便。

この日は欧米人２０人ほどのグループが泊まっていた。イスタンブールからシンガポールまでトレーラーで半年かけて旅するツアーだ。イギリスの会社が企画していてデンマーク人のスタッフとキルギス人の女性ガイドが同行している。ここへはジープに乗り換えて食料持参で来たそうだ。旅費を聞いたら１万ドル＋小遣い程度とのことで半年にしては安い。今日の当番が夕食を作り始めた。

食事の前にリーダーが明日の予定を連絡。メンバーには高卒したての少年から老人までいた。数名の有志が標高3560ｍにあるアラキョル湖まで往復１２時間かけてトレッキングしてきたそうだ。雪が残る荒涼とした山頂から湖を見下ろす動画を見せてくれた。

僕の夕食は宿にオーダーしていたが最初にパンと紅茶が出てきたきり次が出てこない。食べずに待っていると不憫に思われたのかさっき顔見知りになったグループの男性が「作った鶏肉料理が余ったから」と先に持ってきてくれた。

その後、サラダとハヤシライスに似た料理が出てきて満腹で食べきれなかった。

６月１５日(日)
天気が下り坂なので早朝に出発した。それに昨日ドイツ人から聞いた家畜市も気になるし。
５時４０分スタート。なごりおしい温泉谷をあとに。谷を抜け出す坂道が帰路で唯一上りらしい上り。あとは平地か緩やかな下り。

同じルートでも朝の光ならではの景色が見られる。

特徴的な景色は覚えていて安心する。

工事現場がある辺りで雨が降り出した。まずいなあ。枝道を下ってなるべく近道。

幸い雨はすぐに止んで青空が見え始めた。腕を縮めて可愛げのある電柱。

８時５０分、昨日の分岐路まで到着。行きは５，６回休憩して４時間半かかったが、帰りは休憩無しで３時間１０分で歩ききった。そのうちドイツ人を乗せたジープに追い越されると思っていたが、ついに現れなかった。寝坊したのかな？

ここから村のほうに少し歩いてマルシュルートカの発車場所を探すが村まではまだだいぶ歩くようなので道端で待つことにする。

エリツィンさんみたいな顔のお婆さんが「ここに座りんしゃい」とベンチを叩いてくれた。

牛乳（ヤギ乳？）の収集車に住民が集まってくる。

２０分ほどでマルシュルートカが現れて乗車。

田舎町にしては珍しく信号がある。

バザールに到着し暫く中を見学。市場の一角にコンテナが並ぶ。

むき出しの地面は終戦直後のドヤ街がそのまま続いている感じ。服、靴、アクセサリー、食品など区画に分かれて売っている。

小ぶりの麺が人気だったので食べてみる。カラコル名物のアシュランフーという冷麺だ。

冷たいやや辛スープに黄色い麺とところてんのような白いものがからんでいる。久しぶりの東南アジア的な味覚に満足（20ソム）。これは庶民に人気なわけだ。

キルギスはどこにいても雪山が見える。

こんなところに怪獣。

聖三位一体教会は一目見て気に入った。

斜め後方から。ロシア風とんがり屋根の金ピカに白緑色が鮮やか。

側面から。木造の枯れ具合がいい。

内部は撮影禁止なので外から撮る。ロシア正教会には中央に椅子がないようだ。豪華なシャンデリアと正面の聖人たち。

日曜の午前中とあって家族で大勢訪れていた。

お清めの水。

市場を通ってバザールへ戻る。

子供のころは近所にこんな店があったな。

床屋の入口。なに？20ソム！安い！

水とジュースが同じような値段だとついジュースを買ってしまう。

これからイシク・クル湖の南に面するタムガに行きたいがマルシュルートカが見つからない。おそらく朝一ならあるが中途半端な時間帯はチャーターしかないのだろう。

北バスターミナルまで移動して、チョルボンアタ行きを探すがそれもない。ビシュケク行きに乗って途中下車すればいいはずだが、そういう乗せ方はしたがらないようだ。結局ビシュケクまで帰ることにした。運賃は300ソムと割安。
１２時２４分発。

１６時５０分、行きと同じレストランに立ち寄って早めの夕食を食べる。

１９時４分、ビシュケクの西バスターミナル着。
構内に両替屋があったので余りそうなソムをカザフスタン・テンゲに両替。1772ソム→6220テンゲ（１テンゲ＝0.285ソム）

テンゲ紙幣は切張り風

さくらゲストハウスに３度目のチェックイン。
日本人メンバーは入れ替わっていた。

この銘柄のビールは美味かった（４９ソム）。

スナック類はさえないラスクのような食べ物でハズレ。

アイリッシュウイスキーを勧められて一口飲む。
１１時半の消灯時間を過ぎても話していたので宿のキルギス人奥さんから注意された。もこっとした彼女は僕の中にある保健室の先生のイメージだ。

この旅行記へのコメント （6）

• karasukkoさん 2015/01/15 16:11:52

  お久しぶりです。

  Halonさん
  
  お久しぶりです。
  早いもので２０１５年も明けて半月。時は容赦なく過ぎていくのですね。
  
  旅行記に訪問、そして投票ありがとうございました。
  メールボックスに「投票あり」との連絡があったので（そうでないとずっと４トラサイトにアクセスしないありさまの最近です）、こちらも久々にHalonさんの旅行記拝見させていただきました。
  
  トレッキングに温泉、う〜ん、行きたい！
  でも、当分行けそうにない。
  で、Halonさんの、いつものように（？）ひょうひょうとしたスタイルの旅行記で、少しその飢えを癒しました。
  
  とりあえず、お礼まで＿
  
  karasukko

  Halonさん からの返信 2015/01/15 22:45:22

  RE: お久しぶりです。

  karasukkoさん　お久しぶりです。
  
  アジャンターはまだ行ってないので勉強のために訪問させていただきました。
  たまにアクセスのきっかけになったのですね。それはよかった！
  
  キルギスは言葉が通じないわりに個人旅行はしやすかったですよ。
  少なくともモンゴルよりは動けました。
  温泉もあり、食事も口に合ったのでまた行きたい国です。
  
  ではでは

• 鼻毛マンさん 2014/09/08 23:54:45

  異邦人が流れてくるかのような旅記です

  Halonさん、初めて書き込みします。
  
  この中央アジアのの旅記は、読んでいて久保田沙希の異邦人が流れてくるかのような旅行記です。
  僕も嫁さんがいないときはこんな旅行していたけど、いなはぜんぜんだなぁって思い至りました。
  そこで、今夜から、嫁さんに「いいなー一人旅…」って事あるごとにつぶやくことにしました。
  これを５年くらい繰り返せば、きっと僕にもまた一人で旅行する機会がやってくるような気がしています。
  それまで、がんばらないと。
  
  素晴らしい旅行記をありがとうございました。
  
  鼻毛マン
  

  Halonさん からの返信 2014/09/09 19:41:52

  RE: 異邦人が流れてくるかのような旅記です

  鼻毛マンさん、コメントありがとうございました。
  
  一緒に旅する旅友達がいないのでいつも一人旅なのですが、それが功を奏している点があるのかもしれません。
  
  鼻毛マンさんの旅行記には美味しそうな料理と綺麗な女性がたくさん出てきて、今後も楽しみです。コーナン効果で一人旅が解禁になりますように。
  それと予約済みのホテルは証拠を持っていったほうがよさそうですね。参考になりました。

• れいろんさん 2014/09/04 00:31:04

  温泉良いですね〜。

  Halonさん、お久しぶり。
  
  中国西域から中央アジアの旅、良いですね。
  Halonさんのいつもの旅行の方向より、私はこちらが好き！
  
  温泉へ１泊。良いですね。綺麗なお湯です。
  
  例のユーラシア横断ツアーの話は、BS番組で見たことがあります。
  参加費、意外と安いんですね。
  もっとも私はそんなに長期の団体行動はできそうもありませんが。
  Halonさんも同じでしょ？
  
  ところで、注文した「羊肉」のお料理はどうなちゃったのでしょう？
  
  　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　れいろん

  Halonさん からの返信 2014/09/04 08:26:04

  RE: 温泉良いですね〜。

  れいろんさん、ご無沙汰しております。
  
  いつもと違うHalonさんの旅行記、でしたか。あはは
  中央アジアと言いながらフォートラではヨーロッパに分類されているキルギスです。
  
  私もユーラシアや南米の横断ツアーをＢＳで見ました！
  実は南米は怖くて一人で行く自信がないからツアー参加に憧れていました。
  番組では途中から抜けたり参加するメンバーがいたでしょ。でも今回出会ったのは最初から最後まで全員参加するタイプなんだそうです。ドミトリーで数日一緒に行動するのは全く抵抗がないんですが、半年も一緒となると人間関係が辛そうだなとあのとき一緒にいただけでも薄ら感じました。
  
  羊肉は食べられるか「ちょっと聞いてみただけ」だったのかなあ。本気で期待していたんですが。