
2014/06/05 - 2014/06/05
3位(同エリア34件中)
Halonさん
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今日はいよいよキルギスへ陸路入国する。この旅の山場だ。通常はカシュガルからオシュへ国際バスが週二便(月、木)あるが、ここ数週間は道路の通行止めで運休していた(キルギス政府への反対勢力の仕業らしい)。他の手段は相乗りタクシーかヒッチハイクか。もともとバスを使うつもりはないので動揺はしなかったが、通常より時間がかかる可能性もある。
2日前に同宿から出発した香港人女性は夜中の1時にオシュに到着したとの情報をユースのスタッフから聞いた。そんなことにならないように、なるべく早く出発することに。
【交通】
カシュガル 0750 ⇒ ウチャ 0910 30元
ウチャ0915 ⇒ イルケシュタム口岸0925 15元
イルケシュタム口岸1140 ⇒ 中国側国境1320 100元
中国側国境 ⇒ キルギス側国境 20元
キルギス側国境1200 ⇒ ソプ(途中の村)1420 24ドル
ソプ1635 ⇒ オシュ1830 20ドル
合計165元+44ドル≒7253円
【宿泊】オシュゲストハウス ドミトリー 326ソム
【標高】カシュガル:1300m ウチャ:2150m サリタシュ:3170m オシュ:970m
【為替】1元≒16.6円 1ソム≒2円 1ドル≒102.6円
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 2.0
- 交通
- 2.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 10万円 - 15万円
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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カシュガル⇒オシュ ルート約500km
-
ユースを7時半に出発。歩いて国際バスターミナルまで来たところで客満の相乗りタクシーをすぐに拾えた。7時50分にはウチャ(烏恰)に向けて発車。
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9時10分にウチャ到着。ここから口岸までは同じタクシーで15元で送ってもらった。門が閉まっていたので門脇の警備室で待たせてもらう。寒いのでセーターを着る。
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10時開門と同時に車の列が動き出した。歩きでは遠いので手を上げて停まった車に乗せてもらうが、車の入口はだいぶ手前にあるので結局そこから数分歩いて口岸建屋へ。出国カウンターはまだ準備中。10時40分ごろようやく係員の準備ができたが車が確保できていないと審査してもらえない。「車は自分で探してこい」と言われ100mほど離れた駐車場でドライバーと交渉。しかしオシュへ行くトラックは道路が不通のため見つからず。口岸へ戻るとタクシードライバーが手招きしていた。運よくウイグル族3名と同乗させてもらうことに。それから荷物検査。デジカメにSDを入替えて全写真を検査、スマホ写真も検査。時間がかかるは、バッテリーが減るはで迷惑な話だ。
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4人全員の出国審査が終わり出発したのが11時40分ごろ。
ここから国境のイルケシュタムまでまだ135kmもある。 -
15分ほど走った集落の雑貨屋でドライバーが買い物。
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雑貨屋内をぶらぶら。
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向かいには食堂も。ん?どこかで見覚えある?
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12時4分、康蘇の料金所を通過。
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ここにも火焔山風の景色。
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この道はまるで滑走路
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12時26分、国境まで80kmと順調。早くも英語とキリル文字の標識が登場。
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気分は火星
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12時43分、ウルグチャット (烏魯克恰提)郷の入口を通過。
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村内の建物
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忽然と現れた山を過ぎて
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13時1分、大きめの村通過。
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粗末な土壁の民家に囲まれてモスクが見える。
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13時6分、正面に雪山が。
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直後に野良ラクダが!高地なのに、、
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標高は2800m
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13時20分、国境が昼休みに入る前に滑り込んでパスポートを見せる。でかした運ちゃん!もし遅れたら16時の昼休み明けまでここで足止めになるのだ。
若い警備兵が鉄門を開けるのを慣れた様子で運転手が手伝う。それから兵士が助手席に同乗し緩衝地帯を移動。キルギス側の兵士に引き渡されて暫く歩き、待っていた車に乗り換えて数キロ移動。ウイグル族たちが運転手に一人100ソム払ったので僕は相手の言い値で20元払ったがちょっと払い過ぎた。 -
キルギスの入国審査は簡単にパス。その後、トラックの横にいた太った男に呼び止められた。最初はトラックに乗せてくれるのかと思ったら、パスポートを取り上げて何か言っているが現地語なので皆目見当もつかず。パスポートを取り返す。
後から来たウイグル族たちに通訳してもらって「危険物通過許可証を持っていないから金を払え」と言われていることが分かった。ウイグル族たちも一人300ソム払ったので、仕方なく6ドル払ったら男はニコニコ顔になった。こんなところで罰金取られた日本人なんて他にいないかもしれない。せめて領収証は貰わないとなあ。思い出すと腹が立つ。 -
ウイグル族の一人とはここでお別れ。待ち構えていた白タクに三人で乗り込む。ウイグル族の話ではオシュまで1人1500ソムとのこと。
カメラのタイムゾーンを2時間遅らせてキルギス時間の12時少し前に出発。すぐに兵士に止められてパスポートチェック。あれ?ここでもウイグル族たちは金を渡していた。弱腰なのか普通か知らないが。僕には要求もされなかったのでチェックのみ。詰め所は丸っこいコンテナに迷彩がしてありかわいいので写真に撮りたかったが、トラブるといけないので我慢。 -
標高はさらに上がり雪山がせまってくる。
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この先まだまだ道は続く
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馬の群れを追い越す。
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道路の周辺にも残雪。
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成層圏まで続く空。
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13時 一面雪の世界に変わった。
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最高地点では3500mを超える。昼間の車内なので寒さは感じない。
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13時25分 最初の村が見えてきた。
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恐らくここがサリタシュ。標高3170m。
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南に40km進めばタジキスタン。
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もし乗継ぎが悪ければこの村で泊まることも想定していた。
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13時36分、再び峠道を上り、
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3550mの峠を越える。
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迫りくるアルペンルート
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このころはドライバーもまだ愛想が良かった。
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今度は羊の群れとすれ違う。
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極地にも遊牧民の暮らしがある
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助手席の窓を開けて
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澄んだ空気を吸って
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里まで降りてきた
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空も飛べるはず
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川の流れに沿って
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キャンパスに描いた山のよう
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できることならこの辺りで一泊してみたい!
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14時20分、ソプという村で前方にユルタが見え停車。
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車を降りて土砂崩れの区間を歩く。どうやらここで政府に抗議しているらしい。
8人乗りランクルに乗換えたあと、ここまでの運転手に支払い。ウイグル族たちが浮かぬ顔でひそひそ話を始めた。なんとここまで1500ソムも要求されていた!「オシュまでの約束だろ!」と中国語でウイグル族たちに言っても運転手は受け入れない様子。結局ウイグル族たちが1200ソムまで値切って決着。僕だけはソムの手持ちがないのでドルへの変換レートでまたもめる。英語も中国語も通じないので身振り手振り+スマホ電卓でのやりとり。「24ドルだ、これで最後」もうこれ以上は1ドル札が無い。相手はしぶしぶ引き下がったが相当ホクホクしているはずだ。 -
それから次の運転手と交渉。この男のほうが高倉健の若いころに似た強面で逆らう気がしない。前の運転手は「ここからオシュまで500ソムだ」と勝手なことを言っていたが、オシュまではまだ100キロ以上ありそれで行くとは到底思えぬ。案の定高倉健は「1人ミンソムだ。ミン、ミン、ミン」と頭数を数えて皮算用を始めた。ミンソム=1000ソムだ。ドル払いで20ドル。あ〜なんというボッタクリ、だがこんな山奥で他にタクシーもヒッチするトラックもいない状況じゃあ交渉にならない。キルギス初日から英語の全く通じないこの村に泊まる度胸もない。
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この後、他の客を2時間待ったが来ないので運転手が諦めて出発。30mも動いたら客をもう3人拾えた。客の側でも出発する車を待っていたらしい。
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景色は綺麗なのに気分が沈む。♪春なの〜に〜 春なの〜に〜 ためい〜き〜ま〜た〜ひと〜つ〜♪
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山肌に見えるのは何かのスローガンか。
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沿線に現れたのは墓地。
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チロリアンな村を過ぎ、
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ユルタが並ぶ放牧地で停車。
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道端には丸いチーズを並べて遊牧民が商売している。
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高倉健が遊牧民の小屋でクムス(馬乳酒)をペットボトル一本購入。
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「クムスは飲んだことがない」と伝えるとおばちゃんが茶碗に一杯なみなみと注ぎ始めた。「そんなに要らないよ」と慌てて止めたが「回し飲みすればいい」と高倉健に言われてそれもそうだと飲み始める。
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甘くないサワー味の刺激が口、喉、胃に染み渡る。プハ〜一口で十分。振り返って次に回そうとしたら「いらない、いらない」と断られる。そういえばこいつらモスリムだよなあ。逆に「お前が飲め、飲め」とせかされ更に二口飲んだが限界だ。おばちゃんには申し訳ないが半分残した。
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この車は長岡市の中古車だった。高倉健が何か話しかけてくるが一言も分からないので後部席のウイグル族にキルギス語から中国語へ通訳してもらった。それによると自分の7代前のおばあさんが日本人とのこと。
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オシュ市内に入ると一番先にオシュゲストハウスに連れていってもらった。当たり前だ。僕が一番高く払ってるんだから。
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オシュゲストハウスは場所が分かりにくいのが有名で、表通りからはAREOPAGと書かれた看板が目印。
オシュ ゲスト ハウス ホテル
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その裏手にある三棟のアパートのひとつにある。アパートの壁に青い標識が付けられている。
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この入口から4階まで階段で上る。最初はたまたま外にいたスタッフが案内してくれたが、次に自分で戻ってくるときは暫く迷子になった。
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4人ドミが326ソムだった。ベッドは迷わず窓側を選んだが夜は内側の部屋にしか蛍光灯が点かないことを後で知る。
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今日はいろいろボられたが、6時40分に到着できたのはありがたかった。
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両替屋が閉まらないうちに両替。レートは100ドル=5200ソム。
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街の中心部まで行けば5250ソムくらいに良くなる。
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それから通り沿いの食堂を見て歩いた。この店では肉まんが出ることは分かったがキルギスに来て早々肉まんを食う気はしないのでパス。
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気に入った店が見つからずパンとジュースを買って済ませた。だがこれで正解だった。その夜から水便が始まったのだ。心当たりといえば試飲した馬乳酒しかない。入国後、最初に飲んだものにあたるとは。
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ここのゲストハウスはとにかく狭くてトイレ、シャワーはもちろんひとつ、共用スペースもスタッフの居場所になっているのでパンはベッドの横の絨毯で食べた。
満足度:40点
アルコールの持込みも厳禁。オーナーは白い衣装に髭を蓄え不機嫌な顔をしていて、いかにも厳格なグルに見えた。
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この旅行記へのコメント (4)
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- のまどさん 2014/08/23 06:04:09
- 手に汗握ります
- Halonさん、初めまして。(何度かお邪魔しておりますが)
こんなにスリルのある旅行記を読んだのは久しぶりです。7まで読ませていただきましたが、国境越えの記述は釘付けになってしまいました。中央アジアは憧れますが、情報が少ないのでとても参考になります。キルギスというと1999年の日本人技師誘拐事件や今でも頻発している誘拐婚などのイメージが強いのですが、今は東側は海外安全情報で「注意」レベルだとは知りませんでした。
馬乳酒はモンゴルでもあたったという話を聞くので、要注意ですね。それにしてもパミール高原の絶景、西アジアと東ヨーロッパの文化の交差点のような町の風景や人々は引き込まます。
キルギスととりわけカザフの続編を楽しみにしています。
- Halonさん からの返信 2014/08/23 19:47:20
- RE: 手に汗握ります
- のまどさん こんばんは
うれしいコメントをありがとうございます。自信がつきます。
キルギスのことは以前は何にも知りませんでした。最近になって誘拐婚がいまだに農村部で発生していることをNHKで見て驚きました。親族の女性たちまで加担して「私も最初は嫌だったけど今は幸せ」と花嫁を説得したりしていて、なかなか根深そうです。
現地では小ネタ程度のハプニングだけで無事に楽しめました。ただ馬乳酒には入国早々に洗礼を受けてしまいました!
カザフ編はほんとうは遺跡のある町まで行けばよかったのですが、アルマトイ1泊だけなので物足りないかもしれません。最後は中国に陸路で抜けましたので、そのときの様子が参考になればいいなあと思います。
-
- よーべんさん 2014/08/12 23:10:47
- 絶景!
- Halonさん、こんばんは☆
いつかこのルートをパミールから抜けて逆から行こうと思ってます。
けっこう景色イイですねー
それにしても馬乳酒、災難でしたね。。恐るべし。。
自分も今回のキルギスでは飲みませんでした。
続きの旅行記も楽しみにしてます!
- Halonさん からの返信 2014/08/13 19:59:41
- RE: 絶景!
- よーべんさん こんばんは
景色よかったですよ。実際は写真の3倍くらいよかったです。
パミールあこがれます。地図帳でみるとこげ茶色の高地。
馬乳酒はもともとお腹によいとされているようですが、初めて飲むときは気をつけたほうがいいようです。今まで酒系であたったことが無かったので油断してました。
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