2014/05/31 - 2014/06/02
7位(同エリア264件中)
Halonさん
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トルファンからカシュガルへ通じる南彊鉄道はこれに乗るだけでも目的になるなあ。
カシュガルまでは万全、その後のキルギスまでが不安と思っていたが、思わぬところで足をすくわれた。
【交通】6/1 7557次 トルファン1355→カシュガル 翌日1845 硬座70.5元(1445km)
【宿泊】6/2 帕米爾青年旅舍:ドミトリー 35元
【標高】カシュガル:約1300m 【為替】1元≒16.6円
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 3.0
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 4.0
- 交通
- 3.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 10万円 - 15万円
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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朝10時半、一昨日いっしょに飲んだ兄ちゃんが出発するので見送り。彼は徒歩+ヒッチハイク専門の猛者。バックパックは30kgくらいあるそうで、旅の仕方は十人十色。いっしょに出ようかと誘われたが「まだ列車の出発まで時間があるから」と余裕で辞退。
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11時ごろユースを出発。途中のスーパーで食料を調達。たくあんに似た漬物(1元)、ピリ辛コンブ(0.5元)、鴨肉(1元)どれも当たりだった。
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時間の余裕がなくなってきたので早歩きでバスターミナルへ。バザールを突っ切る。
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衣類雑貨を抱えて売り歩くおじさん。
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昨日も見かけた物乞いの親子。今日は土曜日とあって人通りも多くみんなの注目を集めていた。
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子供たちは賑やかな衣装が好きみたい。
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バスターミナルに着いたのが11時40分、急いで鉄道駅行きのバスチケットを買い求めたが窓口で渡されたのは12時40分発の切符。駅のある大河沿鎮までは58キロも離れていて早くても1時間はかかる。これだと13時55分の出発ぎりぎりになりそう。慌てて別の手段を探すと4人相乗りの白タクが見つかったので、バスの切符を払い戻したが早計だった。二人確保できているはずのお客が見当たらない。車内で待つ時間が刻々と過ぎ、ついにしびれを切らしてバスの切符をもう一度買いに行ったがもう1時発のしか取れない。
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破れかぶれで表に出たら別の運転手から声がかかり、運良く5分後に客が集まり出発できた。はあ、助かった〜
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車は荒野の一本道をかっ飛ばし、時々慎重に段差を乗り越えて進む。
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陽気な運ちゃんの日本人向けトークに相づちを打ちながら。
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市内から駅までは4人相乗りで1人30元(バスなら11元)。
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周辺の荒野には墓だけがぽつぽつと見える。
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列車の出発50分前に余裕で到着。駅前は異常な強風でトタン屋根が飛んできそうなほど。でもここまで来ればもう大丈夫。荷物が増えてもいいからカップ麺を買い込み準備万端で駅へ。
だが安心するのは早かった。入駅検査のおばさんに切符を見せたら「この列車は不通だから隣で払い戻して」と信じられない一言を軽〜く告げられる!まさに晴天の霹靂。 -
混乱する頭を抱えて、とにかく隣の切符売り場へ。三つある窓口はどれも長蛇の列。しかも進みがチョ〜遅い。大半の客が払い戻しを受けた後で別の列車をああでもない、こ〜でもないと選んでいるかららしい。
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列で時々しゃがみながら次善の策を考える。何とか今日中にカシュガル方向に出発したいがカシュガル行きはもうないので途中のアクス(阿克蘇)行きを狙う。発車の23時58分まで駅周辺で時間潰しすることになるが止むを得ない。
それから並ぶこと、なんと二時間!途中に一人で延々と粘っている客がいたり、窓口のお姉さんが昼食休憩を20分取ったりでもうくたくた。
不通の原因は強風によるものだった。後でツッチーさんにメールしてみて分かったがこの時期、強風の日が多いらしい。
こちらに非がないのでさすがに全額払い戻ししてくれたが、次の切符を買おうとすると「本日発の切符は販売できません。明日のカシュガル行きは寝台が売切れです。それに発車する保障もありません。明日もう一度、窓口に来ることをお勧めします」とお姉さんから冷静な調子で言われ、それに従うしかなかった。 -
さてこれからどうしよう?駅前には宿の客引きもいたが、明日に風が収まるかも分からない。ネットにつないで情報も得たいので、1時間以上かけてユースまで戻ることにした。強風の中を300mほど歩いてバスターミナルへ逃げ込む。
カシュガル行きのバスもあったが、値段が高い割にきつそうだし、砂漠の真ん中で横転でもされたらたまらんので見合わせる。 -
トルファン行きバスですら強風でなかなか出発しなかった。4時にようやく出発。
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異郷を感じるウイグルの娘さん。
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1時間後にトルファンの市場まで戻ってきた。
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とりあえず市場の入口で1元アイスを買って一息。
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街角でおなじみの点滴登場。
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ウイグルの花嫁さんかな。
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食べそびれていた烤包子(カオパオズ)を試してみる。
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羊肉がいける(2元)。
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続いて水餃子のようなもの。緑の野菜しか入ってなかったが、羊の脂身の味がした。10個で5元。
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通りの店は6時半ごろようやく準備を始めた。
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せっかくトルファンに舞い戻ってきたので量り売りの干葡萄をスーパーで買う。ついでに得体の知れない食品も。鶏のレバーペーストのようなものだった(0.9元)。
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今日は緑ラベルの烏蘇ビールを飲んでみたが味が淡すぎる。昨日の赤ラベルのほうがお勧め。
ドミトリーに新しく入ってきた中国人からスマホで僕の写真を見せられてびっくり。ウルムチで会った小姐から「トルファンのユースにこの日本人がいるからよろしく」と言われたそうだ(余計なことを!) -
6月1日(日)
朝からユース内で情報集め。はたして今日は鉄道が動いてくれるか。街は昨日の強風の影響で黄色く霞んでいた。天気予報では今日の風は4〜5級とのこと。ユースのスタッフによれば昨日は12級の強風だったそうだから、それに比べればかなり弱い。13時55分発のカシュガル行きは寝台は昨日から売切れ。硬座も昨夜は120席あったのに今朝スマホで見たら90席に減っていた。急いで買わないと売切れそうだ。 -
街のチケット代理販売所を教えてもらいユースを後にする。窓口は9時半にオープンしていたがまだPCの準備中。僕がこの日の一番乗りだった。
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70席まで減った空席から窓側の席番を選び発券してもらう。カシュガルまで70.5元とは安いなあ。寝台より約100元も安い。
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またまたバザールへ。
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埃っぽい風景にこそ大胆な柄がよく似合う。
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バスターミナルで駅行きのチケット購入(11元)。今日は余裕の11時発。
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チケットを確保してから市場へ逆戻り。
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ハミ瓜を試食させてもらった。結果的にこのときのが一番うまかったなあ。
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ここの焼きたてパンも玉ネギ味がして冷えても美味しかった。
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接触事故のあとの口喧嘩は漢族と同じだあ。後続の車が渋滞してるんですが、、、
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太鼓とチャルメラの音に引き寄せられた先ではバイクの大売出しをやっていた。
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昨日と同じ荒涼たる道を走って、
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大河沿のバスターミナルへ。
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それから歩いて駅へ。頼むぞ、今日は動いてくれよ。
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確認のため切符売り場に入ってみる。入口の厚ぼったい風よけが懐かしい。
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我らが7557次カシュガル行きは残り30席まで売れていた。残席表示があるということは動くということだろう。
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乗車前の腹ごしらえに肉糸面(5元)。味はカップ麺よりはましという程度だ。
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食後に別の座る場所を求めてスイカ屋の奥の椅子に居座る。ここの女主人は香港から出稼ぎに来ていた。
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それからスーパーを覗いて歩く。干葡萄に名前と値段が珍しく併記してあった。
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直前にパンを買ってから駅へ。
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このパンはクレープが膨れたような生地で感心しなかった。
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乗車まで20分以上あるのに駅員にせかされて改札を優先的に通過。珍しいパターンだ。
結局、地下通路で長々と待たされただけだった。 -
階段のところでまたストップ。蜘蛛の糸に群がるように天界をあおぐと階段の上には観音様のように服務員が立っている。
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やっと乗車だ。やれやれ。カシュガルまでは28時間50分、1445kmの旅。
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45番席は進行方向に向かって右窓側で狙いどおりの席。
これから長時間をともに過ごすことになる面々。向こうの男はさっそくお祈りを始めている。 -
最初の通過駅は「珍珠泉」って名前が周りの風景に合ってない。
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午後3時半ごろ、右手(北側)には奇岩が続く。
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向かいのおっさんにパスポートを見せてやる。おっさんと思ったが36才とだいぶ年下のおっさんだった。その連れは「インドネシア人みたいだ」と口走ったら、身分証に「漢族」とあるのを見せて必死に嫌疑を晴らしてくれた。
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午後6時過ぎ、天山山脈の南東部に差し掛かり岩山と小川沿いに走る(阿拉渓谷)。
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午後8時、左手に雪山が見え始めたので席を移動。標高は2500mほど。
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車内販売が通るたびにちゃちゃを入れるおっさん。
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午後8時半に扎亥薩拉駅に停車、周囲には家が見当たらない。
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この面々は気楽でよかった。隣の席の愛国青年とだけはときどき議論した。「フィリピンやベトナムおきの小島が中国領なのはおかしいだろう」と言ったら「歴史的な事実だ」と言う。「沖縄は独立国だった」と言いながら「モンゴルはかつて中国だった」とも。
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一方で彼からはこの列車の時刻表をブルートゥースで転送してもらったりした(実はこの機能を初使用)。
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ときどき欧米かと見まごうような服務員が売りにくる。
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夜10時、ようやく薄暗くなってきた。立体交差する列車が遠くに見える。
日暮れとともに寝てしまわないとやってられない日の長さだ。 -
6月2日(月)
朝7時前、顔見知りの連中がクチャでほとんど降りたので寝る態勢に入ったが、すぐに入れ替わりでウイグル族の家族が乗ってきた。起きて荷物を網棚に載せるのを手伝う。 -
窓の外は砂漠に変わり車内は砂だらけに。慌てて窓を閉めるが暑いので砂嵐がなくなると開ける繰り返し。非空調車の辛いところ。
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旅のルートを説明するには手作りの旅行計画書を見せるのが手っ取り早い。みんな興味津々で見てくれる。
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アクス郊外の畑。ビニールハウスの北側は土壁になっている。
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アクスを過ぎると火焔山のような山が現れた。
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4時過ぎに見えてきた地層が鮮やかな山。
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夕方6時45分ごろカシュガル到着。ほぼ定刻。
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変わった形のカシュガル駅。28時間も乗り続けたので足がむくんでいたが不思議と疲れはない。風景を見ながら周囲の人とも打ち解けられたお陰だ。
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駅前から28路バスに乗りエイティガール寺院前で降りる。
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寺院の北側の屋上にユースのマーク発見。遠くからでもよく見えた。
カシュガル パミール ユースホステル ホテル
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3階の受付で予約があることを告げるとあっさり泊まれた。実は列車のせいで到着が1日遅れたのだが、受付のスタッフは知ってか知らずか予約代を差し引いた値段で泊めてくれたのだ。8人ドミトリーが35元、室内でwifi可。
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共用スペースも広くて居心地がいい。何より屋台街に近いのが便利。
満足度:80点 -
さっそく近くの屋台街を物色。
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噴水のように噴出しているジュース屋が多い。たまにジュースが路上に噴出して店主が慌てて調整していた。
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この辺では何でも飛ばしたがるようだ。
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揚げ包子の中身は野菜だった。1個1元。
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チビっ子たちも羊の脂身をほおばる。
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小盛りのラグメン5元。ジャガイモ入りでトマト味がうまい。
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アイス小カップ3元、味が濃くて満足。
同室に入ってきた女の子はトルファンからの列車が強風の影響で28時間も遅れたそうだ。合計50時間以上を列車の中で座って過ごしたことになる。強風の日に開通して喜んでいるとこんな目に遭うこともあるのだ。
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この旅行記へのコメント (2)
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- kodeyanさん 2014/09/23 10:04:08
- 懐かしさと驚きと
- Halonさん こんにちは
ご無沙汰しております。
なんとも懐かしく旅行記を読み進めております。
ラグメン、はみうり、干し葡萄、走馬灯のように思い出しますねぇ。
かれこれ15年前ですからトルファン博物館の変わりように
驚くとともに面影はありませんが、ミイラはわたしも見ました。
それが、なぜ強烈な印象が残っているかというと
ガラスケースのなかのミイラのまわりに防虫剤(ナフタリン)が
無造作に入れられていたのです。
びっくりでした。
南彊鉄道はカシュガルまで開通する直前でしたので
トルファンからクチャまで乗りました。
トルファン〜カシュガル 28時間ですか。ロングランですね。
でも乗ってみたいかも。
それにしてもスマホの時代ですね。
使いこなすと便利そうですが、こちらはまだガラケー星人です(笑)
ではでは☆彡
- Halonさん からの返信 2014/09/23 19:27:37
- RE: 懐かしさと驚きと
- kodeyanさん こんにちは
そうですか。かつてのトルファン博物館のミイラ展示ケースはナフタリン入りだったんですね。今はミイラ君も新居に移ってさぞや気持ちのいいことでしょう。
南彊鉄道もよく歴史を知らずに乗ったのですが、15年前にカシュガルまでやっと開通していたとは!28時間の汽車旅、私は好き好んで非空調車を選んで乗っているのでハードな旅でしたが、もう少し速い列車もあったと思いました。
ただ強風による運休など考えもしなかったので驚きでした。あれは要注意です。
このたび新米のスマホ星人になったのですが、もっぱら旅専用です。国内では通信契約すらせず電話としてしか使っていません。
今回は鉄道の切符の残数を見たり、途中で宿を予約するときに役立ちました。知らない街のバス停に降ろされてもGPSで現在地が分かるのは心強いです。
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