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芭蕉達は「二の坂茶屋」を過ぎ、再び急な坂の石段を登りきった辺りで、陽が落ち、代わりに薄暗い空に三日月が顔を出した。<br /><br />  涼しさや ほの三か月の羽黒山  芭蕉<br /><br />参道右脇に案内板が立ち「芭蕉塚(三日月塚)」とあり、此処で「涼しさや・・」の句は発句されたとある。<br /><br />奥まったところに石灯籠に囲まれた芭蕉の句碑があるが字は風化し、全く解読できない。<br /><br />更にその先に「本坊寶前院」と刻まれた石塔があった。<br /><br />此処に元御本坊の別当寺(貫主の執務室)があり正式名称は「伊弉諾山若王寺宝前院」。<br /><br />芭蕉達は此処に執務していた別当代(貫主の代理)会覚阿闍梨(えかくあじゃり)に許可を貰い、手向村の佐吉に案内してもらって、南谷に有った別当寺別院・玄陽院に延べ6日間宿泊する。<br /><br />「本坊寶前院」と刻まれた石塔の前を少し進んだところに、右に折れる渡り石が敷かれた道がある。<br /><br />その道の入り口に、南谷の経緯を記した案内板があり、此処が南谷へ参道入り口だと判る。<br /><br />歌碑なども散見され、刈ったばかりの雑草が残る小道を山裾に沿って進むと、「羽黒山南谷」の石柱の標識が現れ、その先に視野が広がる。<br /> <br />水も殆ど涸れた池畔に、苔むした屋根の東屋と池に掛かる苔に覆われた小さな石橋以外、人工的な物は何も無い佇まいは、芭蕉の俳句心を駆り立てた雰囲気を今に伝えている。<br /><br />南谷を入ると直ぐに芭蕉の句碑が有る。<br /><br />   有難や 雪をかほらす南谷<br /><br />芭蕉は翌日若王寺宝前院に招かれるが、その際会覚阿闍梨にも会い、芭蕉は会覚阿闍梨に感謝を込めて挨拶した句。<br /><br />   有難や 雪をかほらす風の音<br /><br />これが後に推敲され、奥の細道には南谷に建つ句が採られている。<br /><br />芭蕉達は三山巡礼を終え、南谷で1日休養を取ったが、そこに芭蕉達を訪れた会覚阿闍梨に頼まれ、三山巡礼の印象を短冊にする。<br /><br />   涼しさや ほの三か月の羽黒山<br /><br />   雲の峰  幾つ崩れて月の山<br /><br />   語られぬ 湯殿にぬらす袂かな<br /><br />これが出羽三山句として、羽黒山山頂に碑が建てられており、奥の細道300年を記念して造られた句碑を、手向村の宿坊前でも目にした。<br /><br />渡り石が敷かれた道を戻り、最後の胸突き八丁の「三の坂」を登る。<br /><br />「斎館」の案内標識を過ぎ、赤い鳥居が見えると、漸う2446段の参道は終わる。

奥の細道を訪ねて第11回17羽黒山参詣その3芭蕉が宿泊した南谷と「三の坂」の景観

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2012/08/29 - 2012/08/29

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WT信

WT信さん

芭蕉達は「二の坂茶屋」を過ぎ、再び急な坂の石段を登りきった辺りで、陽が落ち、代わりに薄暗い空に三日月が顔を出した。

  涼しさや ほの三か月の羽黒山  芭蕉

参道右脇に案内板が立ち「芭蕉塚(三日月塚)」とあり、此処で「涼しさや・・」の句は発句されたとある。

奥まったところに石灯籠に囲まれた芭蕉の句碑があるが字は風化し、全く解読できない。

更にその先に「本坊寶前院」と刻まれた石塔があった。

此処に元御本坊の別当寺(貫主の執務室)があり正式名称は「伊弉諾山若王寺宝前院」。

芭蕉達は此処に執務していた別当代(貫主の代理)会覚阿闍梨(えかくあじゃり)に許可を貰い、手向村の佐吉に案内してもらって、南谷に有った別当寺別院・玄陽院に延べ6日間宿泊する。

「本坊寶前院」と刻まれた石塔の前を少し進んだところに、右に折れる渡り石が敷かれた道がある。

その道の入り口に、南谷の経緯を記した案内板があり、此処が南谷へ参道入り口だと判る。

歌碑なども散見され、刈ったばかりの雑草が残る小道を山裾に沿って進むと、「羽黒山南谷」の石柱の標識が現れ、その先に視野が広がる。
 
水も殆ど涸れた池畔に、苔むした屋根の東屋と池に掛かる苔に覆われた小さな石橋以外、人工的な物は何も無い佇まいは、芭蕉の俳句心を駆り立てた雰囲気を今に伝えている。

南谷を入ると直ぐに芭蕉の句碑が有る。

   有難や 雪をかほらす南谷

芭蕉は翌日若王寺宝前院に招かれるが、その際会覚阿闍梨にも会い、芭蕉は会覚阿闍梨に感謝を込めて挨拶した句。

   有難や 雪をかほらす風の音

これが後に推敲され、奥の細道には南谷に建つ句が採られている。

芭蕉達は三山巡礼を終え、南谷で1日休養を取ったが、そこに芭蕉達を訪れた会覚阿闍梨に頼まれ、三山巡礼の印象を短冊にする。

   涼しさや ほの三か月の羽黒山

   雲の峰  幾つ崩れて月の山

   語られぬ 湯殿にぬらす袂かな

これが出羽三山句として、羽黒山山頂に碑が建てられており、奥の細道300年を記念して造られた句碑を、手向村の宿坊前でも目にした。

渡り石が敷かれた道を戻り、最後の胸突き八丁の「三の坂」を登る。

「斎館」の案内標識を過ぎ、赤い鳥居が見えると、漸う2446段の参道は終わる。

同行者
一人旅
交通手段
観光バス 新幹線 JRローカル
旅行の手配内容
ツアー(添乗員同行あり)

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