2012/04/13 - 2012/04/15
762位(同エリア1561件中)
mingさん
行きの飛行機で知り合った中国人が西安の地元スポットを案内してくれた。旅人として受けた親切さは、かつてシルクロードで色んな民族が行き交った名残りではないかと、帰りの飛行機でふと思った。
【生活費】3万円
【飛行機】7万円
【通貨単位】1元=15円
【英語通用度】4人に1人
【旅程】3日間
4/13西安
4/14西安
4/15帰国
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 4.5
- ショッピング
- 4.5
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- タクシー
- 航空会社
- 中国東方航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
(1)『西安咸陽国際空港』
4/13 有休を取って吉野の桜を見に行く計画をしていたが、雨とまだ満開ではなかったため中止になった。代わりの行き先を探しに、開店直後HISのへと駆け込んだ。
17:30の成田発西安行きの座席が2席残っており、そのまま成田空港へと向かった。 -
(2)『鐘楼』
飛行機の中で地球の歩き方とるるぶを開いて情報収集をしていると、隣に座っていた東京観光帰りの中国人が声をかけてきた。
「これから西安に行くんですか?」
「ええ。今日急に飛行機のチケットを買い、3日で帰ってくる弾丸旅行です。」と答えた。
「私、西安の街の近くに住んでいるんですよ。」
「兵馬俑と華清池を回ろうと思ってますが、西安の繁華街はどこですか?」
「北院門街と大雁塔周辺が面白いですよ。」
西安のプランが固まり、東京観光のことで話が弾むと、「せっかくなので、明日西安を案内しますよ。」と意外な方向へ展開していった。 -
(3)『北院門街』
4/13 23:30西安咸陽国際空港に到着した。両替所もすでに閉まっており、北京や上海と比べると小さい空港であった。
24:30 車で1時間走り、予約しておいた西安城市酒店(208元=2704円)に到着した。
到着した時間が遅かったため、受付の男性が「予約した部屋は満室だが、追加料金を払えばファミリー用の部屋はある。」と訳の分からない展開となり、「中国だから仕方がないか。」と思いつつ、初日は必要以上に広い部屋に泊まることになった。 -
(4)『牛肉包子』
4/14 9:30にホテル前で友人と合流する前に、朝食を兼ねて鐘楼周辺を散歩することにした。
ホテルから5分ほど歩くと鐘楼に到着した。そこに隣接する鼓楼とレトロな北院門街が西安の中心部である。
北院門街にあるパオズ有名店の賈三灌湯包子に入った。カウンターで注文して先に会計をするシステムだが、全く英語は通じなかった。もたもたしている間に、中国人に割り込まれ、牛肉入包子のメニューを指さしてようやく会計となった。
薄めの皮に餡がたっぷりと入っており、16元(=208円)の安さには注文時の苦労も忘れるほどであった。 -
(5)『大雁塔』
9:30 友人と合流し、大雁塔へと向かった。
大雁塔は玄奘がインドから持ち帰った経典を保存するため652年に建立された。高さ64mのレンガ造りであるが、2008年の四川大地震でピサの斜塔のように傾いてしまった。
そう言われてあらためて塔をよく見ると、確かに左に少し傾いていた。倒れるほどではないので、特に補強していないところは、中国らしいといえば中国らしかった。 -
(6)『曲江池』
大雁塔から車で南へ5分ほど行った小寨(シャオツァイ)地区は観光地区として開発された新しいスポットである。曲江池は人工の池と思えないほど大きい池であった。
「散歩がてら東京観光はどこが面白かった?」と尋ねると、「インツォはブランド物がいっぱいあって良かったですよ。」との返答であった。「インツォ?とは銀座?」とノートに書くと、「そこそこ。」とせっかく英語で話してくれたのに大事な地名が中国語でわからないという少し困った状態であった。
「桜はどこで見ましたか?」と聞くと、「井の〇公園でボートに乗って楽しかったですよ。」と、日本の地名クイズみたいになって爆笑であった。 -
(7)『同盛祥』
13:30 鐘楼近くの同盛祥で昼食をとることにした。友人おすすめの羊肉泡莫は、固めのあんまんの皮のようなものを細かくちぎり、よゐこの濱口が無人島生活で作っていたちねりのようで面白かった。
その後、店員がとろっとしたあっさり味のスープで煮て春雨を入れてできあがりである。この地方独特のイスラム料理であり、アクセントに大粒のにんにくを入れるとさらに違った味が楽しめた。 -
(8)『始皇帝像』
16:00 タクシーをチャーター(500元=7500円)し、1時間ほど乗ってようやく秦始皇兵馬俑博物館に到着した。
20世紀最大の発見と言われる兵馬俑は、ある農民によって偶然発見された。
1974年3月、井戸を掘っていると、陶器のかけらがスコップにあたった。さらに慎重に掘り進めると、陶製の俑の頭部や手足などが次々と出土した。
約2200年の眠りから解き放たれた瞬間であった。 -
(9)『秦始皇兵馬俑博物館』
1号坑では入口を入ってすぐに約6000体の陶俑が展示されており、いきなり目の前に壮観が広がった。
兵士全員が東を向いており、秦の敵国が東側にあり首都咸陽や始皇帝陵墓を守るという意味も込められている。
それぞれの兵士俑の顔は同じものがないと言われており、ふっくらした顔が関中出身(=陝西省南部)、下顎が尖ったが顔が巴蜀出身(=四川省)など秦帝国が広い地域を支配していたことも表していた。 -
(10)『跪射俑』
2号坑では、歩兵、騎兵、弓兵、戦車などが発掘され、弓兵の複雑な動きを模した跪射俑などが展示されている。
秦軍は四角い胸当てが特徴的であるが、「項羽と劉邦の漫画に描かれていたままだ。」と関心した。 -
(11)『戦車部隊』
2号坑では、御者に操られた4頭立ての戦車部隊も発掘された。戦車や弓矢などは木製であったため、朽ち果てて消滅していた。
それぞれの俑は職人によって鋳型で型を取り、窯で焼かれた後、丹念に彩色が施されていた。発掘直後は顔料によって彩色されていたが、空気に触れて酸化したためすっかり色が落ちてしまった。 -
(12)『秦始皇帝陵』
18:10 秦始皇帝陵に到着した。完成までに37年の年月を費やし、死後を過ごすための地下宮殿には銅が敷き詰められ、墓室内に宝石を散りばめ宇宙をイメージした天井や、水銀で川や海を造ったという巨大な陵墓である。
約2200年にもわたって封印されている理由は、始皇帝の徹底的な秘密主義のためであった。工事に携わった職人や労働者たちは、工事終了とともに葬られてしまった。
地下宮殿は盗掘を防ぐための罠が仕掛けられている。水銀などの有害物質が宮殿内に充満している可能性があるとされており、現在でも地下宮殿は発掘作業は行われていない。 -
(13)『西部大開発』
19:30 日帰りツアーから戻り、大雁塔周辺を散策することにした。
大雁塔周辺は2005年に世界一大きな大噴水広場が完成し、夜遅くまで若者たちで賑わう新しい人気スポットだそうだ。さらにモノレールも建設中であった。
現在、西安では北京や上海などの沿岸部と内陸部との間に発生した格差是正を目指す西部大開発と称した大型投資の真っ最中であった。
かつての唐の時代の国際性に富んだ賑わいを甦らせたいとの思いで、新しいものと古いものとが急速に混じり合っていた。 -
(14)『鐘楼のライトアップ』
長安は西周から唐の時代にかけて10以上の王朝が都を置いた3000年の歴史を持つ古都である。
8世紀前半は大唐帝国の都としてとして最も繁栄した。シルクロードの起点の街として、世界50か国以上の物産が続々と運ばれる世界最大のマーケットであった。絹織物、真珠、宝石、香料、ガラスなどが、胡人(=イラン系ソグド人)によってもたらされた。
城壁は明の時代に築かれたものであるが、唐の時代の長安は現在の8倍の面積を持っていた。大雁塔を含む、東西10km、南北9kmを囲む城壁に囲まれていた。 -
(15)『鐘楼からの眺め』
明の時代に、西を安んじるという意味の西安に改名された。
現代では、1999年に東西を貫く南疆鉄道が開通し、新疆ウイグル自治区や甘粛省などの農村から西安にやって来る人が急激に増えている。
新疆ウイグル自治区の西の端にあるカシュガルから西安まで3870kmあり、その道のりを2日半(=約60時間)かけて西安までやって来るから驚きである。 -
(16)『鐘楼内の民族音楽』
4/15 8:30ホテルをチェックアウトし、出発までの2時間で鐘楼周辺をゆっくり廻ることにした。
今回の旅で予定通りだったのは大雁塔と兵馬俑くらいであったが、西安の街を案内してくれた親切さは、かつてシルクロードで色んな民族が行き交った名残りではないかと帰りの飛行機でふと思った。
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