鎌倉十一人塚

2010/01/16 - 2010/01/16

　鎌倉市稲村ガ崎1にある十一人塚は極楽寺坂の戦いで戦死した大館宗氏の主従11名の塚である。場所は極楽寺から稲村ガ崎へ通じる道沿いで極楽寺方面踏切近くにある。
　元弘3年(1333年)の新田義貞軍の鎌倉攻めの折り、新田軍の将・大館宗氏の主従11名は稲瀬川のほとりで北条軍の攻撃を受けて全員討ち死にした。大館氏は新田家の分家で、宗氏は、新田義貞が片腕として頼りにしてきた勇将であった。この霊を弔うため文久2年（1862）、石碑が建立された。狭い塚の側には「新田義貞稲村ケ崎古戦場入口」の石碑と「十一人塚」（昭和6年（1931年）3月、鎌倉町青年団）史跡碑も建てられている。
（表紙写真は十一人塚）

エリア 鎌倉(神奈川)

「十一人塚」（鎌倉町青年団、昭和6年）。

「十一人塚碑　　　　　　　　　　　　　　田邊松波撰弁書
元弘三年（１３３３）五月十九日　新田勢大館次郎宗氏ヲ大将トシテ極楽寺口ニ攻入ラントセシニ　敵中　本間山城左衛門手兵ヲ率イテ大館ノ本陣ニ斬込ミ為ニ宗氏主従十一人戦死セリ　即遺骸ヲ茲ニ埋メ　十一面観音ノ像ヲ建テ以テ其ノ英魂ヲ弔シ之ヲ十一人塚ト称セシト云ウ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　昭和六年三月　　　鎌倉町青年団」

「鎌倉市指定史跡　十一人塚」プレート。

「鎌倉市指定史跡　十一人塚
　　　　　　　　　　　　　　　昭和36年11月15日指定
元弘三年(1333)、の新田義貞の鎌倉攻めの際し、新田氏の一族である大館宗氏は極楽坂の切通から鎌倉に攻め込みました。しかし北条方の反撃にあい、宗氏以下11人は稲瀬川で討ち死にしたと伝えられています（『太平記』『梅松論』）。十一人塚はその11人を埋葬し、十一面観音堂を建てて霊を弔った所といわれています。
　　　　　　　　　　　平成19年3月　鎌倉市教育委員会」

「大館又次郎源宗氏主従十一人墓」（十一人塚）。

「大館又次郎源宗氏主従十一人墓」（十一人塚）。

「大館又次郎源宗氏主従十一人墓」（十一人塚）。

「新田義貞稲村ヶ崎古戦場入口」。

墓石。

「鎌倉時代の出土人骨について」。

石碑。