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 鎌倉市扇ガ谷1にある英勝寺は浄土宗のお寺で東光山英勝寺という。水戸徳川家の祖である水戸中納言頼房の養母で徳川家康に仕えた英勝院尼(お勝の方)を開基とし、徳川頼房の娘小良姫を開山として創建された。英勝院尼は太田道灌四代康資の息女である。寺域は太田道灌の旧跡で「扇ガ谷」と呼ばれる。鎌倉で唯一現存する尼寺である。仏殿内部には徳川家光寄進の阿弥陀三尊如来像(伝運慶作)を祀っている。<br /> 長らく山門を再建中であったので、これまでに英勝寺を参拝したことがなかった。総門前で作業をしていた職人さんが言うには、もうほとんど出来上がって覆いも取れて、見ることが出来るというので入ってみた。<br /> 英勝院の墓廟である祠堂を鉄網が入ったガラス越しに見ても、どうしてこれが県指定重要文化財なのだろうと疑問に思い、寺務所で尋ねた。仏殿(寛永13年(1636年)建立)、鐘楼、祠堂、唐門は県指定重要文化財であるが、山門(寛永20年(1643年)建立)の再建が完了すると重文に指定される手はずだそうだ。関東大震災で半倒壊、倒壊した伽藍のうち山門のみが再建成らず、部材の腐朽を心配した篤志家に買い取られて英勝寺から1kmほど離れた葛西ガ谷(鎌倉市小町3丁目)(東勝寺橋の奥)に80年近くもの間、移築されていたようだ。それが解体移築されているのだ。<br /> 鎌倉市には20件の重要文化財(建造物)がある。そのうち、国宝1件を含む13件が建築物である。そこに5件の建築物が重要文化財になる訳であるから、英勝寺は鎌倉では重文の伽藍が建ち並ぶお寺ということになる。しかも、徳川ゆかりの寺ではあるが葵の紋よりも太田家家紋が目に付く寺としてである。<br />(表紙写真は再建された英勝寺山門)

鎌倉英勝寺

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2011/04/10 - 2011/04/10

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ドクターキムル

ドクターキムルさん

 鎌倉市扇ガ谷1にある英勝寺は浄土宗のお寺で東光山英勝寺という。水戸徳川家の祖である水戸中納言頼房の養母で徳川家康に仕えた英勝院尼(お勝の方)を開基とし、徳川頼房の娘小良姫を開山として創建された。英勝院尼は太田道灌四代康資の息女である。寺域は太田道灌の旧跡で「扇ガ谷」と呼ばれる。鎌倉で唯一現存する尼寺である。仏殿内部には徳川家光寄進の阿弥陀三尊如来像(伝運慶作)を祀っている。
 長らく山門を再建中であったので、これまでに英勝寺を参拝したことがなかった。総門前で作業をしていた職人さんが言うには、もうほとんど出来上がって覆いも取れて、見ることが出来るというので入ってみた。
 英勝院の墓廟である祠堂を鉄網が入ったガラス越しに見ても、どうしてこれが県指定重要文化財なのだろうと疑問に思い、寺務所で尋ねた。仏殿(寛永13年(1636年)建立)、鐘楼、祠堂、唐門は県指定重要文化財であるが、山門(寛永20年(1643年)建立)の再建が完了すると重文に指定される手はずだそうだ。関東大震災で半倒壊、倒壊した伽藍のうち山門のみが再建成らず、部材の腐朽を心配した篤志家に買い取られて英勝寺から1kmほど離れた葛西ガ谷(鎌倉市小町3丁目)(東勝寺橋の奥)に80年近くもの間、移築されていたようだ。それが解体移築されているのだ。
 鎌倉市には20件の重要文化財(建造物)がある。そのうち、国宝1件を含む13件が建築物である。そこに5件の建築物が重要文化財になる訳であるから、英勝寺は鎌倉では重文の伽藍が建ち並ぶお寺ということになる。しかも、徳川ゆかりの寺ではあるが葵の紋よりも太田家家紋が目に付く寺としてである。
(表紙写真は再建された英勝寺山門)

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  • 英勝寺の塀。4本線だが、良く見ると下にもう1本線があるかのようにも見える。横須賀線開通後に作られた塀だろう。

    英勝寺の塀。4本線だが、良く見ると下にもう1本線があるかのようにも見える。横須賀線開通後に作られた塀だろう。

  • 「英勝寺」説明看板。

    「英勝寺」説明看板。

  • 「太田道灌邸旧蹟」(大正10年3月、鎌倉町青年会)。

    「太田道灌邸旧蹟」(大正10年3月、鎌倉町青年会)。

  • 惣門。

    惣門。

  • 惣門。<br />寛永年間に創建されたのものと推定される惣門が関東大震災(大正12年(1923年))後の大正15年(1926年)に浄光明寺の山門として移築された。

    惣門。
    寛永年間に創建されたのものと推定される惣門が関東大震災(大正12年(1923年))後の大正15年(1926年)に浄光明寺の山門として移築された。

  • 寺務所。

    寺務所。

  • お地蔵さま。

    お地蔵さま。

  • お地蔵さま。

    お地蔵さま。

  • お地蔵さま。

    お地蔵さま。

  • お地蔵さま。

    お地蔵さま。

  • 境内に枝垂れ桜が見える。

    境内に枝垂れ桜が見える。

  • 枝垂れ桜。

    枝垂れ桜。

  • 枝垂れ桜。

    枝垂れ桜。

  • 枝垂れ桜。

    枝垂れ桜。

  • 宝蔵庫。

    宝蔵庫。

  • 井戸。

    井戸。

  • 客殿。

    客殿。

  • 客殿。

    客殿。

  • 客殿前の蹲(つくばい)。

    客殿前の蹲(つくばい)。

  • 客殿。

    客殿。

  • 五輪塔。

    五輪塔。

  • 竹林への門。

    竹林への門。

  • 竹林の蹲(つくばい)。

    竹林の蹲(つくばい)。

  • 五輪塔。五重石塔であろうが五輪塔と言っているようだ。

    五輪塔。五重石塔であろうが五輪塔と言っているようだ。

  • 五輪塔。

    五輪塔。

  • 五輪塔。

    五輪塔。

  • 境内奥で建築廃材を燃やしている。

    境内奥で建築廃材を燃やしている。

  • 五輪塔。

    五輪塔。

  • やぐら。

    やぐら。

  • やぐら。

    やぐら。

  • やぐらの中の稲荷社。

    やぐらの中の稲荷社。

  • 稲荷社。

    稲荷社。

  • 石。

    石。

  • 境内の古木。

    境内の古木。

  • 手水鉢。

    手水鉢。

  • 英勝寺仏殿。<br /> <br />国指定文化財等データベースがクローズしていた平成25年(2013年).08.07に英勝寺仏殿・山門・鐘楼・祠堂・祠堂門が国指定重要文化財になっている。 <br /> <br />国指定文化財等データベースの解説文には、「英勝寺は、鶴岡八幡宮の西方、扇ガ谷に位置する徳川家康の側室の英勝院が創建した浄土宗の尼寺である。水戸徳川家とのゆかりが深く、同家の姫が代々の住持を務めた。寛永20年(1643)の英勝院一周忌に向けて建物が整備された。仏殿をはじめとする各建物は、禅宗様と和様を自由に組合せた江戸時代前期らしい意匠を持ち、屋根の弛みも軒の反りもつけない直線的な屋根形状で統一している。山門は、関東大震災後、他所に移築されていたが、平成23年に境内の旧位置に戻された。本堂西には祠堂と祠堂門が建ち、奥には英勝院墓がある。祠堂は方三間宝形造の建物で、内外部ともに漆塗や彩色で飾る。英勝寺は、禅宗様を基調としつつ、屋根や軒を直線で構成するなど独創性のある意匠で、境内全体を統一している。江戸時代前期の主要な堂宇が、墓所と一体となって良好に保存されており、貴重である。」とある。 <br /><br />なお、惣門が重要文化財の指定から外されているのは、寛永年間に創建されたのものと推定される惣門が関東大震災(大正12年(1923年))後の大正15年(1926年)に浄光明寺の山門として移築されたからである。<br />

    英勝寺仏殿。
     
    国指定文化財等データベースがクローズしていた平成25年(2013年).08.07に英勝寺仏殿・山門・鐘楼・祠堂・祠堂門が国指定重要文化財になっている。 
     
    国指定文化財等データベースの解説文には、「英勝寺は、鶴岡八幡宮の西方、扇ガ谷に位置する徳川家康の側室の英勝院が創建した浄土宗の尼寺である。水戸徳川家とのゆかりが深く、同家の姫が代々の住持を務めた。寛永20年(1643)の英勝院一周忌に向けて建物が整備された。仏殿をはじめとする各建物は、禅宗様と和様を自由に組合せた江戸時代前期らしい意匠を持ち、屋根の弛みも軒の反りもつけない直線的な屋根形状で統一している。山門は、関東大震災後、他所に移築されていたが、平成23年に境内の旧位置に戻された。本堂西には祠堂と祠堂門が建ち、奥には英勝院墓がある。祠堂は方三間宝形造の建物で、内外部ともに漆塗や彩色で飾る。英勝寺は、禅宗様を基調としつつ、屋根や軒を直線で構成するなど独創性のある意匠で、境内全体を統一している。江戸時代前期の主要な堂宇が、墓所と一体となって良好に保存されており、貴重である。」とある。

    なお、惣門が重要文化財の指定から外されているのは、寛永年間に創建されたのものと推定される惣門が関東大震災(大正12年(1923年))後の大正15年(1926年)に浄光明寺の山門として移築されたからである。

  • 英勝寺仏殿。内部には運慶作の阿弥陀三尊如来像(徳川家光寄進)を祀っている。<br />奥側面左右には鳳凰、天井には龍とその左右に天女が描かれている。<br />鎌倉には他に建長寺仏殿(お江御霊屋)にも鳳凰が描かれ、天井絵もあり、徳川家、徳川水戸家の建立した伽藍を見ることができる。

    英勝寺仏殿。内部には運慶作の阿弥陀三尊如来像(徳川家光寄進)を祀っている。
    奥側面左右には鳳凰、天井には龍とその左右に天女が描かれている。
    鎌倉には他に建長寺仏殿(お江御霊屋)にも鳳凰が描かれ、天井絵もあり、徳川家、徳川水戸家の建立した伽藍を見ることができる。

  • 英勝寺仏殿。

    英勝寺仏殿。

  • 英勝寺仏殿。

    英勝寺仏殿。

  • 英勝寺仏殿。

    英勝寺仏殿。

  • 英勝寺仏殿。

    英勝寺仏殿。

  • 英勝寺仏殿。

    英勝寺仏殿。

  • 英勝寺仏殿。

    英勝寺仏殿。

  • 英勝寺仏殿。

    英勝寺仏殿。

  • 英勝寺仏殿。

    英勝寺仏殿。

  • 「仏殿」。

    「仏殿」。

  • 英勝寺仏殿。

    英勝寺仏殿。

  • 英勝寺仏殿。

    英勝寺仏殿。

  • 英勝寺仏殿。

    英勝寺仏殿。

  • 英勝寺仏殿。

    英勝寺仏殿。

  • 英勝寺仏殿の蟇股(かえるまた)。丑。

    英勝寺仏殿の蟇股(かえるまた)。丑。

  • 英勝寺仏殿の蟇股(かえるまた)。子。

    英勝寺仏殿の蟇股(かえるまた)。子。

  • 英勝寺仏殿の蟇股(かえるまた)。猪。

    英勝寺仏殿の蟇股(かえるまた)。猪。

  • 英勝寺仏殿の蟇股(かえるまた)。戌。

    英勝寺仏殿の蟇股(かえるまた)。戌。

  • 英勝寺仏殿の蟇股(かえるまた)。酉。

    英勝寺仏殿の蟇股(かえるまた)。酉。

  • 英勝寺仏殿の蟇股(かえるまた)。申。

    英勝寺仏殿の蟇股(かえるまた)。申。

  • 英勝寺仏殿の蟇股(かえるまた)。未。

    英勝寺仏殿の蟇股(かえるまた)。未。

  • 英勝寺仏殿の蟇股(かえるまた)。戌。

    英勝寺仏殿の蟇股(かえるまた)。戌。

  • 英勝寺仏殿の蟇股(かえるまた)。蛇。

    英勝寺仏殿の蟇股(かえるまた)。蛇。

  • 英勝寺仏殿の蟇股(かえるまた)。龍。

    英勝寺仏殿の蟇股(かえるまた)。龍。

  • 英勝寺仏殿の蟇股(かえるまた)。兔。

    英勝寺仏殿の蟇股(かえるまた)。兔。

  • 英勝寺仏殿の蟇股(かえるまた)。寅。

    英勝寺仏殿の蟇股(かえるまた)。寅。

  • 再建された英勝寺山門。

    再建された英勝寺山門。

  • 英勝寺山門。

    英勝寺山門。

  • 英勝寺山門。

    英勝寺山門。

  • 英勝寺山門。

    英勝寺山門。

  • 英勝寺山門。

    英勝寺山門。

  • 英勝寺山門。5月の落慶式を待つばかりだ。

    英勝寺山門。5月の落慶式を待つばかりだ。

  • 境内石橋。

    境内石橋。

  • 境内木橋。

    境内木橋。

  • 鐘楼。

    鐘楼。

  • 鐘楼。

    鐘楼。

  • 「鐘楼と梵鐘」。

    「鐘楼と梵鐘」。

  • 唐門。

    唐門。

  • 唐門。

    唐門。

  • 唐門。

    唐門。

  • 「唐門と祠堂」。

    「唐門と祠堂」。

  • 石燈籠と手水鉢。

    石燈籠と手水鉢。

  • 祠堂を覆う鞘堂。

    祠堂を覆う鞘堂。

  • 鞘堂(祠堂)。

    鞘堂(祠堂)。

  • 鞘堂(祠堂)。

    鞘堂(祠堂)。

  • 祠堂。鞘堂の中にある祠堂を見て、なぜ重文ではないのか疑問が湧いた。<br />日光東照宮のような感じだ。10月23日の英勝院尼の命日には公開されているようだ。

    祠堂。鞘堂の中にある祠堂を見て、なぜ重文ではないのか疑問が湧いた。
    日光東照宮のような感じだ。10月23日の英勝院尼の命日には公開されているようだ。

  • 大きな墓石だ。

    大きな墓石だ。

  • 墓石。

    墓石。

  • 石仏。

    石仏。

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