2009/12/05 - 2009/12/06
934位(同エリア1931件中)
ぬいぬいさん
熊本には、私の好きな建築家のウイリアム・メレル・ヴォーリスと彼の事務所のスタッフの設計した学校が2つあります。
今回の熊本行きのきっかけとなったのは、九州学院の礼拝堂兼講堂とルーテル学院中学・高校本館、この2つの建物を、熊本をこよなく愛するトラベラーのがんもさんにお願いしてレポートしていただいた旅行記をみて、これは絶対この目で見なければ・・・
でも、なかなか実現できないままになっていたのですが、今回たまたまJALのホテル&エアーの安いツアーを見つけてようやく実現できました。
今回は事前に学校に連絡して中を見せていただくことができ大満足でした。
ナビゲートしていただいたがんもちゃん、本当にありがとうございました。
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 3万円 - 5万円
- 交通手段
- JALグループ 徒歩
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行なし)
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土曜は学校が休みなので見れないかなと思いつつ、事前に学校に電話を入れたところ、午前中なら見せていただけるとのことで、熊本空港よりリムジンバスに乗って直行しました。
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九州学院はスポーツの盛んな学校で、あの陸上の末續慎吾の出身校でもあり、トラックでは陸上部が駅伝の練習をしていました。このところ連日指導に来ているそうで、この日もTVの取材が来ていましたが末續選手の姿を見ることはできませんでした。
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礼拝堂に向っていく私と職員の方に対してトラックを走っている部員たちが全員目の前を通り過ぎるたびに、走りながら帽子を取って元気な声で「こんにちは」と挨拶をしていく。
これにはホント驚きました。
きっと礼儀作法を日頃より厳しく指導している賜物なんでしょうね。 -
目的の礼拝堂はグランドの東の端に建っていました。
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これが九州学院高等学校講堂兼礼拝堂(ブラウン・メモリアル・チャペル)
1925年(大正14年)学院の設立者ブラウン博士を記念してヴォーリズの設計により建築されました。 -
ヴォーリズの作品は、創建当初、他にも図書館と体育館があったようですが既に解体されてしまい一番古い講堂兼礼拝堂のみが残っています。
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正面のファサードはいかにもヴォーリズと言った感じの意匠でまとめられています。
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入口は三連アーチになっていて講堂もかねて建てられたようですが中は完全に礼拝堂としてのスタイルとなっています。
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とりあえず外側からぐるり一周見て回りましょう。
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後方には煙突と十字架がのっています。
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南側のテニスコート側から見てみると、奥行きのある建物であることがわかります。
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奥の左右にはこんな半円の庇の付いた出入り口があります。
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正面のファサードはシンメトリーになっていましたが、裏側は煙突が左側についていて、中央に薔薇窓が付いています。煙突を下にたどっていくと石炭を貯蔵する地下貯蔵庫がありました。今は使っていないようですが暖房は石炭を燃やしていたようです。
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外壁はモルタル洗い出しでしょうか、すこし薄汚れた感じが逆に長年存在し続けている風格を感じさせます。
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内部は非公開なのですが、今回は事前にお願いしていましたので特別に中を見せていただきました。
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後ろを振り返ってみると一部2階になっています。
天井には小屋組みの木造化粧トラスを見ることができます。 -
祭壇の上の薔薇窓はステンドグラスではなく素通しの硝子が入っていました。
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アップしてみると、こんな模様が入っています。
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玄関ホールの上部が一部2階になっていて、階段状に椅子が配列されています。
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職員の方の説明によると音響効果も素晴らしいようで、パンと手をたたくと、よく反響していました。
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ロマネスク様式のこの礼拝堂は三廊式になっています。
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2階に上がる階段は1箇所
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2階から写すとこんな感じ
身廊部分は高い空間とむき出しのトラス、左右の側廊はアーチで仕切られています。
2階は女子の更衣室も兼ねているため、少しだけの見学としました。 -
半円アーチの窓のガラス窓には2枚だけ違う色のガラスが入っています。
これって意匠なのか定かではありません。 -
外観からは鐘楼の位置が確認できませんでしたが、入口上部に鐘がありました。
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戦時中金属供出の危機があったそうですが、外国人教師たちの奔走により免れたとか。
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側廊部分の壁には2連のアーチ窓が続きます。
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2連の半円アーチ窓から差し込んでくる柔らかな光に照らされた床。いい感じですね。
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こんなステキなチャペルを毎日利用できる生徒さんたちがうらやましいですね。
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玄関ホールと礼拝堂内部との境にある間仕切壁につけられた嵌め殺し窓
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白い壁と長い歴史を経た机や椅子、床の茶色のコントラストがいい雰囲気です。
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正面玄関の出入り口の3つの扉の上はこんな半円の欄間が付いています。
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上にあった薔薇窓を半分に切ったデザインになっています。
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ご案内いただいた職員の方の説明によると、この木造の体育館もヴォーリズの設計とのことでしたが、定かではありません。
礼拝堂の駐車場でがんもちゃんと合流してこの後、五高やルーテル学院などを案内してもらいました。 -
五高を見学の後訪れたのはルーテル学院中学・高校本館。
これはヴォーリズ本人の作品ではなく、ヴォーリズ建築事務所のスタッフであったJ.H.ヴォーゲルの設計によるもの。 -
ここはノーアポでしたので外観だけ見れればいいなと思っていましたが、先生にお願いして中も見学させていただきました。
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礼拝堂と職員室として使っている両側のウイング部分は後から増築されたもので、この階段部分までが1926年(大正15年)最初に建築された部分です。
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3年前に改修されていますので内外とも新しくなっています。
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この学校は、現在はルーテル学院中学・高校となって男女共学になっていますが、もともとは九州女学院という女子高でした。
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手摺の曲線フォルム いい感じですね。
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こちらは左ウイングの増築部分
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ガラスの向こうは、1951年(昭和26年)に増築された部分。
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階段に吊るされた鐘
これって授業の開始と終了時に鳴らされていたのでしょうか。 -
2階の礼拝堂は鍵がかかっていましたが入り口がガラス張りだったので中を見ることができました。
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先ほどの九州学院の礼拝堂と違って、こちらは建物の中にあるため、天井も低くチャペルというよりも講堂といった感じですね。
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先に紹介した九州学院が男子校としてスタートしましたが、こちらは女子高としてスタートし、どちらも現在は男女共学となっています。
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最後に紹介する教会を含め、3つに共通するのは、いずれも日本福音ルーテル教会の系列であること。
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これを考えると、キリスト教伝道者としての顔を持っていたヴォーリズが設計したこともうなずけますね。
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踊り場にぶら下がった照明もシンプルでレトロな感じのもの。
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玄関ホールにあったクリスマスの飾りつけの置物。
ミッションスクールはこの時期いろんな飾り付けをしていて楽しめますね。 -
校長先生が倉庫から見つけたという昭和10年代に製造された掛け時計。今も現役で時を刻んでいます。
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卒業生から贈られたステンドグラス
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校長室 入り口のガラス窓からちょっと覗きました。
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階段室のガラスは創建当初からの手作りのゆがみの入ったものが何枚か入っていました。
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中央部分は地下1階、地上3階建てになっていてもともとは天然スレート葺きのこの屋根は瓦を載せた和風のデザインだったそうです。
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本館前の銀杏の黄葉のピークに見てみたかった。
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最後は繁華街のすぐそばにあった日本福音ルーテル熊本教会。
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こちらは1950年(昭和25年)に建築された戦後の建物で、先に紹介した九州学院や九州女学院と同系列の教団の教会です。
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土曜に来た時は鍵がかかってしまっていて、日曜日にも2度きましたがミサの最中、2度目は鍵がかかっていて結局中を見ることはできませんでした。
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ヴォーリズ建築事務所の作品のようですが、年代から言ってヴォーリズは直接関っていないものと思われます。
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熊本でのヴォーリズを訪ねての旅はこれにて終了。
年末は再びヴォーリズの本拠地だった近江八幡に行ってたっぷりヴォーリズの遺構を訪ねてきます。
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この旅行記へのコメント (4)
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- Noririnさん 2009/12/14 23:59:49
- いいなぁ。中に入れて♪
- 兄さん こんばんは!
ヴォーリズ建築にかける熱い眼差し。
兄さんの行動力には脱帽です。
半日しか滞在しなかったのを凄く悔やんでいます。
見所満載の熊本・・・最低でも1泊して観光せねば。
九州学院と熊本城はリベンジしますよ。
Noririn
- ぬいぬいさん からの返信 2009/12/16 00:15:22
- やっぱり中を見ないとねえ
- Noririnさん こんばんは
九州学院の礼拝堂 わざわざ見に行っただけのものがありました。
熊本までわざわざ見に行って中が見れないと悔いが残るので、珍しく事前に学校に連絡を入れて、午前中ならOKとの確認が取れたので、空港から直行しました。
行くまでは2日目は島原まで足を伸ばそうと思っていましたが、熊本城も1時間の予定が2時間で、どうせなら水前寺公園や市内の主だった近代建築を見尽くそう、そんなことをしているうちに夕方になってしまいました。
熊本十分楽しんでこれました。
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- ちふさん 2009/12/12 16:26:18
- 九州学院高すごい!
- こんにちふ!
九州学院、すげぇですね!!
かっこいい!
お願いして中に入れるなんて、ぬいぬい兄さんもすげぇ!!
歴史を感じる素晴らしい建物ですねぇ。
ちょっと感動ですな!
ちふ
- ぬいぬいさん からの返信 2009/12/14 12:38:53
- 見ごたえありました
- こんにちふ!
今回の熊本行きは、この建物と熊本城を見ることだったので、事前にちゃんとアポを取って行きました。
わざわざ熊本まで行って、外からしか見れなかったら悔いが残るので・・・
初めて行った熊本でしたが、最近スザンヌで話題になっているものの、九州の一地方都市の感覚で行きましたが、熊本恐るべし。
道行く若者もおしゃれで、おしゃれなお店も多くて
アーケードの人出は日曜の渋谷や原宿といった感じで人であふれていて、熊本侮るなかれと言った感じでした。
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