大学キャンパスめぐり　VOL.14 ヴォーリズのスパニッシュ・ミッション・スタイルの学び舎～関西学院大学～

2008/12/28 - 2008/12/28

ウイリアム・メレル・ヴォーリズ,私の大好きな建築家の一人ですが、彼が残した作品が関西には数多くあります。年末の今回の旅の中で、兵庫県の西宮にある関西学院大学西宮上ヶ原キャンパスと、そのすぐそばにある神戸女学院大学のキャンパスを散策することができました。年末の休みに入って誰もいない｢スパニッシュ・ミッション・スタイル」の広々としたキャンパスを独り占めして優雅に散策して日本にある大学と思えな程美しいキャンパスを堪能してきました。

エリア 西宮・芦屋(兵庫)

• 交通手段: 高速・路線バス JRローカル 徒歩

歴史的建造物、なかでも近代建築と呼ばれる、明治、大正、昭和の初期にかけて建築された大学のキャンパスめぐりが好きで、全国の名だたる大学のキャンパスを見て回っていますが、今回の年末の旅のなかで、ここ関西学院大学と神戸女学院大学の散策を一番楽しみにしていました。

私の大好きな建築家、ウイリアム・メレル・ヴォーリズの代表作といわれるこの２つの大学は、ほぼ同時期の建てられた、スパニッシュ・ミッション・スタイルのキャンパス。

正門を入ってすぐ左側にあるランパス記念礼拝堂。

学院創立７０周年を記念して、創立者ランパスの名を冠し１９５９年に建てられた礼拝堂。

この頃は、ヴォーリズも高齢化のため第一線から身を引くようになり、この礼拝堂が関西学院における関西学院におけるヴォーリズの最後の作品になっています。

上の１８８９年が学園の創立された年で、下の１９５９年がこのランパス記念礼拝堂の竣工年。

南側のエントランスにはコリント様式の円柱が両側に立っています。神戸女学院にあったソールチャペルに感じがよく似ています。

こちらの建物は学院本館

中央の芝生の広場の正面に見えるのは、学院のシンボル時計台。

この中央の芝生の広場をとり囲むように校舎が建てられています。

こちらは神学部　正面中央に小さな鐘楼が乗っています。

キリスト教に基づく青年教育」創立時の教育理念。
創立時の中心的な学部はこの神学部だったのでしょうね。

エントランス上部のオーナメント

イスラム調のドームの上に十字架がのっています。

こちらは経済学部

こちらは文学部校舎 芝生を挟んで向かい合った経済学部と同じく長い間口の建物です。

関西学院大学のシンボルである時計台のあるこの建物。図書館として建築されました。

新しい図書館ができてからは、学院史編纂室などとして活用されています。

関西学院のスクールモットー”Mastery for Service”を刻んだエンブレムが正面に嵌めこまれています。

直訳すると「奉仕のための練達」聖書に出てくる言葉のように意味が良くわかりませんが・・・

「自己修養（練達）」と「献身（奉仕）」、この両方を実現することに、真の人間の生き方があるとといているようです。

入口は鍵がかかっていたので中をのぞきこんでみるとこんな感じ。

ヴォーリズの学校建築における設計理念は、「建物自身が生徒への精神的影響を及ぼす」というもの。

ランドスケープや建物のレイアウト、使用されている一つ一つの建築素材やパーツにいたるまで、細やかな配慮が感じられます。

エントランスの扉にはめ込まれたアイアンも素敵なデザインです。

中央の芝生広場を取り囲んだ校舎の意匠以外にも、ランドスケープも含めて、ヴォーリズの才能を遺憾なく発揮した設計だと改めて感じてしまいますね。

どこを見ても素晴らしいの一言に尽きます。

再び経済学部　エントランス中央のオーナメントは神学館に似ています。

裏に回ってこの角度から見る時計台もいい雰囲気ですね。

最近ＮＨＫでヴォーリズの特集を見る機会がありました。

彼は西洋建築を日本の風土に合わせて優しく具現化することにたけた建築家だったようです。

自由で心豊かな建学の精神は、学舎そのものに現れる。そんなことをモットーに、ヴォーリズはこれらの校舎を設計して行ったようです。

関西学院も神戸女学院もヴォーリズ建築の真髄
学園都市の理想郷を実現したものですね。

なんかこうやって見ていると、とても日本の大学には見えませんね。

まるでアメリカの西海岸にありそうなキャンパスの光景ですね。

いろんなキャンパスを見てきましたが、神戸女学院大学と関西学院大学、今日でランキングの１位と２位が変わりました。
どちらも素晴らしいキャンパス　こんな大学で勉強できる学生がうらやましい。