2009/06/12 - 2009/06/12
282位(同エリア988件中)
ショコラさん
今日もいいお天気♪ ありがたや~。
さて、4泊したボルターニャのホテルをチェック・アウトして、これから目指すはボイ渓谷(Vall de Boi)。
この渓谷には初期ロマネスク様式の教会が密集して建てられていて、そのうちの9つが『ボイ渓谷のロマネスク様式教会群』として2000年に世界遺産に登録されています。
今日はその9つの教会のうちの2つがあるタウイ村(「タウル」の読み方もあり)へ行き、そのあとこれから2泊するアルティエス村へ向かうことにしました。
ちなみに、この渓谷があるカタルーニャ地方では、11~12世紀ごろにたくさんの教会が建てられ、現在でも約1900のロマネスク教会が残っているそうです。
《旅程》
□6/05 ケルン・ボン ⇒(ミュンヘン経由)⇒ トゥールーズ(レンタカー・ピックアップ)⇒ ルルド ⇒ ボーサン 〔ボーサン泊〕
□6/06 ゴーブ湖ハイキング 〔ボーサン泊〕
□6/07 ガヴァルニー・ハイキング 〔ボーサン泊〕
□6/08 ドッソー経由・プルタレ峠を越えてスペイン・ピレネーへ 〔アインサ近郊泊〕
□6/09 トルラ・ハイキング(オルデサ国立公園・西部) ⇒ アインサ散策 〔アインサ近郊泊〕
□6/10 オルデサ国立公園周辺をドライブ ⇒ アインサ散策 〔アインサ近郊泊〕
□6/11 ビエルサ近郊ハイキング(オルデサ国立公園・東部)⇒ アインサ散策 〔アインサ近郊泊〕
■6/12 ボイ渓谷(タウイ) ⇒ アルティエス 〔アルティエス泊〕
□6/13 アラン谷ハイキング 〔アルティエス泊〕
□6/14 ホテル ⇒ トゥールーズ(レンタカー返却)⇒(ミュンヘン経由)⇒ ケルン・ボン
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- レンタカー
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出発してしばらくはこういう開けた場所を走っていましたが――
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だんだんあたりの風景が険しくなってきました。
両側の岩に押しつぶされてしまいそうな、山の裂け目の道を進みます。今にもがけ崩れが起きそうで、けっこう怖い。 -
段々になった岩山。
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ボイ渓谷の案内がでました。
この先がボイ渓谷です。 -
ボイ渓谷に入りました。
道はきれいに整備されていて、気持ちのいいドライブ・ルート♪ -
タウイ村はこの渓谷の奥にあります。
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ビュー・ポイントがあったので、ちょっとここで車を停めて写真タイム。
緑の山並みと青い空〜。
向こうに見える集落はエリル・ラ・バル村(Erril-la-Vall)。 -
ズ〜ム。
集落の左手にある鐘塔はサンタ・エウラリア教会(Santa Eulalia)のようです。こちらも世界遺産の9つの教会のうちのひとつ。 -
ビュー・ポイントの目の前にある集落はボイ村(Boi)。
真ん中にある鐘塔はおそらくサント・ホアン教会(Sant Joan)。こちらも世界遺産の教会です。 -
ボイ村から数キロいくと、タウイ村(Taull)に着きました!
←タウイ村の地図。
中央下の「P」マークが今いる場所。
村の規模に似合わず、駐車場は広々〜。世界遺産の教会が2つあるから、観光客も多いのでしょう。 -
タウイ村の入り口に建っているのが、この村にふたつある世界遺産の教会のひとつ、サント・クリメント教会(Sant Climent)。12世紀築。
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石造りの素朴なフォルムがとても味わいがあります。
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見る角度によって、いろんな姿を見せてくれます。
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鐘塔は、かつては防衛用の物見の役目も果たしたのだそう。
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外観の写真を撮るのはこのくらいにして、そろそろ中へ入ってみます。
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内部も素朴です。
教会内には3つの身廊があり、それぞれが柱で仕切られています。 -
半円状の後陣には、『全能者キリスト』のフレスコ画が。
社会科見学なのか、子どもたちのグループが来ていて、先生の説明を受けていました。 -
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左身廊の奥のフレスコ画は、かなり傷みが進んでいるみたい。
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『全能者キリスト』のフレスコ画。
なんともダイナミックな色づかい! キリストがなんだかユーモラスで、親しみを感じちゃいます。
実はこれ、レプリカだそう。
たしかに、ここだけ妙に新しい感じがするもんなぁ。
フレスコ画は傷みやすいため、オリジナルはバルセロナのカタルーニャ美術館に移されているのだそう。 -
でも、移すってどうやって??
なんと、壁ごと移したんですって!
そんな大掛かりなことをしたとは。なるほどよく見ると、ここだけ石積みじゃなくてコンクリート壁のようになってます。
いつかバルセロナに行くことができたら、ぜひともオリジナルを見てみたい。 -
教会の見学のあと、村へ行ってみました。
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静かな村並み。村人や観光客がちらほらいるだけ。
家々はどれも石造りで、屋根もみんなグレーのスレート葺き。 -
さっき見てきたサント・クリメント教会の名を冠したレストランがありました。
看板には教会の立体模型が。 -
こちらも上のお店の看板。
どうやら、ここは泊まることもできるみたい。 -
石壁に真っ赤なバラ♪
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美しい〜〜〜!!!
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運のいいことに、バラの満開の時期に来合わせたみたいです♪
←降り注ぐ太陽を浴びて輝く赤いバラ。 -
民宿の看板。
センスいいなぁ。横のブルーのよろい戸ともよく合ってます。
この民宿の名『サンタ・マリア』は、村内にあるサンタ・マリア教会にちなんでいるのでしょう。 -
煙突を見ると、ここがもうアラゴンじゃないことを実感。
こういう煙突もオシャレだけど、やっぱりわたしはアラゴンの煙突のほうが好き。 -
村からはボイ渓谷の素晴らしい風景が見渡せます。
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花いっぱいの家。
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うわ〜っ、バラがこぼれんばかりに咲いています〜♪
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村の家々はどこも花がいっぱい。
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ぶらぶら歩いていると、村のおじさんに話しかけられました(写真の真ん中にいる人がそのおじさん)。
スペイン語しか話さない人だったので、なんと言われているのか最初はさっぱりわからなかったけれど、どうやら村の広場にある教会はもう見たか?と聞いているようでした。世界遺産になっているもうひとつの教会のことを言っているみたいです。
おじさんは、わたしたちがまだ見ていないとわかると、「ついておいで」と身振りで示し、すたすた歩き始めました。というわけで、わたしたちはついていくことに。 -
おじさんはわたしたちがちゃんとついてきているか、何度も振り返ります。その教会をどうしてもわたしたちに見せたいみたいです。
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そのサンタ・マリア教会(Santa Maria)のある広場に着くと、おじさんは教会を指差しながら「なんたらかんたら、○▲□×●〜〜!」と言って去っていきました。
←去っていくおじさん -
広場の名も「サンタ・マリア」。
1525年と記されています。広場が造られた年でしょうか。プレートが羊皮紙みたいな感じになっていて素敵。 -
←サンタ・マリア教会(Santa Maria)。
村の入り口にあったサント・クリメント教会と外観がよく似ています。
サント・クリメント教会の見学は有料でしたが、さきほどのおじさんの話によると、こっちの教会は無料なんだそう。
では、中に入ってみます。 -
先ほどの教会と同様、内部は明り取り程度の窓しかありません。これは初期ロマネスク様式の教会の特徴のようです。
こちらはサント・クリメント教会よりさらに質素で、広さもこちらのほうが狭いです。
ここの後陣にもフレスコ画があります。 -
『玉座の聖母子』のフレスコ画。
色鮮やかなタッチはサント・クリメント教会のと共通しているけど、雰囲気はこちらのほうがおごそかな感じがします。
実は、このフレスコ画もレプリカで、このオリジナルもバルセロナのカタルーニャ美術館に移されているそうです。
それにしても、こんな小さな村に建築様式が同じで外観も似通った教会がふたつあるというのは、考えてみると不思議な気がします。村の規模からすればひとつで十分じゃないかと。宗派が違うならわかるけど、どちらもカトリックのはずだし。
気になってちょっと調べてみたら、サント・クリメント教会が献堂されたのが「1123年12月10日」で、こちらのサンタ・マリア教会が献堂されたのが、なんとその翌日の「1123年12月11日」だそう。
てことは、このふたつの教会は同時に建てられたってこと? この時代、教会の建設ラッシュだったそうだけど、いくらなんでもふたつ同時ってちょっとすごすぎない?
うーむ、謎はますます深まるのであった。。。 -
教会を出て、また村の散歩へ。
ひっそりとした村の路地。 -
どのバルコニーも花で飾られています。
その一方で、洗濯物が干されているバルコニーも。
こういう日常の暮らしが垣間見えると、なんだかほっとします。 -
村の煙突たち。
一番奥の煙突からは煙が出ています。
この季節でも、まだ暖炉が使われているのかな? -
美しすぎるコカ・コーラの看板。
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路地はひっそり、ひんやり。
-
家の片隅に咲いていた、満開の白い花。
このあとは、今日の宿があるアルティエス村へ向かいます。
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この旅行記へのコメント (8)
-
- akikoさん 2021/01/30 10:29:15
- とっても魅力的なタウイ村
- ショコラさん
今朝、TVで「旅サラダ」を見ていたら、バスク地方から
ピレネー地方が紹介されていました。
ピレネーではボイ峡谷、タウイ村が登場。魅了的だと感じ、
グーグル検索し、このショコラさんの旅行記に行きついた
次第です。
私はミディピレネー地方のコンクを訪れたことがあり、
タウイ村とコンクの遠景が似ているような気がして、
とても心惹かれました。
サント・クリメント教会の素朴だけど素敵な建物、
そしてロマネスク様式の造りにも魅力を感じました。
石造りの村の家並みにも惚れ惚れ!
石壁につるバラがこぼれんばかりの咲く様子もとっても素敵♪
今は行けませんが、安心していけるようになったら、ぜひ
訪問してみたいです。
またピレネーの他の場所もお邪魔させてくださいね~。
akiko
- ショコラさん からの返信 2021/01/31 18:55:22
- RE: とっても魅力的なタウイ村
- akikoさん、こんにちは。
「旅サラダ」からグーグル検索を経て旅行記を見つけてくださったなんて、ありがとうございます〜。
「旅サラダ」でピレネーのボイ峡谷やタウイ村が紹介されていたんですね!
あ〜、わたし、サン・セバスチャンのところまでは見ていたのですが、そのあと外出してしまって、後半を見なかったんです。
ピレネーのどのあたりが紹介されるんだろうと気になっていましたが、自分が訪れた場所が紹介されていたなんて!
録画しておけばよかった〜。残念!
ピレネーはまだあまり観光地化されていなくて、素朴な佇まいがとても心に残りました。歴史を刻んだ教会や石造りの建物がこじんまりと集まった村で、今もひっそりと生活が営まれていて、そこにいると心が浄化されていくような感じでした。
訪れたのが新緑の季節で、ちょうどバラの季節とも重なってとても綺麗でした。ピレネーに咲くナルシスの風景も目に焼き付いています。。
以前ミディピレネーに行ったとき、コンクまでは行けなかったので、いつかミディピレネーを訪れることができたら、そのときはぜひ行きたいと思っています♪
安心して海外旅行に行けるようになったら、akikoさんもピレネーにもぜひ〜。
ショコラ
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- bloom3476さん 2017/04/05 17:29:15
- とても参考になりました。
- バルセロナのカタルーニャ美術館を訪れる度に、これが有った寺を訪れてみたいと思っていました。それでGWの連休に訪れて見ようと調べる内に、へなちょこハイカー様の旅人に出会いました。村もどこに泊まっtsらわからなかったので、大変参考になりました。レスにフルリーナさんの名 やはり趣味が合う人の世界は狭いなあとニッコリしました。これからも愛読して行きますね、宜しくお願いします。
- ショコラさん からの返信 2017/04/07 15:53:32
- RE: とても参考になりました。
- bloom3476さん、こんにちは。
コメントをありがとうございます。
お返事が遅くなってすみません。
GWにピレネーに行かれるのですね。
タウイ村の旅行記がお役に立ててうれしいです。
bloom3476さんはカタルーニャ美術館でオリジナルをご覧になったのですね!
オリジナルをご覧になった方だと、きっとタウイ村の教会はさらに感慨深いことと思います。
ピレネーは日本語の情報が少なくて、わたしも旅行前は情報収集に苦労しました。トラベラーのフルリーナさんやカヌ太郎さんにいろいろ教えていただきました。
フォローもしてくださってありがとうございます。最近は日本の旅が中心になっていますが(旅行記は1年遅れのアップ……)、来年はヨーロッパに行くことになりそうです。
bloom3476さんは世界各地を旅されているのですね。あらためて旅行記をゆっくり見させていただこうと思います。
ご旅行、楽しんでこられてくださいね。
これからもよろしくお願いします。
ショコラ
-
- フルリーナさん 2009/12/02 01:05:14
- この窓
- この窓たぶんアラバスターという石でできてるんじゃないかな。
アラゴンの古いロマネスクでもこの石が窓に使われていて
うっすらとやわらかく差し込む光がとても美しかったのを覚えています。
ロマネスクの教会のみならず、村の家々のたたずまいも、ほんとに素敵です♪
ピレネー東側はこの間日程が取れずにあきらめたのですが、
いつかぜひ行きたいです。
- ショコラさん からの返信 2009/12/02 13:48:23
- RE: この窓
- フルリーナさん、
こちらへのコメントもありがとうございます!
アラバスターの窓! そうか、これはガラスじゃなくて、光を通す石だったんですね。目からウロコが落ちました〜。もっとじっくり見ておくんだったなぁ。
たしかに差し込む光はとてもやわらかい感じでした。
教えてくださってありがとうございました〜。
ショコラ
-
- カヌ太郎さん 2009/11/15 22:06:26
- ボイ谷
- ショコラさん
あ、ボイ谷ですね。
この谷も世界遺産に登録されて
すっかり有名になったと聞いています。
何十年ぶりに、写真家の田沼武能さんが
まさにここを訪れて
あまりの変化に驚いていたドキュネンタリーを
思い出しました。
それにしても緑が美しいです。
人や町の風景は変わっても
ピレネーの緑の輝きはかわらないでほしいです。
カヌ
- ショコラさん からの返信 2009/11/16 00:26:44
- RE: ボイ谷
- カヌ太郎さん、
そうか、ボイ谷って以前とは様子がずいぶん変わっているんですね。
村のはずれにわりと新しい感じの山小屋風のホテルがけっこうありましたが、こういう建物はきっと以前はなかったのでしょうね。
世界遺産に登録されると観光客も増えて、やはり村の風景も変わってしまうのでしょうね。でも、村を取り巻く美しい緑の山々の風景は、ずっと変わらないでいてほしいものです。
世界遺産の教会以外はなにもないところだったけれど、風景や村の花々を見ているだけで心が満たされる場所でした。
ショコラ
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