2009/01/28 - 2009/01/29
42位(同エリア98件中)
mingさん
「岩山をくりぬいてできた巨大な寺院がある。」地球の歩き方でその記事を読んだ時、自分の目で見ないと気が済まなくなってしまった。そのスケールの大きさは噂に違わぬ壮大さであった。
【生活費】5万円
【飛行機】22万円
【通貨単位】1ルピー=2円
【英語通用度】5人に4人
【旅程】10日間
1/23シェムリアップ
1/24シェムリアップ
1/25シェムリアップ→デリー
1/26デリー
1/27デリー→アーグラー
1/28デリー→アウランガーバード
1/29アウランガーバード→エローラ
1/30アウランガーバード→アジャンター
1/31アウランガーバード→デリー
2/1帰国
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 4.0
- ショッピング
- 4.0
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 25万円 - 30万円
- 交通手段
- タクシー
PR
-
(1)『アウランガーバードへ』
1/28 14:00にデリーからアウランガーバードへ向けて出発した。アウランガーバードは、エローラ・アジャンターといった石窟寺院への拠点となる街であった。
1時間ほど遅れて出発したが、「インディアン航空が遅れるのはよくあることだ。」と後で会ったインド人が言っていた。 -
(2)『デカン高原』
ムンバイを経由し、4時間の飛行の後にアウランガーバードに到着した。飛行機からの景色は、エアーズロックのようなデカン高原が広がっていた。
空港を出ると、観光客が少なかったため、タクシーの運転手5人ほどに囲まれた。そのうちの1人が「(旅の起点となる)バススタンドまで150ルピー(=300円)でどうだ?」と言った。「100ルピー(=200円)なら乗ってもいい。」と答えると、「100ルピーでOKだ。」と交渉がまとまった。 -
(3)『カールティーキー・ホテル』
運転手は70歳になるカーンというシワの深いおじさんであった。20分ほどしてホテル・ラビラージに到着したが、その日は満室であった。運転手は「ホテルが見つかるまで、乗っていきなよ。」と言ってくれたので、バススタンド近くのカールティーキー・ホテルへ向かった。
シャワー付きで400ルピー(=800円)の部屋に泊まることにした。親切に案内してもらったので、運転手に「エローラまでの運転はいくらでできるか?」と尋ねると、「エローラ石窟寺院とアウランガーバードの街を案内して750ルピー(=1500円)でどうだ?」との答えであった。オートリクシャーの往復だけでも700ルピー(=1400円)なので、翌日のエローラも案内してもらうことにした。 -
(4)『ヴァーダ・サンバー』
1/28 朝8:00に起床した。エローラへ行く前に、ホテル内にあるレストランで朝食をとった。ヴァーダ・サンバーは、甘みのない揚げパン(=ヴァーダ)を細かく砕いて、ほんのりコンソメ味のスープ(=サンバー)に浸して食べる現地ではメジャーな一品であった。あまりしつこくなく、インド風お茶漬けといったところであった。 -
(5)『エローラへ出発』
朝9:00にホテルのフロントで待ち合わせて、エローラへ向った。近くのバススタンドから15ルピー(=30円)でバスが出ているが、日本でいう30年以上前のボロいバスに1時間乗り続けるのは、厳しいので却下であった。 -
(6)『バススタンドの大通り』
バススタンドを起点に南へ1kmほど街が広がり、ホテル・レストラン・ネットカフェと旅行に必要な一通りが揃っていた。
写真奥の北側はアジャンターへと続き、写真手前の南側はエローラへと向かう道が続いた。 -
(7)『エローラ石窟寺院に到着』
アウランガーバードからタクシーで50分(=30km)ほど走り、エローラ石窟寺院に到着した。道中では両脇にデカン高原を眺め、後部座席でのんびりとインドの風景を満喫した。
途中で運転手が、「エローラへ行く道は主要道路にもかかわらず凸凹しているだろう。政府の役人が税金をポケットに入れているからなんだよ。」と嘆いていた。 -
(8)『仏教石窟群』
メインの第16窟の前に入口があるため、第1窟まで5分ほど歩いた。写真の第12窟は1・2階が僧たちが住んでいた僧房で、3階が講堂となっていた。 -
(9)『カイラーサナータ寺院』
いよいよメインのカイラーサナータ寺院に到着した。1200年前に、ただの崖が見事な彫刻の門に生まれ変わったが、その驚きも序ノ口であった。 -
(10)『踊るシヴァ神』
入口の手前には、踊るシヴァ神の彫刻があった。ヒンドゥー教で「神の踊り」は「宇宙を動かすエネルギー」を表し、「踊り」は「祈り」に通じるものであった。 -
(11)『寺院へ入場』
エローラは当初訪れる予定ではなかったが、地球の歩き方で、「巨大な岩山をノミで100年以上かけて寺院を削り出した」というカイラーサナータ寺院の存在がとても信じられなかった。
実際にその中に入っても、あまりの大きさに対して「ノミで100年以上」というのは驚き以外何物でもなかった。 -
(12)『ラーマーヤナの彫刻』
石工たちは彫刻に命を吹き込む技を磨き、弟子たちがその技術を受け継いで、石窟寺院が完成していった。 -
(13)『寺院の内部』
壁の上部に残る色の薄い部分は漆喰で、ヒンドゥー教の聖地カイラス山に残った雪を表していた。 -
(14)『寺院の中での不思議な経験』
10日間の旅行は終盤に差し掛かり、寺院に遠足で来ていたインド人の小学生や中学生に、「一緒に写真を撮ってもらえますか?」とか「握手してください。」ととてもフレンドリーに接してくれた。デリーの「日本人=金」の構造とは明らかに違う図式であった。
一方で、日焼けとヒゲとパーマの外見を見て、5人に1人のインド人に「ネパール人ですか?」と尋ねられたのには少し複雑な気持ちであった。 -
(15)『しばし休憩』
入口手前左側の2階で、横になってしばらく寺院を眺めることにした。「1200年ほど前には、この周辺ではノミの音が鳴り響いていたのだろう。」とか「間違って岩を削ったらどうするのだろうか?」、「あの塔の掘り始めは、屋根から順なのか、岩の塊から形を整えたのだろうか?」といった具合に勝手な想像を思いめぐらせていた。 -
(16)『カイラーサナータ中腹より』
遺跡を囲む階段を登ると、中腹から岩山を真下に深く掘り下げて寺院を削り出したことがよくわかった。
元の岩山は高さ33m、奥行き81m、幅47mに渡るものであった。8世紀中頃から約150年・7世代をかけて石工たちがノミでコツコツと岩肌を削り続けて完成させた。 -
(17)『カイラーサナータ裏側より』
岩山の裏側から見ると、さらに壮観であった。最初のノミを入れた瞬間から、何十年という単位で掘り進み、完成されるまでを想像するだけでも気が遠くなった。
今まで「石窟寺院」は、世界史で習った単なる漢字四文字に過ぎなかったが、「掘るという引き算が生み出した途方もない宗教建築作品である」という言葉の重みを実感した。 -
(18)『ミラン・ホテル』
14:00まで4時間歩いた後、ランチをとることにした。
運転手のおすすめで、エローラの入口近くのミラン・ホテルへ行くことにした。
ベジタリアンのレストランで、パニール・コールマ(ヨーグルト入りのカレー)を注文した。観光地の近くのわりにナンとドリンクと合わせても、85ルピー(=170円)であった。 -
(19)『ダウダラバード』
エローラからの帰り道にダウダラバードに立ち寄った。ダウダラバードはアウランガーバードの郊外30分ほどにある12世紀に築かれた砦で、以降イスラーム王朝によって占領が繰り返された軍事的拠点であった。
砦の頂上まで1時間ほど歩くと、小高い丘から広いデカン高原がパノラマ状に一望することができた。 -
(20)『特産品ヒムロー』
16:00にアウランガーバードの街に戻り、30分ほど街の中を回った。運転手が「ヒムローというアウランガーバードの特産品があるが、見てみないか?」と言うので、少し立ち寄ることにした。
ヒムローは、木綿と絹と金糸を使った美しい織物で、昔ながらの機織り機を使って手作業で器用にデザインを織っていた。現在では、街に職人が3人しかいないとのことであった。
「1枚いくらか?」と店の人に尋ねると、「だいたい$35〜$50(3150円〜4500円)くらいだ。」との答えであった。インドの物価から考えても高過ぎるし、いつの間にやらセールスに巻き込まれていたことに気がついた。当初は、見に行くだけとの話であったので、職人の実際に織っている現場を見学して、ホテルへ戻ることにした。
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