2005/06/20 - 2005/06/25
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旅人のくまさんさん
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<2005年6月24日(金)>
今日が、実質的に今回の旅行の最終日です。この日は楽しみにしていたワイトモの土蛍見学もあります。早朝から夜まで、目一杯のスケジュールです。
<早朝の出発、ワイトモへ>
初日にHISの係りの方からお聞きしていたワイトモ・ロトルアの1日観光の出発時間は7時10分でした。昨晩、遅くまで飲みましたから、朝の時間に余裕が無く、少し慌てました。それでも約束の時間には準備が出来、7時8分にはホテルを出発できました。エレベータを降りて、ロビーに歩いて行く途中で、ガイドさんと合流出来ました。
そのガイドさんは、皇室のさる方に良く似た風貌と、おっとりした話しぶりの方でした。どんな字を当てるのか分かりませんが、ハエダさんとお聞きしました。宮崎県出身の25歳の独身の方です。聞くまでも無く、自分から自己紹介されました。運転手さんはモーランさんでした。厳つい顔ですが、もの静かなマオリ族の方です。
この後、2箇所のホテルを回ってワイトモへの道を急ぎました。7時半を回りましたので、高速道路は、そろそろ通勤ラッシュに差し掛かる時間でした。観光客6名、ガイドさん達を含めても総員8名のこじんまりしたツアーでした。
<ニュージーランドの社会事情等>
ハエダさんが車の中で話してくれたニュー人ランド事情を少し紹介しておきます。最初はニュージーランドの列車事情です。結論だけ先に言いますと、非常に不便で、時間もかかるようです。平均時速が50〜60kmで、最高時速も80kmですから、高速道路を走る車に比べても、かなり時間がかかるようです。そして、何より運行本数が少ないようです。
次に車の方です。運転免許は15歳から取得できるそうですが、3年以上の運転経験者が助手席に同乗する限定付の免許です。免許試験の車は自分の所有車でよく、試験官を横に乗せて、30分ほどの路上試験があるようです。その上の中間クラスの免許と最上級のフリークラス免許がありますが、フリークラスを取得するには、やはり日本と同じように18歳位になるようです。1時間の同乗試験と筆記試験があります。
話は変わって、経済や税金のことです。小学校は5年、中学が2年、高校が5年制の12年ですが、高校3年までが義務教育です。18歳になると、一旦社会に出て、働いた上で、自分の進路を決定するのが、一般的なようです。大学の費用は、国が肩代わりしてくれ、社会人になった後は、計画的に返済されるようです。
消費税は12.5%で、老後の年金制度はきちんと整備されています。給料は週払いで、貯蓄の習慣はありません。所得税は20〜30%です。国の財政状況は良く、税率引き下げ論議が出ているようです。
他にも、ワイタンギ条約、エリザベス女王と6代目のマオリ族の女王のことなど、面白い話をお聞きしましたが、もうワイトモに到着しました。
<土蛍見学>
ワイトモでの見学地は、グローワームと呼ばれる鍾乳洞での土蛍見学です。ボートに乗っての見学でした。今回の旅行で、一番印象に残った幻想的な光景でした。天井に群生して青白い光を放つ土蛍の光景は、まるで天の川か、プラネタリュームで覗く、満天の星空のようでした。
土蛍は音と光に敏感ですから、写真撮影は厳禁です。しかし、写真にしてみても、現実に見た光景が、うまく再現できるとは思えない、神々しい光の演出でした。私語も禁止でした。静寂な中で、天井から滴り落ちる水滴の残響が微かに洞窟に響き、その音は今も耳に残っています。
ニュージーランドへの旅行の機会があったら、ロトルアの土蛍の見学だけはお勧めします。これ以上の説明は止めておきます。付録に土蛍に関する簡単な説明を添えておきました。
<ロトルアへ、レストランはゴンドラに乗って>
土蛍の見学の後は、ロトルアへの移動です。2時間ほどの行程です。途中、ニュージーランド最長のワイカト川を渡りました。橋を渡る時、運転手さんが徐行してくれましたから、車から写真撮影が出来ました。
予定通りに13時前には、ワイトモに到着しました。見学の前に昼食です。レストランは、ゴンドラに乗って昇った場所です。晴れた日ですと、後ろに聳えるマウント・ノンゴタハの山頂と、ロトルア湖が一望出来るようです。雨はほとんど上がりましたが、霧が立ち込めていました。
レストランはバイキング方式でした。海産物ではムール貝やキングサーモンなど、肉類では子羊肉、ラムや、各種のハムなどが用意されていました。野菜も種類豊富でした。
折角の馳走ですから、魚介類に白ワイン、ラムに赤ワインを合わせることにして、同時にグラスワインを注文しました。銘柄は分かりません。いずれもハウスワインでした。1杯6ドル50セント、合計13ドルです。十分に、山の中腹でのランチを堪能しました。
<動植物園見学>
最初にキーウィバードのことをお話ししておきます。ニッポニア・ニッポンの学術名を持つ、日本では絶滅した朱鷺と同じような運命を辿り始めています。日本の場合は、中国の支援を受けて繁殖に成功し、数年後の自然繁殖を目指すようですが、ニュージーランドの国鳥、キーウィバードは、この地以外、地球上のどこにも生息していません。
そのキーウィバード、ハエダさんは3回目で始めて動いているところを見学できたそうです。薄明かりの中で忙しく動き回り、長い嘴を使って、餌のミミズ等を探していました。
ハエダさんからはロトルア湖に面した公園で見かけた、キーウィバードと同じように飛べない鳥、「プケコ」と「タカヘ」の話も聞きました。名前が面白い鳥ですが、こちらも良く生き残ってきたものです。
植物園では巨大なシダ類、大きな葉のウラジロなどが印象に残りました。鳥類ではインコや白鳥類がケージに飼われていましたが、ロトルア湖で見かけた野性の鳥、プケコとタカヘのほか、黒鳥等も印象的でした。
動植物園は自然湧水の公園内にあり、各種の鱒科の魚、とりわけ、突然変異した青色の鱒には始めてお目にかかりました。
<牧羊犬、羊の毛刈ショー>
羊の毛刈ショーがロトルア名物の1つです。スプリングファームがその会場でした。毛刈ショーに先立って牧羊犬による羊コントロールのショーがありました。時間を競う公式の競技種目にもなっているようです。吠えたり、睨みを利かせて、所定の場所を通過させたり、追い込んだりする競技です。吠える犬と、睨みを利かせる犬とは別種です。残念ながら、この日は時間内にはコントロールできませんでした。
ショーに先立って、視界の人が出身国を居巣で尋ねていましたが、地元の人、ニュージーランドの遠くから来た人、オーストラリア、イギリス、イギリス以外のヨーロッパの人等、多様でした。一番多かったのが、何組かのツアーで参加した日本人でした。
毛刈ショーの羊は、狭い通路に群れを誘い込んでから、選り分けられました。台の上に上げられた羊は、最初は嫌がっていましたが、急に大人しくなって、まるで催眠術にかけられているようでした。日本には「まな板の鯉」という諺がありますが、「毛刈の羊」がぴったりの光景でした。
電気バリカンを使って、アッと言う間に刈上げられて、丸裸になって仕舞いました。この後は、早く体力を回復させ、毛が生えるよう、沢山の青草が与えられるようです。
この日、一番驚いた話しは、羊の値段のことでした。聞き間違えでなければ、1頭の値段が50ドル、日本円で4千円余りということでした。吃驚する安い値段でした。
<間欠泉、伝統技術訓練所見学>
日本とニュージーランドの温泉事情は大きく異なります。このロトレアでは、間欠泉が枯渇しないよう、温泉の汲み上げが法律で規制されているようです。温泉に入る習慣の日本と違い、専ら目で見る方の、観光を優先させているようです。
最初に見学したのが蛙に因んだ名前が付いた温泉でした。昔見たことがある、別府温泉の地獄温泉に似た泥沼のような温泉です。泡が弾けて泥飛び跳ねる様が、蛙に似ています。
小雨が降り続く天候でしたが、その雨雲に向かって、白い噴煙が高く上がっていました。間欠泉は、1日に8回ほどは噴煙を上げているとガイドブックに記載されていました。
最後にマオリ族の伝統技術である、彫刻を教える訓練校を見学しました。10名余りの人が、大きな丸太や厚い板に向かって、彫刻技術の伝承に真剣に取り組んでいました。
<最後の夜も、お寿司の店で>
ロトルアからオークランドの帰路は約3時間のコースです。一度トイレ休憩を取っただけで、順調に高速道路を走りました。予定では、17時にロトルアを出発して、20時にオークランド帰着でした。
道路が混雑してきたのは、オークランドが近づいた時でした。脇道が無いようですから、流れに従う以外は無いようです。右前方にスカイタワーが見え始めた頃からは、高速道を降りる車も増えて、次第に混雑が緩和されました。結局、予定通りの20時頃にスカイタワーの前のホテルに到着しました。町の中心部に近いので、他の乗客の人も、何人かこの場所で降りました。
私はホテルの部屋には戻らず、そのまま、お寿司屋さんのニッコーに向かいました。閉店の10時までには十分な時間がありました。この日も、スモールサイズの刺身と握りを注文しました。韓国、全州出身の厳さんとは、メールアドレスを交換し、再会を楽しみにお別れしました。本当に美味しい魚を頂戴しました。
ワイトモ鍾乳洞で
満天の空と見紛う天井の青き光に極る神秘
息潜め暗き洞窟進む時滴る音の暫し尾を引く
間欠泉で
空覆う雲を吐き出すロトルアの白き噴煙谷間に満つる
絶滅危惧種キーウィバードに寄せて
朱鷺に似て絶滅辿る飛べぬ鳥息吹き返せ国鳥故に
暗闇に忙(せわ)しく餌を探しおり落葉を漁る長き嘴
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 観光バス 船 タクシー
-
7時10分にホテル出発の、忙しいオプショナルツアーです。ワイトモの土蛍を見学した後、ロトルアの見学に回る13時間コースです。
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最初は電車でのワイトモ行きも考えましたが、実に不便で、時間もかかりそうでした。それで、バスツアーに変更しました。稀に見るのは貨車です。
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総勢8名のこじんまりとしたオプショナルツアーでしたから、見学者にとっては有難い条件です。途中の休憩所です。
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オークランド市内を通過する時に通勤ラッシュがありましたが、、その後は順調な走りでした。予定通りの時間にワイトモに到着しました。
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ホテルを出発して、3時間弱がワイトモ鍾乳洞までの予定時間でした。休憩所兼お土産店です。
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ワイトモで土蛍が生息しているのは、グローワームと呼ばれる鍾乳洞です。その案内表示です。アラヌイ鍾乳洞も案内してあります。
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日本人の現地ガイドさんにお聞きしたところでは、この大木は北米産の杉と言うことでした。成長が早いことが見て取れましたが、日本なら千年はかかる大木です。
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環境が悪化したため、暫くの間は国営だった鍾乳洞です。その後、整備された上で発見者一族の個人管理に戻されたようです。
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赤い敷石を使って綺麗に整備された歩道です。観光地として力が籠められているようでした。
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途中の道は、鬱蒼とした樹木に空を覆われています。所々に明かりが点されていました。大いに期待が膨らむ土蛍見学です。
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ここがグローワーム鍾乳洞の入口になっています。普段は施錠された自動扉を開けてもらっての入場です。
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土蛍見学が終了の出口です。マオリ族の女性現地ガイドさんから、撮影OKの英語アナウンスがありました。皆さん、一斉に写真を撮りました。
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立っている大柄の女性の方が、現地ガイドさんです。天井に張られたロープを頼りに狭い洞窟を進んできました。
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天井から滴り落ちる水滴を避けるために、フード付の服を準備されている人もいました。
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漆黒の中を進んできたのはこの金属製のボートです。全員降りた後、女性ガイドさんが出発地点まで逆戻りしていきました。
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名残が尽きないワイトモの鍾乳洞です。振り返って出口の撮影です。私はその方も含めて撮影です。
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天井の土蛍は、想像以上に幻想的でした。見学地としては今回最大のハイライトでした。カメラ撮影は勿論、私語も禁止されました。
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歩きながらの撮影です。ニュージーランドの土地は肥沃ですから、植物がよく育つようです。殊にこの北島は平均気温も高く、植物の宝庫のようです。
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洞窟の中は、緩い川の流れがあったようです。出口の場所からは、登り勾配の帰り道となりました。
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洞窟は一方通行の見学でしたから、往きとは別の道を通っての戻りです。この階段も始めて通りました。
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出発地点の休憩所兼お土産店に戻ってきました。小休止の後、次の見学地へ向けて出発です。
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遠くに3、4本の細長い樹が見えました。ポプラの木のようです。牧場などに似合う樹です。
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ワイトモの見学の後は、定番コースのロトルア見学です。朝早い時間に出発して、夜に帰着する、見所たっぷりのツアーコースです。
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暫く車の中からの撮影が続きます。オークランド市外を抜けますと、田舎の風景に変わってきました。
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日本で一番長い信濃川より、更に長いワイカト川です。運転手さんがスピードを緩めてくれて、車内からゆっくり見学することが出来ました。
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ワイカト川の光景の続きです。余り高くはありませんが、そそり立った岩がありました。
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日本と余り変わらない国土に、人口は400万人少しです。人口密度では比較にならない国です。その分、緑と自然が残されています。
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ザ・ナショナル・バンクの文字があります。銀行と言っても、2階建ての簡素な建物です。
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家の数が数えられるような小さな町です。農業用機械と思われる赤い車が、目の前を牽引されて行きました。
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J.J.NORMAN LTDの看板がある三角屋根の建物です。想像ですが、旅行代理店当たりの事務所でしょうか。
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